バン(七つの大罪)の徹底解説・考察まとめ

バンとは漫画『七つの大罪』に登場する人物である。「強欲の大罪(フォックス・シン)」を背負う不死身の男で、主人公メリオダス率いる最強の騎士団「七つの大罪」の一員。恋人の妖精エレインと死別し、彼女を蘇らせる方法を探していた。
聖騎士達のクーデターで乗っ取られたリオネス王国を仲間と共に奪還し、その後は十戒や魔神王、キャスといった強敵と戦いブリタニア大陸に平和をもたらす。最終的にエレインに自身の不老不死の能力を与える事で、彼女を蘇生させる。その後蘇生したエレインと結婚しランスロットという男子を儲けた。

レイブンズに住むバンの実父。幼少期のバンは彼から酷い虐待を受けて育った。

バンの実母

レイブンズに住むバンの実母。実父から虐待を受けるバンを放置し、嘔吐して苦しむバンを「汚い」と蔑んでいた。

目元がバンに似ている。

七つの大罪

メリオダス

本作『七つの大罪』の主人公である。憤怒の大罪(ドラゴン・シン)を背負い、七つの大罪の団長でもある。幼い見た目をしているが、数千年以上生きている魔神族であり、キングよりも遥かに年上である。魔神族を支配する魔神王の息子でもある。3000年前の女神、妖精、巨人、人間の混成軍である光の刻印(スティグマ)と魔神族の戦い(聖戦)において、魔神族を率いていた。また十戒の統率者でもあり、魔神王から力を貸し与えられていた。だが、女神族を統率する最高神の娘のエリザベスと恋に落ち、女神族側に寝返る。以降は聖戦を終結させる為にエリザベスと奔走していく。最終的に聖戦は、女神族が総力を掛けて魔神族を「常闇の棺」に封印した事で終結する。だが、メリオダスは魔神族を裏切った事で魔神王から「永遠の生」の呪いを受けてしまった。これは彼が命を落とした時、魔神王の手によって復活させられるというものである。この際、メリオダスは魔神王に感情を1つ奪われてしまい、復活する度に冷徹な魔神王に近付くというものであった。

メリオダスはかつて封印した十戒の復活に備え、七つの大罪のメンバーを集め始めた。その1人としてバンが選ばれたのである。この時のバンは「泉を守る聖女を殺し、生命の泉を飲み干した」としてリオネス王国で投獄されていた。その後バンは七つの大罪として活動し、メリオダスを団長兼親友として認めていた。一方でメリオダスは、バン達七つの大罪のメンバーに自分の素性を隠している。

バンとは非常に仲が良く、再開する度に周囲の建物を破壊する程殴り合う、バイオレンスなスキンシップを取る。バンの破天荒な振る舞いにもメリオダスは目くじら1つ立てた事は無い。だが、1度バンは酔った勢いで彼の背負う常闇の棺の欠片に触れ、彼の逆鱗に触れてしまった。怒ったメリオダスは魔神族の力でバンを攻撃し、彼は一生消えない傷を負っている。

10年前の七つの大罪の解散後メリオダスはバステ監獄にてバンと再会する。そこでバンは七つの大罪のメンバーとして再び活動する事になった。リオネス王国奪還の際、バンは女神族に唆され、エレインを蘇生させる為とはいえ彼を殺そうとしている。結局バンはメリオダスの団長命令に従い、この時の裏切りは有耶無耶となった。戦いの後、メリオダスはこの事を気にしておらず、飄々とバンに接している。だがバンはこの事に引け目を感じ、七つの大罪を一時的に離脱している。

十戒復活後メリオダスは1度死亡し、煉獄の魔神王に感情を1つ奪われて復活する。だがエリザベスの「永劫の輪廻」の呪いを解こうと焦った彼は、魔神王に成り代わる事を決意し魔神族に寝返った。そして戒禁を全て回収し始め、七つの大罪と対立した。バンは彼の暴走を止める為、煉獄へ赴き彼の感情を取り戻す事を決意した。煉獄にてバンはメリオダスの感情と共に魔神王と戦っている。

地上のメリオダスは最終的に魔神王に身体を乗っ取られたが、バンがメリオダスの感情を取り戻した事により、魔神王の意識を打ち倒している。またメリオダスと同様に、魔神王がゼルドリスの肉体を乗っ取った際には、メリオダスとバン達七つの大罪のメンバーは協力してゼルドリスを救い出した。

