テイルズ オブ ジ アビス（Tales of the Abyss）のネタバレ解説・考察まとめ

キャラクターに特定の能力を付加するシステム。レべルアップ、またはC・コアの能力値のレベルアップボーナスが一定の値に到達することで習得できる。『バックステップ』や『フリーラン』のようにキャラクターの行動の幅を広げるものから、『EXPプラス』のようにボーナス効果を与えるものまで多種多様にある。

フリーラン

ADスキルの一つ。ML-LMBSで問題となった不自由さを解消したシステム。特定のボタン（デフォルトではL2）を押しながら移動すると、操作キャラクターとターゲットを結ぶラインを無視して、戦闘フィールドを自由に走り回ることが出来る。フリーランの最中は攻撃やジャンプ、術技の使用は不可能であり、敵からの攻撃が必ずクリティカルヒットとなる。『テイルズオブシンフォニア』の時点で考案されてはいたが、ゲームバランスが崩れるとの懸念があり、採用されなかった。

FOF（フィールド・オブ・フォニムズ）

属性攻撃を行うことで戦闘フィールドに一定時間発生する円陣。属性攻撃を行うと、戦闘フィールドに属性の力が留まりFOFが発生する。溜まった属性の力が不十分な場合は白色のFOFが、属性の力が充分に溜まっていれば有色のFOFが発生し、有色のFOFの上で特定の術技を使うと、一段階強力な属性攻撃が発動する。

FS（フォンスロット）チャンパー

特殊アイテムの一つ。術・技にセットすることで特殊効果（ダメージ増加など）を追加することができる。

オーバーリミッツ

ML-LMBSでは条件を満たしたときに発動していたが、本作では画面下部に表示されるゲージを溜めることによって、任意のタイミングで発動できるようになった。発動中は仰け反らなくなる、特定のボタン（デフォルトでは○ボタン）を押すことで秘奥義が発動できるなどの効果を得られる。

『テイルズ オブ ジ アビス』の用語

譜業・譜術

音素を用いた科学技術を『譜業』と呼ぶ。特に音素を用いて作られた機械を『音機関』と呼ぶ。譜業に関してはキムラスカ王国が最も先進的であり、国内に研究・開発機関を置くなどおり、技術開発に推進的である。

音素を原動力とする譜業に対し、音素に干渉することで発生する魔術のような技術を『譜術』と呼ぶ。譜術を操る技術者を『譜術士（フォニマー）』と呼ぶ。譜業とは対照的にマルクト帝国で発展しており、軍隊も譜術士の占める割合が多い。

数が極めて少なく、癒しの力や預言を読み解く力を発揮する第七音素士（セブンスフォニマー）は重宝されている。特に治癒術を操る者を『治癒士（ヒーラー）』、預言を読み解くものを『預言士（スコアラー）』と呼ぶ。この他、歌によって効果を及ぼす『譜歌』と呼ばれる術も存在するが、使えられる者が限られる『ユリアの譜歌』以外は、譜術ほどの効果はない。譜歌の使い手は『音律士（クルーナー）』と呼ばれる。

ユリア・ジュエ

2000年前、星の未来を読み解くことができる第七音素の観測地点を巡り、『譜術戦争（フォニック・ウォー）』と呼ばれる大規模な戦争が起きた。約10年続いた戦争は大地を荒廃させ、その際に使用された兵器による地殻変動が大地の液状化や障気の発生を促したといわれている。この戦争を終わりに導いたのが、当時の天才譜術士『ユリア・ジュエ』である。

彼女は大譜歌によって『ローレライ』と契約を交わし、以後2000年に渡るオールドラントの歴史が事細かに記された『ユリアの預言（スコア）』を残し、第七音素の観測地点を巡る争いに終止符を打った。また、人類はユリアの預言に記された方法に従って外殻大地を作り浮上させ、障気から逃れることができた。

ユリアの譜歌

ユリアがローレライと契約する際に歌ったとされる譜歌。通常、譜歌は譜術に比べ威力が小さいが、ユリアの譜歌は譜術と同等かそれ以上の力を持つ。ユリアの譜歌は7つあり、それぞれ固有の能力を持つが、7つの譜歌を連続して歌うことで、ユリアがローレライと契約する際に歌った『大譜歌』となる。

