トーマの心臓(萩尾望都)のネタバレ解説・考察まとめ

『トーマの心臓』とは、萩尾望都により1974年から『週刊少女コミック』にて全33回連載された、ドイツのギムナジウムを舞台に少年たちの迷いやふれ合いを描いた少女漫画である。閉鎖的なギムナジウムの中で迷い愛を知る少年たちが繊細描かれており、根強い人気を誇る少女漫画の不朽の名作である。その冬最後の雪の日、ひとりの少年が死んだ。主人公・ユーリの元には一通の短い遺書が届く。儚く美しい少年達の信仰、愛、友情を描く。

『トーマの心臓』の概要

『トーマの心臓』とは、1974年より萩尾望都が『週刊少女コミック』にて全33回連載した、ドイツの全寮制中高等学校であるギムナジウムを舞台にした少女漫画である。ギムナジウムを舞台に描く漫画を「ギムナジウムもの」と呼び、その中でも本作は代表作と言える。コミックスは全3巻で出版され、その後も文庫化やプレミアムエディション(当時の印刷を画像処理し直したもの)など多数の形で出版されている。作者により何度か表紙が書き下ろしされた。
その冬、最後の雪の日の土曜日にトーマ・ヴェルナーは陸橋から転落死する。月曜日の朝、トーマの通っていたシュロッターベッツ高等中学はその話で持ちきりになったが、クラス委員のユーリ(ユリスモール・バイハン)は関心を示さない。だが、ユーリの元にはトーマから遺書とも思える手紙が一通届いていた。
衝撃的な始まりが印象的な本作は、頑なに優等生を貫き通そうとするユーリとトーマの死後に転校してきたトーマそっくりの少年エーリク・フリューリンクを巡り、トーマが残し伝えたかったことを知るまでが描かれる。ギムナジウムという閉鎖的な世界で少年たちが迷い、悩み、愛を知って成長していく姿が、美しく繊細なタッチの絵柄と、詩的で比喩を多用した言葉で綴られている。神の信仰と愛という普遍的なテーマを根底にしており、年齢性別を超えた読者層を持つ。少女漫画革命期の代表作家でもある萩尾望都の初期作品群の中でも名作に挙げられる。
2009年には森博嗣によるノベライズ化、1996年には倉田淳の脚本・演出でStudio Lifeによる舞台化、1988年には本作を原案にした映画化『1999年の夏休み』など、様々なメディア化がされている。
関連作品に、本作の原案とも言われている『11月のギムナジウム』、『ポーの一族』内の短編『小鳥の巣』がある。また番外編として、本作登場のオスカー・ライザーが入学するまでの前日譚『訪問者』、エーリクの後日譚『湖畔にて』がある。

『トーマの心臓』のあらすじ・ストーリー

トーマの死

その冬最後の雪の日、トーマ・ヴェルナーは陸橋から転落死した。トーマは寄宿していたドイツのギムナジウムであるシュロッターベッツ中等4年で、フロイライン(かわいい子)と呼ばれて誰からも愛されていた少年だった。
月曜日の朝、生徒たちはトーマの死を悲しみ、帰省から帰った高等1年でクラス委員のユーリ(ユリスモール・バイハン)に知らせた。優秀で常に冷静沈着なユーリは関心を示さない。「トーマは君が好きだったんだ」と言われても微動だにしなかった。
同室で同級生のオスカー・ライザーから手紙が届いていることを知らされる。トーマは亡くなった土曜日に、一通の手紙を出していた。手紙には「ユリスモールへ さいごに」と始まる短い文章が書かれていた。この手紙が遺書で、トーマが自殺であると悟ったユーリとオスカー。オスカーに「少しでもトーマが好きだったか」と聞かれユーリは強く否定した。
中等4年のトーマと同級生のアンテ・ローエの2人は、どちらが真面目で品行方正なユーリの気を引けるか、という賭けをしたことがあった。ユーリは茶番劇と呼び、トーマに「きみなんか知らない」と告げて冷たくあしらった。トーマがユーリを好きなことが公然となった事件だった。
ユーリはすぐに冷静さを取り戻し、葬式にも行かず、何もなかったかのように日常をやり過ごしていた。だがトーマの死はユーリの心に重くのしかかっていた。深夜、トーマの夢にうなされ過呼吸を起こしてしまう。オスカーが人工呼吸を施しことなきを得たが、偶然居合わせたアンテに見られてしまう。ユーリを眠らせ、アンテを追い払おうとするとアンテは「ユーリとのキスを秘密にするから、ぼくにもキスして」とせがんだ。アンテは密かにオスカーに憧れを抱いていたのだ。
翌朝、授業を休んでユーリはトーマが落ちた陸橋へ行った。覚えてしまった手紙を反芻しながら墓地へ向かい、トーマの思いを断ち切るように手紙を破り捨てた。
トーマを忘れたいと願うユーリだったが、トーマと見間違うほどにそっくりの少年が転校してきた。トーマと違うのは、目の色と巻き毛と跳ねっ返りの性格だけだった。少年はエーリク・フリューリンクといい、ユーリと同学年で母親の再婚を機にケルンから転入してきた。

