烈火の炎(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『烈火の炎』とは、1995年から2002年まで安西信行が『週刊少年サンデー』に連載した忍者バトル漫画およびそれを原作としたアニメ作品。腕から炎を出すことができる「炎術士」としての能力を持つ主人公花菱烈烈火が治癒の力を持つ女子高生佐古下柳と出会い彼女を君主と定め、彼女を狙う組織と戦う。火影忍軍が残した「魔導具」と呼ばれる特殊能力をもつ武器を使うキャラクターが多数登場し、戦国時代から続く火影忍軍の運命に抗う様子を描く忍者冒険活劇。

『烈火の炎』の概要

『烈火の炎』とは、小学館『週刊少年サンデー』にて、1995年16号から2002年9号まで連載された安西信行による忍者バトル漫画作品、およびその派生のアニメ・ゲーム作品を指す。
単行本は『少年サンデー』コミックス全33巻、『少年サンデー』コミックスワイド版全17巻、小学館文庫版17巻、コンビニコミック全12巻が発売されている。累計発行部数は2500部を突破した。
作者の安西信行は藤田和日郎のもとでアシスタントをしており、その流れを汲んだ熱い闘いが特徴である。『烈火の炎』の連載開始時にはラブコメやスポーツ漫画が中心だっ『た週刊少年サンデー』にバトル漫画は異色であったが、結果的に大ヒットすることとなった。
1997年のアニメ化で知名度を上げて以降、コミックスの売り上げランキングでは上位に食い込む高い人気があり、ゲーム化・パチンコ化もされている。
ストーリーは治癒の力を持つヒロイン佐古下柳と、忍者に憧れ彼女を「姫」と呼び忠誠を誓う主人公である男子高校生花菱烈火が、戦国時代から続く因縁の火影忍軍の数奇な運命に巻き込まれていく物語である。
指から火を生むことができる烈火は、戦国時代の忍である「火影忍軍」の生き残りであり、炎術士の能力を持っていた。ある日烈火は治癒の力を持つ佐古下柳と出会い、自分が守るべき君主とする。二人はお互い不思議な能力を持つもの同士で交流を深めていくが、柳の治癒の力を不老不死に繋がる力であるとして暗殺者集団「麗」「裏麗」が狙う。柳を守るため、烈火は新生火影忍軍を結成、仲間とともに戦いへと身を投じることになる。
烈火の仲間たちは火影忍軍の残した「魔導具」を使って強敵に立ち向かっていく。やがて「魔導具」そのものが意思を持ち、強大な力を得ようとしている最強の魔導具「天堂地獄」の存在が明らかになる。天堂地獄を破壊するため、新生火影忍軍のさらなる戦いを描いて物語は完結へと向かう。
「魔導具」を使った能力バトルの迫力はもちろん、キレのあるギャグパートと、当時規制が緩かったため許されたと思われるエロ・グロ描写の落差も激しく、根強いファンのいる作品である。

『烈火の炎』のあらすじ・ストーリー

姫と君主

高校一年生で「自称・忍者」の花菱烈火(はなびしれっか)は、身体が大きく力も強い石島土門(いしじまどもん)に対してよく喧嘩を吹っかけていた。敏捷な動きで手製の火薬玉を投げつけて家に戻った烈火は、育ての父親で花火師の花菱成男(はなびししげお)から、ケンカに火薬を用いたことを咎められる。一方の烈火は「自分は忍者であり、忍者は火薬のスペシャリストだ」と反論した。烈火には「手から炎が出せる」という特殊能力が備わっていたのである。
ある日烈火は、地域一帯の中でも美少女として有名な佐古下柳(さこしたやなぎ)がナンパされている場面に出くわした。抵抗する柳を見た烈火は男に飛び蹴りを食らわせるが、次々不良仲間が現れて烈火は袋叩きに遭い気絶してしまう。
烈火が意識を取り戻すと、柳に膝枕をされていた。柳は烈火の手の甲の傷に触れると、たちまち烈火の傷がふさがっていく。
烈火は傷を治してくれた柳を「姫」と呼び、「尊敬する君主に命を懸ける『忍』としてあんたに仕える!」と宣言した。烈火は更に自分が炎を出すことができる特殊能力者であることを打ち明け、秘密を持つ者同士烈火と柳は友人関係となったのである。

