シズ(転スラ)の徹底解説・考察まとめ

シズとは『転生したらスライムだった件』の登場人物で、魔王レオンにより召喚された日本人女性である。自由組合(ギルド)の英雄。イフリートを宿し、「爆炎の支配者」の異名を持つ精霊使役者(エレメンタラー)で、主人公リムル=テンペストの「運命の人」である。自由組合総帥(グランドマスター)のユウキ・カグラザカ、西方聖教会聖騎士団長のヒナタ・サカグチはシズの教え子。寿命が尽きる時、リムルに捕食してもらう。シズの遺志と姿とスキルは、リムルに受け継がれることになる。

シズは8歳の頃に魔王レオン・クロムウェルにより召喚されてこの世界に来た。シズが元の世界で最後に見たのは、東京大空襲によりあたり一面が炎に包まれた光景だった。東京大空襲であることは、召喚時のシズは知らないが、ユウキから教えてもらう。召喚時にエクストラスキル「炎熱操作」「炎熱攻撃無効」を獲得した。魔王レオンが召喚したかったのは別の人物だったらしく、召喚されたシズをみて落胆をし興味を失っていた。しかし、魔王レオンは気が変わりイフリートをシズに憑依させた。シズは召喚前の空襲により大火傷を負い死にかけていたが、生存するためにイフリートを憑依を受け入れた。イフリートの憑依によりシズは炎を操る力を手に入れる。

イフリート憑依後はユニークスキル「変質者」により自我を保つことはできたが、身体の支配権はイフリートにあった。シズは炎の魔人として魔王レオンの側近となり、侵入者を始末していた。魔王の側近となって数年後、シズは自身の意思である程度行動できるようになる。当初はイフリートの力だけで敵を排除していたが、魔王レオンの訓練施設で剣技を習得した。
ある日、シズはピリノという少女と仲良くなった。ピリノはシズより少し年上の穏やかな性格の女の子で、魔獣である風狐の幼子を隠れて世話をしていた。シズは風狐の子に「ピズ」と名付け(ピリノとシズから一文字ずつ取った)、二人はピズ可愛がっていた。ピズが成長した頃、ピリノの願いで魔王城に連れて行ったが、ピズは魔王レオンに遭遇して恐慌状態になり威嚇をしてしまう。その敵意に対しシズの中のイフリートが目覚め、ピズとピリノをシズの体を使い焼き殺してしまう。シズは友達を殺してしまった慙愧の念を抱くがすぐに冷静さを取り戻し、自分はすでに人間ではなく魔人であると自覚する。

ある日、魔王レオンの居城に少女の「勇者」クロノアがやってきた。クロノアが来た時にはレオンは城を捨てて逃げており、殿軍としてシズは残っていた。魔人となったシズの身体能力はレオンの配下の中でも上位で、また剣技もそれなりに上達していたが、クロノアには通用しなかった。クロノアに敗れたシズは殺されると思っていたが、魔王城にいる理由を問われ事情を伝え、クロノアに保護されることになった。シズは「抗魔の仮面」をクロノアから与えられ、人間としての感情を取り戻し、ある程度なら身体に負担をかけることなくイフリートの能力を扱えるようになる。シズはこの世界や魔法などを学び、勇者のパートナーとして認められる存在となるが、数年後クロノアはシズを置いて旅立った。
シズはクロノアと別れた後、魔物に脅かされている人々を守るために諸国を巡り、弱者の味方として活動するうちに英雄と呼ばれるようになる。その後、町を襲撃してきたドラゴンを倒した際にイフリートの能力で倒すことに成功するが、気力が衰えイフリートの制御が困難になってきていることに気づき冒険者を引退を決意する。

