ゼルドリス（七つの大罪）の徹底解説・考察まとめ

魔神王により与えられた戒禁。

ゼルドリスに対して背を向ける者を、魔神王ひいては代理たるゼルドリスへの “背信” とみなし、強制的に服従させる。

戒禁は自身にも適応されてしまう為、ゼルドリスは相手に背を向けて逃げる事は出来ないデメリットも持つ。

インドゥラ

インドゥラとは魔神族の中でも特に力を持つ最上位魔神族が、己の7つある心臓の内6つを捧げる事で誕生する化け物である。その最上位魔神族は強大な力を手に入れる代わりに、理性を失って暴れ回る化け物となってしまう。魔界には何らかの要因でインドゥラ化した個体が生息していた。

魔神王に憑依されたゼルドリスはインドゥラを魔界から召喚し、ブリタニア大陸を襲撃させた。

ブリタニアの湖

ブリタニア大陸に存在する、魔力が凝集した湖。魔神王に憑依されたゼルドリスは、この湖から魔力を常に吸い上げ、強大な魔力を発揮した。

魔神王憑依体

第1形態

魔神王がゼルドリスに憑依した姿。子供の様な見た目のゼルドリスであるが、魔神王に憑依されてからは大人の身体になっている。この現象は兄のメリオダスが魔神王に憑依された際にも起こっていた。

第2形態

魔神王に憑依されたゼルドリスが、魔力を蓄えたブリタニア大陸の湖にて魔力を供給された姿。髪が伸び、以前よりもパワーアップしている。

第3形態

魔神王に憑依されたゼルドリスが、七つの大罪と対峙した時の姿。ブリタニア大陸の湖から供給された魔力を解放し、禍々しい姿に変貌している。もはやゼルドリスの面影は無く、別人の様である。

ゼルドリス（七つの大罪）の来歴・活躍

魔界に生まれる

ゼルドリスは魔神族を支配する魔神王の息子として生まれる。魔神族は女神族と悠久の時を掛けた不毛な争いを繰り返していた。ゼルドリスは十戒の一員となる。十戒とは魔神族の精鋭10人の総称である。戒禁とは煉獄に住む魔神王から、十戒の構成員1人1人に与えられた魔神王の力の断片である。各々が強力な力を持っているが、その戒禁に逆らうと敵味方関係無く何らかのペナルティを負ってしまう。これは魔神王が十戒達に反乱を起こさせない様にする為の措置であった。ゼルドリスは「敬神」の戒禁を与えられる。

ゼルドリスにはメリオダスという兄がいる。彼は十戒の統率者として活動し、圧倒的な強さで女神族と戦っていた。メリオダスは本作の主人公だが、この時の彼は父譲りの非情にして勇猛な戦士で、魔神王の命令を忠実に遂行する、冷酷無慈悲な性格であった。ゼルドリスはそんな兄を尊敬している。

十戒として活動する一方で、ゼルドリスは魔神王の処刑人としても活動していた。これは魔神王に反旗を翻した裏切り者を粛清する、いわば汚れ仕事である。ゼルドリスは魔神王の命令に従い、淡々と仕事をこなしていた。

ゼルドリスにはゲルダという恋人がいた。ゲルダは魔神族の中で蔑まれていた吸血鬼一族の女性である。彼は身分を気にすること無く、ゲルダを愛していた。

メリオダスに裏切られる

本編より3000年前、女神族との戦いを繰り広げていたメリオダスであったが、ある日彼はエリザベスと出会う。エリザベスは女神族のトップである最高神の娘であった。メリオダスとエリザベスは恋に落ち、不毛な聖戦を止める事を決意する。そして彼は魔神族を裏切り、女神族側へついた。これにより魔神族と女神族の拮抗していたパワーバランスが崩れ、これを好機と見た女神族は他の3種族（人間、妖精、巨人）を巻き込んだ全面戦争を仕掛ける。こうして4種族（女神、人間、妖精、巨人）対魔神族の聖戦が勃発した。メリオダスは魔神族を裏切る際、ゼルドリスにもゲルダと共に魔神族を裏切る様に説得する。この時のゼルドリスは魔神たちの間では身分の低いゲルダと公に交際することが出来ず、苦悩していた。メリオダスはそんな彼を誘い、自分達でそんな今の魔界の在り方を変えようと誘ったのである。だがゼルドリスはメリオダスの様に最愛の人の為に全てを敵に回す覚悟が無く、メリオダスの誘いを拒絶した。これ以降、ゼルドリスはメリオダスと敵対する様になった。