転校生エーリク

エーリクは転入前はわがままで美しい母、マリエ・シュヴァルツと2人きりで暮らしていた。エーリクはマリエを溺愛し、指には婚約指輪をしていた。何不自由なく、贅沢で気ままに暮らす中で、母はエーリクの家庭教師たちと恋を楽しんでいた。その度にエーリクは家庭教師をクビにしていたが、湖畔で出会った画家、ユーリ・シド・シュヴァルツは違った。マリエは再婚することを決め、エーリクはギムナジウムへとやってきたのだ。エーリクは今までの家庭教師たちと同じようにすぐに恋が終わると信じて、マリエからの帰りを乞う手紙が来ることを願っていた。
一方でユーリはトーマと重なるエーリクが気に入らない。トーマへの苛立ちをエーリクにぶつけるようになっていた。オスカーはエーリクに「ユーリと関わるな」と忠告したが、冷徹な態度とは裏腹に自分に構ってくるユーリを訝しみ、興味を持つようになっていた。無邪気で自由奔放なエーリクをオスカーが「ル・ベベ(赤ちゃん)」と呼んだことから同級生たちにからかわれたが、教師に対しても物怖じせず、素直な性格が幸いし徐々に学校に馴染んでいく。
シュロッターベッツでは、上級生たちが優秀な下級生を選ぶ「ヤコブ館のお茶会」と呼ばれるものがあった。特に目立った成績者がいない場合は、かわいい子を呼ぶのが常習化しておりフロイラインのトーマはお茶会の常連だった。トーマ亡き後はアンテが呼ばれるようになっていたが、お茶会の主催者の1人であるバッカスがエーリクを気に入り、お茶会へ招待した。
ユーリの言動が気になるエーリクは、お茶会で何かわかるかもしれないと参加を決めた。初めは他愛もない話だったが、徐々にトーマとアンテが起こした茶番劇の話になっていく。上級生たちはいかにトーマを可愛がったかを見せようとエーリクにキスをしようとしたが、エーリクは発作を起こして倒れてしまった。
慌てた上級生はユーリを呼んだが、ユーリはヤコブ館に入りたがらなかっため、居合わせたオスカーが救護に向かった。目を覚ましたエーリクは戻る道で「マリエから手紙がこない」とオスカーに泣きつく。エーリクは様々な男に恋をするマリエを自分へ振り向かせるために、自ら息を止めた事があった。それ以降、何かに動揺すると同じように苦しくなるのだという。
親離れできないエーリクに、オスカーは土曜日の外出を勧めた。街にいる普通の女の子に声をかけ会話を楽しむことや、親以外の大人との接し方や、友だちを作ることを教えた。

