スパイダーマン3(サム・ライミ版)のネタバレ解説・考察まとめ

『スパイダーマン3』とはサム・ライミの監督により2007年に公開されたアメリカ映画で、『スパイダーマン』シリーズの3作目となる。原作はスタン・リー。 幸せな生活を送っていたスパイダーマンこと「ピーター」は、ある日伯父であるベン・パーカーを殺した真犯人が別にいる事実を知らされる。砂の怪物「サンドマン」となったその男に報いを受けさせるため、スパイダーマンは全身を黒く染めていった。

『スパイダーマン3』の概要

ジャンル:アクション/SF/アドベンチャー
上映時間:139分
主題歌:スノウ・パトロール「シグナル・ファイア」
監督:サム・ライミ
原作:スタン・リー スティーヴ・ディッコ
脚本:アルヴィン・サージェント アイヴァン・ライミ サム・ライミ

『スパイダーマン3』とはサム・ライミの監督により2007年に公開されたアメリカ映画で、『スパイダーマン』シリーズの3作目となる。原作はスタン・リー。
ピーター・パーカーは高校生の時に遺伝子操作されたクモに偶然かまれて驚異的な力を手に入れ、スパイダーマンとなった。コロンビア大学の学生になってからも、スパイダーマンとして、グリーン・ゴブリン(正体はピーターの親友ハリー・オズボーンの父であるノーマン・オズボーン)やドクター・オクトパス(正体はピーターが尊敬する科学者オットー・オクタビアス)と戦いを交えてきた。
その後もピーターはスパイダーマンとしてニューヨークの街の平和を守りつづける。学生生活も順調で、成績はクラスでトップだった。そんな幸せな生活を送っていたピーターは、ある日伯父であるベン・パーカーを殺した真犯人が別にいる事実を知らされる。砂の怪物「サンドマン」となったその男に報いを受けさせるため、スパイダーマンは全身を黒く染めていった。

『スパイダーマン3』のあらすじ・ストーリー

空からの黒い物体~ピーターの心に差しはじめた影

ピーター・パーカーは高校生の時に遺伝子操作されたクモに偶然かまれて驚異的な力を手に入れ、スパイダーマンとなった。コロンビア大学の学生になってからも、スパイダーマンとして、グリーン・ゴブリン(正体はピーターの親友ハリー・オズボーンの父であるノーマン・オズボーン)やドクター・オクトパス(正体はピーターが尊敬する科学者オットー・オクタビアス)と戦いを交えてきた。

2人の強敵との戦い以後も、ピーターはスパイダーマンとしてニューヨークの街の平和を守っていた。スパイダーマンの活躍は徐々に街の人たちの人気を集めていき、雑誌では「ニューヨークがスパイディ(スパイダーマンの愛称)を愛する理由」という特集が組まれるほどになっていた。ピーター自身もその人気を肌で感じ喜んでいた。またコロンビア大学の学生生活も順調で、成績はクラスでトップだった。同じクラスにはピーターに勝るとも劣らないほど頭脳明晰な金髪の女性グウェン・ステイシーが在籍しており、ピーターとグウェンは切磋琢磨して勉強に励んでいた。そして、ブロードウェーで舞台女優を続けているメリー・ジェーン・ワトソン(以後MJ)との交際も順調で、ピーターは結婚指輪の購入まで検討していた。

ある夜、ピーターはMJが出演する舞台『マンハッタン・メモリーズ』にMJから招待され観劇しにいった。ピーターは最前列の席に座ってMJの歌声に酔いしれていた。そんなピーターの様子を冷たい目線で2階席から見つめる男性がいた。それはピーターの親友ハリー・オズボーンであった。
ハリーが親友であるピーターに冷たい目線を向けるのには理由があった。
ハリーの父ノーマンはグリーン・ゴブリンとしてスパイダーマンと戦っている最中に偶発的に亡くなったのだが、スパイダーマンがノーマンの遺体を自宅まで運んだ際にたまたまハリーと鉢合わせしてしまい、ハリーは「スパイダーマンが父ノーマンを殺害した」と誤解してしまった。それからずっとスパイダーマンに恨みを抱いていたハリーはスパイダーマンの正体を暴こうと、スパイダーマンの敵であるドクター・オクトパスと取引をし「スパイダーマンを生かしたまま連れてこれば、トリチウム(ドクター・オクトパスが核融合実験のために必要としていた)を渡す」と交換条件を出した。取引に応じたドクター・オクトパスは、約束通り身動きが取れない状態にしたスパイダーマンを連れてきた。ハリーがスパイダーマンのマスクを取ると、そこに居たのは高校時代からの親友であるピーターの姿だったため、ハリーは腰を抜かすほど驚いた。
そういった経緯があり、ハリーはスパイダーマンとして生活し続けるピーターを恨むようになっていたのだった。
公演終了後、劇場を後にしようとするハリーの姿に気がついたピーターは「話がある。説明したいんだ」と声をかけたが、ハリーは「父に話せ。生き返らせてな」と冷たく返すだけだった。このように、ピーターとハリーの関係はかなりこじれてしまっていた。

