テイルズ オブ デスティニー2(Tales of Destiny 2)のネタバレ解説・考察まとめ

『テイルズ オブ デスティニー2』とはナムコから発売されたPlayStation 2用のRPGゲームで、『テイルズ オブ デスティニー』の続編である。
ゲームの他にドラマCDやコミック等にメディア展開している。
今から18年前、巨大レンズ「神の眼」を巡る騒乱があった。主人公のカイルは神の眼の脅威から世界を救った四英雄の内の2人、スタンとルーティの間に生まれた息子で両親の様な英雄に憧れていた。ある日遺跡で「英雄を探している」と言う謎の少女リアラと出会い、カイルの英雄になる為の旅が始まる。

『テイルズ オブ デスティニー2』の概要

『テイルズ オブ デスティニー2』とは2002年11月28日にナムコから発売されたPlayStation 2(以下PS2)用RPGゲームで、『テイルズ オブ デスティニー』の続編である。
2007年2月15日にはPlayStation Portable(以下PSP)版が発売された。テイルズオブシリーズのマザーシップタイトル第4作目で、シリーズ内のジャンル名は「運命を解き放つRPG」である。
本作は1997年12月23日にPlayStation用ソフトとして発売された『テイルズ オブ デスティニー』の18年後が舞台となっており、『テイルズ オブ』シリーズ初の続編タイトルとなっている。前作に登場したキャラクターが数多く登場し、前作をプレイした経験のあるユーザーが楽しめる要素がたくさん盛り込まれている。しかし、前作のプレイ経験がないユーザーでも舞台背景が把握できる様に作中で説明がしっかり語られるという工夫がされている。

本作の戦闘システムには「SP(スピリッツポイント)ゲージ」という独特のシステムが存在し、味方のSPを保ちながら、いかに敵のSPを減らしていくかが勝敗を分ける。少々難易度の高い戦闘システムとなっているが、ユーザー達の間では『テイルズ オブ』シリーズ最高峰の戦闘システムだと評価されている。また、戦闘勝利後のキャラクター同士の掛け合いや2周目以降をより楽しむ為のGRADEショップ等、後の『テイルズ オブ』シリーズでお馴染みとなるシステムの基礎を取り入れたのも本作である。

OP主題歌は倉木麻衣の「key to my heart」が起用されており、Production I.Gがアニメーションを制作している。いのまたむつみがキャラクターデザインを務めている。ゲームの他にアンソロジードラマCD、ライトノベル、漫画にメディア展開されている作品である。

今から18年前、強大なエネルギーを持つ巨大レンズ「神の眼」によって地上が死滅しかけるという騒乱が起きた。神の眼を破壊して世界を救ったのはソーディアンという特殊な剣を持つ4人の冒険者達だった。4人の冒険者達は後に四英雄と呼ばれる存在となる。そんな四英雄の内の2人、スタンとルーティの間に生まれた主人公カイルは、両親の様な英雄になりたいと強い憧れを持つ元気な少年である。
ある日、親友で兄貴分のロニと共に巨大なレンズがあると噂のラグナ遺跡へ向かうと、そこで「英雄を探している」と言う謎の少女リアラと出会う。リアラの探している英雄に自分がなると決めたカイルは少女を追いかけて旅に出る。やがてその旅は世界の未来を左右する大きな冒険へと発展し、カイルは英雄とは何か考え成長していく。

『テイルズ オブ デスティニー2』のあらすじ・ストーリー

プロローグ

今から18年前。世界最大のレンズ「神の眼」を巡る大きな戦いがあった。ソーディアンと呼ばれる特殊な武器を携えた4人の剣士が立ち上がりその戦いを終わらせる。「神の眼」を使って、地表を削り取って空中都市を作り上げようとした天上王ミクトランを倒し、地上世界の平和を守った4人は「四英雄」と呼ばれる存在となった。

カイルの旅立ち

巨大なレンズが割れ、中から少女が現れる

そして月日が流れ、現在。四英雄のスタンとルーティの息子カイルは街の子供達と一緒に街の外へ冒険に出掛けていた。しかし冒険の途中でモンスターに襲われ危機的状況に陥ってしまう。そこへカイルの兄貴分で親友のロニが現れてこの危機を救う。カイルは緊張の糸が切れると気を失ってしまうが、気が付くとロニに背負われてクレスタの街に戻ってきていた。
ロニはカイルの両親が切り盛りする孤児院で幼少期を過ごした青年で、今は孤児院を離れてアタモニ神団の騎士団に所属している。クレスタの近くにあるラグナ遺跡という場所で発見された巨大なレンズの調査を行う調査団の護衛任務で近くまで来た為故郷に帰ってきたのだった。ラグナ遺跡にある巨大レンズには300万ガルド以上の価値があると判明しており、そのレンズを手に入れられれば、ボロボロの孤児院も修繕できるだろうとロニは話す。カイル達の暮らす孤児院は建て直しができる程のお金がなくボロボロの建物であった為、カイルはロニの話を聞くとその巨大レンズを探しに行こう言い出す。ロニは仕方なく了承するが、母ルーティの許可を得てからと条件を出す。久しく会っていなかったロニとルーティは再会を喜び会い話をするが、カイルのラグナ遺跡行きは却下されてしまう。しかし諦めきれないカイルは翌朝、ルーティには内緒でロニとラグナ遺跡へと出発する。
ラグナ遺跡に到着するとロニが護衛してきた調査団も調査の為ラグナ遺跡を訪れていた。カイル達は調査団より先に巨大レンズの下へ到着することに成功する。カイルがレンズに近づくとレンズが光出して割れてしまう。そしてレンズの中からピンクの服を着た少女が現れ「歴史を変えられる程の英雄を探している」と呟く。英雄の両親を持つカイルは自分が英雄になってみせると名乗り出る。しかしリアラはカイルを見ると「あなたは英雄なんかじゃない」と告げ、カイル達の前から去ってしまう。カイルは急いで少女を追いかけようとするが、調査団と出くわしてしまい、レンズ泥棒の容疑でダリルシェイドという街まで連行されてしまった。

ダリルシェイドの地下牢に閉じ込められたカイルとロニ。捕まっているにも関わらずカイルは冒険が始まったのだとワクワクしていた。先程の少女が求めていた英雄は未来の自分なのだと信じ込み、この牢を出てクレスタに戻ったら英雄になる冒険の旅に出るとカイルは語った。話を聞いたロニはカイルに付いて行くと言い、今所属しているアタモニ神団を抜けると決意する。
そこへ2人の話を聞いていた仮面の少年が突然姿を現し「英雄はなりたいと思ってなるものではない」と言う。仮面の少年はカイルの顔を見ると両親が四英雄の内の2人だと気付き、カイルとロニに牢屋を出る手引きをしてやろうと言い出した。仮面の少年が名乗らなかったので、カイルは「ジューダス」と呼ぶことに決め、3人で牢の扉を破壊して脱走する。しかし、見張りがいて建物の外には出られそうになかった。そこでジューダスはカイルとロニをとある部屋の壁の前まで連れてくると、隠し通路を教えそこから水路を辿って街の外へ出ることに成功する。ダリルシェイドを出た所で、カイルはジューダスにお礼を言って別れると、ロニと共にクレスタへ戻る。
クレスタに到着する頃にはもう夜になっていた。怒られる覚悟で孤児院に戻ると、ルーティはカイルとロニをとても心配していたと頬を叩いて叱る。カイルはそんなルーティに怯まず、父の様な英雄になる為に冒険に出たいと真剣に伝える。ルーティはそれを聞くと押し黙って孤児院の外に出ていってしまった。ロニはカイルに明日また話そうと助言し寝室へ戻る。外のベンチではルーティが夫スタンにカイルの様子を伝えるかの様に1人で話をして、明日カイルがまた冒険に出たいと言ってきたら送り出す覚悟をしていた。
翌朝、カイルがルーティに旅に出たいと切り出そうとすると、ルーティからスタンが昔使っていた道具と軍資金を渡し、ロニと旅に出ることを許し送り出す。こうしてカイルとロニは「英雄になる為の旅」に出発するのだった。

