ああっ女神さまっ(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ああっ女神さまっ』とは、講談社『月刊アフタヌーン』で連載された藤島康介の漫画。「お助け女神事務所」に間違い電話を掛けた主人公の森里螢一のもとに、ベルダンディーという女神がやって来るところから物語が始まる。日常に北欧神話をベースにした非日常的な存在の神や魔族などの騒動を描いたラブコメディであり、SF要素やモータースポーツが絡む青春ものの面も持ち合わせる作品でもある。OVAやテレビアニメ、劇場版とたびたびアニメ化されている。

『ああっ女神さまっ』の概要

『ああっ女神さまっ』とは、講談社『月刊アフタヌーン』で1988年11月号から2014年6月号まで全308話で連載された藤島康介の漫画作品。コミックは全48巻。2009年に第33回講談社漫画賞一般部門を受賞。2020年6月で、累計発行2500万部を突破している。日常に北欧神話をベースにした非日常的な存在の神や魔族などの騒動を描いたラブコメディであり、SF要素やモータースポーツが絡む青春ものの面も持ち合わせる作品でもある。OVAやテレビアニメ、劇場版とたびたびアニメ化されている。OVAは1993年から1994年にかけて全5巻が制作・発売された。1998年から1999年にWOWOWのアニメコンプレックス枠内にて、コミックに掲載されていた外伝的なストーリーをもとにした全48話が放送。2000年には劇場版が公開。その後、2005年にTVシリーズ版第1期『ああっ女神さまっ』が、翌年に第2期『ああっ女神様っ それぞれの翼』が、2007年に特別編である『ああっ女神さまっ 闘う翼』が放送された。

某県の猫実(ねこみ)市にある猫実工業大学とその周辺が舞台。平凡な日常を送っていたモテない主人公・森里螢一(もりさとけいいち)が、間違い電話を掛けたことから美しい女神べルダンディーと出会い、相思相愛に発展していく恋模様が見所。この他にも、女神の超能力によってトラブルが勃発する非日常的生活や、螢一の所属する自動車部での青春ストーリー、猫実工大の人々とのほのぼのする話、女神とのハラハラドキドキな日常生活、女神同士のシェア争いや悪魔マーラーとの対決など、恋愛あり、SFあり、青春あり、ドタバタありの読み応えのある作品になっている。

『ああっ女神さまっ』のあらすじ・ストーリー

女神との出会い

主人公の猫実工大生の森里螢一 (もりさとけいいち)が、「お助け女神事務所」に間違い電話をかけてしまったことから物語は始まる。しかし間違い電話をかけたことは偶然ではなく、螢一を救済する天上界のシステム、ユグドラシルによって必然的に起こっていたのだった。電話相手は「今からそちらに伺います」と言って通話を終える。すると螢一の部屋の鏡の中から、ベルダンディーと名乗る容姿端麗の女神が現れた。驚く螢一に、ベルダンディーはどんな願いでも「たった一つだけ」叶えると言う。女性とは無縁の人生を過ごしてきた螢一は、ベルダンディーの美しさに「君のような女神に、ずっと傍にいてほしい」と言う。その呟きは願いと認識され、ベルダンディーは螢一から離れられなくなってしまう。男子学生寮で異性と暮らすことが寮則に違反し、寮を追い出された2人だったが、様々な強制力という神秘的な幸運に助けられ、一つ屋根の下で過ごすことになる。しかし、そこにベルダンディーの姉妹ウルドとスクルドもやって来て、ドタバタの日常劇が始まるのだった。

無効になった二人の契約

恐怖の大王の脅威が去り、穏やかな日常を取り戻した螢一たち。しかし、一連の騒動で天上界では多くのデータが破損。その中にはお助け女神事務所の登録ファイルも含まれていたため、ベルダンディーと螢一の契約も消滅したままになっていた。「めがみとしての責務を負うベルダンディーを、このまま長く地上界に止まらせておくわけにはいかない」と神様の特命を受けたリンドは、管理神エクスと二人でお助け女神事務所のデータについての調査を始めるのだった。

『ああっ女神さまっ』の登場人物・キャラクター

主要人物

森里 螢一

出典: namu.moe

声 - 菊池正美
猫実工業大学5回生でへタレだが、優しく思いやりのある性格。自動車部で、分解整備が日課。背が低めで、お金も容姿もパッとしないことがコンプレックス。
必須単位の第二外国語を履修せず、留年中。田宮ら先輩達が卒業する時、自動車部部長に就任。留年後は、必須単位取得のみの登校のため、自動車部は引退。部長職の引継ぎを忘れ、ベルダンディーの助言で、長谷川に部長職を引継ぐ。モーターサイクルショップ「ワールウインド」で働く。
オートバイの運転の腕や、機械いじりの才能は、異世界の機械種族から「機械の気持ちがわかる人間」と言わしめ、設計から整備・改造まで、全てこなす。
ベルダンディーとの絆は深く相思相愛。ヒルドが神属と契約者=人間との性交を成させぬシステムを暴露し、異種族恋愛審問官とゲートが、過去の神と人間の悲恋を体験させても、愛情は変わらなかった。