その後ピーターはMJに会いに楽屋まで行った。MJから「お花をありがとう。そっちのはハリーからよ。ハリーも来てたの?」と質問されたが、ハリーとの関係が悪化していることやハリーが贈ったお祝いの花の方が自分が贈ったものよりも何倍も大きかったことに引け目を感じ、ピーターは「あぁ…さっき外で合ったよ…」と歯切れの悪い返事しか出来なかった。MJはピーターの様子がおかしいことを察知し「何かあったの?」と尋ねたが、ピーターは「ちょっとね…複雑な話なんだ」とだけ答えた。MJは公演中の緊張から開放されテンションが高くなっていたため、「もう一度言って!私本当に良かった?緊張で膝がガクガクしていたの。あまり拍手が大きくなかったし…」と矢継ぎ早にピーターに質問した。ピーターは「最高だったよ」とMJの歌声を褒めた。
公演後、ピーターとMJは川原に行って大きなクモの巣を張り、その上に2人で寝転んで星空を見上げていた。MJが「私、一生舞台で歌い続けたい。最前列はあなたでね」と言うと、ピーターは「もちろん」と答えた。そして「愛してる?」と尋ねてきたMJに対し、ピーターは「すごく愛しているよ。ずっと前から」と答え、MJにキスをした。

そんな仲睦まじい様子のピーターとMJのすぐ近くに、突然空から小さな隕石のようなものが燃えながら降ってきた。しかしピーターとMJはお互いに夢中で隕石に気づかなかった。地面に落ちた隕石は熱した鉄のように赤くなっていて、少しすると中から黒い物体が出てきて、まるで触手を伸ばす生き物のように素早く動き出した。その頃既にピーターとMJはクモの巣から降りて地上にいたが、バイクで帰る準備をしていたので、黒い物体には全く気づいていなかった。黒い物体は触手を伸ばしながら飛んでピーターのバイクに付着したが、バイクに乗っていたピーターもMJも全く気づかずに、黒い物体がバイクについたまま走っていってしまった。

ピーターはMJを家まで送り届けた後、伝えたい事があったので伯母のメイ・パーカー(以後メイおばさん)のアパートまでバイクを走らせた。ピーターが深夜に訪問してきたことに驚いたメイおばさんだったが、ピーターの「MJに結婚を申し込もうと思う」という言葉を聞いて大喜びし、中へ招き入れた。
メイおばさんはお茶とお菓子の用意をしながら、強盗に襲われて亡くなった夫ベン・パーカー(以後ベンおじさん)に求婚された時の思い出を楽しそうにピーターに話した。そしてメイおばさんは「男性は妻を理解して、自分より大事にできなければいけないわ。あなたにそれが出来る?」と、ピーターに確かめるように尋ねた。ピーターは少し考えてから「あぁ。出来ると思う」と答えた。するとメイおばさんは「じゃあ、祝福してあげる」と言った後、ベンおじさんとの思い出が詰まった大切な結婚指輪を自分の指からはずし、「これをMJにあげて。一生忘れられないような特別なプロポーズにするのよ」とピーターに優しく話した。ピーターは、メイおばさんのとても大切な指輪を譲り受けるのが恐れ多かったが、メイおばさんの気持ちに応え、指輪を受け取った。
その後メイおばさんのアパートをあとにしたピーターは、メイおばさんからの祝福を嬉しく思う気持ちで、家へとバイクを走らせている最中とてもいい気分で運転していた。

そこへ突然、グリーン・ゴブリンが使っていたのにそっくりなグライダーに乗った男がピーターの背後から現れ、ピーターに奇襲を仕掛けた。男はピーターを掴んだまま上空へ飛んでいき、ピーターを殴ったり、腕に装着している刃物状の武器でピーターの腹を切りつけたりして攻撃を加えた。ピーターは切られた痛みで叫びながらも、右手からビルに向けて出した糸で体を支え、左手から出したクモの糸の玉を男にあてて反撃した。このピーターの攻撃に対し、男はピーターが体の支えにしていた方の糸を刃物で切断した。糸を切られてしまったピーターは激しく回転しながら急降下し、落下途中男からの体当たりの攻撃を受けて、ビルの壁にめり込むほど強く叩きつけられた。
ビルの壁にめり込んだままのピーターがゆっくりと顔を上げると、グライダーに乗った男がゆっくりと顔のマスクを外した。その男の正体はハリーだった。

ハリーがどうやって“ニュー・ゴブリン”になったのか。それはスパイダーマンがドクター・オクトパスと戦っていた頃にさかのぼる。
ドクター・オクトパスとの取引によって、スパイダーマンの正体が親友のピーターだと分かったハリーは打ちひしがれていた。そこへ亡き父ノーマンが、ハリーの心の中の投影として自宅の鏡の中に突然現れた。鏡の中のノーマンは「スパイダーマンに復讐しろ!」とハリーに焚き付けた。しかしハリーは「ピーターは親友だ。嫌だ!」と言って手に持っていたナイフを鏡に向かって投げつけた。すると割れた鏡の奥にはノーマンの隠し部屋があり、そこには人体パワー増強剤やグライダー、丸い爆弾など、グリーン・ゴブリンになるための一式が全て揃っていた。
そこでハリーは、ピーターに復讐する時期を見計らって父と同じ様に自ら人体パワー増強剤を摂取し、ニュー・ゴブリンとしてピーターの前に現れたのだった。

