『ケロロ軍曹』ケロロ小隊とアクが強くて愉快な関係者たち
地球侵略者との友情をコミカルに、鋭い突込みやパロディ、お色気を交えて描き人気を博した『ケロロ軍曹』。一時期は専門雑誌まで作られたこの作品を彩ったアクの強い主要人物をまとめました。
体色:赤。
階級:伍長。
一人称:「俺」。
トラップの達人で重火器の扱いにも長け、侵略について一番真面目に考えているのがこちら。しかし日向家長女夏美により自慢のトラップを潜り抜けられた挙げ句カバンで引っぱたかれて「惚れて」しまうのでした。アニメでは星を出発する前に行った記者会見で「もし魅力的な女性兵士がいたら、恋に落ちますか?」との記者の問いに「下らん」と一蹴したにもかかわらず、です。以降は日向家の庭にテントを構え、基本夏美の為にサツマイモを焼いたり、武器の手入れをする日々。隊長で上官のケロロをお前(時にぼんくら)呼ばわりし、タメ口で話しますが幼馴染であることなどからケロロ自身も問題視していないようです。ケロロがやる気を出せば泣いて喜び、重病(実際はただの夏バテ)に陥ったケロロから「吾輩に何かあったら、あの作戦の指揮お願いね」と言われれば涙ながらに「お前が隊長だろう!」と叱咤激励するなど、何だかんだで隊長として認めていることは伺えます。弱点は夏美と酒。夏美の形をした兵器には攻撃ができず、酒は一滴口に入っただけでダウンします。
初登場時、タママに「目を食いしばれ」と号令を下し、「普通はできん」と無茶苦茶を言うのは一種の軍隊批判、なんでしょうか。子供時代は鉄道マニア(アニメ版)でした。ケロロ小隊で唯一声変わりしたキャラでもあります。というか、他キャラが子供声を担当しても違和感のない声優さんだっただけなんですが。ケロロ、タママは女性声優ですし。
日向夏美
日向家長女で冬樹の姉。侵略者のケロロたちを危険視し、ケロロに対する風当たりが最も強いです。しかし家出したケロロを心配したり、後に送られてきたガルル小隊との戦闘の際「あいつはあいつなりに頑張ってた」と擁護もするなど、それなりに家族、友達程度の情はある模様。中学生ながら「セクシーバディ」の持ち主で同性にも異性にも見惚れられて、憧れられる存在。文武両道であり、冬樹からすれば「いい点数」が彼女にとっては「散々な結果」という程成績がよく(深夜まで勉強もしています)部活動の助っ人に駆り出されるほどスポーツも万能。名前は「夏美」ですが、誕生日は12月2日。ケロロの誕生日は一週間遅れの9日で、アニメ版3年目では合同でお祝いしてもらってました。
忙しい母に代わって家事を切り盛りする身のため、勧誘されることは多いものの、正式に部活動には所属していません。気が強い割に打たれ弱い方らしく、母との交流が急な仕事でダメになった際「こういう時弱いのは姉ちゃんの方」と冬樹から指摘されるほど。ガルル小隊との交戦当初はショックを受け泣き言を言う姿も見られます。成長を続ける発育盛りの胸にお困りなのは運動しづらいから。ギロロに惚れられていても一向気づいてませんが、アニメ版では一緒に芋掘りをしたり、「別の星の侵略活動」の辞令が下ったギロロを追ったりと結構距離が縮まるような描写も。好物は焼き芋。クルルの発明で大人化した際はセクシー度と共に腕力もUP。成人男性を素手で叩きのめせる戦闘力を得ました。
意味もなく不機嫌になることがあり、その際は何でもかんでも禁止する迷惑きわまりない癖をお持ちです。それで「武器禁止」にしてクルルの作った発明品を家中にばらまかせたことも。この発明品は夏美の顔を模したロボット(ギロロに攻撃させないため)で武器を持つと723度の炎やマイナス723度のブリザードを吐いたり、目から723枚の鉄板を貫くビームを発したりと容赦なく攻撃してきます。しかし銃などの明確な武器だけでなく、ヤスリや果物ナイフまで「殺傷力を有する武器」として攻撃。ギロロの機転で解決に至りました(原作では接着剤で小型爆弾を着けられて爆発、アニメでは自分たちの攻撃力を武器と判断して同士討ち)。
クルル曹長
体色:黄。
階級:曹長(元少佐)。
一人称:「俺」。
天才的な頭脳及び発明やメカの腕を持つケロロ小隊のブレーン。しかし性格がよろしくない。よく言われるのが「陰険、陰湿、いやな奴」。大事な会議の際もふんぞり返ってテーブルに足を載せてガムを膨らませ音楽を聴くなど態度最悪です。少佐にまで上り詰めたのに、性格の問題で曹長にまで格下げを食らったという過去の主。とはいえ、メカニックとして、ブレーンとしての能力は折り紙付きで、ハッキングをかけてきたトロロ新兵に対し更なるハッキング技術と嫌味で返し、「お仕置き」を食らわせました。