まずはラグナ神殿で出会った少女を探そうとする。ロニは彼女が言った「英雄を探している」という言葉をヒントに、四英雄の誰かに会いに行ったのではないか推測する。ルーティの所には来ていないし、行方が分からないスタンはカイル達も探す手がかりがない。残りの2人、ファンダリア地方のウッドロウ王かアタモニ神団の女性司祭でストレイライズ大神殿にいるフィリアのどちらかに会いに行ったとロニは考えた。ファンダリアに行くには船に乗る必要があり、ストレイライズ大神殿はアイグレッテという街にある。2人に会う為、一先ずアイグレッテという港を目指すことになった。
途中にあるハーメンツヴァレーという谷にやってきたカイルとロニだったが、橋が壊れてしまっていて通れなくなっていた。近くにいた商人に「ピンクの服を着た少女が崖を降りていった」と話すので、カイル達も後を追って崖を降りる。そこで少女が身に付けていたペンダントが落ちているのに気付いたカイル達は少女と会った時に渡そうと持っていく。先に進むと少女が泣きながら探し物をしていた。カイルがペンダントを少女に渡すと少女はお礼を言いながらも、もう関わらないでほしいと言って去ってしまう。
再び少女を追いかけてハーメンツヴァレーを抜けるとアイグレッテの街に到着する。宿屋に向かうと、アタモニ神団の現指導者である女性神官のエルレインが街に来ているとの情報を得る。ロニの話では、エルレインは人々に奇跡を見せて信者を集めているらしく、彼女が指導者となってからアタモニ神団はおかしくなったという。街の広場には人だかりができており、カイルとロニもその中に紛れると、エルレインが現れ祝福の言葉を口にすると集まっていた何人かの人々の体調が良くなる奇跡を起こす。カイルとロニはエルレインの身に付けていたペンダントが先程会った少女のペンダントと同じ物だと気付くと、エルレインの前に飛び出しペンダントを返せと叫ぶ。慌ててロニが同じペンダントをしている少女がいるのだとエルレインに説明すると誤解が解け、お互いに自己紹介をした後に別れる。
カイルはエルレインと追っている少女が似ていたと感じながらもロニと宿屋へ向かう。すると宿屋の主人がエルレインと同じペンダントをした少女がストレイライズ大神殿へ向かったのを目撃したと言う。カイルが慌ててストレイライズ大神殿へ向かうが門番の兵士に追い返されてしまう。ロニが騎士団にいた頃に隊長から街の下に古い遺跡があって、そこが大神殿の中に繋がっていると聞いたことがあることを思い出す。
街を捜索し遺跡の入口を見つけて中に入ると話の通り、大神殿の中へと繋がっていた。カイル達が少女を探していると、扉の向こうから少女の声が聞こえてきた。少女はフィリアと面会し、世界を変えられる程の力を自分も得る為に英雄に出会いたいと少女は話す。そんな強大な力を得たとして、何にその力を使うのかとフィリアが尋ねると少女は黙り込んでしまう。そんな2人の前に謎の大男が現れ、フィリアの武器を向ける。外で彼らのやり取りを聞いていたカイルとロニは乗り込み、大男と対峙する。圧倒的な力の差にカイル達が押されていると、ジューダスが突然現れカイル達を救う。大男は「自分はバルバトス=ゲーティアだ」と名乗り姿を消した。
バルバトスの攻撃を受けて倒れたフィリアを彼女の私室まで運ぶと、少女は自分の力が足りないばかりにフィリアに怪我を負わせてしまったことを悔やむ。カイルはそんな少女に「反省はしても後悔はしちゃいけない」と励ましの言葉をかける。フィリアも目が覚めると少女に「英雄に会う術は知らないが自分が強くなる為には仲間を得ることだ」と伝える。カイルが仲間になることを申し出ると、少女は「リアラ」と名乗りカイルの手を取り仲間となることを決めた。フィリアはリアラに「私の命はリアラさんが守った。あなたには確かな力がある。自分を信じてあげて」と告げ、カイル達を送り出した。その後で、フィリアはカイルがスタンとルーティの息子だと気が付くとリアラの求めているものは近くにあるのかもしれないと思っていた。

カイルは突然助けに現れたジューダスにお礼を言おうとするが、ジューダスは偶然通りかかったから気まぐれで助けただけだとぶっきらぼうに答える。カイルはその言葉を嘘だと言い、何故ジューダスが自分達を助けてくれるのかジューダスに尋ねる。ジューダスはカイル達があぶなかっしくてイライラすると答える。遠くで見てないで仲間になればいいと提案するカイルに乗せられ、ジューダスも旅に同行することになった。
リアラはファンダリア地方を治める四英雄の1人ウッドロウ王に会いたいと言うので、カイル達はファンダリアへ船で渡る為アイグレッテの港へ向かう。ファンダリアへ行く船に乗ると、カイルとリアラは2人でお互いのことを話し合う。リアラが英雄を求める理由を話そうとした時、いきなり船が激しい揺れに見舞われる。慌てて舳先を見に行くとデビルズ・リーフの主と呼ばれるモンスターの触手に船が襲われていた。カイル達が触手を倒すと、今度は船底にモンスターが現れたと言うのでカイル達が向かうとモンスターの本体が船に穴を開けて襲ってきていた。モンスターの本体を倒すことには成功するが、船には穴が開き、沈みかけている。カイルとロニが船員を甲板まで避難させに向かうと、船底に残ったジューダスはリアラに「何故力を使わない。おまえの力ならここにいる全員を救うことができるはずだ」と問いかける。リアラが「今の私の力では…」と自信なく答える。付いてこないリアラとジューダスを心配してカイルが迎えに行き、船員を全員甲板に上げるが、船はどんどん沈んでいく。ジューダスがリアラに力を使えと促すとリアラは戸惑いながらも自分の持つ力を使う。すると船が一瞬浮き上がる。リアラは必死に力を使い続けるが、今の自分ではこれ以上無理だと弱音を吐く。カイルはそんなリアラを励まし支えると、船は無事に近くの砂浜まで飛んで行き、全員が助かった。奇跡の力を使ったリアラは力尽き気を失ってしまう。
船の一室でリアラを休ませ、今後のことを話し合うカイル達。船長の話をするが、船には穴が開いてしまっている為これ以上海路を進むことはできないと言う。倒れて意識の戻らないリアラも放ってはおけないと考えていると近くにリーネという村があるので、そこでリアラを休ませてはどうかと船長に教えられる。船長はリアラの回復を待っている間に船の応急処置を済ませ、ノイシュタットという港町でカイル達を待つと約束してくれた。リーネ村はカイルの父スタンの生まれ故郷でスタンの妹リリスがいた為、彼女の家を訪ね、リアラを休ませてもらう。リリスは快くカイル達を招き入れ、そこでスタンについての昔話を聞かせる。その夜、なかなか寝付けないカイルとロニはスタンについて話をする。ロニはかつてスタンが自分に「自分と相手を信じ続けろ。そうしたら最後はきっとうまくいく」と語ったことを教え、スタンが英雄と呼ばれるのは心が強い人だからだとカイルに伝えて眠りについた。
翌朝、カイルは目を覚ますと、一人で考え事がしたいと家の外に出たというリアラを呼びにいく。カイルはリアラに声をかけて元気になったことを確認すると、船を救ったことを褒める。リアラは今回はたまたま上手くいっただけだと自身なさ気に答えると、カイルは「自分と相手を信じ続けろ。そうしたら最後はきっとうまくいく」と昨夜ロニに教えてもらったスタンの言葉をリアラにも教え励ました。

カイル達は朝食を済ませた後、リーネ村を出てノイシュタット方面へ向かう。霧深い山道を歩いていると山小屋を見つけたので休憩を取ることになった。ジューダスが見張りを買って出たので残りの3人はは睡眠を取る。ジューダスはカイル達が眠っているのを確認すると「シャル」と呼ばれる剣を抜き会話を始める。その声に起きたロニはジューダスとカイルについて口論を始めてしまう。2人の声に起きてしまったリアラはロニの強張った顔と今にもジューダスに殴りかかりそうな勢いだった様子を見て何事か問いただす。ロニはなんでもないと大声でリアラを突き放してしまい、3人の間で不穏な空気が流れる。そこへカイルが寝言を言ったことで緊張の糸が切れ、ロニが見張りを交代してジューダスとリアラも再び仮眠を取った。
その後ノイシュタットへ到着するが船の修理にはまだ時間がかかるとのことだった。しかしウッドロウのいるファンダリア地方へ向かうには船を使うしか方法はない為、ノイシュタットで待つことになった。そこへ商人の男がカイル達に近付いてきて、かつてこの街にあったオベロン社という会社の支部から消えた金庫が廃坑にあるらしいので取ってきてほしいと依頼を受ける。カイル達が廃坑の奥へ向かうと箱の様な物が見つかった。ジューダスは箱の中身はこの鉱山でのみ採掘される特殊な鉱石で、18年前に空中都市の中心ダイクロフトにあった地殻を破壊する兵器ベルクラントに使うレンズの力を増幅させる石なのだと教える。この石があれば、ベルクラントと同じ様な兵器が作れると言うが、実際には石の使い方を知る者は誰もいない為ベルクラントの復活は無理だと言われていた。商人に頼まれた金庫を入手すると、廃坑の奥が光っているのが見えた。奥へ向かうと、岩の切れ目から光が入り花が咲いている場所があり、その奥には石碑が建っていた。その石碑には、オベロン社のノイシュタット支部長だったイレーヌが鉱石の使い道とノイシュタットの貧富の差をなくして繁栄をもたらす様にとの願いが書かれていた。それを読んだカイル達はこの場所が綺麗な状態で残っていることが本当の宝なんだと話す。ジューダスはそれを聞いて穏やかに微笑むのだった。
カイル達はノイシュタットに戻って商人に廃坑の金庫の中身である鉱石を渡して報酬を受け取ると。船着き場まで向かう。船の修理は完了しており、船長に声をかけるとファンダリアのスノーフリアまで乗せていけると言うので、早速乗船する。

船の上ではロニがジューダスと話をしていた。スタンが冒険に出ていたことやイレーヌがオベロン社の幹部だったことは10年以上前のことなのに、ジューダスが当事者だったかの様に知っている訳をロニはどうしても知りたかった。しかしジューダスは「信用できないなら、はっきりそう言え」と突け放す。カイルはそんな2人を見つけると仲裁に入る。ジューダスはロニだけではなく、リアラもまた自分の正体を探ろうとしていることを明かす。そこへリアラも現れ、自分の持つ力のことを何故知っていたのかジューダスに問う。ジューダスはリアラに自分が何者なのか正直に話すことができれば自分も正体を明かそうと言うがリアラは口を閉ざしてしまった。その後ジューダスは正体がわからないと駄目だと言うならこれ以上一緒に旅はできないとカイル達に告げてその場を離れる。カイルはジューダスを追いかけて「年齢や正体は関係ない。オレはジューダスを信じてる。だから一緒に旅を続けよう」と声をかける。ジューダスが正体を明かさないことを責めないのかカイルに尋ねるがカイルはその秘密も含めてジューダスが好きなのだと答えた。ジューダスはカイルの答えを聞いてロニに謝罪すると、旅に再び同行することに決めた。

