ルドル・フォン・シュトロハイム（ジョジョの奇妙な冒険）の徹底解説・考察まとめ

「柱の男」サンタナを目覚めさせたシュトロハイムだが、その能力はあらゆる点で現代人をはるかに超えていた。部下を皆殺しにされ、このままでは軍事利用どころではないと知ったシュトロハイムは、ジョセフと共闘する。
「柱の男」は太陽光に晒されれば石化をし、動けなくなる為外に誘い出す作戦が取られた。しかし、サンタナは自らの肉体を変形させ、扉を開けようとしていたシュトロハイムの脚をつかみ妨害する。シュトロハイムはジョセフに壁の斧を示し、「おれの脚を切断しろッ！！そうすればあの扉に手がとどく！」と叫んだ。
その提案に驚くジョセフだったが、国の為、作戦の為ならシュトロハイムは自らの脚や命をも投げ出す覚悟であった。それまでサンタナ覚醒の為に捕虜を処刑させる、スピードワゴンを拷問すると言った冷酷な面を見せていたシュトロハイムだが、軍人としての気質や覚悟をも持ち合わせていたことがこのシーンで分かる。
脚を断たれた後、切断面からサンタナに侵入されてしまうが、シュトロハイムは手榴弾で自爆をした。

「JOJO…地獄から舞い戻ったぜ」

ナチス軍と協力することになったジョセフたちだが、ナチス軍がアジトにしていたロッジはカーズの襲撃により中にいた兵士が殺されていた。アジトにたどり着いたジョセフの前に、サイボーグとしてよみがえったシュトロハイムが現れる。「JOJO（ジョセフの愛称）…。地獄から舞い戻ったぜ」と余裕の笑みを浮かべるシュトロハイムは、機関銃や「柱の男」の弱点である紫外線を発射する装置を装着し、サンタナの2倍の腕力を得て復活したのだった。
元よりややエキセントリックなシュトロハイムが、あらゆる意味でパワーアップを遂げて再登場した瞬間である。

「う…うろたえるんじゃあないッ！ドイツ軍人はうろたえないッ！」

カーズとジョセフの決戦の際、シュトロハイムはナチス兵士たちを伴い現れた。カーズに紫外線を浴びせるが、エイジャの赤石をはめた石仮面を被っていたカーズは究極生物となり、太陽という弱点を克服してしまった。
狼狽するナチス兵士に、シュトロハイムは「う…うろたえるんじゃあないッ！ドイツ軍人はうろたえないッ！！」と叫ぶ。シュトロハイム自身も究極生物となったカーズに驚きつつ、それでも誇り高き兵士として平静を保つという一面が垣間見える。
緊迫したシーンではあるがどこかおかしみがあり、一部のファンに人気の高いシーンである。

ルドル・フォン・シュトロハイムの裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

シュトロハイムの名前の由来はドイツの俳優と作者の別作品から

シュトロハイムの名前の由来は、ドイツ出身の映画監督にして俳優のエリッヒ・フォン・シュトロハイムではないかとされている。俳優のシュトロハイムは、ナチスではないが第一次大戦時のドイツ軍将校の役を演じたことがある。
もうひとつの名前の由来として挙げられているのが、『ジョジョの奇妙な冒険』の作者荒木飛呂彦による別作品『バオー来訪者』に登場するドルド中佐である。ドルド中佐は元軍人で半身が機械化されている為、シュトロハイムの下になったキャラクターではないかとされている。

アニメ版ではナチス軍人ではない

テレビアニメ版のシュトロハイムは「ナチス」ではなく「ドイツ」の軍人として描かれている。厳密に言えば「ナチス」という単語が全て「ドイツ」に差し替えられており、ナチス式の敬礼も黒塗りにされていた。

Part5の小説に名前のみで登場した

『ジョジョの奇妙な冒険』Part5をモチーフにした小説版『恥知らずのパープルヘイズ』に、シュトロハイムの名前がある。Part5そのものは2011年のイタリアが舞台であり、原作にはもちろんシュトロハイムは登場しない。
『恥知らずのパープルヘイズ』では、石仮面による不死を研究するチームの責任者がシュトロハイムであったことが語られている。作中には、シュトロハイムが処分しきれなかった石仮面が登場する。