「黄色いから」カレー好き(『ゴレンジャー』のキレンジャーがカレー好きという設定が元)で、「国際カレーの日」を作るためだけに地球人のふりをして国連事務総長に上り詰めた回が存在(アニメ版)。地球人になりすます「地球(ポコペン。アニメ版では規制によりペコポン)人スーツ」が存在しますが、「クルル子」という地球人スーツを使用することもあります。
623(北城睦実、アニメではサブロー)
アニメ版と原作でかなり設定が異なるキャラクターですが、共通しているのはクルルとは電波仲間(路上でポエムを売っていましたが、「才能じゃなくて電波を受信する」と表現)で、ポエムが売りの人気ラジオDJであること。クルルに勝るとも劣らない天才的頭脳を持っていること。どこか浮世離れしている点でしょうか。DJ名は632(ムツミ)で、夏美に好意を寄せられています。クルルからもらった実体化ペンで描いたものを実体化、「盾」と書くことで単なる紙で攻撃を防ぐこともできます。逼迫した状況でも「by632」とサインを入れる余裕ぶり。恐らく元ネタは詩人でイラストレーターの326(ミツル)氏。
原作:北城睦実(ほうじょう・むつみ)という高校生。芸能活動をしていることは秘匿しておらず、外出時は変装します。が、「632」と書かれた服を着ているためかばれることも。サインには快く応じる方。「楽しむ義務」と称し、モアのいかがわしい動画(クルルによる盗撮)を見ようとするなど年相応の男の子ではあります。クルルと出会うまではIQ350、スポーツは「勝負にならない」という理由参加させてもらえないなど、高すぎる能力と人気ゆえにやっかみを受けたり、陰口を叩かれたり。孤独な青春に虚しさを覚えているような描写もありました。
アニメ:サブローが本名のご様子。日向姉弟と同じ吉祥学園の生徒。覆面DJ632として活動しており、視聴者にもファンにも正体隠匿。とはいえ、原作未読でも声でバレバレではありますが。
ドロロ兵長
体色:青。
階級:兵長。
一人称:基本的には「拙者」だが、「ボク」も使用。
忍者のような姿ですが、元々は暗殺部隊の出。本名はゼロロ。地球に来た際単身忍者の住む忍びの村で保護されて、情報にあった「自然を汚している」地球人とは違い自然と共に生きる姿に共感。美しい地球を守るため一旦は隊を離れるも、丸め込まれて作戦会議に参加することもあります。アニメ版では特に平和主義者的な面が出ており、平和的な作戦には進んで参加、「侵略のエキスパート」が来た際も「暴力的な作戦」は駄目だと事前にくぎを打ってました。姿に合わせてのことか口調も忍者風。ケロロのことも基本的には「隊長殿」と呼んでいます。
作者が中々ビジュアルを決められなかった等の事情で原作初登場が55話と非常に遅く、いつからか「影が薄くて忘れられる」というキャラ付けに。少年時代からその兆候はあったようで、かくれんぼの時完璧すぎる隠れぶりから忘れ去られたことも。その他数々の「トラウマ」を有し、スイッチが入ると体育座りで落ち込みます。しかしケロロのせいで死線を乗り越えたためか、アサシントップにまで上り詰めた戦力はきわめて強く、重火器の攻撃も小刀で跳ね返せるほど。「鬼式」という特殊な鎧をまとい空中戦もこなします。掛け声は「トイヤ!」(アニメ版のみ)。
東谷小雪
忍の村出身。ドロロの第一発見者で、保護者でもあります。「浮き世で普通に生きる」という長の決定により、人里へ下りました。原作では夏美に対し恋愛感情を抱いていますが、アニメ版では単に友情程度。「普通でいよう」と決めてはいるものの、天井に張り付いたり、「食事中は隙ができるから」と忍者食を一人で食べたり。吉祥学園の制服を着ていないのは、先輩くのいち躯(むくろ)からもらったものだから、という理由のようです。
原作では夏美に対する感情により、ギロロから危険視されています。恋敵的な意味で。本人曰く「殿方よりも素敵」とのことですが、アニメ化の際変更に。「子供向け」というのを考慮されてのことかと思われますが、作者の吉崎氏は「『ケロロ軍曹』は子供向けでも大人向けでもない」といった主旨のコメントをしています。
尚、自宅の様子がアニメ版と原作で違っております。
原作:日向家の隣。当初は(一見)普通なだけの家だったが、ケロロたちの協力でからくりの多い家になりました。小雪としてはこちらの方が「落ち着く」そうです。
アニメ版:山中と思しき場所の水車小屋。いかにも忍者が住んでいそうな家です。
日向秋
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