スノーフリアの港に到着すると、陸路を通ってウッドロウのいるハイデルベルグという街へ向かう。ハイデルベルグにある王城へ行って見張りの兵士に「スタンの息子のカイルが来た」と陛下に伝える様ロニが頼むとすぐに謁見の許可が下りる。ジューダスはカイル達だけで会ってこいと言って城を出ていってしまったので、カイルとロニとリアラの3人でウッドロウに会うことになった。謁見の間に向かうと、ウッドロウはエルレインと面会していた。エルレインは人々の幸福の為にレンズの提供を求めていたが、ウッドロウは18年前の神の眼を巡る動乱が信仰心の篤い大司祭から始まったことを理由にレンズの提供を拒んだ。エルレインは出直すと言って謁見の間を後にすると、そこでカイル達に遭遇する。リアラを見たエルレインは何かに気が付いた顔をするがそのまま何も言わず去ってしまった。
改めてカイル達がウッドロウに会いに行くとウッドロウは「戦友であるスタンとルーティの息子なら自分の息子も同然だ。これからは気軽に会いに来てほしい」と言ってカイル達の訪問を快く受け入れた。リアラがウッドロウを確認するが、残念ながら探していた英雄ではなかった。カイルはリアラを励まし、ウッドロウにリアラが英雄を探していることを説明する。その話を聞いてウッドロウはカイルに英雄になる素質を受け継いでいると伝え、英雄探しは難しいだろうが諦めないことが肝心だと助言した。ロニが先程エルレインがウッドロウを訪ねてきた訳を聞くと、彼女がレンズを求めてきたことをウッドロウは話す。18年前の動乱後、人々がレンズに依存しなくなったがむやみに捨てれば拾って悪用する者が現れると考えた結果、一先ずハイデルベルグ城で回収したレンズを保管していた。カイル達はウッドロウの誠実な人柄に触れ、国民が王を信頼していることを実感した。
ウッドロウとの面会を終えるとジューダスと合流する。カイルはジューダスにウッドロウの人柄や自分に英雄の素質があると言われたことを嬉々として話す。それを聞いたジューダスは「カイルに『英雄スタンの息子』だという後ろ盾があるからそう言われたに過ぎない。仲間のことを考えられない様な奴は決して英雄になれない」と叱責する。ジューダスの叱責にカイルは走ってその場から去っていく。ロニがジューダスに正論だが言いすぎだと掴みかかるが、ジューダスはカイルがなりたがっているのはスタンの様に常に仲間を思いやる英雄なのだから、たとえカイルが傷つく言い方になったとしてもはっきり言ってやらなければならないと話す。
リアラはカイルを追って声をかける。カイルはジューダスに言われたことが正論で、旅に出たことで一人前になったつもりでいた自分が恥ずかしくなって逃げ出してしまったとリアラに話す。カイルが街をぶらついて頭を冷やすと言うのでリアラはそれに同行する。高台にある公園まで来ると、辺り一面真っ白な雪原を見てリアラは「先が見えなくて不安になる」と言うがカイルは逆に「この先に何があるのか分からなくてワクワクする」と言う。リアラはそんなカイルの前向きな考え方がみんな好きなんだと思い「あなたが私の探している英雄ならよかったのに…」と呟いた。

2人が公園で話をしていると、突然街の鐘が鳴り響き、空からモンスターが城めがけて突っ込んできた。ロニとジューダスと合流してハイデルベルグ城に向かうと攻め込んできたモンスターにやられて怪我をした兵士に事情を尋ねる。兵士はモンスターを率いてきた男がウッドロウの命を狙っていると言うので、カイル達はウッドロウの下へ急ぐ。謁見の間まで行くとサブノックという男がカイル達に勝負を挑んできた。カイル達はサブノックを倒すと、ウッドロウはバルバトスに刺されていた。カイルはバルバトスに突っ込んでいくが、バルバトスは「後はあの女が勝手にすること」だと言って去っていった。ジューダスがウッドロウに駆け寄ると傷は深かったが急所は外れている為なんとか助かると判明する。
リアラはフィリアに続いてウッドロウまでも襲撃されたことを「あの人の仕業なの?」と言う。するとカイル達の前にエルレインが姿を現す。エルレインは刺されたウッドロウを見て「あの時素直にレンズを渡していればこんな目に遭わずに済んだものを…」と呟いた。リアラはエルレインに「あなたはは間違っている。こんなやり方で人々は救えはしない」と指摘する。しかしエルレインはリアラの指摘を払い除け、「未だに何も見出せないおまえに救いが語れるのか?」と問う。ロニはエルレインが黒幕だと睨み斬りかかるが、突然エルレインの前に現れたガープという男に阻まれ押し返されてしまう。エルレインは帰れと言うとリアラを謎の光で包み込む。リアラを助けようとカイル、ロニ、ジューダスも光の中に飛び込むとハイデルベルグ城からカイル達の姿は消えてしまった。

10年後の世界

カイルはリアラの呼ぶ声で目を覚ます。辺りを見渡すとそこはアイグレッテのすぐ近くであった。しかしアイグレッテは先日訪ねた時と少し雰囲気が違う様にカイルが感じるとリアラは「10年もたてば、このぐらい変わるわ」と言う。リアラの話では、エルレインの力で10年後の未来に飛ばされたらしい。信じられないカイルは冗談だろうと言うが、街の広場には以前訪れた時にはなかったフォルトゥナ神と呼ばれる大きな銅像が建てられていた。エルレインはリアラを未来に飛ばす力を使い、カイル達はそれに巻き込まれたのだった。カイルがフォルトゥナ神とは何かとリアラに尋ねると、リアラはこの時代にはフォルトゥナ神という神様が実在すると答えた。
カイルとリアラが話をしていると、街の人々が出産式が始まると言って大神殿へ急ぐ姿を目撃する。リアラはカイルに出産式に同席することを提案して大神殿へ向かう。大神殿には多くの人々が集まっていたが、出産にも関わらず医者がいないことに疑問を持つカイル。司祭が神の力を借りると言うと司祭の腕の中には赤ん坊が抱きかかえられていた。この赤ん坊は司祭の前にいる夫婦の子供だった。司祭が無事に子供が誕生したことを夫婦に伝えると、夫婦は淡々とお礼を述べる。リアラはここでは神の力を借りて無痛で産後の病気のリスクもない安全な出産方法が行われているのだと説明する。
しかしカイルは、自分達の子供が生まれたにも関わらず嬉しそうな表情1つ見せない夫婦に違和感を覚える。出産式は進み、司祭が生まれた子供の名前を「J-237」と名付け、3年間の初期保育期間を終了したら夫婦に引き渡すと言った。カイルは子供の名前がアルファベットと数字であることに驚くが、子供の親である夫婦もまた「E-102」と「G-113」と呼ばれたので更に驚く。リアラに訳を聞くとこの街では人は名前ではなく番号で管理されていることと、生まれて3年間は保育専門の人が預かり初期保育を施した後に親に引き渡されることを説明した。カイルはその説明を聞いておかしいと言おうとすると、入口の方から変だと思うだろうと女性が声をかけてきた。カイルとリアラが振り向くとそこには長い髪の女性が立っていた。女性はこの街でまともな思考の持ち主に会えるとは思わなくてついカイル達に声をかけたと言う。カイル達が女性に近づいて話を聞くと、子供が生まれたのに親があんなに平然としていられるなんて自分の村ではありえないことだと言う。カイルもその意見に同意するが、リアラは出産で生じる命のリスクがなくなり、子供も問題なく育つので結果として幸せになれると発言する。リアラの言葉にカイルは反論しようとすると、女性は2人にカイルとリアラかと質問する。カイルがどうして自分達の名前を知っているのか尋ねると、女性の村に男2人組がやってきてカイル達を探しているのだと答えた。その2人組がロニとジューダスだと気付いたカイル達はナナリーと名乗る女性の案内で彼女の村ホープタウンへ急いだ。

