ハイスクール!奇面組・フラッシュ!奇面組のネタバレ解説・考察まとめ

『ハイスクール!奇面組』とは、新沢基栄が手掛けた漫画で1982年〜1987年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されテレビアニメ版や劇場版アニメ、舞台版も作られた。一応中学及び一応高校に在校する個性派集団・奇面組によるドタバタ劇が展開し、河川 唯ら周りの学生や先生らが次々と巻き込まれる学園ギャグ作品。平成の時代に入り『フラッシュ!奇面組』が2001~2005年頃まで『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)で連載され、登場キャラクターのファッションやストーリー設定等がアレンジされた。

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『ハイスクール!奇面組』『フラッシュ!奇面組』の概要

『ハイスクール!奇面組』(ハイスクール きめんぐみ)とは、新沢基栄原作の漫画で『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された前作『3年奇面組』が終了した翌週1982年4月19日〜1987年7月6日30号まで連載された学園ギャグ作品。平成の時代には『フラッシュ!奇面組』が『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)で2001年10月号~2005年6月号まで連載された。

一応(いちおう)中学の学生・河川 唯(かわ ゆい)と宇留千絵(うる ちえ)の二人が退屈な時を過ごしていたある日、周囲とは一際個性を発揮している集団「奇面組」に遭遇する。この集団は一堂 零(いちどう れい)をリーダーとする5人で構成され、彼等のドタバタ行動に学生や教師は振り回されるも、唯や千絵は奇面組に惹かれていく。高校へ進学後も奇面組の破天荒ぶりは更に勢いを増し、色男組(いろおとこぐみ)や番組(ばんぐみ)、腕組(うでぐみ)、御女組(おめぐみ)等といった個性派集団と共に色とりどりの学生生活を展開していく。

漫画版のみならず、テレビアニメが1985年10月12日~1987年9月26日までフジテレビ系列にて放送され平均視聴率19.2%を獲得、1986年7月12日には『東映まんがまつり』の一作として劇場版も公開された。また平成・令和に入り舞台版(2017・2018・2020年)も上演され、多くの若手俳優やもう中学生、なだぎ武ら人気芸人が出演した。

『ハイスクール!奇面組』『フラッシュ!奇面組』のあらすじ・ストーリー

奇面組との出会い

一応(いちおう)中学にて退屈な日々を過ごしていた学生・河川 唯(かわ ゆい)や宇留 千絵(うる ちえ)らは、周囲とは一際個性を発揮する集団に遭遇する。彼等は一堂 零(いちどう れい)、冷越 豪(れいえつ ごう)、出瀬 潔(しゅっせ きよし)、大間 仁(だいま じん)、物星 大(ものほし だい)の5人で構成された「奇面組」という集団だった。奇面組は唯ら周りの生徒や教員らを巻き込み、ドタバタ劇を繰り広げて行く。やがて受験シーズンとなり、これまで3度も留年している奇面組はどうにか滑り止めで一先(ひとまず)高校へ合格した。一方で応生(おうせい)高校へ合格した唯らは零達との別れに寂しさを感じるが、思いがけず一先高校の廃校、及び応生高校との合併で一応(いちおう)高校が誕生する。これにより、奇面組や唯達は同じ高校へ進学する事となった。

奇面組らが進学した一応高校では、二階胴 面一(にかいどう めんいち)や物月 珠美(ものづきしゅみ)らといった個性豊かな面々がクラスメイトとして入学していた。中学から転任した伊狩 増代(いかり ますよ)やその後輩である若人 蘭(わかと らん)が零達の担任に、熱血教師の事代 作吾(じだい さくご)も副担任となった。唯や千絵らはバレーボール部に入部し、奇面組達も成績は常にギリギリながら様々な種目の部の学生らと異種格闘戦を繰り広げたりと破天荒な学生生活を送っていた。他にも、零の家の近所に幼馴染みでライバルの春曲鈍(はるまげ どん)や一堂家とは犬猿の仲となっている音成家の長女で成人女子高生・音成 久子(おとなり ひさこ)も加わり、賑やかさはより増していった。

卒業後の歩み、そして奇面組の正体

零や奇面組の真実(原作)

長い様で短い高校生活も終わり、奇面組をはじめ、唯や周りの学生らもそれぞれの進路に歩んで行く。その矢先、零が突然交通事故に遭遇し入院してしまう。幸い軽傷で済み、見舞いに来た唯や他の奇面組メンバーは安心する。しかし唯は偶然、零の父・啄石と医師が別室で会話をしているのを耳にし、零が重い病気を抱えていると知り顔面蒼白になる。また唯は病室で眠っている零のベッドの傍に彼が書いたノートを見つけ、それを読んだ内容が零の「遺書」だと察し思わず涙した。後日これらの事が全くの誤解だと分かると、千絵や零を除く奇面組メンバーが大笑いするなかで赤面する唯がいたのだった。