ゼルドリスは魔神王により、メリオダスの代理として十戒の統率者に任命される。彼は突然の重責に苦しみながら、任務を遂行していった。

メリオダスの裏切りを契機に、吸血鬼一族が反乱を引き起こす。ゼルドリスは魔神王より、ゲルダを含む吸血鬼一族の処刑を命じられた。恋人を殺さなければならない苦悩に苛まれた彼は、最終的にゲルダ達吸血鬼一族を殺せず、ブリタニア大陸のエジンバラという土地に彼等を封印してしまう。これによりゼルドリスはゲルダと会えなくなってしまった。尚、この封印は後に破られ、メリオダス達七つの大罪が吸血鬼一族を討伐する事になる。メリオダスはゼルドリスの為にゲルダを説得しようとするが、彼女は失意の底に居た。彼女はゼルドリスが自分達吸血鬼一族を封印した事に対し「魔神王の座に就く為、自分を封印した」と思い込んでいたのである。このままでは自ら命を絶ちかねないと判断したメリオダスは、彼女を再び封印した。

ゲルダを失い、十戒の統率者としての重責に晒され続けたゼルドリスは、全ての元凶であり、尊敬していたメリオダスを憎悪する様になった。

最終的に聖戦は十戒の1人である"無欲のゴウセル"の独断による策略がきっかけで終結する。"無欲のゴウセル"は「無欲」の戒禁を持つ十戒の一員である。精神操作の魔力を持ち、マエルに偽りの記憶を植え付けて、十戒のエスタロッサという架空の人物に成り代わらせた。マエルは女神族の主力である「四大天使」の1人である。これにより再び女神族と魔神族のパワーバランスが拮抗し、女神族は「常闇の棺」を発動した。常闇の棺は発動者の命を代償に、対象を封印させるアイテムである。ゼルドリス達魔神族は常闇の棺に封印され、代償に女神族は肉体を失って魂だけの存在となる。メリオダスは封印を守る為、常闇の棺の欠片を肌身離さず持ち歩く様になった。これは常闇の棺を開放するのに必要な重要アイテムである。彼は欠片に折れた刀身を付け、剣に偽装していた。尚、"無欲のゴウセル"が死亡した事により「無欲」の戒禁はゼルドリスが保持する事となる。

一方メリオダスは魔神王から「魔神族でありながら女神族の手を取った罪」、「同胞である魔神族を殺した罪」により「永遠の生」の呪いを受けてしまう。これにより彼は死ぬ度に魔神王に感情を1つ奪われて復活する事となった。一方エリザベスも「メリオダスと恋に落ちた」罪により「永劫の輪廻」の呪いを受けてしまう。これにより彼女は転生を繰り返し、その度にメリオダスと恋に落ちて、転生前の記憶が戻った3日後に必ず死ぬ事となる。こうして2人は長い時を愛し合い、悲しい死別を繰り返す事となった。

3000年後の復活

常闇の棺に封印されていたゼルドリス達魔神族であったが、フラウドリンの暗躍により復活を果たす。フラウドリンは"無欲のゴウセル"の元部下であり、戒禁は持たないが十戒の「無欲」を担当していた。彼は封印から逃れており、密かにリオネス王国の聖騎士長ドレファスに取り憑いている。そしてもう1人の聖騎士長ヘンドリクセンを操り、遂に常闇の棺の封印を解き放った。聖騎士とは剣術と魔力に秀でた騎士達の総称である。

復活したゼルドリス達十戒は、封印の影響で失われていた魔力を回復する為、ブリタニア大陸に住む人間達の魂を喰らい始めた。彼等を止めるべく、メリオダス達七つの大罪はゼルドリス達十戒に戦いを挑んでいく。七つの大罪とはメリオダスが十戒の復活に備えて組織した、7人の大罪人をメンバーとした聖騎士団である。