引退した後は、イングラシア王国にて教導官として後進を育てており、その教え子にユウキ・カグラザカやヒナタ・サカグチがいる。ユウキが理事長を務める自由学園では教師をしていた。自由学園で担当していた子供達は失敗した召喚術でこの世界に呼ばれたため、召喚後は5年ほどしか生きられない。その子供達を救うためにシズは教職を辞し、旅に出る。
シズは、ジュラの大森林へ向かう3人の冒険者(カバル・ギド・エレン)に同行させてもらいたいと頼む。カバル達は、ギルドマスターのフューズからの指示でジュラの大森林の調査に向かうところだった。彼らは当初シズがギルドの英雄「爆炎の支配者」シズエ・イザワであることには気がついておらず、共にジュラの大森林への旅に出る。
ジュラの大森林でシズと共に行動しているカバルが巨大妖蟻(ジャイアントアント)の巣に剣を刺したため、パーティーは巨大妖蟻に追われてしまう。その際、シズはイフリートの炎の力を使って巨大妖蟻を何体か倒すが、倒しきれなかった巨大妖蟻がシズに襲いかかる。そこにリムルが登場しシズを襲ってきた巨大妖蟻を黒稲妻で倒す。リムルは助けた相手が、占ってもらった運命の人のシズエ・イザワであると気づく。

リムルから、シズと冒険者三人組はリムルたちの町に招待をされる。リムルが人間たちの警戒心を解くため「俺はリムル。『悪いスライムじゃないよ!』」と伝えると、その言葉でリムルが自分と同じ日本人であると思い、冒険者三人組に、信頼できるスライムだと伝え、リムルやゴブリンたちの町に行く(シズ自身はゲームそのものを知らないが、教え子のユウキからゲームのことを聞いていた)。

イフリートの暴走とシズの死

リムルと冒険者三人組と共に行動している際に、シズに憑依しているイフリートが主導権を取り戻そうとして暴走する。シズはイフリートを抑えきれず、リムルたちにかろうじて自分から離れるように伝えるが、リムルが自分たちに任せるよう返答し、イフリートとリムルたちの戦いになる。
イフリートはリムルたちと会話をすることはなく、強い攻撃でリムルたちを全滅させようとする。イフリートは精霊種のため、リムルの物理攻撃は通用しない。攻撃方法をリムルが考えているところに、イフリートが分裂して増えてしまう。エレンの氷結魔法「水氷大魔槍(アイシクルランス)」でイフリートの分裂体にダメージを与えられることがわかる。リムルは水氷大魔槍を解析・習得し、氷結魔法「水氷大魔散弾(アイシクルショット)」で分裂体を殲滅する。
本体だけになったイフリートは、直径100メートルの範囲内を超高熱の炎と熱で満たす炎熱攻撃魔法「炎化爆獄陣(フレアサークル)」によりリムルを攻撃するが、リムルは熱変動耐性効果により、ダメージを受けない。リムルはスキルの粘系でイフリートを拘束し、ユニークスキル捕食者でイフリートを捕食することで、シズからイフリートを分離させる。
シズはイフリートから解放されたが、その後1週間眠り続ける。イフリートとの同化がシズを延命させていたため、目を覚ましたシズは急速に老化が進んでしまう。シズには心残りがあったが、自分は十分に生きたとリムルに伝える。シズはリムルの重荷になると断ったが、シズの力になりたいリムルが、心残りを引き受けることになる。
シズは、「あなたの見せてくれた懐かしい故郷の景色のなかで眠りたい…」とリムルに頼み、捕食されて死去した。

シズの関連人物・キャラクター

リムル=テンペスト

シズを捕食し人間に擬態したリムル

リムルがドワーフ族の国である武装国家ドワルゴン王国にて「運命の人」を占ってもらった際に、水晶にシズとイングラシアの子供達が映し出され、リムルは生前最後に見た夢の自分自身にシズが似ていると気づいた。ドワーフ族の鍛治職人カイジンにより、爆炎の支配者シズエ・イザワであること、ギルドの英雄で何十年も活躍していること、リムルが占ってもらっている時点では、引退し若手を育てていることを、知らされる。リムルは「シズエ・イザワ」が日本人の名前であると思い、同じ日本人として会ってみたいと考える。
その後シズと出会い交流を深めるが、暴走したイフリートをシズから分離させ、イフリートとの同化が無くなり寿命を迎えたシズを、シズの願いにより捕食する。
シズを捕食することで、リムルは人型に擬態できるようになった。そのため人型のリムルはシズに酷似している。またシズのスキルであるユニークスキル変質者、そしてシズの心残りであるイングラシアの子供達を引き継ぐこととなった。