ハリーは「こうなるのは覚悟していただろう」と言って、ピーターに殴りかかった。寸前で攻撃をよけたピーターは「聞いてくれ、僕はノーマンを殺していない。僕を殺そうとしたノーマンが、誤って自分で自分の命を断ってしまったんだ!」と叫んだ。しかしハリーは聞く耳を持たず、逃げるピーターを攻撃し続けた。そしてピーターの足を掴んで、ビルのガラスを突き破るほど強く投げ飛ばした。ピーターは強い衝撃を受けたため、メイおばさんから譲り受けた大切な指輪が飛んでいってしまった。ピーターは落下していく指輪を取ろうと糸を出そうとしたが、ハリーの攻撃で邪魔されてしまった。その後ピーターも攻撃を仕返しながらなんとか指輪を取り戻したが、ハリーからの攻撃は止まなかった。

糸を出しながら飛んで逃げていたピーターは、グライダーが入りにくいビルとビルの間の細いスペースへと入っていった。しかしハリーはグライダーを器用に操作してピーターを猛追し、剣のような武器で襲ったり丸い爆弾を投げたりして、ピーターを攻撃し続けた。丸い爆弾の方は、羽のような形をした刃物を出しながらピーターを狙ってどこまでも追い続けてきたので、ピーターにとって非常に厄介なものだった。そこでピーターは、爆弾ひとつひとつに狙いを定めて糸の塊を発射して撃墜した。さらには自分の方へ向かって飛んできた爆弾に糸を飛ばしてくっつけ、バネの要領で追ってくるハリーの方へ投げ返した。するとピーターが投げ返した爆弾が、ハリーにあたる直前で別の爆弾に当たって爆発が起こったため、ハリーは一瞬目の前が視界不良になった。
爆発の中を抜け出たハリーの目の前にあったのは、ピーターがビルとビルの間に仕掛けた一本のクモの糸だった。ハリーはその糸に引っかかってバランスを失った。ハリーは、グライダーが足から外れて飛んでいってしまうほど激しく回転し、配管に頭を強く打ち付けたあと路上に叩きつけられた。路上のハリーが全く動かないので、心配になったピーターはすぐに駆けつけ、意識のないハリーに心臓マッサージを施し始めた。しかしハリーに全く反応が無かったので、ピーターはハリーを抱きかかえ自ら病院へ連れていった。

病院での救急措置の甲斐あって幸いハリーは意識を回復したが、記憶障害が残ってしまった。特に、頭をぶつけた事故を始めとした短期記憶を無くしてしまったのだ。医者は「ハリーが記憶を取り戻すことは無いかもしれない。時間が経てば分かる」と説明した。説明を聞いたピーターは、自分との戦闘中に頭をぶつけたことや、そもそもその戦いはハリーの父ノーマンの死をめぐって起こったものだということを、ハリーはどこまで覚えているのかと不安になった。
少しだけ様子を見ようと、ピーターが恐る恐るハリーの病室へ入っていくと、ハリーは微笑みながら「よう、ピーター」と言った。ハリーはピーターの事を“親友”だと記憶していたのだ。ピーターはこのハリーの様子を見て、ハリーは頭を打つに至った経緯は覚えていないんだと感じ、少しほっとした。またハリーは、医者からの「君はひき逃げ事故にあって頭を打ち記憶をなくしたんだ」という言葉を完全に信じており、父ノーマンが亡くなったのも「僕の父、死んだんだって?」とピーターに話し、経緯を全く覚えていない様子だった。そこへMJが慌てた様子で病室へ駆けつけると、ハリーはMJのことも覚えていたので自然に笑顔がこぼれた。

その後病室をあとにしようとしたピーターに対し、ハリーは「また明日」と言った。ピーターとMJが去った後、看護師が「良いお友達ね」と言うと、ハリーは「親友なんだ。命をやってもいい」とピーターへの思いを語った。その一方で、病室からの帰り道でMJに「(ハリーと)仲直りしたの?」と聞かれたピーターは、仲直りしたわけではないのに「ああ」と答えていた。
ピーターは、ハリーが短期記憶を無くし自分との関係を親友だと記憶しているのを都合よく利用し、ハリーとのいざこざは無かったかのように振る舞ったのだった。

