アイアンマン2(MCU)のネタバレ解説・考察まとめ

マーベルコミックにおいて連載されている作品が原作であり、マーベルシネマティックユニバースにおいては第3作品目である。2010年公開。前作でアイアンマンとして活動することを宣言してから半年後の世界を描いており、アベンジャーズ計画が本格始動した回。装着した生命維持装置により命の危機に直面するトニーだったが、同時にライバル会社のハマーと組んだ電撃の鞭を操るウィップラッシュの襲撃に遭ってしまう。

『アイアンマン2』の概要

マーベルコミックで連載されている、スタン・リーやジャック・カービーらが原作のヒーローコミックの実写化。複数の映画をクロスオーバーさせるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のシリーズでは第3作品目で、2010年に公開された。2008年に公開された”アイアンマン”の続編にあたる。監督は前作に引き続きジョン・ファヴローにより制作され、興行収入は12億円を記録した。今作からトニーの友人のジェームズ・ローズ役がテレンス・ハワードからドン・チードルに変更となっており、その他のキャラクターは前作から続投している。
また、今回は最強ヒーローチームのアベンジャーズ計画を匂わせる描写も多く、快進撃を遂げるMCUシリーズの本格始動と言える。

『アイアンマン2』のあらすじ・ストーリー

アイアンマンことトニー(右)と彼を支えるペッパー(左)。

自身がアイアンマンであると告白した半年後、相変わらずトニーはアイアンマンと軍需企業であるスタークインダストリーズの社長業を兼業し忙しい毎日を送っていた。正義の味方として治安維持に努めていたトニーだったが、スーツにより超人的な力を得るという技術に対して危険を感じたり、スーツを悪用しようという動きも出てきていた。軍はアイアンマンスーツを兵器として国の管理下に置くことをトニーに迫るが、トニーは自分以外にはスーツ開発は無理だということを理由にそれを拒否し、誰にも支配されないことを明言した。

スーツを巡るいざこざに続き、トニーは胸に埋め込んだアークリアクターの動力源であるパラジウムによる中毒症状に苦しんでいた。特殊な中和剤を飲んでごまかしてはいるが、トニーの身体はボロボロだった。パラジウムの代わりとなる金属が存在しないことを悟ったトニーは徐々に自暴自棄になっていき、会社の社長の座を秘書であったペッパーに譲り渡した。社長変更のためにあれこれ手続きをしている際、トニーは1人の法務部の女性に目をつける。容姿端麗で仕事も正確にこなす彼女、ナタリー・ラッシュマンの能力を確認したトニーは彼女をペッパーの補佐にスカウトした。そしてトニーの社長としての最後の仕事として、スターク・エキスポを開催しスタークインダストリーのテクノロジーの力を世界に知らしめたのだった。

同時期、1人の科学者であるアントン・ヴァンコが死亡した。彼はトニーの父親のハワードの共同研究者であり、利益を追い求めすぎたためにハワードたち組織の幹部によりスパイ容疑をかけられSSR(S.H.I.E.L.Dの前身組織)から追放され人生の破滅を味わった人物である。アントンの恨み言を聞いて育った息子のイワン・ヴァンコはトニーを殺そうと決意し、父親譲りの優れた頭脳で装備者の意のままに操れる機械の鞭、エレクトリカル・デス・ウィップを開発した。そしてモナコでF1レースに飛び入り参加したトニーを襲撃したのだが、このときはアイアンマンマークVにより撃破されてしまった。

この事件でアイアンマンスーツに類似したスーツをトニー以外が制作できることが明らかとなり、軍は大騒ぎとなる。平和のために作ったスーツを最終的には兵器として使用するつもりの軍に嫌気がさしたトニーはマリブの自宅で誕生日会を盛大に開催し、アイアンマンのスーツ姿で泥酔して大騒ぎしてしまった。スーツやトニーの奇行が世論で叩かれているときに遊び感覚でスーツを持ち出しているというこの醜態にトニーの親友のローズやペッパーは呆れ、ローズはアイアンマンマークIIを持ち出してスーツ同士の喧嘩が勃発してしまった。

