マイティ・ソー バトルロイヤル(MCU)のネタバレ解説・考察まとめ
『マイティ・ソー バトルロイヤル』とは、2017年に公開された、マーベルコミックスのヒーローである雷神ソーを主役としたシリーズの第3作品目。人気ヴィランのロキもソーと共に故郷アスガルドのために戦うことから、トレイラーの公開時から大きな話題になっていた。ソーの姉である死の女神ヘラが復活したことでアスガルドは大きな混乱に陥った。アスガルドを守るため、ソーは無敵の怪物ハルクと自分の弟であるロキと協力して戦いに身を投じる。
『マイティ・ソー バトルロイヤル』の概要
『マイティ・ソー バトルロイヤル』とは、マーベルコミックスに登場するヒーローのひとり、雷神ソーを主役としたアクション映画の第3作品目。2017年に公開された。マーベルシネマティックユニバースのシリーズとしては、第17作品目である。
主役のクリス・ヘムズワースの出身国であるオーストラリアでユーチューバ―のイベントが開催されたりと、公開前からファンの間で話題になっていた。監督はタイカ・ワイティティ。今までのシリーズとは一味も二味も違うテイストに使用とした結果、爽快な物語が仕上がった。宇宙を股にかけるヒーローチームのガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとは違ったテイストのコメディ映画にもなっていて、笑いどころが多く存在する。
カメオ出演にマット・デイモンなどの大物俳優やクリス・ヘムズワースの兄を起用するなど、監督の遊び心が見え隠れしている。宇宙でハルクが大暴れするこのストーリーは、コミックスの”プラネット・ハルク”を参考にした模様。
『マイティ・ソー バトルロイヤル』のあらすじ・ストーリー
アスガルドの王子である雷神のソーは、アスガルドの滅亡・ラグナロクをもたらすスルトを倒すべく、不毛の地ムスペルヘイムでひとり戦っていた。スルトの力の源である兜を奪ったソーはアスガルドへ帰還するが、門番であるヘイムダルの姿がなく代わりに戦闘員であるスカージがいた。宮殿ではソーと弟のロキがダーク・ワールドで共闘した寸劇まで催されており、宇宙が強大なパワーを持つ石であるインフィニティ・ストーンの影響で混乱を極めているのに父王のオーディンには堕落した雰囲気が漂っている。父王のおかしな様子にピンときたソーが問い詰めると、実はそのオーディンは死んだはずの弟であるロキが化けていたのだ。
ロキが地球にオーディンを置いてきたと告げたためソーはロキを引きずって地球に急いだが、何とロキがオーディンを置いてきた老人ホームは壊されていた。途方に暮れるソーとロキだったが、その時、魔術師・ドクター・ストレンジの招待を受ける。どうやらオーディンはドクター・ストレンジに頼んで北欧へ移動したようだった。
急いで2人がノルウェーに向かうと、オーディンが海を見ながら佇んでいた。オーディンは2人に愛していると告げると、死の女王ヘラが復活したことを告げて死んでしまった。オーディンはここ数年力が弱まっており、無理をしてソーを地球に送ったりヘラを封印したりしていたのだ。直後、ヘラが現れた。彼女はその残虐な性質のせいでオーディンの力で地下世界へ封印されていたが、彼が死んだことで完全復活を遂げたのだ。彼女の目的は自分の力の源であるアスガルドの完全支配と、全宇宙の征服だった。ソーとロキはヘラに立ち向かおうとするが、全能のハンマーであるムジョルニアをもあっという間に破壊されてしまう。思わずアスガルドへ戻り体制を立て直そうとしたロキだったが、移動中にヘラに追いつかれてソーとロキは時空の狭間に落とされ、ヘラはアスガルドに侵入してしまった。ヘラはウォーリアーズ・スリーやアスガルドの屈強な戦士たちを軽々倒し、アスガルドを乗っ取った。
一方ソーはサカールと言う見知らぬ惑星に墜落した。無法者たちに囲まれてピンチのソーだったが、元アスガルド最強の女戦士であるヴァルキリーに攫われて謎の場所へと連行されてしまった。実はそこはグランドマスターという宇宙でも古参の男に支配された惑星で、ソーはそこで開催されているバトルロイヤルの出場者として攫われたのだ。そんなわけが分からないイベントに関わりたくないソーはグランドマスターに抗議するが聞き入れられず、イライラしているとなんとロキが優雅に座って談笑しているのを発見した。ロキは先にサカールに墜落していて、話術でグランドマスターの友人になっていたのだ。しかし、兄を助けるわけではないロキ。バトルロイヤルに放り込まれたソーだったが、そこで最強の対戦者として現れたのはアベンジャーズのメンバーであるハルクであった。人工知能ウルトロンとの戦いの後、行方不明になっていたハルクは、なんと戦闘機クインジェットで宇宙まで来ていたのだ。友人だと言うソーに対して容赦なく攻撃を加えるハルクの一撃にソーは気絶してしまった。