そんな時「影法師(かげほうし)」を名乗る女性が烈火に襲い掛かってきた。影法師は烈火の幼馴染である霧沢風子(きりさわふうこ)に「魔導具(まどうぐ)」と呼ばれる特殊な力を持つアイテムを渡し、烈火と戦わせる。魔導具「風神(ふうじん)」の影響によって攻撃的な性格となった風子は風邪を武器にして襲い掛かってくるが、土門に協力を仰ぎ風神の「核」を破壊すると正気に戻った。
烈火は影法師に対して強い怒りを覚えるが、影法師は自らの首をナイフで切り裂く。しかし不老不死の肉体を持つ彼女は死ぬことはなかった。
風子の騒動から間もなく、今度は二年生の先輩である水鏡凍季也(みかがみときや)が、魔導具「閻水(えんすい)」の能力を駆使して襲い掛かってくる。水鏡は烈火が影法師に襲撃されたことを知っており、烈火が柳と関わっていると柳が危険な目に遭うため、烈火に手を引けと警告してきたのだ。
一度は柳の安全のため身を引く覚悟をした烈火だが、水鏡が柳の長い髪の毛を切ってしまう場面を目撃して怒りにかられる。水鏡は昔殺された姉とそっくりな容姿をしている柳を重ね合わせていたのだ。その場で猛烈な攻防が繰り広げられ、最終的には烈火が勝利を収めた。

八竜

手甲を外した烈火から現れた八竜。烈火の炎の源は八匹の火竜だった。

その後烈火たちの高校に教師立迫文夫(たてさこふみお)が赴任してくる。文夫は忍者オタクであり、烈火とすぐに意気投合した。文夫は烈火に「火影忍軍」の存在を教える。火影忍軍は「魔導具」と呼ばれる不思議な力を持つ道具を使う忍であり、「風神」「閻水」「不老不死」「火を自在に操る」などの烈火の周囲に起こったキーワードが火影の残した巻物に記されていた。
しかし文夫は、妻と偶然居合わせた柳と共に暗殺者集団「麗(うるは)」に拉致されてしまう。文夫は「火影」について知りすぎており、柳もまた「治癒の力」を狙われていたのだった。

彼らが連れ去られた館の主・紅麗(くれい)は不気味な仮面をつけた男だった。紅麗は「麗」の首領であり、紅麗の養父である森光蘭(もりこうらん)が永遠の命を得るために柳の力を欲しているのだと説明する。
一方土門や風子、影法師の助力を得て柳が捕われた「紅麗の館」に向かった烈火は、トラップだらけの館を何とか進んでいた。しかし天井が落下するトラップに引っかかってしまう。身動きが取れなくなっているところに現れたのは水鏡だった。水鏡は天井を凍らせて破壊すると、そのまま「麗」の一員・小金井薫(こがねいかおる)と戦い始める。ギリギリの攻防の中水鏡が勝利を収めるが、薫は逃亡してしまった為、烈火達は水鏡にその場を任せて先へと進んだ。

烈火達が辿りついた先に待っていた紅麗は、烈火に対して「会うのは400年ぶりだ」と言い、烈火と同じ炎の能力で攻撃を仕掛けてくる。紅麗は自分と烈火が同じ火影一族だと説明したが、烈火達を手引きしていたのが影法師だと知るや否や、「もう用はない」といい烈火達を地下深くに落としてしまった。
地下で麗の一員・木蓮(もくれん)に遭遇した烈火達だが、木蓮が柳に対してひどい拷問をしていたことを知ると、怒りにかられた烈火に一瞬で焼き尽くされる。
その後再び現れた紅麗と対戦した烈火達だが、紅麗は体術や炎「紅(くれない)」等を巧みに使いこなす。圧倒的な戦力差によって烈火達はあっという間に倒されてしまった。烈火が何とか立ち上がった時、影法師が現れ烈火に「手甲を外しなさい」と指示する。烈火が手甲を外すと八頭の火竜が出現し、八竜の長・烈震は「一度だけ烈火の言う事を聞く」と言ってきた。八竜の攻撃によってダメージを負った紅麗は、「森光蘭の命で迎えに来た」という部下と共に姿を消す。結局紅麗との決着がつくことはなかったが、烈火は柳を助け出すことに成功したのだった。

烈火の真実

柳を助けた一行は影法師に連れられて赴いた山奥の民家で様々な事情を明かされる。影法師の本名は陽炎(かげろう)と言い、烈火と紅麗がかつての火影忍軍頭首の子として生まれた兄弟だと説明した。炎を操る力「炎術師(えんじゅつし)」としての力を持って生まれた烈火だが、既に生まれていた紅麗もまた炎術師としての能力を持っており、一代に2人の炎術師が誕生することは不吉とされていたのである。その為紅麗は「呪いの子」として差別され、赤子の烈火の顔に刺傷をつくるほどに恨みを抱いていた。
その後火影の能力と魔導具は織田信長に目をつけられ、紅麗と烈火の父桜花(おうか)は命を落とす。陽炎は烈火を逃すために時空流離(じくうりゅうり)という技を使って烈火を違う時代へと飛ばし、烈火を追ってきた末に巻き込まれた紅麗もまた時空を超えたのだった。そしてその影響で陽炎は不老不死の呪いを受け、生き続けてきたのである。
事情を聞いた烈火達はこれからの戦いに備えて各々力をつけることを決意し、烈火は八竜の解放を目指すこととなった。そこへ「麗」の刺客三羽烏が現れたが、経験値を積んだ彼等の敵ではなく、あっという間に倒した挙句魔導具を奪い取ってしまったのである。