それから月日が流れて、唯は短大を卒業し保育士になり、千絵も豪と共に暮らし始めたりとそれぞれ新たな道を歩んでいた。仕事へ向かおうとしていた唯の前に零が自転車で現れ、後ろに乗せると告げた。唯が零の自転車の後ろに乗り、走り始めた瞬間、気が付くと何故か一応中学の教室にいた。目の前にはまだ一応中学の学生である千絵がいて、これまで出会った零達は「空想」であったと気付く唯だった。そして唯が千絵と共にトイレへ行く際、「奇面組に初めて出会った」廊下へ向かう場面で物語は終わる。

生真面目組誕生(アニメ)

零がある事故で頭を強打し性格が変わり、奇面組を解散し生真面目組を結成すると口にする。やがて零は生徒会長へ立候補し生真面目組の結成を学校の全生徒へ発表するが、その矢先に再び頭を強打する。これにより零は性格が元に戻り「奇面組は永遠に不滅です」と話し、物語は幕を閉じる。

平成に入り『フラッシュ!奇面組』での展開

『フラッシュ!奇面組』では一応中学の夏休み明けから物語が始まり、中学3年生の唯や千絵らが同じクラスメイトの個性派集団・奇面組と共にドタバタした日々を送る。中学を卒業した奇面組達は一応高校に入学、そこでも多彩な面々がクラスメイトにいた。『ハイスクール!奇面組』とストーリー展開こそ殆ど同じだが、真実一郎の髪型や二階胴面一の性格が異なったり、登場キャラクターのファッションがアレンジされた。また、ゴルフ部(大河 渦(たいが うず))や一応高校校長・鶴利 輝友(つるり てるとも)といった新キャラクターも登場。しかし作者の体調不良により、「未知との遭遇SOSの巻」を最後に打ち切りとなった。

『ハイスクール!奇面組』『フラッシュ!奇面組』の登場人物・キャラクター

奇面組(きめんぐみ)とその家族

一堂 零(いちどう れい)

CV:千葉繁
奇面組リーダーで、通称「まゆなしの零」。昭和39年生まれ、身長50~172cm、体重60kg、血液型AB型。学力は小学校時代から進歩しておらず、得意科目は図工で、中学校を3回落第した。高校は落第はしていないが勉強嫌いは悪化し、入学時に教科書を見て蕁麻疹が出たり拒絶反応でチンパンジーに退化して暴たりもした。奇面組メンバーのなかで特に個性が強く、2頭身や6頭身の使い分けを行ったりする。無邪気な性格な一方デリケートで、何かあると直ぐにスネたりする。「怪獣大百科」が宝物。1学年下の河川唯に好意を寄せ互いに親しい関係となっているが、意識し過ぎて一歩踏み出せなかったらもしている。

一堂 啄石(いちどう たくせき)

CV:屋良有作
零や霧の父親で、玩具店「おもちゃの一堂」を経営している。昭和10年生まれ、身長168cm、体重60kg、血液型A型。妻の直利は零や霧の幼少期に死別しているが、直利とは幼馴染だったとも口にしている。息子の零とは顔は殆ど似てないが、顎や角ばった輪郭のみが遺伝子を受け継いだ。元々は平凡な性格だったが、妻・直利の父親である清列からの影響で変態的な性格となった。また女癖も良くない事もあり、娘の霧が家庭訪問の阻止を行おうとした。一方で妻・直利の死について直視できず、零が事故で入院した際も担当医に問い詰める一面があった。玩具店の経営状況はイマイチだが、店の入口は巨大な手(左手)のオブジェとなっており動かして客や泥棒を捕獲する事が可能。

一堂 直利(いちどう なおり)

一堂直利(写真左端の写真の女性)

零の母親で旧姓は善院(ぜんいん)、昭和13年生まれ 。零の8歳時、及び霧を出産した後に脳腫瘍で他界。『ハイスクール!奇面組』の最終回「さらば奇面組」にて死因が明らかとなり、交通事故で骨折し入院した際に精密検査で脳の悪性腫瘍が判明していた。顔は零と似ているが性格はまともなうえ、健康体だった。息子の零は母親の記憶は無いが、時折母親を想ったり、唯への母性愛を無意識に求めたりしていた。『ハイスクール!奇面組』や前作『3年奇面組』では遺影でのみの登場だったが、『帰ってきたハイスクール!奇面組』の1エピソードで初めて生前の姿が描かれた。

一堂 霧(いちどう きり)

リクライ
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@rikurai0715

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