サンドマンの誕生~グウェンの救出~新入りカメラマンエディ

ある日の夜、ピーターの伯父ベンおじさんを殺害した容疑で逮捕・収監されていたフリント・マルコが刑務所から逃走した。病気療養中の娘ペニー・マルコのために、なんとかお金を捻出し助けてあげたいという一心での脱獄だった。
フリントはまず自宅へ向かったが、容疑者となったことで妻エマ・マルコとの関係が悪化していたため、玄関ではなくペニーの部屋の窓から密かに入った。そしてずっと受取拒否で刑務所へ戻ってきていたペニー宛の手紙を、ぐっすり眠っているペニーの枕元に置いた。その後囚人服から私服へ着替え、キッチンで腹ごしらえのためパンを食べようとした。すると、物音に気づいたエマがやってきて「出ていって。娘に近づかないで、あなたはただのケチな強盗よ。しかも人を殺したのよ?」と言って追い出そうとした。フリントは、エマの“人を殺した”という言葉に強く反応し、「それは違う!誤解だ。理由があったんだ」と答えた。そこへフリントとエマの会話に気づいたペニーが部屋から出てきた。フリントは「会いたかった」と言ってペニーに駆け寄ると、ペニーも「私もよパパ」と答えロケットペンダントをフリントに渡した。フリントはペンダントを強く握りしめ「約束する。お前の病気を治す。どんなことがあっても金を手に入れてやる」と言った。
そこへパトカーのランプの赤い光が家の中まで差してきて警察が来たことが分かったため、フリントはキッチンの窓から逃げようとした。「俺は悪人じゃない。運が悪かっただけだ」と言い残して、フリントはエマとペニーの前から去っていった。

フリントが脱獄したことはニューヨーク市警のジョージ・ステイシー警部の耳にまで届き、警察の捜査網はさらに強化された。フリントは郊外の沼地に隠れていたところを警官たちに見つかってしまい、走って逃げていた。途中、素粒子物理実験場の高いフェンスが立ちはだかり逃げ場が無くなったが、フリントは「危険!入るな!」という看板をよそにフェンスをよじ登って、実験場の中へ入っていってしまった。警官が「この中は危険だぞ!」と呼びかけながらフェンスの外からフリントの姿を目で追っていると、突然フリントが警官の視界から消えた。フリントは、大きなろうと型の素粒子分解装置の中に落ちてしまったのだ。
装置の底に大量に敷いてあった砂の上で、フリントが何が起きたのか分からない様子であたりを見回していると、素粒子分解実験が始まって装置が動き出してしまった(実験場の操作室ではいつもと違う反応があることに研究者は気づいていたが、鳥だと思っていた)。フリントは高速で回転しながら降りてくる実験装置から抜け出そうとしたが、回転が早過ぎたため出来なかった。そして素粒子分解実験の中心部に取り残されたフリントの体は、細かい砂の粒子にどんどん分解されていってしまった。
警察は、実験が終わるとすぐ装置のもとへ駆けつけたが、そこにはフリントの姿は無くただ大量の砂があるだけだった。
朝になり明るくなった素粒子実験装置の中では、砂が波のように動いて集まり、一度崩れかかりながらも人間の形を成そうとしていた。それは“サンドマン”と化してしまったフリントだった。
フリントは自分の体が全て砂でできていることに驚き困惑しながらも、ペニーからもらったロケットペンダントを見つけ、取ろうと手を伸ばした。しかしもろい砂でできた手ではペンダントを手に取ることができなかった。フリントは悔しい表情をにじませながらもう一度手を伸ばすと、少し人間の手の形に近づいたためペンダントを取ることができた。ペンダントの中に入っていたペニーの写真を見たフリントは、ペニーの為に頑張らなければと決意を新たにし、ゆっくりと元の人間の姿に戻りながら歩き出した。

ピーターは、プロポーズのために予約したレストランのカードとメイおばさんから譲り受けた指輪を見つめながら、自宅でくつろいでいた。そこへMJが慌てた様子で突然やってきたので、ピーターは指輪をポケットにしまってからMJを招き入れた。MJは新聞の劇評を伝えるためにやってきたのだが、新聞には「若手のワトソン(MJ)は可愛いが、声が小さく客席の最前列までしか声が届かない」と書かれていたため、MJは落ち込んでいた。しかしピーターは「僕にはちゃんと聞こえたのに」とあまり慰めにならない言葉を返した(ピーターは最前列に座っていたので)。その上「しょせん劇評だよ、こんなこと慣れないと。スパイダーマンだって年中けなされてるんだよ。自分を信じて馬にムチを入れて…」と、ピーター自身の話をしていきなり馬のたとえ話をしたりしたので、MJは「何が馬よ!私の気持ちも少し分かって」と言って怒った。
ピーターとMJの間に微妙な空気が流れていると、スパイダーマンとしてすぐに駆けつけられるようにいつもONにしてある警察の無線傍受機から「54丁目の全車に告ぐ、クレーンがコントロール不能になった」という無線が聞こえてきた。ピーターは、MJがスパイダーマンを送り出してくれる時に以前言ってくれた「やっつけて(Go get’em tiger!)」という言葉を言って雰囲気を変えようとしたが、MJの表情は曇ったままだった。結局MJとの話は途中のまま、ピーターはスパイダーマンになって窓から飛んでいってしまい、MJは話を聞いてもらえずじまいだった。
ピーターに呆れたMJは、部屋のゴミ箱に新聞を投げ捨ててピーター宅をあとにしようとした。するとその時部屋の中でガタンッという物音がしたので、MJは一瞬振り返ったが、何も見あたらなかったためそのまま出ていった。
実はその物音の正体は、川原でピーターのバイクにくっついてきた黒い物体が動いて電気スタンドに当たった音だった。空から降ってきた黒い物体は、生き延びるために“宿主”を求め、ピーターの自宅の中まで入ってきたのだった。

