ブレードランナー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ブレードランナー』とは、フィリップ・K・ディック作のSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の映画化作品。監督はリドリー・スコット、脚本はハンプトン・ファンチャーであり、1982年に公開された。
レプリカントと呼ばれる、人間と区別がつきにくい人造人間6名が火星から地球へと逃亡してくるのをきっかけに、主人公リック・デッカードがレプリカント狩りのため復職につく。すべてのレプリカントを狩れるのか。人間と機械の違いとは何か。SF映画「禁断の惑星」や「メトロポリス」に次ぐSF映画の金字塔。
人間に反逆するレプリカントを「解任(処刑)」する警察の専任捜査官。
原作には登場しない映画オリジナル用語。
レプリカント
遺伝子工学によりタイレル博士に開発された人造人間。
本編では「ネクサス6」が最新型。
こちらも原作には登場せず映画オリジナルの造語。
フォークト=カンプフ検査(VKテスト)
人間とレプリカントを判別するための架空の検査法。感情を大きく揺さぶるような繰り返しの質問に対して起きる肉体的反応を計測することで、対象が人間かレプリカントであるかを判別する。
『ブレードランナー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
リオン「答えはこれだ」
VKテストを受けていたリオンがホールデンを射殺する直前の言葉。
ホールデンの質問は「母親を思いついた言葉で描写したまえ」だったが、製造から数年分の記憶しかないレプリカントには理解が出来ない。混乱と感情を揺さぶる質問の羅列の末にリオンがとった行動であった。
スシバーの店主「2つで十分ですよ!!」
ストーリー初番、デッカードが屋台で4つくれと注文するが、しきりに2つで充分だと押し切られる。注文の品は謎だが納得いかないのか更にうどんも追加し、ブレードランナーとして迎えに来たガフの船体内でもうどんをすすっている。ロバート・オカザキ演じる寿司バーの主人ハウ・リーとの掛け合いが雑多な多国籍感を演出している。
バッティ「俺の見せられたものを貴様にも見せてやりたい」
レプリカントの眼球技師チュウの元に訪れたバッティに「ネクサス6か、その目も私が作った」とチュウが言った後のロイの言葉。チュウの製造室に入った直後、「雷鳴とどろく岸辺」、「燃え盛る地獄の火」とバッティはつぶやいている。人類が及ばない地球外での過酷な環境下にあったレプリカント達の悲惨な体験を指している。
プリス「迷子なの」
タイレル博士に近づく上で必要な人物、J・F・セバスチャンにプリスは接触する。一旦は驚いて逃げる素振りをするがセバスチャンの人畜無害さに心を許したかのようなプリスの言葉である。老人病のため地上勤務をしているセバスチャンの住む高層アパートには彼一人が孤独に暮らしている、自作の自動人形たちが出迎えるような環境にあるセバスチャンの心に慰安型レプリカントのプリスは容易に入り込むことが出来た。
リオン「起きろ、死ぬ時間だ」
登場するレプリカントはそれぞれに個性があり、リオンは感情の昂ぶりで容赦ない狂暴性が露見する。仲間を殺されたことにより憤ったリオンはデッカードを襲う。戦闘型であるが重荷運搬に特価しているためその力量は計り知れない。幾分の殴打で瀕死のデッカードへの皮肉にも受け取れるリオンの矛盾したセリフである。直後、現場に居合わせたレイチェルによってリオンは射殺される。
タイレル博士「明るい火は早く燃え尽きる。君は輝かしく生きてきたんだ」
バッティはタイレル博士に延命を請いに行ったが、手を尽くしてもシステム上で無理が生じると断られる。落胆するバッティに対してタイレル博士はバッティを誇らしげに思うかのような言葉をかける。高性能レプリカントとして優秀なものであるとの賛辞であろうが自我の目覚めたバッティにとっては死の宣告と同義である。アイデンティティを失ったバッティは自らの創造主であり、父であるタイレル博士にキスをし殺害する。
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目次 - Contents
- 『ブレードランナー』の概要
- 『ブレードランナー』のあらすじ・ストーリー
- ブレードランナー
- デッカードとレイチェル
- バッティの反乱
- 『ブレードランナー』の登場人物・キャラクター
- リック・デッカード(Rick Deckard/演:ハリソン・フォード)
- ロイ・バッティ(Roy Batty/演:ルトガー・ハウアー)
- レイチェル(Rachael/演:ショーン・ヤング)
- J・F・セバスチャン(J. F. Sebastian/演:ウィリアム・サンダーソン)
- エルドン・タイレル博士(Dr. Eldon Tyrell/演:ジョー・ターケル)
- プリス・ストラットン(Pris Stratton/演:ダリル・ハンナ)
- リオン・コワルスキー(Leon Kowalski/演:ブライオン・ジェームズ)
- ゾーラ・サロメ (Zhora Salome/演:ジョアンナ・キャシディ)
- ハリー・ブライアント(Harry Bryant/演:M・エメット・ウォルシュ)
- ガフ(Gaff/演:エドワード・ジェームズ・オルモス)
- ハンニバル・チュウ(Hannibal Chew/演:ジェームズ・ホン)
- スシバーの店主
- 『ブレードランナー』の用語
- ブレードランナー
- レプリカント
- フォークト=カンプフ検査(VKテスト)
- 『ブレードランナー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- リオン「答えはこれだ」
- スシバーの店主「2つで十分ですよ!!」
- バッティ「俺の見せられたものを貴様にも見せてやりたい」
- プリス「迷子なの」
- リオン「起きろ、死ぬ時間だ」
- タイレル博士「明るい火は早く燃え尽きる。君は輝かしく生きてきたんだ」
- バッティ「俺は、お前たちが想像もできないものを見てきた。オリオン座の近くで燃える宇宙船、タンホイザー・ゲートの闇に輝くオーロラ。だが、そんな思い出も消えていく。雨の中の涙のように…」
- ガフ「彼女も残念ですな!」
- 『ブレードランナー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ブリスのメイクの元ネタ
- 『シャイニング』で撮影された映像
- 元のタイトルは『デンジャラス・デイズ』
- レイチェル役のショーン・ヤングを泣かせたハリソン・フォード
- ネーミングの拝借のみでエンドクレジットに登場
- 最期の名場面はルドガー・ハウアーのアドリブ
- 『ブレードランナー』のロケ撮影現場の裏側
- 6人目のレプリカントはデッカード
- タイレル博士もレプリカントという構想
- ハリソン・フォードとリドリー・スコット監督の和解
- リドリー・スコットが語った『ブレードランナー』
- 『ブレードランナー』のサウンドトラック
- 続編『ブレードランナー 2049』