目が覚めたソーは、ハルクの部屋に転がされていた。ハルクとヴァルキリーに共にアスガルドや地球の危機を救おうと説得するソーだったが、2人は聞く耳を持たない。しかし、クインジェットのブラック・ウィドウのメッセージを利用してハルクをバナー博士に戻すことに成功。バナー博士と逃げていると、やはり協力したいと申し出たヴァルキリーによりロキも捕獲されサカールからの脱出を企てることとなった。
グランドマスターの船が頑丈なため、それを奪ってアスガルドへ向かうことが決定。ソーとロキは協力してグランドマスターの船を奪い、サカールを脱出した。この時またソーを出し抜こうとしたロキだったが、それをソーに見透かされて阻止されてしまった。ソーはグランドマスターの小型艇で、ロキはサカールの囚人たちを連れて大型船でアスガルドに向かった。
アスガルドへ着いた一向は、故郷の無残な姿を目にする。既にヘラが地下に眠っていた自分の部下を蘇らせて、反逆者の処刑やアスガルドの支配を進めていたのだ。その傍らには、アスガルドの戦士であったスカージの姿もあった。ソー、ヴァルキリー、ハルクは奮戦するが、ヘラは余裕でその攻撃をかわしていく。途中でロキが追いついてアスガルドの民を宇宙船に避難させ、ヘラの兵士を倒していったが一向に勝機が見えない。そこでソーはオーディンやヘイムダルがアスガルドは国ではなく民だという言葉を思い出す。自分たちの力ではヘラを完全に亡ぼせないと悟ったソーは、ロキに頼んでスルトを復活させることに決めた。ロキはアスガルドの宝物庫に行き、スルトの兜を永遠の炎にくべて彼を復活させた。その宝物庫にはインフィニティ・ストーンのひとつである四次元キューブが保管されていて、それもロキは見つめていた。
スルトは復活しアスガルドを言い伝え通り、地獄の炎で亡ぼしていった。ヘラはアスガルドからパワーを得ているため必死に阻止しようとするが、スルトのパワーに敵わず地下へと転落していった。その後アスガルドは完全に破壊されて、木っ端みじんになってしまった。
宇宙船でどこへ行こうかと考えあぐねるソーは、民を連れて地球に行くことを決定。ロキはNYでトラブルを起こした過去があるため心配するが、ソーは何とかなると楽天的だ。ついにソーは、名実ともにアスガルドの王になったのだ。
『マイティ・ソー バトルロイヤル』の登場人物・キャラクター
Thor Odinson(ソー・オーディンソン)(演:クリス・ヘムズワース)
アスガルドの第1王子。北欧神話のソーがモデルのキャラクター。今までオーディンの第1子だと認識されていたが、今作で姉のヘラがいたことが判明した。全能のハンマーであるムジョルニアを武器として扱い、雷撃や打撃で戦う。
アベンジャーズのメンバーでもあり、必要があれば地球に行って戦うこともある。地球にガールフレンドがいたが、劇中でお互い振ったというセリフを言っているため一時的にしろ破局した模様である。
以前(映画マイティー・ソー)よりは周りのことも考慮して行動するようになってはいるが、基本的には短気で子供っぽい性格。弟のロキのことはそれなりに大事に想っていて、彼が騒動を起こしても最終的には許してしまう傾向にある。
Loki Odinson(ロキ・オーディンソン)(演:トム・ヒドルストン)
アスガルドの第2王子。北欧神話の邪神ロキがモデルのキャラクター。実はヨトゥンヘイム(氷の巨人の国)の生まれであり、オーディンの実子ではなく養子。オーディンの妻のフリッガに教わった魔法と、持ち前の狡知さで戦う。
今作登場の死の女王ヘラ、大狼のフェンリル、オーディンが乗っていた馬であるスプレイニル、大蛇のヨルムンガンドは、本家の北欧神話とマーベルの原作だとロキの子供となっているが、MCUでは全く関係ないらしい。
兄のソーのことは嫌いとは言っているが、いざという時には助けたりしているので本気で憎んだりはしていない。悪戯の神(邪神とも)なので、もちろん本人は悪戯が大好き。幼いころにも、ヘビに化けてソーをひどい目に合わせたりしたというエピソードが今作で明らかになった。いつもはクールなふるまいが目立つロキだが、今作ではコミックリリーフの役割も担っている。
Odin(オーディン)(演:アンソニー・ホプキンス)
アスガルドの王。北欧神話のオーディンがモデルのキャラクター。映画”マイティ・ソー/ダーク・ワールド”の時にロキに記憶を封印されて地球へ追放されてしまい、記憶がそれなりに戻っても自分の死期を悟って地球に留まっていた。
古代にヘラと共に宇宙の侵略を進めていたが、九つの世界(星)を支配したあと改心し、ヘラを封印して今に至る。ソーはもちろんロキのことも大事な息子として愛している。今作での彼の言葉で、ロキに魔法を教えたのが妃のフリッガであることが確定的となった。
Hela(ヘラ)(演:ケイト・ブランシェット)