トニーとの喧嘩のあと、そのまま軍に持ち帰られたアイアンマンマークIIは軍御用達の武器商人、ジャスティン・ハマーの手により、ウォーマシンとして改造され、そのスーツをヒントにハマーは裏ルートを使い脱獄させたイワンに協力させてドローン型のロボット兵士を作り上げた。ハマーは政府をスポンサーとして確保するために、アイアンマンスーツの機密を狙っていたのだ。新たに開発されたドローン兵士は、スターク・エキスポでのお披露目を待つばかりとなった。
そのころトニーは絶望して呆然としていたが、突然現れたS.H.I.E.L.D長官、ニック・フューリーによりハワードの研究の中にパラジウムの代わりとなる新しい金属のヒントがあるという情報がもたらされた。実は優秀な部下であったナタリー・ラッシュマンはS.H.I.E.L.D.のエージェントであり、アイアンマンがアベンジャーズの一員としてふさわしいか査定していたのだ。ハワードのヒントのおかげで新しい金属を生成できたトニーは命の危機から救われ、ハマーの企みを阻止するためにエキスポ会場へと急いだ。しかし、到着したころには舞台でドローンのお披露目が始まっていた。

ドローン兵士とウォーマシンをエキスポ会場でお披露目していたハマーだが、ドローン兵士とウォーマシンはイワンによりハッキングされアイアンマンを殺すという目的を持って動き始めてしまった。ウォーマシンのパイロットであるローズにも操作は不可能で、イワンの指示によりアイアンマンを追いかけて破壊活動を続けていく。そこでアイアンマンスーツの再起動でオペレーション信号を初期化できるという特性を利用し、ナタリーことブラック・ウィドウがスーツを再起動。アイアンマンスーツのシリーズであるウォーマシンのみはハッキングから脱出できた。
トニーとローズは人気のない公園にドローン兵士をおびき寄せて一網打尽にし、開発したアーマーを装着したイワンと対峙する。”エレクトリカル・デス・ウィップをロボットスーツに装備したウィップラッシュの強力な電撃により苦戦を強いられたが、アイアンマンとウォーマシン2体分のリパルサー光線でついにイワンを撃破した。

後日S.H.I.E.L.D.の支部へ呼び出されたトニーは、アベンジャーズ計画の一端を知らされる。ブラック・ウィドウの査定結果はアイアンマンスーツは素晴らしいがトニーの人間性についてはふさわしくないという散々な調査結果であり、アイアンマンは当面S.H.I.E.L.D.の相談役として活動することとなった。

『アイアンマン2』の主な登場人物・キャラクター

Anthony Edward Stark(アンソニー・エドワード・スターク)(演:ロバート・ダウニーJr.)

アイアンマンスーツの開発者にして、パイロット。周りからはアンソニーの愛称であるトニー(Tony)と呼ばれることがほとんどである。軍需企業・スタークインダストリーズの社長であり自他ともに認める天才ではあるが、性格はわがままな上に極度の心配症。自分と同等の頭脳を持つ補佐役として、ジャービスというAIを執事代わりに使っている。アフガニスタンでテロリストに誘拐され、自社の兵器が自国を脅かしているという事実に気づき会社の兵器部門を閉鎖、自分がアイアンマンスーツをまとい戦う道を選んだ。平和を守るという信念はゆるぎないものの、ストレスにより醜態をさらし周りを呆れさせることもしばしばある。手渡しが嫌いなため、書類などを持ってきても直接は受け取らない。また、コーヒーを煎れる以外の家事を自分では全くやらないため、料理の腕前はおそまつである。作中では3時間かけてペッパーのためにオムレツもどきを作成した。

Virginia Potts(ヴァージニア・ポッツ)(演:グウィネス・パルトロゥ)