ホープタウンのあるカルバレイス大陸に行く為には船に乗ることになる。船でカイルはリアラにここが10年後で神様が実在するということを知っていたのは何故かと問う。リアラは実はこの世界の人間で、訳あってカイル達の時代にやってきたのだと答えるが、それ以外は言えないと話す。カイルは驚くが、それ以上は詮索せず、下船の準備に向かった。そこへナナリーがやってきて、リアラに「2人の聖女」なのかと尋ねる。リアラは自分の正体に気付いているナナリーに驚くが、カイルに正体を明かさないでと頼む。ナナリーはその頼みを受け入れるが、リアラは内心いつかカイルにもこの事実を知られてしまうだろうと不安を募らせていた。
船はカルバレイス大陸のチェリクという港町に到着した。チェリクを出てヒートリバーという川を渡ってホープタウンに着くとロニとジューダスに再会する。ナナリーは食事の準備の為一旦カイル達から離れ、カイル達は村の中を見て回る。すると、村の隅にあるお墓の前でナナリーを発見する。このお墓は不治の病で亡くなったナナリーの弟ルーの墓で、遠出から帰ってきたり嬉しいことがあるとルーに報告する為にここに来るのだとロニとジューダスは説明する。ルーの病院は普通の治療では治せないものだった。リアラはフォルトゥナ神に帰依すれば神の力で治してもらえたはずだと言うが、ナナリーはフォルトゥナ神に帰依して生きてる実感がわかないアイグレッテで一生を過ごしたくなかったと答えた。短い間だったが、ルーはホープタウンで毎日楽しく過ごせて幸せだったとナナリーは語った。カイル達は雑貨屋に入ると、休憩しながらエルレインに飛ばされてからの出来事をお互いに話合った。カイルがアイグレッテで見聞きしたことを話すとロニとジューダスもアイグレッテの街の様子に違和感を感じた。神様とフォルトゥナ神団が何もかもやってくれるから街の人々は生きるということを放棄していると感じていた。カイルも神様は何でもできるのに、何故街の人々を番号で管理したり生まれたての子供を3年間も初期保育を施すのか疑問を持ち、そんな神様ならいらないと発言する。リアラがカイルの発言に驚いていると、ナナリーもカイルの意見に同意し、だからルーと共にホープタウンにやってきたのだと語る。

そこまで話終えた所で、今度はナナリーの自宅に場所を移すと、ジューダスは元の時代に戻る方法はあるのかとリアラに尋ねる。リアラは過去に戻ること自体は可能だが、その為にはレンズの力が足りないと話す。ナナリーはカルビオラという街に巨大なレンズがあるという噂があると言う。カルビオラはロニ達の時代ではアタモニ神団の神殿があり、それなりに栄えた街だったが、この時代では神を守る神官だけがいる所らしい。ロニは未だに神が実在するという事実を信じ切れずにいたが、ナナリーの話では、ロニ達がいた10年程前に神が降臨したと話す。一先ずレンズの力を得る為、カルビオラ行きが決定したが、カルビオラへは続く道は神官しか通れないので、トラッシュマウンテンと呼ばれる天地戦争時代のゴミ捨て場となっている場所を通って行くしかなかった。
トラッシュマウンテンを越えて、聖地カルビオラに入るとちょうど礼拝が終わったのか神殿から神官達が大勢出てきた。神官がいなくなったのを見計らって神殿の中に入るとラグナ遺跡でカイルが見た物と同じぐらいの大きなレンズが飾られていた。リアラはレンズに近付き、フォルトゥナの名を呼ぶと女性が現れリアラを「聖女」と呼んだ。この女性こそ実在する神フォルトゥナであった。フォルトゥナはリアラにエルレインとは違う方法を探していることを肯定しながらも、元々の目的はエルレインと同じであることを忘れない様忠告する。カイルがリアラに訳を聞こうとするとフォルトゥナはリアラとエルレインは自分の代理者で人々を導く存在なのだと説明した。2人の聖女は違う道を歩み、人々の求める救いが何なのかを探す旅に出ていたのだった。カイルとロニはエルレインも人々を救おうとしているのなら、何故ウッドロウをバルバトスに襲わせたりレンズを奪おうとしているのかと尋ねる。エルレインは結果としてその行いが人々を救うことに繋がると考えているのだろうとフォルトゥナは答える。カイルはウッドロウが傷ついているのに人々を救うだなんておかしいと反論するが、この時代のアイグレッテの人々は安全で幸福な暮らしを手に入れているとフォルトゥナは言う。フォルトゥナの言葉に子を取り上げたり生きてる実感を無くしてることが幸福なのかとナナリーも反論する。リアラもエルレインの行いは間違っていると思ってはいるが、自分にはエルレインの様な強大な力がなく、誰1人幸せにできていないと嘆く。カイルはそんなリアラに励ましの言葉をかけるが、リアラは自身の背負う使命の重みや本当の力をも知らないだろうと声を荒らげ、「カイルは聖女でも…英雄でもないじゃない!」と言ってしまう。リアラはフォルトゥナに10年前の世界に転送してほしいと頼むと彼女の力でカイル達は元の時代に戻ることに成功した。

カイル達は元の時代に戻ってきたが、10年後の世界の人間であるナナリーも一緒に付いてきてしまっていた。ナナリーは未来を変える為、この時代のエルレインを止めようとカイル達に同行することを決意する。カイル達が戻ってきたのはエルレインと対峙した直後のハイデルベルグ城前だった為、ウッドロウの安否を確認する為城へ向かう。ウッドロウは大怪我をしてはいたが命に別状はなく、城の兵士達も想像以上のダメージはなさそうだった。兵士達が言うには、カイル達が消えた後、エルレインは何もせずに帰っていったと話す。その話を聞いて、ジューダスは王が倒れ城に隙があるのに襲撃しなかったのは何故か疑問に思う。ウッドロウは朦朧とした意識の中、国中から回収したレンズは無事かと尋ねるので、レンズの保管庫に向かうと、大量にあったレンズが1つ残らずなくなっていた。エルレイン達の真の目的はレンズでウッドロウ襲撃は囮だったと判明する。エルレインの力を使えば物質の転送ぐらい簡単に行えるだろうとリアラも言う。カイル達が城のレンズが全てなくなってしまったことをウッドロウに伝え、自分達でレンズを取り返すと申し出る。ウッドロウは詳しい話は明日にしようと言うのでカイル達は城で1泊することになった。
リアラは城を出て公園まで散歩に来ていた。そこへナナリーも追いかけてきて、リアラの悩みの相談に乗る。リアラはエルレインが神を降臨させようとしていることと、カイルに酷いことを言ったことを同時に悩んでいた。リアラはカイルに酷いことを言って傷つけたのだから2人の関係もこれで終わりだと言う。それを聞いたナナリーは自分も弟とよくケンカをしたことを教え、お互いをもっと分かり合いたいから本気でケンカするんだとリアラに伝える。カイルとリアラは初めて本音をぶつけ合ってケンカをしたのだから、2人の関係は終わりではなく始まりなんだとナナリーはリアラを励まし城へ戻っていった。1人公園に残ったリアラは「これからなんてある訳ない」と泣きながら呟いた。
翌朝、ナナリーが目を覚ますと部屋にリアラの姿はなかった。カイル達の部屋に向かい、リアラがいないことを報告すると、ウッドロウの所に先に行ったのかもしれないと謁見の間まで向かう。しかしそこにはリアラの姿はなく、ウッドロウもリアラは見かけていないと言う。そこへ兵士の1人がやってきて、リアラは日も昇らない時間に城から出てきて「行かなければ」と呟いて光に包まれながら消えてしまったのを目撃したと言う。ジューダスはエルレインを止める為に単身アイグレッテへ乗り込んだのだろうと推測する。ロニとナナリーはリアラを助けに行こうと促すが、カイルは戸惑っていた。そんなカイルを見て、ジューダスはまたリアラに拒絶されて傷つくのが恐いのだろうと声をかける。ジューダスは自分も傷つくのを恐れて立ち止まったことがあったが、その結果大切な人々を失ったという自分の過去を伝え、恐れるなとカイルに忠告をする。それを聞いたカイルは、たとえリアラにとって自分は英雄でなくてもリアラを助け、奪われたレンズを取り戻したいと本心を話す。ウッドロウはカイルに武力を持って事に当たれば衝突し戦争が起きかけない。多くの人々を救う英雄のやろうとしていることとは正反対ではないかと問いかける。しかしカイルは「自分の大事な人も守れないやつが英雄になんかなれっこないです」と反論する。ウッドロウはカイルの言葉を聞くとレンズ奪還の勅命状を渡し、後の責任は自分が取ると言ってカイル達を旅立たせた。カイルの後ろ姿を見て、ウッドロウはカイルが「スタンの息子」としてではなく「1人の男」として映り始めていた。

ハイデルベルグを出発したカイル達はアイグレッテまでどう行くか考えていた。リアラは聖女の力を使ってアイグレッテへ向かったのだろうが、カイル達にその力はない。そこでジューダスがこの近くに天地戦争時代の地上軍の駐屯地があり、そこに飛行艇があるはずだからそれを使おうと提案する。ジューダスの案内で地上軍駐屯地へ向かい、イクシフォスラーという天地戦争時代の飛行艇を手に入れるとジューダスの操縦でアイグレッテの大聖堂まで飛んだ。
カイル達がアイグレッテに到着した頃、リアラはエルレインと対峙していた。エルレインはハイデルベルグから持ち出したレンズをリアラに見せてこの数こそ私が人々を救いたいという愛の証だと告げる。リアラはエルレインの作る世界は確かに苦痛や悩みがないが楽しみや喜びまでも失っていて、人々の求めている世界ではないと反論する。しかし力のないリアラには何もできないとエルレインは言い、レンズを集約しフォルトゥナを降臨させようとする。そこへカイル達が現れ、エルレインの行動を阻止する。エルレインはカイル達の力に押され、「次の手は打ってある」と呟きながら姿を消した。
カイルはリアラの下に駆け寄り無事を確認し抱きしめると、リアラの持つレンズのペンダントが赤い光を放ち、リアラは自分が探していた英雄がカイルなのだと気付く。カイル達は逃げたエルレインを追おうと大聖堂の外へ出る。そこへフィリアが現れ、研究用に保管していたレンズが全てなくなっていると知らせる。直後、飛行竜が遠くの空へ飛び立っていくのを目撃し、レンズは飛行竜に積んであるのだろうと推測した。エルレインがレンズを持ち逃げしたとフィリアに伝えると、フィリアは驚きながらもカイルに視覚できないものを感知する「ソーサラースコープ」という道具を渡し、レンズの奪還を応援した。
カイル達は急いでイクシフォスラーに乗り込み飛行竜を追いかけ、飛行竜にアンカーを撃ち乗り込む。飛行竜の動力を断つ為、動力室へ向かうと、そこにはガープというエルレインの手下が待っていた。ガープは大柄のモンスターをカイル達に差し向け、戦わせている間に姿を消した。カイル達がモンスターを倒すと、エネルギーを失った飛行竜は動力が停止し、海へ向かって降下を始めた。カイル達はなんとかイクシフォスラーに逃げ延びるが、飛行竜に積んでいたレンズは持ち運べる量ではなかった為、飛行竜と共に海に沈んでしまった。その直後、謎の光がイクシフォスラーを襲う。なんとか逃げようとジューダスは必至に操縦するが間に合わず、リアラが咄嗟に聖女の力を使って安全な場所へ飛ぶ様に念じた。