警察が無線で連絡していたクレーンの現場は、高層ビルの屋上にあった。クレーンの運転席にある電源は機能しなくなっていたため、乗組員は動きを制御することも電源を切ることも出来ない八方塞がりの状態に陥っていた。
そのすぐ近くの別の高層ビルでは、何も知らないグウェンがコピー機のイメージモデルとして撮影に参加していた。グウェンがカメラマンの指示に従ってポーズをとっていると、カメラマンが突然「背景に見えるのは一体何だ?」と言って手を止めた。グウェンが後ろを向くと、制御不能になったクレーンの吊り荷の鉄筋がこちらへ向かってくるのが見えた。その次の瞬間には、グウェンがいた階に向かって鉄筋が回転しながら突っ込んできた。グウェンが間一髪で鉄筋の直撃を避けると、今度は制御不能になったクレーンの先端部分が戻って来てグウェンがいた一つ下の階を直撃したため、グウェンが立っていたビルのフロアーが外に向かってすべり台のように傾いてしまった。滑り落ちていったグウェンはフロアーの端ギリギリのところになんとかしがみつくことができたが、滑り落ちてきたオフィスデスクに当たりそうになり、避けながらとっさに少し下にあったビルの鉄枠をつかんだ。しかし今度は、たわんだビルの鉄枠になんとか捕まっていたグウェンに向かって制御不能になったクレーンが下から襲ってきた。グウェンは捕まり続けることができず、鉄筋から手が離れ地上へ向かって真っ逆さまに落下していった。
そこへスパイダーマンが現れ、落下する瓦礫の間を糸を使いながらかいくぐって、なんとかグウェンを抱きとめ救出した。地上に降りたグウェンはスパイダーマンに感謝の気持を伝えた後、現場に職務で駆けつけていた父ジョージ・ステイシー警部のもとへ駆けつけ抱き合った。

スパイダーマンが立ち去ろうとすると、カメラを持った一人の男性が「デイリービューグルの新人カメラマンなんだ。写真撮らせて」と言いながらスパイダーマンを撮影し始めた。カメラマンはエディ・ブロックJr.といい、グウェンに片思いしている男性だった。スパイダーマンは自分(ピーター)がデイリービューグルのスパイダーマンカメラマンであるはずなのにと思い「いつもの彼は?」と尋ねると、エディは「ここだけの話だが、彼(ピーター)はアマチュアだ」とピーターのことを悪く言った。自分(ピーター)の悪口を目の前で言われたスパイダーマンは、気分を害して少し首を傾げてから、糸を出してその場から立ち去った。
その後、エディは早速、クレーン事故現場でのスパイダーマンの写真を新聞社デイリービューグルへ持っていった。社長のJ・ジョナ・ジェイムソンに直接売り込もうとしたのだ。しかしエディは、J・ジョナ・ジェイムソンの秘書ベティ・ブラントから「社長は今忙しいわ」と社長室への入室を断られてしまった。J・ジョナ・ジェイムソンは部下ホフマンが考えた“あまり内容のない”キャンペーンを怒らずに聞いていなければならず、時間がかかっていたのだ(J・ジョナ・ジェイムソンは元々怒りっぽい。血圧の薬を服用中)。結局怒りを抑えられなかったJ・ジョナ・ジェイムソンは、ドアを開けホフマンを追い出した。そしてドアが空いた瞬間を見逃さなかったエディは、隙間をすり抜けて勝手に社長室へ入っていってしまった。

エディはJ・ジョナ・ジェイムソンに「誰だ!」と言われながらも、J・ジョナ・ジェイムソンのシャツを褒めておだてつつ、スパイダーマンの写真を渡した。そこへピーターもスパイダーマンの写真を持ってやってきたが、エディの写真の方が出来が良くピーターよりも安くつく上にシャツを褒められたのもあって、J・ジョナ・ジェイムソンはエディの写真を採用した。
写真を採用してもらったエディは「僕は街一番のカメラマンです。写真で大切なのは、ピーターのように旗竿を使って高いところから撮るという手法ではなく(スパイダーマンだとばれないようピーターが言ったうその手法)、“明かり・構図・ドラマ”なんです。出来れば社員として採用してほしい、結婚を申し込みたい女性がいるんです(グウェンのこと)。それにJ・ジョナ・ジェイムソンという偉大な編集長と仕事がしたいんです」と、ピーターの写真をバカにしながら自分を売り込んでいった。
この言葉を聞いていい気分になったJ・ジョナ・ジェイムソンはエディを社員に採用しようとしたが、ピーターはすぐに「待って、僕の方が以前から働いてるし社員になるなら僕のほうが先でしょ?」と訴えた。J・ジョナ・ジェイムソンは少し考えてから「スパイダーマンなどケチな犯罪者だということを世の中に見せつけたい。ニセのヒーローだと。やつの悪事の現場を撮れ!その写真を撮った方を雇ってやる」と条件を出した。社長室を出たピーターが「悪事の現場なんて撮れっこない」と言うと、エディは「どうかな?」と反論し、お互い別々の方向へ歩いていった。

デイリービューグルをあとにしたピーターは、退院するハリーの元へ向かった。その途中、タイムズスクエアの電光掲示板には「スパイダーマンに名誉市民賞。警部の娘(グウェンのこと)を救う」と表示されていた。ピーターはその電光掲示板の前を一度通り過ぎたものの、戻ってきてそのニュースを誇らしい顔で見入っていた。