裏武闘殺陣

修行に励む烈火達の元に「裏武闘殺陣(うらぶとうさつじん)」というトーナメント大会の参加案内が届く。紅麗を倒す力をつけるため参加を決めた一行だったが、負けたチームは景品を差し出さなければならないルールがあり、何と柳が景品に選ばれてしまった。
絶対に負けられない戦いに挑む水鏡・土門・風子・そして烈火は、それぞれ魔導具や特殊能力を使いこなす強敵と対戦する。水鏡・風子は勝利を収めるが、土門は敵と相打ちとなってしまった。
一方の烈火は裏武闘殺陣前に取り込んだ二匹の火竜「崩(なだれ)」「砕羽(さいは)」で応戦する。魔導具によって紙を自在に操ることができる対戦相手・最澄に翻弄されたが、心臓に持病がある最澄は15分間しか戦うことができず、時間切れによって烈火が勝利する。
しかし烈火は次の対戦を望み、相手方の大将・空海と戦闘を開始した。温厚な性格の空海は三度攻撃を受けると「鬼モード」に入り、大幅に戦闘能力が向上する。一方的に嬲られた烈火は「主君を守る為には冷静さも必要だ」と諭されるが、「自分なりのやり方で勝つ」と宣言すると第三の火竜「焔群(ほむら)」が現れた。烈火の腕に巻き付きパンチの威力を増強することで空海に有効なダメージを与え、空海に勝利する。

次戦の「麗(幻)」との戦いに臨む烈火達だったが、試合開始前になぜか風子が行方不明になってしまう。メンバーが掛けてしまった為失格の危機に陥るが、そこに
かつて水鏡と戦った麗の一員・薫が現れて烈火達のチームに加わった。
一回戦目をあっさり勝利した薫だが、次の相手として現れた元の仲間・木蓮に動揺し、術に取り込まれてしまう。そこへ木蓮の次の相手として水鏡が戦い、薫の救出に成功した。
次いで副将戦に出場した烈火は、人質を取られて無理やり戦わされていた瑪瑙(めのう)に勝利すると、大将の幻獣朗に挑む。
幻獣朗は烈火の八竜を手にしようと烈火の動きを止めて手を伸ばすが、目を合わせた者全てを焼き尽くす能力を持つ「刹那(せつな)」によって腕を燃やされてしまう。結果烈火の勝利となり、幻獣朗は紅例を侮辱した罪の為処刑された。
なお風子は謎の男・雷覇(らいは)によって救出されており無事戻ってきたのだった。

続く三回戦、四回戦を勝利した烈火達は、いよいよ決勝戦で紅麗率いる「麗(くれない)」と対戦することとなる。決勝戦前夜、紅麗を慕う音遠(ねおん)は、紅麗の操る炎が元は一人の人間だったことを明かす。紅麗がたった一人心を開いた人物だったが見せしめのために森光蘭に殺され、紅麗は炎術師の能力で紅を炎の形に変えたのだった。

翌日いよいよ迎えた決勝戦でまずは土門が勝利を収める。しかし次鋒戦の前烈火の前に謎の老人が現れ、烈火の手にある八竜の刻印を奪ってしまった。八竜を取り戻すべく老人を追いかけた烈火は、「烈火の世界」でヒトの姿になっている八竜と出会う。一対一でそれぞれ八竜と戦った烈火は、六匹の火竜を呼び戻すことに成功した。