カイル達が目を覚ますと、そこは洞窟の中だった。自分達の現在地を確認する為に外に出ると、上空にダイクロフトと呼ばれる18年前に四英雄が破壊したはずの空中都市が浮かんでいるのが見えた。リアラは時空は越えていないと言うので、ここは現代に変わりなかったが、エルレインの力で作り出された新しい世界だとジューダスは推測した。エルレインの力によってダイクロフトが復活し、ダイクロフトの下についているベルクラントという兵器で地上にあるドーム状の建物にエネルギーを供給している様だった。カイル達がドーム状の建物に近づくと、そこはヴァンジェロという街になっていた。街は全体が大きなレンズで包まれているかの様になっており、外気が入ってこない様に気密性を徹底している感じであった。そこへ街人の男性が現れるが、額にレンズを付けている。情報を聞き出す為、カイル達は男性に話を聞くと、額のレンズは「命のレンズ」と呼ばれる物でエルレインにもらった物だと言い、これがないと生きられないと話す。カイル達は急激な世界の変わり様に驚きながらも、エルレインがいつ何をしたのか探らなくてはいけないと目的を確認する。ジューダスはヴァンジェロのドームが建てられてから100年以上経過しているだろうと見立て、エルレインがかなり昔の歴史をいじったのだろうと推測した。しかし何年ぐらい前の歴史をいじったのかまでは分からず、それを知る為には他の街に行く等して情報を集める必要があった。
ヴァンジェロを出て次に辿り着いたのはスペランツァという街だった。街の奥にある投影機を作動させると世界地図が映し出され、海や山の位置や地形を見る限り、紛れもなくカイル達がいた世界と同じ世界だと判明する。しかし、街だけは違っていて、カイルやロニの故郷クレスタやウッドロウの治めているハイデルベルグは地図に載っていなかった。そしてヴァンジェロとスペランツァは天地戦争以前にあった街の名前だとジューダスが気付く。天地戦争後に壊滅したり復興したりして町の名前が変更になったはずだが、それがされていないのはエルレインが歴史を捻じ曲げたからだとジューダスは推測する。ナナリーが地図を見て、本来ハイデルベルグがあるはずの場所にレアルタという街があることに気が付くので、カイル達は新たな情報を求めてレアルタへ向かう。
レアルタの街人に英雄王ウッドロウを知らないかと声をかけると、英雄と言えばバルバトスではないかと言い返されカイル達は驚く。この世界ではバルバトスがエルレインと共に世界を混乱から救った英雄とされていた。街の奥に資料室があるのを発見したカイル達は中に入って映写機を再生する。そこには天地戦争が天上人の勝利で終わり、地上は荒れ果ててしまったが、神の遣いであるエルレインが降臨しレンズを地上人に与えたことで街をレンズで覆い、生きられる環境を手に入れたという映像が記録されていた。カイル達はやはりこの世界はエルレインが歴史を改変して作り出したものだと確信し、自分達がいた世界は存在していないことになっているを知る。カイル達はエルレインの行いに怒りを露わにするが、リアラはこの世界に住む人々が幸せと感じているのなら歴史を歪められて創られた世界のままでも良いのではないかと考えていた。しかしカイルは歴史が改変されているなら本来いたはずの人が消えてしまうということだとリアラの考えに反論する。ジューダスも人々の積み上げてきた歴史を否定して存在するこの世界を許せないと語り、リアラも考えを改めようとする。
世界を元に戻す為には、エルレインの捻じ曲げた歴史を正す必要があり、リアラの力で天地戦争時代へ時間移動をしようとする。しかしリアラにはカイル達を過去に送る程の力がなく、レンズも持ち合わせていない為時間移動できないと言う。時間移動の方法を探していると、神の恵みを与えるというエルレインの声が聞こえた。急いで外に出ると、空に浮かぶダイクロフトから光が照射され、街人達は力を与えられていた。ジューダスはエルレインがベルクラントを使ってレンズの力を人々に与えていると知ると、ダイクロフトに大量のレンズがあり、それを利用すれば過去に行けると考えた。街人からダイクロフトと繋がる光のほこらの存在を教えられると、カイル達は光のほこらを目指す。

カイル達は光のほこらにある魔法陣の上でエルレインに声をかけると、エルレインはカイル達をダイクロフトまで招き入れる。ダイクロフトを進むカイル達の前にダンタリオンと名乗る男が姿を現す。ダンタリオンはカイル達をエルレインに近づけさせないと勝負を挑んでくる。カイル達がダンタリオンを倒し、先に進むと、そこにはエルレインがいた。本来なら神が完全なる力を得て降臨している予定であったが、ナナリーの住むホープタウンの村人達の様に神に信仰心を持たない人々がい続けたことで神が完全な力を得て降臨することができず、レンズの力を持って信仰心を得ようともしたが、カイル達に妨害された為にさらに過去へ渡り全ての民が神を崇める世界を創り出したのだとエルレインは語った。リアラはエルレインに人は過去を変えてまで幸せになろうとは思っていないと反論するが、エルレインは消してしまいたい程つらい過去が誰にでもあると言い、ジューダスを「リオン=マグナス」と呼んで正体を明かしてしまう。ジューダスの正体は18年前に神の眼の騒乱でスタン達四英雄を裏切ったとされていたリオン=マグナス本人であった。カイル達は信じられないと言ってジューダスに詰め寄るが、ジューダスは仮面を外しリオン本人であると明かす。カイル達が驚いているとその隙にエルレインは聖女の力を使い、カイル達を眠らせ夢の世界へと誘う。
リアラだけは夢の世界に入らずエルレインと対峙する。何もかも思い通りになり、痛みや苦しみのない夢の世界こそが神と人々が望んだ完全なる幸福だと語るエルレインに、リアラは夢の中で幸せになることに何の意味があるのかと問う。エルレインはこの夢は覚めることがなく、永遠に覚めない夢こそ永遠の幸福であると説くがリアラはそれは間違いだと指摘する。リアラはエルレインの創り出した世界を見て、人々が皆幸福なら自分は役目から解放されてカイルと2人で生きていけると考えたが、結末はどうあれ、歩んできた過程にこそ人の幸福はあるとカイル達が言ったことを思い出し、どんな結末が待っていようと愛したカイルと歩む決意をしたことをエルレインに伝えるリアラは聖女の力を使ってカイル達の夢の世界へ入り込む。

リアラが最初に飛び込んだのはカイルの夢の世界だった。クレスタの街にあるデュナミス孤児院にいた幼いカイルに出会うリアラ。幼いカイルはリアラのことを覚えておらず困惑するが、リアラの「私の英雄はあなただけ」という声にカイルは全ての記憶を取り戻し、ここが自分の夢の世界なんだと気付く。するとそこにロニも現れる。ロニもデュナミス孤児院で幸せに過ごしていた頃の夢を見ていたが、自力で夢の世界であることを認識してカイルとリアラに合流した。そんな3人の前に子供時代のカイルとロニが孤児院の前でバルバトスと対峙している光景を目にする。カイルの代わりにロニがバルバトスの人質となり、そこへスタンとルーティが駆けつける。バルバトスはスタンとルーティに斬りかかり、その傷が元でスタンは命を落としてしまった。それはカイルとロニの記憶であり、2人の消したい程辛い過去であった。カイルはこの過去を記憶から消し去り、ロニはずっとそれをカイルに隠してスタンは旅に出たと嘘をつくことで自分を安心させていた。自分がバルバトスに捕まらなければスタンが命を落とすことはなかったと後悔し謝罪するロニに、カイルは自分を守ってくれたこととルーティと共に自分が悲しまない様に嘘をついたことをロニに感謝する。カイルはスタンがもう亡くなっていることを悲しみつつも、ロニがいるから大丈夫だと言い、ロニもまたカイルを守ると誓うのだった。

次にカイル達が訪れたのはナナリーの夢の世界だった。そこにはホープタウンで不治の病で幼くして死んだはずの弟ルーと共に幸せに暮らすナナリーの姿があった。ナナリーは夢の世界の居心地の良さに弟の死を忘れてしまっていた。ルーの墓がある辺りに来ると、ナナリーもルーも気分を悪くし、そっちには行きたくないと言う。ロニはナナリーを無理矢理ルーの墓の前まで連れ出し、ルーが死んでいることとここにいるルーは偽物だと告げる。ロニの言葉に頭を痛めるナナリー。そんなナナリーにロニは真剣な口調で夢の中で弟と幸せに暮らし続けることよりも弟と精一杯生きたことが幸せなんだろうと伝える。ナナリーはその言葉に本当の記憶を取り戻し、大声を上げてロニに抱き着き泣いた。