溝が深まっていくピーターとMJ~街中に現れたサンドマン

ピーターは、退院したハリーが自宅に帰るのに付き添った。ハリーにはまだ直近の記憶障害が残っていたが、出迎えてくれた執事のバーナードのことは覚えていた。ピーターはハリーの退院祝いとして、高校時代から使っていた自分のバスケットボールをハリーに渡した。ハリーはとても喜んで、バスケットボールをドリブルしながらピーターとの高校時代の思い出話を始めた。するとハリーが突然「俺…彼女いなかったっけ?」と聞いてきたので、ピーターはバツが悪そうな顔で「知らない」と答えた。ハリーが高校卒業直後に付き合っていたのがMJ(今はピーターの彼女)だったので、ピーターは答えにくかったのだ。ハリーは自分に彼女がいなかったかどうかバーナードにも質問したが、バーナードは「私が知る限りではいません」と答えただけだった。
ピーターは、確執が生まれる以前の様にハリーと仲良く会話出来ていることがとても嬉しかった。しかし話をしながら入っていった居間には、亡くなったハリーの父ノーマンを横たわらせたベッド(横たわらせた瞬間をハリーに見られてしまったことで“スパイダーマンがノーマンを殺した”とハリーに誤解されてしまった発端の場所)やノーマンの大きな肖像画が置いてあったため、それを見たピーターの表情は次第にかたくなっていった。そしてハリーが肖像画を眺めながらノーマンの思い出話を始めたので、ピーターは話題を変えようと「キッチンでバスケットボールの試合を見ないか?何か食べながら」と言って、持っていたバスケットボールをハリーに向かって投げた。
ピーターが投げたバスケットボールは運悪く台に当たり、その上に乗っていた大きな花瓶が落ちそうになったが、ハリーはバスケットボールも花瓶も両方とも床に付く前に即座にキャッチした。ハリーは「今の見たか?」と言って思いもよらない自分の瞬発力に喜んでいた。一方、ピーターは“ハリーには記憶障害が残っているけど身体能力はニュー・ゴブリンになった時のままなんだ”と感じ、ハリーが直近の記憶を取り戻すのではないかとますます恐れ始めていた。

そのころMJはブロードウェイの劇場へ出勤していた。いつもと同じように中へ入っていくと、MJ抜きで既に稽古が始まっており、しかも自分の役を他の女優が務めていたのでMJはとても驚いた。MJに気づいた代役の女優が突然歌うのを止めたことで、稽古を見守っていた2人の監督もMJが来たことに気づいた。監督たちはバツが悪そうな表情でMJの元へやってきて、1人の監督が「すまなかった。君に連絡しようとしていたんだ」と謝った。MJは「1つの批評だけで?(私を降板させるの?の意味)」と悲しそうに質問すると、もう1人の監督が「いや、全紙で叩かれたんだよ。病気で降板したことにしようか?」と、MJの降板はもう決まったこととして話してきた。MJは返す言葉もなく、何も言わずに劇場から出ていった。
落胆したMJが劇場の外へ出たちょうどその時、外にいた大勢の人たちが拍手をし始めた。拍手は自分に送られたものだと思ったMJは一瞬喜んだが、人々が拍手を送っていたのは、ちょうど劇場の近くを飛んでいたスパイダーマンに対してだと分かると、MJの表情は再び曇った。
自分はたった今舞台をクビになったというところに、新聞の批評に落ち込んでいた自分の話も途中のままでスパイダーマンになって出ていってしまったピーターが、人々にこんなに称賛されている。その状況にいたたまれなくなったMJは、スパイダーマンが飛んでいった方向とは反対の方向へと足早に去っていった。

公園の広場ではスパイダーマンへの名誉市民賞授与式が始まろうとしていた。集まった人々は、スパイダーマンを称えるプラカードを掲げたり「スパイディー!」と叫んだりして、お祭り騒ぎになっていた。スパイダーマンが現れるのを今か今かと待ちわびる人々を見たピーターは、“自分がこんなにも人々に求められ好かれているんだ”と感じ有頂天になっていた。賑わう人々を背景にMJの写真を撮っている時も、背後の「SPIDEY THE MIGHTY!(偉大なスパイディー!)」と書かれた横断幕にピントを合わせて撮ってしまうほど浮かれていた。
一方で、舞台をクビになった直後の状態でピーターの輝かしい姿を見なければならないMJは浮かない表情だった。そんなMJの事情を何も知らないピーターは「大丈夫?まだ(落ち込んでいたMJを残して居なくなってしまったこと)怒ってる?批評のことだけど、きっと明日には笑い話になってるよ」と元気づけようとした。そしてクビになったこともMJは言えないまま、浮かれていたピーターはスパイダーマンになる準備をしに足早にMJの元から去っていった。

