おろち(楳図かずお)のネタバレ解説・考察まとめ

『おろち』とは、楳図かずお原作のホラー漫画。『週刊少年サンデー』誌上にて、1969年から1970年まで連載された。2008年には、実写映画版が公開されている。同作品の特徴は、視覚的な恐怖描写よりも人間の深層心理の不気味さを克明に描いた点にあり、サイコサスペンスものの先駆けとして人気が高い。『おろち』は、謎の美少女おろちを狂言回しにして、数々の人間の暗部がドラマとして紡がれていくオムニバスホラー作品である。

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田口恵子(たぐちけいこ)

田口恵子(たぐちけいこ)は、『眼』に登場するメインキャラクターの少女。生まれつき全盲で、盲学校に通っている。ある夜、自宅に男が逃げ込み、追って来た男に殺害されるという事件に遭遇した。しかし、恵子の父親が容疑者として逮捕されてしまったため、父親の無罪を証明するために犯人捜しをする。犯人が自宅に落とした身分証明書を保管するものの、誤って燃やしてしまう。その後、犯人に命を狙われるも、懸命に立ち向かい難を逃れた。実は犯人は、彼女の父親や近所の人々が勤める工場の差し金で、殺害された男性は工場の腐敗を暴こうとしていたことを知る。父親は疑いが晴れて戻って来たものの、近所の人々もグルだったことから居づらくなり、引っ越しを余儀なくされた。

さとる

恵子の友達の少年。彼も元々は盲人で、恵子と同じ盲学校に通っていたが、手術で目が見えるようになった。恵子の父親の無罪を晴らすべく彼女に協力するが、逆に犯人に有益な情報を教えてしまう。

門前理沙(もんぜんりさ/演:中越典子、山田夏海(少女時代))

門前理沙(もんぜんりさ)は、『血』に登場するメインキャラクターの1人。幼い頃から優秀だった姉の一草(かずさ)と比較され続け、暗い性格の持ち主として育った。成人後は、姉と関わるのを避けるため、九州のホテル経営者のもとへ嫁いだ。しかしながら、夫婦喧嘩が絶えず、喧嘩後に飲酒運転で起こした事故が原因で離婚して門前家へ戻っている。その後は、心臓の病を患った一草のために、血縁の少女佳子(よしこ)を引き取るも、彼女を徹底的に虐待した。実は佳子は門前家の血縁ではなく、理沙が姉の本性を暴くために引き取ったに過ぎなかった。一草の死後、涙を流して姉が聖なる存在のまま死んでほしくなかったので、佳子を引き取ったと告白する。

門前一草(もんぜんかずさ/演:木村佳乃、佐藤初(少女時代))

門前家の長女。少女時代から優秀で人の注目を集めており、妹の理沙にも優しく振る舞っていた。成長すると夫を迎えて家督を継ぐも、程なくして夫が病死し、自身も心臓の病を抱えて寝たきり状態となる。心臓移植を受ければ病状が回復すると医者から言われており、血縁の佳子から心臓の提供を申し受けるも、優しく断っていた。しかし、今わの際に実は誰よりも佳子の心臓を求めていたことと、佳子が早く死ぬように数々の工作をしていたことを理沙から暴露される。さらに、佳子が血の繋がりがないことを理沙から聞かされると、半狂乱となり、口汚い罵りの言葉を喚いて絶命した。

佳子(よしこ/演:谷村美月)

佳子は、『血』に登場するメインキャラクターの1人で、おろちそっくりの容姿をしている。不幸な身の上で、流しの手伝いをしていたところを、理沙に拾われて門前家に入った。そこで、一草の優しさに触れ、彼女を「おかあさま」と呼んで慕うようになる。一方で、理沙からはひどい虐待を受けていた。一草の病を治すため、自らの心臓を提供すると申し出た。ある時、屋敷の2階から転落して死亡するが、それは早く手術を受けたい一草が仕込んだものだった。おろちは、「ねむり」に陥った際に佳子の意識に入り込んでおり、彼女の目を通して門前家を覗いていた。

『おろち』映画版オリジナルキャラクター

門前葵(もんぜんあおい/演:木村佳乃)

門前一草と理沙の母親で、容姿は一草に似ている。映画版のみの登場。

西条(さいじょう/演:嶋田久作)

門前家の執事を務める男性で、映画版のみに登場した。

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