最後に辿り着いたのはジューダスの記憶だった。ジューダスは18年前、リオンとしてスタン達の前に立ちはだかっていた。リオンはヒューゴに利用されていると知りながらも自分の大切な人を守る為に自分を犠牲にしてスタン達を裏切り剣を構える。本気の戦いにスタン達の前で膝を付くリオン。そこへ水が押し寄せ、リオンの体は濁流に飲み込まれ記憶は終了する。倒れたジューダスの前にエルレインが現れ、夢の中ならば四英雄の裏切り者にもならず、大切な人と結ばれることも叶うのに何故それを拒むのかと問う。ジューダスはこの結末を覚悟し、自分の大切な人マリアンを助ける為ならどんなことでも耐えると自らの意思を貫く。最後までエルレインに抗うジューダスの下にカイル達が駆けつけ、過去のことは関係ない今のジューダスを信じると言ってジューダスに救いの手を伸ばす。ジューダスがカイルの手を取ると全員で夢の世界から脱出する。

辛い過去を乗り越えてきたカイル達を見て、エルレインは何故自ら苦しい道を選ぶのか分からないと呟く。ジューダスやナナリーは神の示す道で手に入れた幸福に価値はなく、取り返しのつかない過ちや後悔全てが自分達の生きてきた証なのだとエルレインに語る。エルレインはカイル達はそうかもしれないが、多くの人々はその苦しみからの解放を願っていると指摘する。リアラは人々は偽りの幸福の無意味さを忘れているだけで、いつか気付く時が来ると言う。カイルもリアラの意見に同意し、エルレインの捻じ曲げた歴史を元に戻すと宣言する。お前たちがどう思おうと無駄な足掻きだと言い放つエルレインに人の思いはなんだってできるとリアラは反論し、天地戦争前の世界に時間転移した。

天地戦争の終結

リアラの力で天地戦争前の時代にやってきたカイル達。まずはエルレインがどの様にして天地戦争の勝敗をひっくり返したのか情報を集めようとする。カイル達が降り立った場所は運良く地上軍の駐屯地だったので、情報を得ようと辺りを捜索していると、謎の女性が機械を暴走させてやってきた。それにカイル達も巻き込まれ、なんとか機械の暴走を止める。女性は勘でカイル達が未来から来たことを言い当て、自分はハロルドだと明かす。稀代の天才科学者と後世に語り継がれるハロルド・ベルセリオスは男だと思われていたが、実は女性であった。最初はカイル達も疑っていたが、ジューダスの持つソーディアン・シャルティエの詳細なデータを言い当てたことでハロルド本人だと信じる。
ハロルドはカイル達を自分の部下だということにして、地上軍の作戦統合本部ラディスロウの作戦会議室へ案内する。会議室には総司令のリトラーとその部下であるディムロス、シャルティエ、イクティノス、カーレルが顔を揃えていた。ハロルドはカイル達を工兵隊の部下として入隊させたいと申し出ると、リトラーはそれを許可した。カイル達はそれぞれ自己紹介を済ませると、ディムロスが作戦会議の内容をハロルドに説明する。今回の作戦では、地上軍に投降しようとしているベルクラント開発チームの救出と先に救出に出たものの敵将ミクトランに捕まった同士2人の救出が中心となっていた。ジューダスが自分達の役目は何かと問うと、ハロルドはダイクロフトまで移動手段の確保だと言い、ラディスロウから東にある物資保管所に部品探しに行く。物資保管庫で必要な部品を調達すると、ハロルドはラディスロウに戻って部品の組み立て作業に取り掛かり、カイル達はリトラーに報告を済ませる。ディムロスから作戦開始まで休息を取る様言われたので別室へ向かう。カイルは有名な天地戦争時代の英雄ディムロス達と共に戦えることに興奮していた。リアラが「カイルだって私にとっては英雄」だと告げると、カイルとリアラを2人きりにさせる為ロニとナナリーとジューダスは気を利かせて部屋を出ていった。リアラは再びカイルが自分の願いを叶えてくれる英雄だと伝える。カイルは恥ずかしくなり先にベッドに入って眠りにつく。

翌朝、ハロルドの作っていたマシンが完成し、作戦の最終確認が行われる。作戦の内容としては、ハロルドの作成した飛行機械でダイクロフトに強行着陸し、Aチームがベルクラント開発チームと同士2人の救出、Bチームが敵を撹乱しダイクロフトの全機能を一時的に麻痺させてその隙にラディスロウに戻ってくるというものであった。カイル達はハロルドと共にBチームに振り分けられ、ダイクロフトへ向かうと早速敵のモンスターが襲ってきたのでカイル達はモンスターを倒す。ハロルドは今倒したモンスターに見覚えがなく、カイル達と同じく未来からやってきた人物がダイクロフトにいるのではないかと考える。カイル達はその人物こそエルレインだと思い、既にこの時代にやってきていて、ダイクロフトに潜入していることが判明する。話を聞いたハロルドはカイル達がエルレインによる歴史介入を阻止する為に未来からやってきたことを見抜く。
その後、先に潜入したディムロス達と合流し、ベルクラント開発チームと捕まっていた同士のクレメンテとアトワイトを救出する。カイル達はダイクロフトの機能を麻痺させる為、制御室へ向かいメインコンピュータをハッキングして脱出ポッド以外の全機能を一時的に止める。脱出ポッドのある所まで走るとそこにディムロスとアトワイトの姿があった。急いで脱出ポッドに乗り込もうとした時、そこへバルバトスが現れる。カイルが驚くと同時にディムロスもバルバトスの姿を見て驚く。バルバトスは一度ディムロスに敗れ死んだが、殺されたことを強く恨んだ結果生き返ったのだと話、ディムロスに襲い掛かる。強力な力に押されて膝をつくディムロスにバルバトスはディムロスを最大限に苦しめる方法を思いついたと言い、アトワイトを連れて消えていった。カイル達がアトワイトの捜索と救出を買って出るが、ディムロスは開発チームの救出という目的は達成できたのだから、これ以上犠牲を出さない為にも今は地上に戻ろうと言う。カイル達は納得していなかったが、ディムロスの命令で渋々ラディスロウに帰還する。
開発チームの救出は成功したことで作戦は完了となったが、アトワイトの捜索と救出は上層部の会議にかけられることが決定する。カイルは今すぐにでもアトワイトの捜索に向かうべきだと声を荒げるが、ディムロスは天上軍との決戦を控えた今、無意味なことに時間は裂けないと非情な答えを返す。カイルはディムロスに「あなたは英雄なんかじゃない」と強く言い放つが、そこへクレメンテが現れ、人の上に立つ者が時に非情にならなければならないことの辛さを分かってほしいと言ってカイルを宥める。作戦の報告が完了すると、ハロルドはディムロスは地上軍兵士全員の命を背負っている立場であることをカイル達に教え、アトワイト1人の命と天秤にかけられないことを説明する。そして、救出した開発チームとソーディアン完成に向けて作業に入る為、再度物資保管庫へ行きたいと申し出る。
カイル達は物資保管庫までハロルドを送り届けると、ハロルドはカイル達にディムロスとアトワイトが恋人同士であることを伝える。何故自分達にそんなことを教えるのかと疑問に思ったカイル達にハロルドは内的要因に見込みがないなら外的要因によって変化を促す触媒だと言ってカイル達に後のことを任せた。

カイル達はディムロスの部屋訪れ、アトワイト救出を求める。しかしディムロスは軍の上層部が決定を下すまで動かないと言い張るとそこへ地上軍の兵士がアトワイトのブレスレットと手紙を正門前で見つけたと言ってディムロスの部屋を訪れる。バルバトスの罠であるとすぐに判明し、ディムロスはそんなものに易々と乗ることはできないと言うが、カイルは部屋を飛び出していく。ディムロスが何故他人のアトワイトの為にそんな必死になれるのかと疑問を持つと、リアラはディムロスに大切な人を失ってほしくないとカイルは思っているからだと告げてカイルを追いかけて部屋を出ていった。
カイル達は手紙に書いてあったスパイラルケイブへ向かうとアトワイトが囚われているのが見えた。そこへ大柄なモンスターが襲ってくる。カイル達は苦戦しながらもモンスターを倒し、アトワイトに近づくとカイル達はバルバトスの仕掛けた魔法障壁に捕まってしまう。バルバトスはカイル達をそのまま殺そうとするが、そこへディムロスが駆けつけ、バルバトスに攻撃をしかける。バルバトスが怯んだ瞬間、魔法障壁が消え、カイル達は助かる。ディムロスはハロルドに完成したソーディアンのテストだと言われてここまで連れて来られたのだった。バルバトスは1対7では分が悪いと判断し撤退していき、アトワイトの救出に成功する。
地上軍の拠点に戻るとリトラーに召集をかけられ作戦会議室に向かう。そこではディムロスがソーディアンの実験中に上層部の決定を無視してアトワイトを救出したことを報告していた。カイルはディムロスを庇おうと自分がけしかけた結果だと主張するが、リトラーはディムロスに作戦中の独断専行と上層部の指示無視は重罪だと言う。リトラーは処罰としてディムロスにダイクロフト突入作戦の前線指揮官の任を与える。ハロルドとソーディアンチームに新たな兵器ソーディアンの最終調整を依頼し作戦会議は終了となった。