授与式が始まりスパイダーマンに助けられた経緯を話しているグウェンの姿を、MJはひとり遠巻きから見つめていた。するとそこへハリーがやってきて話しかけてくれた。ハリーは以前MJが出演する劇に自ら花を差し入れたことを覚えておらず、「劇に出てるんだって?」と初めて聞くような雰囲気でMJに尋ねていて、まだ記憶障害が残っているようだった。それでもハリーがとても元気そうだったのでMJも次第に笑顔になっていった。そして「今夜また劇を観に行くよ」と言ってくれたハリーに対し、MJはクビになったことを素直に話した。ハリーはそれに対し「恥ずかしいけど…昔君の劇を書いたんだ」と言って元気づけた。

グウェンのスピーチは終盤にさしかかっていた。スピーチの最後、グウェンが「それではお待たせしました!我らがスパイダーマンです!」と言って上空を指差すと、スパイダーマンが飛んでやってきたので会場にいた観客たちは大盛りあがりになった。その観客たちの様子を見たスパイダーマンは更に浮かれあがり、壇上に設けられたセットに糸をかけぶら下がった状態でグウェンの前に現れた。
盛り上がった観客たちはスパイダーマンとグウェンに対し「キスしなよ!」「そうだそうだ!」と言ってはやし立てた。グウェンが戸惑っていると、スパイダーマンが「してもいいよ。みんな喜ぶよ」と言ってキスを促したので、グウェンはスパイダーマンのマスクを少し下げてキスをした。観客たちは2人のキスを見て更に盛り上がり喜んでいたが、MJは「信じられない」という表情で立ち尽くしていた。
この逆さキスは、スパイダーマンとMJが知り合った当初(MJも街の人もスパイダーマンの正体がピーターだと知らなかった頃)、男たちに襲われそうになっていたところを助けてくれたお礼にとMJがスパイダーマンにしたのと全く同じ格好で、MJにとっては“2人の間の”大事なキスだったからだ。
スパイダーマンとグウェンの姿を見ていられなくなったMJは会場を立ち去ろうとした。ハリーが心配して追いかけていって「大丈夫?」と声をかけるとMJは「ええ、平気よ」と答えたが、その表情は曇っていた。

するとそこへ突然大きな砂嵐がやってきて、まるで生き物のように動きながら銀行方面へ猛スピードで過ぎ去っていった。警察から逃げていたフリントが隠れたトラックの荷台に大量の砂が積んであり、その砂がフリントの体の砂の粒子と一体となって巨大化したものだった。砂嵐は、銀行で現金を積んだ輸送車を追いかけ荷台の上でサンドマンの姿に変わり、荷台を破壊して中の現金を強奪しようとした。荷台にいた警備員がライフルで反撃しようとすると、サンドマンは大量の砂の粒子に戻ってそのまま荷台の中に入っていった。大量の砂は運転席の方にまで流れ込んでいったため、アクセルが砂によって押されっぱなしの状態になり、輸送車は暴走し始めた。
そこへスパイダーマンが駆けつけて荷台の中へ入っていくと、大量の砂の一部がフリントの姿に戻っており、現金を袋ごと持ち出そうとしていたところだった。「そこまでだ!」と言ってフリントを思いとどまらせようとしたスパイダーマンだったが、フリントは「ケガをさせたくない。早く帰れ」と言って引き下がらなかったので、攻撃を仕掛けた。しかしフリントの体は自由自在に砂の粒子になったり手だけサンドマンの大きな拳にして殴りかかったりすることが出来たので、攻撃がうまく当たらずスパイダーマンは苦戦していた。
その間にも輸送車は止まること無く暴走していて、運転手と警備員は運転席の砂の中に埋もれたままだった。進行方向に止まっていたトラックとの距離が次第に近づいてきたので、運転手は「助けて!」とスパイダーマンに呼びかけた。トラックにぶつかる寸前にスパイダーマンは運転手と警備員を後ろに放り投げ、飛ばしたクモの巣にキャッチさせて救出した。輸送車はトラックに衝突したはずみで横転した。
やっと止まった輸送車の荷台からヨロヨロと出てきたスパイダーマンはサンドマンがどこに行ったのかとあたりを見回していたが、既にサンドマンはスパイダーマンが運転手たちを救出している間に現金入りの袋を持ち出して逃走してしまっていた。

ブラックスパイダーマン

ピーターはMJにプロポーズするため、そわそわしながらレストランで待っていた。きらびやかなドレス姿で現れたMJを見てピーターは浮足立ち彼女を「ブロードウェイスター」として扱うも、役を降ろされてしまったMJは「私の気持ちはわからないでしょう」と冷めた目で返す。降板の事を知らなかったピーターは「自分もそのような経験があるからわかる。昔は誰にも相手にされなかったが、今ではみんなが自分をスパイダーマンとして褒めたたえるんだ」と自慢げに話していた。更にそこへピーターが助け、キスした相手のグウェンが現れる。この時MJは初めてグウェンが大学のクラスメイトだと知り、「2人の大切な思い出のキスを台無しにされた」と怒って帰ってしまった。