ベルダンディー

出典: www.tbs.co.jp

声 - 井上喜久子
所属は、お助け女神事務所の1級神2種非限定で、現在を司る。
ウルドとは異母姉妹、スクルドとは実の姉妹の女神。容姿は誰もが見とれる美貌で、性格はおっとりとしていて誰にでも優しく、天然で、多くの異性にモテている。
初期はインド人的な風貌にバンダナ姿だったが、途中からブロンドの長髪でエキゾチックな姿が定番となる。
猫実工大には、留学生として、螢一と通学。自動車部も、周囲から部員同然に扱われる。
事務員としてワールウィンドで働く。
オートバイの腕は高く、螢一の運転するバイクのサイドカーに乗った時、通じ合うシンクロでサポートし、恵から「峠の本物のキングとクィーン」と称される。
風の法術が得意で、法力は高く、左耳のピアスの封環で封印する。
法術を使用すると、体力も消耗し、どこでも眠ってしまう。
特殊能力として、相手の複雑な感情はわからないが、簡単な感情を、色で判断できる。
他にも額を相手に近づけ、過去の記憶を探ったり、念力で過去の出来事を再生させられる。
法術を使い、機械を呪文で操ったり、命を吹き込んだり、対話したり、魔属のロボットのねじを法術で外したり、動物と心を通わせることもできる。
ただし、他の法術の影響を受けると、周囲を魅了する力を暴走させてしまう。
酔っぱらうと、困っている人の願いを叶えようとしても、法力が暴走し、辺り構わず幸福をばらまいてしまう。幸福の絶対量は決まっているので、螢一が反動の不幸を全て被った。
他にも、女性が螢一に近づくと、嫉妬で「ジェラシーストーム」と言う嵐やポルターガイスト現象を起こす。
女神免許の更新を忘れ、失効した時は、再発行まで1週間、普通の女性で生活していた。
天上界のほうきレースで六連覇を達成したり、資格マニアでワルキューレの資格も持つ。
歌が好きで良く口ずさむ歌唱力は超一流。
本気で怒ると、口調は静かでも、ウルドやスクルドも逆らえない迫力がある。
内向的な面もあり、恥ずかしくなると極度に顔が赤面する。
家事全般が得意で家庭的。紅茶を好み、銘柄など、紅茶全般に造詣が深い。かなり甘党でチョコレートなどのお菓子が好み。
酒を飲んでも酔わないが、コーラを飲むと酔って泣き上戸になる。
初めは、螢一を契約者として見るが、一緒に行動する内、人柄・優しさ・懐の大きさに触れ、異性として心から信頼し、愛すようになる。

ウルド

出典: blogs.yahoo.co.jp

声 - 冬馬由美
ベルダンディーの姉で2級神管理限定、過去を司る。他力本願寺に居候中。
髪は腰以上の長髪で、徐々にストレートからソバージュ、ウェーブの髪へ変化する。
母親がベルダンディーと同じで、髪色と毛質と瞳の色が異なる。三姉妹で一番アジア人的な容姿を持ち、母親似で色黒。神属の父と魔属の母ヒルドとの間に生まれた半神半魔。
強大な力から天上界で、破壊神と恐れられる。
ユグドラシルのシステム管理神を務めるが、螢一とベルダンディーへのいたずらで、職場放棄して地上界に降り、ペナルティも受けた。
雷撃攻撃系の法術が得意で、テレビを媒介に瞬間移動する。
力はベルダンディー同等かそれ以上で、ペイオースから1級神になれると評される。が、嘘をついてはならない制約のため、2回、1級神のチャンスを失い、法術が使えなくなった。
薬フェチの科学者で、惚れ薬や自白剤など怪しい薬を作るのが得意。薬は見た目・名前も怪しく、効果は全く効かないか効き過ぎるか両極端で、時にとんでもない効果を発揮する。
享楽的でいい加減な性格だが、しっかり者。
気が上りやすく、目先のことしか考えられない性格で、手段のために目的を忘れ、ろくな結果にならない。年長者らしい的確な助言をすることもあり、冗談の言動にも気遣いが見えたり、余計なおせっかいを焼く。
コンピューターゲーム全般が「簡単過ぎてつまらない」と得意。
演歌で寝る弱点を持つ。日本酒が好物で、エネルギーの供給源とする。

スクルド

出典: renta.papy.co.jp

声 - 久川綾
女神3姉妹の末っ子、2級神1種限定。未来を司る。
メカのネーミングセンスやデザイン、わがまま気質など、幼さが残るメカフェチ。
法術の影響で、日夜怪しげなロボットや装置を開発する技術者気質。メカは、安易な解決として用いり、事態を悪化させる。
水の法術の適性があるが、未熟なため、瞬間移動は水面を通じてのみ可能。地道な努力を嫌がり、複雑な法術が使えない。声に出した言葉を文字に変え、相手にぶつける荒業が使える。ベルダンディーの指導で法術の修行をし、上達し始めるが、制御しきれず、課題となる。
ベルダンディーを「お姉様」と慕うが、ウルドは呼び捨てにし、「いい加減で自己中で(中略)だから嫌い」と公言する。テレビのチャンネル争いでもめることも多いが、騒ぎを大きくし、手に余ると逃げるウルドと似た者同士で、喧嘩はコミュニケーション。
潔癖症で、螢一とベルダンディーが接近すると怒るが、螢一を愛しく思うこともある。
川西仙太郎と知り合い、自転車が練習で乗れるようになり、努力の大切さを学ぶ。
愛読する少女漫画雑誌は「どぼん」「花とうめ」で、自転車を教えてくれた川西仙太郎に惹かれ、恋愛を夢見る。
アイスクリームが大好物でエネルギー源にするが、味・成分にうるさく、植物油脂を使ったラクトアイスは気にいらない。苦手は、オバケや蛙。殴る登るなど単純で無意味なメカを見るのも嫌がり、ウルドがお仕置きで使う。
螢一の願いがユグドラシルに受理され、ユグドラシルのシステムのバグが多発する対策として、地上界に降りる。天上界に戻れなくなるが、システム回復後、ウルドと地上界勤務し、他力本願寺に居候中。

神属

ペイオース

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@keeper

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