カイル達はハロルド達と共に再び物資保管庫まで向かい、ソーディアン誕生の瞬間に立ち会う。ソーディアンはそれぞれが使い手となる人物の手に馴染む様設計されており、晶術と呼ばれる特殊な力が使え、それも1人1人違う属性を持たせることで弱点を補い合える様に作られていた。ディムロス達はハロルドから晶術の使い方を学ぶ為物資保管庫に残り、カイル達は地上軍の拠点に戻りソーディアン完成をリトラーに報告する。
ダイクロフトへの突入を明日に控え、カイル達は休息する様言い渡されて自室に戻る。伝説の英雄ソーディアンチームとダイクロフトでの最終決戦に挑むことに興奮するカイルやロニ。これに勝てばエルレインの歴史改変も阻めると士気を高め合うカイル達に、ジューダスはこの戦いでカーレルが戦死してしまうという運命を教える。歴史的には地上軍の勝利で天地戦争は終結するが、そこにはカーレルが敵将ミクトランに捨て身の攻撃をしかけ刺し違えたという事実は語られていなかった。カーレルが助かる方法はないかと考えるカイル達だったが、カーレルの死を回避させることはエルレインの様に歴史を改変することと同じであるとジューダスに諭され、本人達には秘密にしておくことを渋々決める。

翌朝、遂にカイル達はラディスロウを浮上させてダイクロフトへ突入する。カイル達は遊撃隊として敵を撹乱するよう命じられるが、ソーディアンチームの晶術の力で敵のモンスターはほとんど倒されてしまった。進路が開けると、ディムロスはカイルに後はこの時代の人間に任せろと言って別れを告げる。ディムロスはカイル達が未来からやってきた見抜いており、この時代のことは自分達が引き受けるから歴史の流れを元に戻すことに専念してほしいと頼み先へ進んでいった。自分達のやるべきことをやろうと促すハロルドにカイルは今すぐカーレル達を追いかける様声をかける。カイルはカーレルが死ぬ運命であることをハロルドに隠しておけないと思い咄嗟にそう言ってしまったが、ハロルドはカイル達の目的は歴史の修正なのに自ら歴史を変える様なことをしてはいけないと忠告する。自分は未来を知りたくないし知っていても行動を変えたりせず自分のやるべきことをやると言ってハロルドは自分の意思を貫く覚悟をしていた。そこへベルクラントによる地上への無差別攻撃が開始されたので、それを止める為にカイル達は制御室へ急ぐ。
制御室にはバルバトスが待ち構えていた。バルバトスは人の歴史もソーディアンチームもどうでもいいと語り、カイルを倒すことに専念していた。バルバトスはハロルドにこの戦いで兄カーレルがミクトランと刺し違えて死ぬことを明かし、今から歴史を変えて見せろと言ってカイル達に戦いを挑んでくる。カイル達はなんとかバルバトスの猛攻を防ぐと、バルバトスは「時を越えた先…神の眼の前で、待っている」と言い姿を消した。ハロルドは急いで制御室のコンピュータを操作しベルクラントによる攻撃を停止させる。カイル達はハロルドに先程バルバトスが言ったカーレルの死の運命について声をかけるが、ハロルドは未来を変えるつもりはなく、自分のやるべきことに専念すると答えた。
カイル達はベルクラントの制御を終えてソーディアンチームが向かった玉座の間へ行くと、カーレルがミクトランと刺し違えている瞬間であった。カーレルの捨て身の攻撃でミクトランは倒されるが、同時にカーレルも息絶えてしまう。兄の死に声を上げて泣くハロルドだったが、地上軍の拠点まで戻ってくると未来を知っている者の都合で歴史を変えたくなかったし兄は精一杯生きて幸せな人生を歩めたのだとカイル達に告げた。天地戦争は終結したが、カイル達は時間移動で逃げたバルバトスを追ってカイル達のいた時代より18年前へ行き、神の眼の前でバルバトスと決着をつけようとする。しかし時間移動したくてもレンズが足りないとリアラが言う。そこへハロルドはレンズの粋を集めて作ったソーディアンを渡し、ソーディアンの力を使えばいいと教える。ハロルドと別れの挨拶をしようとすると、ハロルドはカイル達と共に未来へ行くと言ってついてきてしまう。

逃げたバルバトスを追って18年前の世界へ

リアラの時間転移でスタン達が神の眼を巡る騒乱に巻き込まれた18年前にやってきたカイル達。目を覚ましたのは復活したミクトランが空中に作り上げた外殻大地の上であった。千年の時を越えてミクトランが復活したことを知ったハロルドは呆れるが、神の眼があるダイクロフトへ急ぐカイル達。ダイクロフトには当時のスタン、ルーティ、フィリア、ウッドロウがバルバトスと対峙していた。カイル達はスタン達を助けようと駆け寄るとバルバトスは待ちわびていた言わんばかりにカイル達に攻撃を仕掛ける。強力な技に倒れるカイル達だったが、スタンとカイルがタイミングを合わせてバルバトスに攻撃するとバルバトスはダメージを受けつつもまた姿を消してしまった。助けてくれたカイル達にスタン達は礼を言うとやるべきことがあると言ってミクトランとの最終決戦に挑んでいった。カイルはそんな両親達の背中を見送り、神の眼の前に向かったと思われるバルバトスを追ってスタン達とは別ルートで神の眼を目指す。

カイル達が神の眼の前に到着した時には、スタン達がミクトランを倒し神の眼にソーディアンを突き刺してて破壊しようとしている所であった。スタン達は神の眼にソーディアンを突き刺しその場を離れるが、一向に神の眼は破壊されない。ハロルドは神の眼の力がソーディアンの力を僅かに上回っていると言う。そこへディムロスの声が届き、あと一押しが足りないがどうすることもできないと告げる。ジューダスが自身の持つシャルティエを差し出し、他のソーディアン同様神の眼に突き刺そうとすると背後からバルバトスが現れる。この時代はスタン達に救われなければいけないんだとジューダスは怒りバルバトスに勝負を挑む。カイル達に猛攻に遂に膝をついたバルバトスだったが、カイル達に倒されるのを嫌い、自ら神の眼の強大な力に触れ自害した。バルバトスが消えた後、パートナーとして過ごせたことを互いに感謝しながら、ジューダスはシャルティエを神の眼に突き刺す。すると空中に形成されていた外殻大地が崩れ、世界は救われた。

最終決戦

カイル達は現代に戻り、ハイデルベルグでウッドロウに面会する。リアラを助けることには成功したが、ファンダリアのレンズは飛行竜と共に海底に沈めてしまったことを報告するとウッドロウはレンズの一極集中を防げてたのだから十分だと礼を言った。ウッドロウの厚意で城に1泊するカイル達。
翌朝、リアラはカイルをデートに誘い、2人は公園で今までのことを話す。リアラが今までのことが全て夢で目が覚めた時にリアラがいなくなっていたらカイルはどうするのかと尋ねるとカイルはどんなことがあってもリアラを取り返すと答える。すると突然辺りが赤い光に包まれる。カイルとリアラは何が起きたのか分からずに立ち尽くしているとロニの声が聞こえ、ふと我に返る。赤い光は消え、目の前にはロニが立っていた。ロニはハロルドが呼んでいるから城に来てほしいと言いカイル達は城へ向かう。カイル達が城に到着するとハロルドは時間軸の歪みとエントロピーが異常なまでに増大しており、未来がなくなりかけているのだと話す。エルレインが10年後の未来から何らかの干渉をして世界を消そうとしていることが判明し、カイルとリアラが包まれた赤い光はその時の時空の歪みであった。エルレインが世界を消そうとしている真意を探る為、今度は10年後に時間移動することになった。リアラはカイルに何があってもエルレインを止めると誓わせると、イクシフォスラーの動力となっていたレンズを使い10年後にストレイライズ大神殿に降り立つ。現れた兵士にエルレインの居場所を尋ねるとカルビオラにいることが判明する。

カルビオラに到着すると、以前はあった巨大なレンズがなくなり、隠し通路が見えていた。中に入り奥へ進むとエルレインの部下であるガープがカイル達を足止めする。ガープをなんとか退けてエルレインの下まで辿り着くと、エルレインは「千年前、星を射抜いた光の矢、その輝きを、今再び…」と告げる。その言葉を聞いたハロルドはエルレインはレンズの力を集約させて、千年前に天地戦争のそもそもの発端である彗星の衝突を今再び起こそうとしているのだと推測した。千年前に起きた天地戦争はこの星に突如衝突した彗星により地上が荒廃し、生き残った人々が空中に都市を築いて住もうとしたことが発端となっていた。レンズはこの衝突した彗星の核にあったエネルギーを加工して生み出された物であった。ハロルドの推測を聞いて、カイルは星を破壊する意味は何かとエルレインに問う。エルレインは人々が幸福を手に入れる為に様々な歴史改変をしてきたが、カイル達にことごとく邪魔され、最終手段として神のたまごと言われる彗星を使って全てを救う為に全てを破壊して新たな世界を築くと答えた。カイルは人類を救う為に全てを破壊することが許されるなら、神にとって人間とは何なのかと問うと、エルレインは「神によって救われるべき存在でそれ以上でも以下でもない」と答える。加えて、彗星の衝突で今存在する人類が死に絶えたとしても、神が降臨すれば新たな人類がまた生まれる、完全な幸福を手に入れられるので心配ないとも発言する。エルレインの言葉にカイルは怒り、人間の生きてきた証として歴史があり、幸せになりたいと願い自らの手で幸福を得ようとすることが人間の本当の幸福だと反論し、エルレインを止めようとする。しかしエルレインは神より生まれた存在である自分は何度でも生まれ変わるので、今ここで自分を倒しても無意味だと言う。カイルはならばエルレインが復活できない様に神を殺すと言うが、エルレインは神を殺すということは自分とリアラを殺すということだと告げる。2人の聖女は神によって生み出された存在で神の化身だった。神を殺せばその化身であるエルレインとリアラも消滅するとリアラはカイル達に説明する。カイル達がショックを受けているとエルレインはレンズと共に姿を消してしまった。リアラはカイルにその事実を黙っていたことを謝罪し、世界を救う為には神を殺すしか方法はないのだと告げる。