ある時ピーターは伯父を殺した真犯人である「フリント」が脱獄したことを知り、スパイダースーツを身につけながら警察無線に聞き入っていたが、いつの間にか眠りに落ちていた。気が付くとピーターはビルの頂上におり、いつもの赤いスーツではなく黒いスパーダ―スーツを身につけていたのである。黒いスーツを着ていると普段よりも身のこなしが軽くなり、力も強くなったため、ピーターはこの黒いスーツを気に入ってしまう。ピーターは黒い物体の一部を大学の教授に調べてもらうと「危険なものだ。触れてはいけない」と警告された。しかしピーターはフリント出現の報告を聞くと、黒いスーツを身につけて飛び出していった。
砂を身にまとっているフリントは水が弱点だった為、ピーターは水槽タンクを破壊してフリントを押し流す。こうして事件は解決したかに思われた。

一方MJはピーターからかかってきた電話を取ろうとした瞬間、記憶をすべて取り戻したハリーから「ピーターを助けたければ言うことを聞け」と脅されてしまい、困惑して追いすがるピーターに別れを告げてしまう。
ピーターは黒いスーツを身につけてハリーと対峙し、やがて戦い始める。しかし黒いスーツを着たピーターの力は強く、ハリーに心ない言葉を告げてしまうのだった。ハリーはピーターめがけて爆弾を投げつけたが、あっさりと跳ね返されピーターは顔に大きな火傷を負ってしまった。

ハリーの決意

黒いスーツの虜になっていたピーターは、性格が真逆となっていた。女性にもモテるようになって誰に対しても大口をたたくようになる。更にはMJを呼び出してわざとグウェントのダンスを見せつけるようにしていた。あまりの変わりように困惑するMJに対し、ピーターは「君こそどうしたの」と返す。2人の不穏な空気を心配した店の支配人が用心棒を伴ってピーターに近づくと、ピーターは用心棒を軽々投げ飛ばし、MJも巻き添えで飛ばされてしまった。
MJを傷つけてしまったことに大きなショックを受けたピーターはその場から逃げ出し、黒いスーツを脱ぐために教会のてっぺんにやってくる。スーツはなかなか脱げなかったが、鐘が鳴り出した途端黒い生物は苦しみだし、ピーターから離れていった。

その頃エディは彼女であるグウェンをピーターにとられ、更に就職もうまくいかずに苦労していた。ちょうどピーターがスーツを脱ぐために訪れていた教会のなかでは、エディが「ピーターを殺してほしい」と願っていたのである。そんなエディの想いを感じ取ったのか、黒い生物はピーターから離れてエディに憑りつく。エディは岸に流れ着いていたフリントを仲間に引き入れ、ピーターを抹殺すべく動き出した。エディはMJを捕らえ、フリントは「サンドマン」として町を破壊し、ピーターをおびき出す。

MJが捕らえられたことに気付いたピーターはハリーに助けを求めるが、酷いやけどを負わされたハリーはピーターの頼みを冷たく断り、ピーターは仕方なく単独でMJ救出に向かった。しかし執事のバーナードが父親の本当の死亡原因を明かし、スパイダーマンが父を殺したのではないと諭す。真実を知ったハリーは窮地に陥っていたピーターのもとに駆け付けて彼を救ったのだった。
MJの救出にも成功したが、スーツに支配されていたエディとの戦いは終わっていなかった。ハリーは自らが囮となってエディを爆弾で倒す。ハリーはピーターとMJが見守る中、その生涯を閉じたのだった。

『スパイダーマン3』の登場人物・キャラクター

ピーター・パーカー(スパイダーマン)/演:トビー・マグワイア/吹替:猪野学

今やニューヨークの顔となった「スパイダーマン」の正体。

幼いころから愛し続けたメリー・ジェーン・ワトソン(MJ)と幸せな日々を過ごしていたが、彼女の悩みに気づいてやれなかったことで、その関係にも陰りが見え始めていた。

丁度そんな頃、最愛の伯父ベン・パーカーを殺した真犯人と目される男の話を耳にしたピーターは、謎の生命体「シンビオート」に影響され、復讐心にかられた「ブラック・スパイダーマン」となってしまう。

ハリー・オズボーン/演:ジェームズ・フランコ/吹替:鉄野正豊

ピーターの親友であり、グリーン・ゴブリンことノーマン・オズボーンの息子。

前作でスパイダーマンの正体がピーターであることを知ったハリーは、父の仇と信じ、グリーン・ゴブリンの遺産である薬品や兵器を使い「ニュー・ゴブリン」となりピーターに襲いかかる。

交戦中に地面に落下し記憶の一部と復讐心を失ってしまった彼は、ピーターと仲の良かった昔のハリーに戻っていた。しかしそれもつかの間、再び記憶を取り戻したハリーはピーターを陥れようとMJを利用することを思い立つ…

フリント・マルコ(サンドマン)/演者:トーマス・ヘイデン・チャーチ/吹替:石田圭祐

「俺は運がなかっただけだ」と語る、自称不運な男。 ピーターの伯父ベン・パーカーを殺害した真犯人と見られている。

分子分解の実験に巻き込まれ、砂の怪物「サンドマン」となってしまうが、娘の病気の治療費を手に入れるため悪事を働く。

事実を知ったピーターに伯父の仇と狙われ、スパイダーマンに対抗するため「エディ・ブロック」(ヴェノム)と手を組む。

エディ・ブロック(ヴェノム)/演者:トファー・グレイス/吹替:森川智之

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