ユーリの秘密

オスカーとエーリクの距離が近くなったことに嫉妬したアンテは、約束を破り「ユーリとオスカーが深夜にキスしていた」と噂を広めてしまった。
噂を知った生徒たちは大騒ぎするが、ユーリは相変わらず冷徹だった。班長のヘルベルトはあまりの冷静さに、却って苛立つほどだった。その様子を見ていたエーリクは、ユーリの心が空っぽで誰にも打ち解けていないことに気づいてしまう。
ギムナジウムで生徒たちは通常、大人数の部屋で生活するがユーリとオスカーは特別に2人だけで舎監に住み、生徒たちの管理を任されていた。表向きでは、優秀なユーリが不良のオスカーを監視するためであり、オスカーは校長ルドルフ・ミュラーの知り合いの息子だから特別扱いなのだ、とされていた。オスカーは密かに真実を知っていた。子を作れない父グスタフ・ライザーの代わりに母のヘラ(ヘレーネ・ライザー)と子を成したのは校長だった。公にはできない真実を抱え、オスカーは父の愛を欲していた。
オスカーはもう1つ秘密を抱えていた。ユーリが舎監に住んでいるのは優秀だからだけではなく、誰にも見られたくない深い傷跡があるからだ。以前のユーリは本当にいい委員長だった。オスカーは傷跡の秘密が皆にバレないよう側で見守り、ユーリが心を開いてくれるのを待っていた。
キスの話は校長にまで伝わってしまった。校長はオスカーを呼び、部屋の移動を言い渡した。
オスカーに変わって舎監に来たのはエーリクだった。驚きはしたものの、ユーリは平静だった。静かに「君が僕を殺してもいい」とトーマを思い出させるエーリクを拒絶した。エーリクに「心を打ち明けられる友だちはいるか」と聞かれても「必要ない」と答え部屋を出てしまった。
しかしエーリクは少しづつ、ユーリの心にほころびを作っていた。フェンシングの試合中にエーリクの剣先がユーリの服の首元を突いてしまい、隠していた傷跡が露わになってしまう。慌てたオスカーは庇おうとして、ただの傷ではなく火傷の跡だと知っていたことを口走ってしまう。自分の罪の重さに耐えられず、動揺したユーリは謝りに来たエーリクにハサミを向け殺意を口走る。エーリクは倒れざまに「かみさま」と声に出したことでユーリは手を止め、神への信仰を疑わないエーリクに抱きついてしまう。神は存在し、ユーリが密かにトーマを愛していたことを知っていたに違いないのだ。

悪魔との再会と残された恋文

エーリクの元に待ちに待った母マリエからの手紙が届いた。急いで手紙を受け取ると、そこにはマリエが交通事故で死んだと書かれていた。打ちひしがれるエーリクに、ユーリは思わず手を差し出しかけたがやめた。自分の罪は重く、優しくする資格などないからだ。
翌朝エーリクは無断でケルンに帰ってしまった。無断外出は厳罰のため、ユーリが連れ戻しに行くことになった。
エーリクはケルンへの家に着くと、マリエの残した化粧品や服を抱きしめ再婚を許さなかったことを悔やんだ。マリエを必要とし、髪を撫でて欲しかったのは自分の方だった。
翌日、弁護士のアルフォンヌ・キンブルグが訪ねてきた。この家は売りに出されるし、エーリクには相続されないと言う。ハンブルグにいる離婚した実の父親か、再婚相手のシドのどちらかがエーリクの保護者になることを伝えた。思い通りにならないことに逆上したエーリクは、後から到着したユーリにティーポットを投げつけた。キンブルグ氏は「1ペニヒ(1ペニー)も稼げないのに物を壊すな」と叱りエーリクを学校へ送り返す。
シュロッターベッツへ戻る列車を間違えてしまった2人は、降りた駅で八角形のサングラスをした長髪の男サイフリート・ガストに声をかけられる。ユーリは逃げるように列車を乗り換えた。エーリクは訝しんだが、ユーリは口を開かない。サイフリートはシュロッターベッツを放校された元生徒で、ユーリに傷跡を残し、信仰と愛を奪った張本人である。
乗り換えた列車は遅れており、今日中に帰れそうもなかったため、ユーリの家に泊まることになった。ユーリの家に着くと祖母と母シェリー・バイハンが迎えた。母は優しい人だったが、祖母はユーリの父を毛嫌いしユーリの父譲りの黒い髪をけなした。母に似た金髪の妹エリザベート・バイハンは愛されていた。それを聞いたエーリクは激怒するが、ユーリは祖母に父の負債の返済をしてもらい、生活費も出してもらっていることをあげて、自分が完璧な人間になり祖母に返済をしてから見返すと語った。エーリクはユーリが真面目であろうとする理由を知って、ユーリの寂しさを知った。ユーリは自分の犯した罪に苛まれながらも、素直で感情をあらわにし、同情を嫌がらないエーリクのために天使のふりをして見せた。自分以外の寂しさを知ったエーリクはマリエに「もう泣かない」と誓い、学校へ帰っていく。帰ってきた2人を迎えたオスカーは、以前のように穏やかに微笑むユーリに気づいた。
ある日、エーリクは盗癖のある少年レドヴィが図書室で本を抜き取ろうとするのを見つけた。レドヴィが手にしていた本は難解で読めそうもなかったが、ページをめくると紙に書かれたユーリ宛の恋文が挟まっていた。レドヴィがトーマがユーリの読んだ本の跡を追い、書き残したものだと教えてくれた。恋文を読んで、トーマが心からユーリを愛していてユーリのために死んだのだと知ったエーリクは、ユーリを問い詰めた。ユーリはトーマの愛を信じていなかった。

