ハイスクール!奇面組・フラッシュ!奇面組のネタバレ解説・考察まとめ

『ハイスクール!奇面組』とは、新沢基栄が手掛けた漫画で1982年〜1987年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されテレビアニメ版や劇場版アニメ、舞台版も作られた。一応中学及び一応高校に在校する個性派集団・奇面組によるドタバタ劇が展開し、河川 唯ら周りの学生や先生らが次々と巻き込まれる学園ギャグ作品。平成の時代に入り『フラッシュ!奇面組』が2001~2005年頃まで『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)で連載され、登場キャラクターのファッションやストーリー設定等がアレンジされた。

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『ハイスクール!奇面組』『フラッシュ!奇面組』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

人気上昇故に連載継続

漫画版に登場した作者とタイムマシンで、タイムワープと連載の延長が表現された。

本作品の作者である新沢基栄は漫画・アニメ作品にて登場キャラクターが歳を取らない定番スタイルに対し、 「しらじらしくなってしまいそう」という理由で避ける事にして前作品『3年奇面組』(1980〜1982年)から登場キャラクターが歳を取らせる事にした。奇面組と唯や千絵らは先輩・後輩という関係だったが、ストーリー展開の調整で奇面組が落第・留年し同学年へ調整された。

1982年4月からスタートした本作品『ハイスクール!奇面組』は時間の経過通りに描き、1985年3月にて高校卒業をもって最終回を迎える予定だった。ところが1985年の春に突然、タイムワープ(時間移動)で1年前(1984年)へと戻されるというストーリー展開となっている。作者が本作品終了の意向を担当編集部へ伝えたが、人気や余力があるからと連載継続を願望され聞き入れてもらえなかった故の展開である。

連載継続が決定して間もなく、作者へアニメ化のオファーが舞い込む(以前にもオファーがあったが、それらは断っていた為に今回が3度目のオファーとなった)。このアニメ化のオファーを承諾した事により、タイムワープを繰り返し連載終了のタイミングを失った。更にアシスタントをしていた佐藤正が『燃える!お兄さん』(1987〜1991年)でメジャーデビューして独立しアシスタント不足に悩まされたうえ、作者の持病の腰痛が悪化し原稿を落とす事も出て来た。やがて集英社の上層部と話し合いの機会を設けた後、休養を経て単行本穴埋め用2話、及び奇面組の高校卒業後の展開が描かれた3話と計5回で連載終了となった。

夢オチと見られた最終回

零達が「空想」だったのではと唯が口にする場面

1987年7月6日に発売された『週刊少年ジャンプ』30号掲載分「さらば奇面組の巻」にて、『ハイスクール!奇面組』の連載が終了する。唯が社会人となり出勤時に遭遇した零に自転車に乗せてもらう途中、何故か一応中学の教室に切り替わっており零や奇面組が「空想」だったのではという展開となった。この最終回に対し夢オチ(今までの事は全部「夢」だったという物語の終末を迎える手法)ではないかという声が上がったなか、それに対し作者の新沢基栄は「心外」と答えた。後のインタビューで作者は、最終回の展開を正夢か空想かどちらとも捉えられる様に描いたはずだったが、悪い感じにしか見てもらえなかったと話した。また作者は新たに発売された愛蔵版(1995年)や文庫版(2001年)の最終回でのラストショットにて、『3年奇面組』でトンカツをくわえて廊下を走る零のシルエットを加筆した。

大きく異なるアニメ版『奇面組』の展開や漫画版の新作

アニメ版最終回にて、頭部をぶつけ記憶を失う零

アニメ版の最終回は上記の漫画版の展開とは大きく異なり、零が事故で頭を強く打ち性格が変わり奇面組を解散、及び生真面目組の結成を告げるオリジナルの内容。そして零は生徒会長へ立候補し、生真面目組の結成を学校の全生徒に発表しようとした矢先に再び頭を強打する。それにより元の性格に戻った零が「奇面組は永遠に不滅です」と口にし、物語は締めくくる。

また平成の時代に入ると、『ハイスクール!奇面組』の外伝的作品『帰ってきたハイスクール!奇面組』(2000年・マガジンハウス)や『フラッシュ!奇面組』(2001~2005年・スクウェア・エニックス)が掲載される。特に『フラッシュ~』は細部のリニューアルや新キャラクターの登場がされたりしたが、作者・新沢基栄の体調悪化により休載となった。

リバイバル作品制作の矢先に原稿紛失

『帰ってきたハイスクール!奇面組』の表紙カバー

1990年代後半になると1980年代の人気漫画が再び注目され始め、『ハイスクール!奇面組』もまたリバイバル作品として『帰ってきたハイスクール!奇面組』や『フラッシュ!奇面組』が2005年頃まで制作された。しかしその作品の1つ『帰ってきたハイスクール!奇面組』の制作時、使用された原稿が全て紛失されるトラブルが発生。更にそのトラブルに対する編集者の態度に作者の新沢基栄は激怒し、2003年に原稿料・慰謝料と計610万円の損害賠償を求めた係争を起こす。紛失された原稿は各誌で掲載された際に印刷時で保存されていたデータから復元、集英社より単行本として一括掲載された。

『ハイスクール!奇面組』『フラッシュ!奇面組』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):うしろゆびさされ組「うしろゆびさされ組」(第1話(1985年10月12日)~第23話(1986年4月19日))

『ハイスクール!奇面組』1回目のオープニング曲で、アイドルグループ・おニャン子クラブのメンバーである高井麻巳子と岩井由紀子とのユニット・うしろゆびさされ組によるデビューシングル。第63話Bパート「うしろゆびさされ組の卒業式ジャック」では、ライブ版として披露された。

OP(オープニング):うしろゆびさされ組「象さんのすきゃんてぃ」(第24話(1986年5月3日)~第36話(1986年8月23日))

2回目のオープニング曲で、タイトルでの「すきゃんてぃ」は下着の種類のスキャンティーを意味する。またこの曲使用時からフジテレビのデザイン文字が変更され、ロゴマークの目玉マークも付いた。

OP(オープニング):うしろゆびさされ組「渚の『…』(かぎかっこ)」(第37話(1986年8月30日)~第49話(1986年11月29日))

3回目のオープニング曲で、オリコンチャート1位、人気歌番組『ザ・ベストテン』(TBS)でも最高5位を獲得した。

OP(オープニング):うしろゆびさされ組「技ありっ!」(第50話(1986年12月6日)~第59話(1987年2月14日))

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@rikurai0715

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