続いての戦いでは水鏡・風子は激戦の末破れてしまったが、薫が無事勝利をおさめいよいよ烈火と紅麗の大将戦が始まる。
苦戦する烈火だったが突然謎の老人が再び姿を現した。老人は七匹目の火竜「虚空(こくう)」であり、「『天才炎術士』紅麗を超える者を見てみたい」と、烈火に力を貸す。烈火は「崩」「虚空」の力を同時解放し、お互い炎を出す余力がない状態からの肉弾戦を経て、ようやく紅麗を打ち破ることができた。
全力で戦った紅麗は憑き物が落ちたように穏やかな気持ちになっていたが、突如炎術師・蓮華(れんげ)に攻撃される。森光蘭が「裏武闘殺陣」を開催した目的は最強の魔道具「天堂地獄(てんどうじごく)」を手に入れて永遠の命を得ることであり、森光蘭は脅威であった紅麗の殺害を図ったのだった。
間一髪のところを音遠に救われ一命をとりとめた紅麗は、説得の末戦いから身を引くことを考える。しかし森光蘭が放った刺客によって音遠が重傷を負い、紅麗は森光蘭を抹殺すべく戦いに身を投じることを決意したのだった。

天堂地獄

烈火達は天堂地獄の封印されている洞窟へ向かうが、異常なほどに力を欲する森光蘭を主と認めた天堂地獄は森光蘭と融合してしまう。混戦状態の中現れた紅麗と共闘するも洞窟の損傷が激しく、撤退を余儀なくされた。

最後の戦いが迫る中、烈火と柳が通う高校の同じクラスに、転校生の神楽葵(かぐらあおい)という女子生徒がやって来る。葵は柳に近づき二人はすぐに友人として打ち解けていった。しかし葵こそ森光蘭が仕掛けた最強の刺客だったのである。
柳と烈火の仲はキスを交わすまでに進展していたが、葵は人気のない場所まで柳を誘導すると拉致してしまう。葵の正体は紅麗と紅の細胞を使って森光蘭に作られたクローンの中の失敗作であり、葵は森光蘭に認められたい一心で柳を差し出したのだった。

救出は3日後と決まり、各々はそれぞれやるべきことを済ませていく。烈火は虚空によって再び「烈火の世界」へ導かれ、八竜の長「烈震」と対面していた。烈震は戦禍に巻き込まれて命を落とした烈火の父・桜花であり、息子を守る為八竜へと姿を変えていたのである。

烈火の炎

力尽きて死んでしまった柳だったが、裂神の能力によって烈火の炎となった。「癒し」の力で天堂地獄に立ち向かう。

柳を救出すべく天堂地獄と融合した森光蘭の元へ乗り込んだ烈火達だが、戦力を分散させられてしまう。陽炎や紅麗、元麗のメンバーらの助けを得て何とか天堂地獄の元へたどり着くことができたが、激戦の末柳は巻き込まれた末に命を落とす。絶望する烈火だったが紅麗は「答えを出せ」と発破を掛け、ついに烈火は死んでしまった柳の魂を「烈震」の力によって炎に変えることを選ぶ。七竜を同時召喚して癒しの力を持つ「烈火の炎」となった柳は、天堂地獄によって奪われてきた無念の魂を次々癒していった。力を失い動きを止めた天堂地獄を烈火が殴り飛ばし、ついに天堂地獄は崩壊する。最強の魔導具「天堂地獄」が失われ、同時にすべての魔導具と八竜が消滅したことによって、柳の魂は元の身体に宿り蘇ることができた。

役目を果たした紅麗は元の戦国時代へと戻り、薫も紅麗に従って現代から姿を消す。紅麗は火影騒動の発端となった織田信長を暗殺し、自らにけじめをつけた。
烈火と柳は「姫と君主」という立場ではなく対等な恋人同士となり、大きな花火を打ち上げる。火影を巡る長きに渡る戦いはここに終焉を迎えたのだった。

『烈火の炎』の登場人物・キャラクター

新生火影忍軍

花菱烈火(はなびしれっか)

CV:岡野浩介/武内健/柿原徹也/太田さとり(2001年版ゲーム)
本作の主人公。千葉県立名子霧高校1年E組。16歳。7月27日生まれのO型。身長165cm。右利き。
忍者に憧れており、佐古下柳を「姫」と呼び君主として扱い、次第に恋心を芽吹かせていく。正義感が強く熱血漢だが、女性に対しては紳士的でモテる。
戦国時代に、火影忍軍の六代目当主である炎術士桜花と陽炎の間に誕生する。烈火自身に炎を生み出す力はなく、八竜の力を使って炎を操る異端な炎術士であり、火影を終わらせる「呪いの子」であった。しかし火影の民からは兄である紅麗が「呪いの子」として扱われ、恨まれた烈火は紅麗に刺されてしまう。その後火影が滅ぶ間際に、母である陽炎の「時空流離」によって紅麗とともに現代へ流された。
戦闘の際には八竜による炎の力に肉弾戦を交えて戦うオールラウンダー。学校の成績は悪いが戦闘時には頭を使った戦い方もする。戦績は無敗。
陽炎の呪いを解くため、柳を守るために戦う。

佐古下柳(さこしたやなぎ)

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