カイル達は現代に戻り、これからどう動くか相談する。ジューダスはエルレインが彗星を衝突せさようとしている事実は変わらないのだから、世界とリアラをどうするのか決めなくてはいけないとカイルに言う。リアラの英雄となったカイルにどうしたいのか決めろと言うジューダスにカイルは悩むが、かつての英雄達に話を聞いてアドバイスをもらおうと思いつく。ウッドロウには答えの出ない難問にギリギリまで考え抜き、自分の決めたことは貫き通す心を持つことを教えられ、フィリアには自分の意思に従って生きることの厳しさと大切さを教えられた。カイル達は最後にルーティの下を訪れ、スタンが殺された時の記憶を思い出したこと世界を救う為に大好きな人を殺さなくてはいけないという悩みを打ち明ける。ルーティはカイルを抱きしめ、辛いし苦しいのは分かるが、後悔しない為にも自分で決めるしかないと教え、辛いのはリアラだって同じはずだからカイルを信じてくれているリアラの為にもしっかり決断するように助言した。
ハロルドがイクシフォスラーの改造をしたいというので、待っている間にリアラは2人が初めて会ったラグナ遺跡に行かないかとカイルを誘う。カイルとリアラは2人でラグナ遺跡へ向かい話をする。終始笑顔で話すリアラに、カイルは自分に課せられた世界を救う為にリアラを殺さなくてはならないという重い責任を投げ出したいと辛い胸の内を明かす。こんなにも辛い思いをするなら英雄なんてやめてやると言い出したカイルに、リアラはあなただからこそできることがいま目の前にあり、それから決して逃げ出したりしないと信じていると言う。リアラはカイルのやろうとしていることは間違っておらず、その結果自分が消えるとしても自分の意思で歩き生きたことが本当の幸福だと思うから平気だと語り、リアラが身に付けているペンダントにまた巡り合える奇跡を2人で願う。するとペンダントが光り舞い上がるとはるか上空へと飛び去って行った。

翌朝、神のたまごと呼ばれる彗星が上空に現れる。カイル達はハロルドが改造したイクシフォスラーに乗り込み、神を倒す為に神のたまごの内部に潜入する。奥に進むとエルレインが待ち構えていた。リアラはエルレインに人々の救済という同じ使命を背負った存在同士だが、幸せを願って苦悩を乗り越える強さを人は持っているので神の救いは必要ないと語る。ロニ達も自分が幸せかどうか決めるのは自分であって神に与えられるものではないし、苦悩の末に幸せを掴むからこそ価値があると口々に語るが、エルレインは人は神によって生かされ救われるべきのだと自分の意思を曲げない。互いに衝突しあい、カイル達は全力でエルレインに立ち向かう。
カイル達の力の前にエルレインは志半ばで消滅してしまう。すると今度はフォルトゥナが姿を現し、エルレインのやり方では人々を絶対の幸福へと導けなかったが、リアラはどうかと尋ねる。リアラは人々は苦しみの中にも幸せを見つけようとする心や自らの手で幸せを掴もうとする心を持っているので神は必要ないと答えを返す。それを聞いたフォルトゥナは神の化身である自分の存在を否定する言葉だとリアラに言うが、リアラはカイル達に出会い、苦しみや悲しみを乗り越えて幸せを掴んだのだから自分が生まれた意味はちゃんとあると答える。リアラは確信を持って人々に神は消えるべきなのだとフォルトゥナに告げるが、フォルトゥナはそれを受け入れられず、エルレインの考えた通り、今の世界を破壊して新たな世界を生み出そうとする。カイル達はそんなフォルトゥナを阻止しようと総力を挙げて戦いに挑む。カイル達の猛攻に遂にフォルトゥナは消滅する。

フォルトゥナの核となるレンズを砕けば世界が救われるが、それは同時にリアラの消滅も意味していた。カイルはどうしてもリアラに消えてほしくないと思い、リアラに「消えたくないと言ってくれ」と願うがリアラは「消えていくことは怖くないの。私が怖いのは神の一部として消滅していくこと」だと告げ、レンズを砕いて神の化身から解放されることをリアラは願う。リアラの言葉を聞いてカイルはフォルトゥナの核であるレンズを破壊する。すると神を殺したカイル達に幸せは訪れないとフォルトゥナの声が届く。今神を求めれば救われると囁く声に、カイルは自分達の未来や幸福は神に作られるものではないと強く言い、フォルトゥナの声を振り払う。そこへ「人の未来は人によって紡がれるもの」とリアラの声が届く。リアラは「カイルが作る未来を信じてる。ありがとう。あなたと出会えてよかった」と言い残し消えてしまった。

リアラが消えた後、神の消滅によって今まで改変してきた歴史が修復されようとして時空の歪みが生まれ始めてきた。それはカイル達がこの旅で行ったことや出会った記憶全てがなかったことになるということをを意味していた。カイルはそれでも仲間として絆は消えないと言うと、ハロルド、ナナリー、ジューダス、ロニと順番にカイルの前から姿を消していった。カイルは自分達1人1人が未来を作り上げていくんだと呟き、ロニ達同様、神のたまごから姿を消した。

エンディング

本来の世界に戻ったカイルは孤児院の庭で父スタンと剣の稽古に励んでいた。両親や孤児院の子供達に囲まれて幸せな暮らしを手に入れたカイルだったが、広い世界を自分の足で歩む旅に出たいと申し出る。ルーティは止めるが、スタンはその旅の中で自分にとってかけがえのないものを見つけてくることを条件に旅に出ることを許す。カイルはかけがえのないものを見つける旅に出る為クレスタの街を出ようとする。そこへロニが現れ、カイルの親友として旅に同行すると言い出す。
カイルとロニはその後様々な場所を気ままに旅する。そしてラグナ遺跡に立ち寄った時、カイルは誰かが呼んでる様な不思議な感じがして、1人で遺跡の奥へ向かう。そこには何もなく、不思議な感じは気のせいだと思いロニの待つ所まで戻ろうとすると背後から名前を呼ばれる。カイルが振り返るとそこの1人の少女が姿を現す。

少女はゆっくりと目を開けてカイルの名前を呼ぶと、カイルは咄嗟に「リアラ」と少女の名を呼ぶ。そして何かを思い出した様に再度リアラの名前を呼ぶと、リアラはカイルに駆け寄り運命的な再会を果たしたのだった。

『テイルズ オブ デスティニー2』のゲームシステム

戦闘システム

本作は「トラスト&タクティカル・リニアモーションバトルシステム (TT-LMBS) 」。
仲間との信頼間「トラスト」と戦略「タクティクス」の2つが戦闘で重要な要素となる。『テイルズ オブ』シリーズのリアルバトル性や仲間との役割分担、コンボを発展させた戦闘システムとなっている。

SPゲージ

画面下の青色のバーがSPゲージ

本作にはSP(スピリッツポイント)ゲージというものが存在し、キャラクターが戦闘中に攻撃等の行動を行うと減少する。SPゲージが減少した状態では命中率や回避率も下がってしまう。むやみに攻めると逆に自分達が不利となってしまうこと為、味方のSPを保ちながら、いかに敵のSPを減らしていくかが勝敗を分ける大きな要因となっている。
他の『テイルズ オブ』シリーズにはない独自のシステムであり、本作の戦闘システムがシリーズ最高峰と呼ばれる程人気の高いシステムである。

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『テイルズシリーズ』とは、バンダイナムコエンターテイメントが製作する、1995年の『テイルズ オブ ファンタジア』を1作目とするRPGの総称である。 ほぼ全ての作品が完全に独立した世界観を持ち、ゲームごとにまったく異なる場所での冒険をすることになるという特徴があるため、個別の設定や専門知識が無いと「何これ?」と首をかしげたくなるような光景も時に見られる。またシリーズの歴史と人気から、様々なファンアートも作られている。ここではその一部を紹介する。

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「テイルズ オブ ゼスティリア」の炎上内容まとめ!「テイルズ オブ ベルセリア」発表時にも不安が残る事態に【TOZ】

「テイルズ オブ ゼスティリア」の炎上内容まとめ!「テイルズ オブ ベルセリア」発表時にも不安が残る事態に【TOZ】

『テイルズ オブ ゼスティリア』の炎上についてまとめて紹介する。ヒロイン詐欺やシナリオ改変疑惑などの様々な問題と、それに対する公式の対応の悪さやプロデューサーの反省の無さが重なり、厳しい意見が多く寄せられる事態になったというものだ。この騒動が収まらないままに発表された作品である『テイルズ オブ ベルセリア』には当然不安の声があがった。

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