renote.net

イングラシアの子供達

占いで映し出されたシズとイングラシア王国の子供達

イングラシアにある自由学園の生徒で、シズが担任していたクラスの5人の子供。

アリス・ロンド
ゲイル・ギブスン
クロエ・オベール
リョウタ・セキグチ
ケンヤ・ミサキ

この子供達は簡素化された召喚術式により、この世界に来た。異世界人は、世界を渡る際に一度肉体が滅び、再構成されるときに大量のエネルギー(魔素)を取り込み、そのエネルギーにより本人の望みに沿ったスキルを手に入れる。しかし簡素化された召喚術は失敗が多く、スキルを獲得できないまま召喚される。本来スキルへ還元される大量のエネルギーは行き場をなくし、肉体が崩壊する。そのため不完全召喚された子供達の多くは5年以内に死んでしまう。

自由学園に残された5人の子供達の推定余命は1〜2年だったが、シズがイフリートにより延命したことをヒントとし、リムルが子供達に精霊を同化させることになった。この同化の際に、シズからリムルが引き継いだユニークスキル変質者が使われた。

ユウキ・カグラザカ

自由組合総帥(グランドマスター)の20代後半の男性。異世界(現代の日本)からの転移者。
異世界から転移するときにスキルを獲得できず、代わりに身体能力が異常に発達し、肉体の成長が止まったため、見た目は15~16歳くらいである。
リムルと面会した際、シズの仮面と人間の姿のリムルを観て激高するが、リムルに諭され、シズの最期について聞いた。シズが知っていた「悪いスライムじゃないよ!」はユウキがシズに話した。シズの心残りであるイングラシアの5人の子供達については、ユウキからリムルに伝えられた。

ヒナタ・サカグチ

西方聖教会の聖騎士団長の女性。異世界(現代の日本)からの転移者。ヒナタにとってシズは唯一手を差し伸べてくれた恩人である。ヒナタはシズを尊敬し感謝をしているが、突き放されたら耐えられないと思い、一人で進むことを決意しシズと別れる。ヒナタはシズの姿をしているリムルをシズの仇であると思っており、イングラシアからテンペストへ帰還するリムルを襲撃する。

魔王レオン・クロムウェル

幼少期のシズ(左)と 魔王レオン(右)

魔王レオン・クロムウェルは、シズをこの世界に召喚した人物で、十大魔王の一柱である。もとは人間の勇者。
レオンは少年の頃に精霊の棲家に訪れ、光の精霊を召喚した。特定の人物を異世界から召喚する方法を知るのが目的だったが、めぼしい情報が得られず、精霊の棲家からイフリートを連れ去った。光精霊を呼び出すことができたレオンは精霊の加護を受けて勇者となったが、その後魔王になった。二つ名は「白金の剣士(プラチナムセイバー)」。200年前に魔王カザリームを殺した。
魔王クレイマンが開催を呼びかけたワルプルギス(魔王達の宴)にて、リムルの姿を見てとシズを思い出し、リムルに声をかけた。

シズの名言・名セリフ/名シーン・名場面

リムルの「悪いスライムじゃないよ!」に吹き出すシズ

「悪いスライムじゃ無いよ!」とゲームのセリフを言うリムルと、吹き出してしまうシズ

「悪いスライムじゃ無いよ!」はリムルがシズに出会った時に、無害な魔物アピールをするために言ったセリフ。シズは戦時中生まれのためゲームそのものは知らないが、教え子のユウキより話を聞いていたため、このセリフを聞いた時に吹き出してしまう。

シズの最期

「もう何十年も前にこっちに来て 辛いことも沢山あったけど 良い人たちにも沢山出会えて 最後にはこんな奇跡みたいな出会いがあった。心残りがない訳じゃないけど 私はもう十分生きたから」

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@yuuko6230n3

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