トニーからはペッパー(Pepper)と呼ばれている。これは、原作版のペッパーのそばかすや赤い髪の毛が胡椒瓶を連想させるためにトニーがつけたあだ名。平社員だった彼女だが、能力を認められて社長秘書に抜擢された。トニーのパートナーでもありトニーの破天荒なふるまいに対して度々頭を抱えているが、なんだかんだトニーのことが好き。そのため作中ではトニーがナタリーのことを気に行っているのが引っかかっていたのか、トラブルが起こった際にナタリーが来てから変なことが起こり始めたと少し責めるシーンがある。S.H.I.E.L.Dのエージェントであるコールソンとは前作で顔見知りになっており、友達。トニーは唯一ペッパーからは手渡しでものを受け取るので、それを利用してコールソンはアベンジャーズの資料をトニーに渡したりしている。

James Rhodes(ジェームズ・ローズ)(演:ドン・チードル)

アメリカ空軍中佐で、トニーの親友。ローディという愛称で呼ばれている。トニーの破天荒ぶりにペッパー共々呆れながらも、彼の平和への信念は信じている。作中では軍の会議でアイアンマンスーツが危険であると上層部に強要されて証言しているが、トニーに託せば大丈夫だという自分の意見も無理やり発言していた。前作でアイアンマンスーツをパイロットとして操縦することに対し期待を持っていたが今作で実現した。ローズ中佐が操るウォーマシンはソーラー充電式で、アイアンマンの標準装備としてついているリパルサーのほかハマーが搭載した武器でアイアンマンスーツよりも重装備になっている。

Harold Hogan(ハロルド・ホーガン)(演:ジョン・ファヴロー)

トニー専属の運転手。愛称はハッピー。SPも兼業していて、トニーが襲撃された際にはトニーやペッパーを守るために戦っている。今作ではブラック・ウィドウと共闘していたが、彼が得意のボクシングで1人敵を倒している間にブラック・ウィドウは10人ほど戦闘不能にしていた。トニーとはただの雇い主とSPではなく、友達のような関係。そのため、結構自分の意見をはっきりトニーに伝えたりしている。

Ivan Vanko(イワン・ヴァンコ)(演:ミッキー・ローク)

スターク社に対する父親の恨みつらみを聞いて育った。父親から機械工学の全てを伝授されており、粗暴な外見に似あわずロボット作りからハッキングまでコンピュータのことであれば相当の知識量を誇っている。作中で登場したウィップラッシュ(Whiplash)は父親が残した設計図を基に彼独自に作り上げたもので、アイアンマンスーツが唯一無二だと思っていたトニーは少なからずショックを受けたと思われる。オウムを飼育していて可愛がっている。

Justin Hammer(ジャスティン・ハマー)(演:サム・ロックウェル)

スタークインダストリーズと並ぶ大手の兵器会社、ハマーインダストリーズの社長。マーベルユニバースでは、スタークインダストリーズ、オズボーンインダストリーズ(スパイダーマンシリーズで登場)、ハマーインダストリーズが3大企業として位置づけられている。政府お抱えの兵器会社となりスタークインダストリーズをしのぐ利益を出すために、アイアンマンスーツの構造の機密を狙っていた。天才ではないが、大企業の社長を務めるに足る明晰な頭脳の持ち主である。作中では軍に最新兵器の営業に来ていたが、それをウォーマシンに搭載したところハイテクすぎてウィップラッシュのジャミングにより役立たずとなった。

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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』とは、2014年にアメリカで製作された、コメディドラマ映画である。『アベンジャーズ』シリーズなどで知られるジョン・ファブローが監督から主演まで務めている。一流レストランでシェフを務めていたカールは、オーナーと意見が合わないだけでなく、ネットの晒し者となり店を辞めてしまう。そこで心機一転、フードトラックで移動販売を始め、旧友のマーティンや息子パーシーと共にアメリカを縦断することになる。料理を通して、家族の絆の再生を描く心温まる作品。

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