ローレライの鍵

ローレライとの契約の証としてユリアに授けられたといわれる、譜術の触媒の一種（譜術の力を高める武器） 。第七音素を収束する力を持った剣と、第七音素を拡散する力を持った宝珠（響律譜）からなる。

チーグル

ユリアがローレライと契約する際に力を貸したとされる魔物。ローレライ教団で聖獣とされている。草食で大人しく、人間並みの高い知能を持つ。また、大人のチーグルは火を吐くことができる。通常は人間の言葉は話せないが、ユリアから貰い受けたとされるソーサラーリングを使うことで人語を話すことができる。

預言（スコア）

その名の通り、オールドラントの未来の出来事を記したもの。預言を詠む方法は第七音素自体から読み解く方法と、預言が刻まれた譜石から読み解く方法がある。預言には戦争のような大規模な出来事から一個人の夕食の献立まで、2000年間のオールドラントの歴史が細かく記されている。あまりに膨大な内容のため、山ほどの大きさの譜石が7つも生まれた。それら譜石の一部は無数の破片に砕けて大地に降り注ぎ、一部は空中に舞い上がってオールドラントを取り囲む環となっている。

ユリアの譜石はすべて発見されたわけではなく、特に預言の後半部分が記された第七譜石は全くと言っていいほど発見されていないため、その全容は不明である。しかし、第六譜石の終わり部分に繁栄を示唆する内容が記されており、預言を詠んだ時から2000年後に訪れる大繁栄を予知したものではないかと言われている。この前提のもと、世界を大繁栄に導くために設立されたのが『ローレライ教団』である。そのため、現在のオールドラントでは預言に従って生活することが常識となっており、誕生日にはその後1年の預言を詠んでもらうことが習慣になっている。

惑星の地殻には、その惑星が誕生してから滅亡するまでの『星の記憶』が内包されており、惑星で起きるあらゆる出来事は星の記憶によりあらかじめ定められた出来事である。つまり預言とは『未来の出来事の予知』ではなく、『星の記憶の解読と言語化』であり、的中率が高いのはそのためである。

秘預言（クローズドスコア）

オールドラントに大きくかかわる事象が書かれている一般公開されていない預言。第六譜石と第七譜石がそれに当たる。特に第七譜石は影響の大きさから教団の詠師職以上の一部の人間しか知らない。

第六譜石には、『ローレライの力を継ぐ赤い髪の男児（ルーク）がキムラスカに生まれ、キムラスカを新たな繁栄に導くだろう』『栄光を掴む者、自らの生まれた島（ホド）を滅ぼす。この後季節が一巡りするまでキムラスカとマルクトの間に戦乱が続くであろう』『ローレライの力を継ぐ若者が鉱山の町へ向かい、彼の力によって街は滅びる。そしてルグニカ大陸は戦乱に包まれ、マルクトは領地を失うであろう。それによってキムラスカは栄え、それが未曽有の繁栄の第一歩となる』と書かれている。これに書かれている『栄光を掴むもの』とはヴァンのことを示している。

第七譜石は第六譜石の『キムラスカは栄え、それが未曽有の繁栄の第一歩となる』の続きになっており、『やがてそれ（ローレライの力を継ぐ若者によって鉱山の街が滅び、ルグニカ大陸は戦乱に包まれ、マルクトは領地を失い、キムラスカが栄える）が、オールドラントの死滅を招くことになる』『キムラスカ軍はルグニカ平野を北上し、近隣の村を蹂躙し、要塞の都市を囲む。そして半月ほどでキムラスカはマルクトの王を殺害し、マルクトに勝利するであろう』『要塞の街はうずたかく死体が積まれ、疫病（障気を吸ったことによって起こる病気）が流行り、多くの人間が死んでいく。これがマルクトの最後である。以後十数年に渡り栄光に包まれるキムラスカであるが、マルクトで流行った病は勢いを増し、やがて一人の男によってキムラスカに持ち込まれるであろう』『こうしてオールドラントは障気によって破壊され、塵と化すであろう。これがオールドラントの最後である』と書かれている。オールドラントの破滅の未来が書かれているため、第七譜石は『消滅預言（ラストジャッジメントスコア）』とも呼ばれている。

ちなみにヴァンはこの預言をホドが滅びた後に知った。当初はアッシュ（本物のルーク）をさらい、レプリカルークを作り、アクゼリュスでレプリカルークを犠牲にし、本物のルーク（アッシュ）とともに全ての消滅預言を覆す予定だった。