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キング/ハーレクイン

「怠惰の大罪(グリズリー・シン)」を背負う七つの大罪の1人。キングは作中の多くの場面で使われる通り名で、ハーレクインが本名である。彼はブリタニア大陸に住む5種族(人間、巨人、妖精、魔神、女神)の中の妖精族である。妖精族は「神樹」と呼ばれる巨木を中心に広がる「妖精王の森」に住んでいる。キングはその神樹に選ばれた妖精を束ねる王「妖精王」である。外見は10代の少年であるが、実年齢は1300歳である。

キングは妖精王として神樹の森で平和に暮らしていた。だが「不老不死の力がある」とされる妖精の羽は、人間たちの間で高値で取引されており、これを目当てにした人間の悪党に親友のヘルブラムを含む妖精たちが誘拐されてしまう。キングは彼らを救出するために神樹の森を飛び出すが、仲間たちを惨殺されたヘルブラムは憎悪に駆られ、人間を無差別に殺戮するようになってしまっていた。キングは王としての責務として、親友であるヘルブラムを殺害する。その後リオネス王国の兵隊に捕らえられた彼は「1人の妖精による人間の虐殺という凶行を見過ごした、妖精王としての〈怠惰〉」の罪から1000年の禁固刑を言い渡される。そこをメリオダスに救われ、七つの大罪のメンバーとなった。

七つの大罪の仲間としてバンと出会い、彼の破天荒な性格に振り回されていく。メリオダス曰く「良いコンビ」との事。主にバンの不始末をキングが尻拭いしていた。

キングは10年前の七つの大罪解散後に妖精王の森に戻った事で、妖精王の森の消失とエレインの死を知る。バンが森を焼き払い、妹を殺したと誤解した彼は、バンへ殺意を抱く様になった。これによりキングは七つの大罪の中で唯一、聖騎士達と手を結び、バンを殺す機会を窺っている。

死者の都にて、キングはバンを襲撃する。キングの事情を知ったバンは弁解する事無く、キングのシャスティフォル第二形態によって石化された。その直後霊魂の状態のエレインの手により、バンは石化を解除される。その後、キングはエレインにバンの事を託され、彼女の為に仕方なくバンと共闘した。以降は同じ七つの大罪のメンバーとしてバンとキングは行動を共にする。だがキングの誤解が解けた訳では無く、彼はあくまでもエレインからの頼みで仕方なくバンと共に行動していた。リオネス王国奪還の際、ヘンドリクセンが赤色の魔神の死体をキング達に見せた事でキングの誤解は解ける事になる。

その後も七つの大罪の一員として、バンと共に魔神化したヘンドリクセン、十戒、キャスとの戦いを繰り広げた。戦いが終わった後はディアンヌと結ばれ、共に妖精王の森にて暮らすようになる。

エレインはキングの妹である。この為、彼女と結婚したバンは、キングの義弟という形になった。

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エスカノール

七つの大罪の1人で「傲慢の大罪(ライオン・シン)」を背負う男性。普段は気弱で貧弱であるが、太陽が昇る程傲慢になり肉体が筋骨隆々になっていく。それに伴って魔力が増大し、正午に最強の力を発揮する。

エスカノールの力は本来四大天使の1人のマエルが創造神から与えられた「恩寵」の力である。3000年前ゴーセルの本体が彼を魔神族に寝返らせた際、ゴーセルは彼の力を引き剥がした。その結果マエルの恩寵はエスカノールを器に選び、彼は比類なき力を得る事となった。元々は小国の王子として生まれたが、彼の力を恐れた両親に殺されそうになり、国を逃げ出す事となった。その後、各地を放浪した後にリオネス王国に流れ着く。そこで民衆の為に化け物と戦うも、その圧倒的な力を恐れられ、取り押さえに来た聖騎士ザラトラスを負傷させてしまう。また王に対して尊大な態度を取ってしまった事もあり、鞭打ちの刑に処されそうになった。そこをメリオダスに拾われ、七つの大罪に一員となった。尚、エスカノールは最後に加入する形になっている。