トーマの遺書

エーリクの保護者に、婚約者のシドとトーマの両親が手を挙げた。トーマとエーリクは遠い親戚で、トーマの両親がそっくりなエーリクを養子にしたいと申し出ていた。トーマの家を訪れ彼がどんな少年だったかを知り、自分はトーマにはなれないと養子の話を断る。
交通事故で片足を失ったシドはエーリクの元を訪れ、マリエを愛していたもの同士で暮らそうと言った。エーリクは同意したが「信頼を得たい人がいる」と転校を待ってもらった。エーリクはユーリが好きだと自覚し、ユーリにも皆の前で「君が好きだがらここにいる」とはっきり伝えた。ユーリは冷たくあしらうが、生徒達ははやし立てた。愛を信じてもらえないエーリクは涙ながらに「キスしてくれないと傷跡の秘密をバラすよ」と脅しユーリにキスをさせた。傷跡の秘密はエーリクがトーマに勝つための切り札だと思っていた。
どんな手を使ってもユーリとの関係は悪化する一方だった。エーリクは諦め、ひたすら純粋にユーリに心を開いてもらうように尽くすことにした。
一方でバッカスはサイフリートの悪事に気づき、オスカーを問い詰めていた。ヤコブ館はサイフリートたちの溜まり場だった時期がある。去年の春、イースターの休暇明けに倒れたユーリを介抱したオスカーは、まだ新しいやけどの跡を見てサイフリートのリンチに気づいてしまった。
バッカスとオスカーの会話を偶然聞いてしまったエーリクとユーリ。自分の秘密を知られたユーリは逃げ出した。追いかけたエーリクにユーリはトーマが自分を好きだったことに随分前から気づいていたが「翼がない」と嘆く。自身の犯した罪でユーリは翼を無くしたのだ。エーリクは自身の翼をあげるからトーマのところへ行って欲しいと、無償の愛を捧げた。ユーリは遺書の意味がやっとわかった。トーマもまた、翼を失ったユーリに自らの翼を捧げたのだ。エーリクもオスカーもトーマも、無償の愛を向けてくれていた。神様はどんな人でも愛してくださるのだ。
もう一度神に祈りたいとユーリはボンの神学校に行くことを決め、エーリクに全てを告白する。トーマを心から崇拝し愛していたこと。自分自身をも裏切り、サイフリートの持つ悪の魅力にも惹かれていたこと。そして自らサイフリートの誘いに乗ってヤコブ館に行ったこと。酷い折檻を受け、サイフリートの言いなりに神を否定し彼の足元に跪いたこと。罪を犯してからユーリが心を閉ざしたことに気づいたトーマは、何も聞かずに無償の愛を捧げ、人は愛さないと生きてはいけないと知らせたのだ。
トーマはユーリをつかまえた。エーリクは本に挟まったままのトーマの恋文をユーリに渡し、旅立ちを見送った。

『トーマの心臓』の登場人物・キャラクター

シュロッターベッツの生徒

ユーリ(ユリスモール・バイハン)

高等部1年(14歳)
主人公。品行方正で真面目なクラス委員。成績優秀で先生の代わりに授業や指導も行い、皆の信頼は厚い。父譲りの黒い髪は祖母から疎まれているが故に、完璧な人間になって見返そうと思っている。
自分の犯した罪の重さに苦しみ心を閉ざしているが、以前は皆を愛している良い委員長だった。

トーマ・ヴェルナー

中等科4年(13歳)
大人しく美しい見た目からフロイライン(お嬢さん)と呼ばれ、誰からも愛された少年。ユーリへ手紙を残し亡くなってしまう。

エーリク・フリューリンク

高等部1年(14歳)
トーマの死後にケルンから転入してきた、トーマによく似た巻き毛の少年。母マリエを溺愛し、自由奔放で愛に素直。わがままで世間知らずなためル・べべ(赤ちゃん)というあだ名をつけられる。特技はフェンシング。

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