死の女神で、アスガルドの大地からパワーを得ている。原作と北欧神話ではロキの娘であるが、MCUではロキの義姉。オーディンと共に宇宙の侵略を進めていたがあまりの暴虐な行動によりオーディンが死の世界に封印した。彼女の目的はオーディンへの復讐と、アスガルドだけではなく宇宙全体を暴虐の限りを尽くして支配することである。
単純な力比べならソーにも勝てる強大なパワーを持つ。フェンリスという大狼を従えて戦う。全能のハンマーであるはずのムジョルニアも、彼女にかかると片手で木っ端みじんにできる。ヘラ、ソー、ロキの3姉弟はそれぞれ微妙に似ている言動をしているので、姉弟であるということをアピールする監督の演出かと思われる。
Hulk/Robert Bruce Banner(ハルク/ロバート・ブルース・バナー)(演:マーク・ラファロ)
アベンジャーズのひとり。バナー博士は怒りなど興奮により心拍数が200回/minを超えると、緑の怪物・ハルクに変身してしまう。ハルクとバナー博士は厳密には別人格であり、2重人格のような状態である。ハルクは怒りによりどんどんパワーアップするので、バナー博士に戻したければ落ち着かせるか気絶させるかしかない。
映画”アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン”でクインジェットに乗って逃げてから、ずっとバナー博士はハルクのまま宇宙で戦っていたらしい。いつもは温厚でアベンジャーズの中でも最も常識人なバナー博士だが、今作では「どうせハルクの力が必要なんだろ」と卑屈な一面をソーに見せたり、アベンジャーズの仲間であるトニー・スタークの物まねをしたりとお茶目な行動もとっている。ハルクのほうは、いつもは雄たけびしか言わないが今作では会話が成立する程度には言葉を喋っている。
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目次 - Contents
- 『マイティ・ソー バトルロイヤル』の概要
- 『マイティ・ソー バトルロイヤル』のあらすじ・ストーリー
- 『マイティ・ソー バトルロイヤル』の登場人物・キャラクター
- Thor Odinson(ソー・オーディンソン)(演:クリス・ヘムズワース)
- Loki Odinson(ロキ・オーディンソン)(演:トム・ヒドルストン)
- Odin(オーディン)(演:アンソニー・ホプキンス)
- Hela(ヘラ)(演:ケイト・ブランシェット)
- Hulk/Robert Bruce Banner(ハルク/ロバート・ブルース・バナー)(演:マーク・ラファロ)
- Valkyrie(ヴァルキリー)(演:テッサ・トンプソン)
- Heimdall(ヘイムダル)(演:イドリス・エルバ)
- Grandmaster(グランドマスター)(演:ジェフ・ゴールドブラム)
- Topaz(トパーズ)(演:レイチェル・ハウス)
- Korg(コーグ)(演:タイカ・ワイティティ)
- Skurge(スカージ)(演:カール・アーバン)
- Hogun(ホーガン)(演:浅野忠信)
- Fandral(ファンドラル)(演:ザッカリー・リーヴァイ)
- Volstagg(ヴォルスタッグ)(演:レイ・スティーブンソン)
- Dr.Strange/Stephen Strange(ドクター・ストレンジ/スティーブン・ストレンジ)(演:ベネディクト・カンバーバッチ)
- Surtur(スルト)(声:クランシー・ブラウン)
- 『マイティ・ソー バトルロイヤル』の用語
- Asgard(アスガルド)
- アスガルドでの茶番劇
- Sakaar(サカール)
- Ragnarok(ラグナロク)
- クインジェット
- ウルトロンとの戦い
- 『マイティ・ソー バトルロイヤル』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- I love you, sons.(息子たちよ、愛しているよ)
- Kneel.(ひざまずきなさい)
- Yeeees!!! We know each other!(いえーーーい!俺たち仕事仲間なんだよ!)
- Hey, big guy... Sun goes down, sun goes down...(大男さん、日が落ちるよ)
- Strongest Avenger...... Point Break.(最強のアベンジャー…サーファー君)
- I hate it.(”助けて”は嫌だ)
- I’m here.(いるよ)
- 『マイティ・ソー バトルロイヤル』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 今回のスタン・リーの登場シーン
- 80%が出演者のアドリブで構成されている
- 散りばめられた小ネタ
- 『マイティ・ソー バトルロイヤル』のDVD、Blu-ray
- 『マイティ・ソー バトルロイヤル』の主題歌
- ED&メインソング:Led Zeppelin『Immigrant song』