十戒の復活後、七つの大罪に復帰してメリオダス達と共に戦った。当初苦戦していた七つの大罪の中で唯一、十戒を打倒する大金星を挙げている。ガランとメラスキュラに追い詰められていたバンは、彼に救われていた。

圧倒的な力を持つエスカノールであるが、人間でありながら女神族の力を長期間使用した為、徐々に身体が耐え切れなくなっていった。苦悩の末、エスカノールは仲間を守る為に自身の力をマエルに返し、彼に代わりに戦ってもらう決断をする。

その後は一般人として生きていたが、ゼルドリスに憑依した魔神王と戦う為、再度マエルから恩寵の力を借り受ける。彼の肉体は限界であったものの、決死の覚悟でバン達七つの大罪の一員として戦った。死闘の後、エスカノールの肉体は恩寵の力に耐え切れず消滅する。彼は七つの大罪の一員である事に誇りを持って死んで行った。

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マーリン

七つの大罪の1人で「裏切りの大罪(ボア・シン)」を背負う女性。魔法で美しい女性の姿をしているが、その本性は己の時を止める事で不老不死となった幼い少女である。リオネス王国奪還の際、アーサーと共にキャメロットから駆け付けた。以降は七つの大罪に復帰し、バン達と共に戦った。「無限(インフィニティ)」という無尽蔵の魔力を持っており、反則的に強力な魔術を操る。

十戒復活後、バンは彼女のアドバイスにより煉獄へ赴いている。

ゴウセル

「”色欲”から王女を誘惑・姦淫したあげく、残虐な手口で殺害した」罪により、色欲の大罪(ゴート・シン)を背負う。元々は十戒の”無欲”のゴウセルの手によって作られた人形である。本体のゴウセルは魔神王にも影響を与える無欲の戒禁を与えられており、この事から魔神王に地獄の牢獄へ幽閉されていた。彼は牢獄の中に在りながら外界との接触を試みる為、自分の恋人を模した人形のゴウセルを作り出した。本体のゴウセル自身が情欲を抱かぬ様に、人形のゴウセルは男性として作られたのである。これにより、人形のゴウセルは中性的な見た目をしていた。最終的に本体のゴウセルは魔神王を裏切り、自分の命と引き換えに聖戦を終結させる。その後、人形のゴウセルはリオネス王城の地下室にて眠りに就いた。そして本編の数十年前、当時はまだ王子であったバルトラ(現リオネス国王)とその実姉ナージャによって発見される。眠りから覚めたゴウセルはナージャと恋仲となっていった。だがナージャは心臓病で死亡してしまう。ゴウセルは悲しみの余り、彼女を蘇生させようと胸を切開した。そして自分の胸に収納されているハート形の機械を彼女に移植しようとした所を衛兵に発見され、捕えらえてしまう。この事が原因でゴウセルは”色欲の罪”を背負う事となった。ナージャを失った悲しみと辛さに耐え切れず、ゴウセルは記憶と感情を自らの手で消した。以降は壊れた人形の様に突飛な言動をするようになった。メリオダスは彼を七つの大罪に勧誘し、七つの大罪の一員にする。

10年前の事件後オーダン村にて、アーマンドという冴えない青年に扮して潜伏していた。バン達七つの大罪と合流後、リオネス王国奪還の為に共に戦う。精神攻撃や精神操作系の魔法が得意であり、数々の強敵の精神を操って自滅に追い込んだ。ヘンドリクセン討伐後、“感情”への偏執的な好奇心から暴走し、ディアンヌに記憶消去魔法を掛ける。この魔法は徐々に記憶が消えていくというもので、ディアンヌの「大切な人への想いは消えない」という発言の真偽を確かめるべく、彼はこの様な暴挙に及んだ。また自分の身を犠牲にしてエリザベスを守ったホークを軽んじた発言をし、バンを怒らせている。

十戒復活後は不安定な状態でありながらも十戒と戦った。その後、聖戦終結の真相とゴウセルの正体を知った七つの大罪のメンバー達の活躍で記憶と感情を取り戻す。

感情を取り戻してからは他の七つの大罪のメンバー達と共に、魔神王に成り替わろうとするメリオダスと対立した。最終的に感情を取り戻したメリオダスとバン達七つの大罪と共に魔神王を打倒している。

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