稲城文之信(刃牙)の徹底解説・考察まとめ

稲城文之信(いなぎぶんのしん)とは、『刃牙シリーズ』の第1作目『グラップラー刃牙』に登場する日本拳法の使い手。地下闘技場最大トーナメントでは喧嘩ヤクザの花山薫(はなやまかおる)と戦った。総合格闘技を完成させたと言われるほどの才能の持ち主で、卓越した運動神経と試合前のパフォーマンスで観客をわかせた立役者である。主人公の範馬刃牙(はんまばき)は一度稲城の道場に訪れ稲城の組み手を見た時、直突きの速さと威力に驚かされた。

花山(右)に気を遣ってスーパーセーフを渡す稲城(左)

花山薫との試合の直前に稲城が花山にスーパーセーフを渡しながら言ったセリフ。稲城は自分の実力に絶対的な自信を持っており、訓練では防具をつけた道場生と戦うことが当たり前だった。実際、稲城の技には道場生の防具を破壊するほどの威力がある。稲城は何の装備も持たない花山のことを気遣い、スーパーセーフを渡したのだ。
「これを着けたまえ。ワルいことは言わん、言う通りにしたまえ」
稲城の挑発に、花山はこのスーパーセーフを自慢の握力で握り潰し、お返しに懐から匕首を出し稲城に渡した。
このシーンは稲城の実力を読者に暗に示す名シーンとなっており、2人の戦いへの期待がいやおうなしに掻き立てられるシーンである。

匕首を叩き割るシーン

花山に匕首を渡されて叩き割る稲城

花山と稲城が戦う直前、花山は稲城からスーパーセーフを渡されたお返しに懐から匕首を取り出し稲城に渡すシーンがある。これは武器を使って自分とようやく五分であるという花山のアピールである。この挑発に稲城は受け取ると、鞘から刀を取り出し地面に捨てると同時に直突きを叩き割った。スーパーセーフを握りつぶした花山に対抗するシーンであり、どちらが勝つかわからないと読者に思わせる見事な演出となっている。

師弟愛

稲城が負けて花山に立ち会いを申し出る師範

稲城が花山に負けた際、違反とわかっていながらも稲城の師匠は闘技場に乱入せずにはいられなかった。師匠は稲城のことを誇りに思っており、「もし稲城が花山に不覚をとるようなことがあったなら、それは稲城文之信個人の敗けでも日本拳法の敗けでもない、言わば日本武道の敗北と言ってさしつかえない」とさえ言っていた。その稲城が負けたことがどうしても納得できなかったのだ。この場で立ち会ってほしいという申し出に花山はいつでもかかってくればいいと自分の覚悟を伝えたところ、稲城の師匠は花山が喧嘩師というよりも武士であることがわかり素直に敗北を認めた。この場面は師弟愛を感じさせる名シーンである。

稲城文之信の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

花山薫が認める強さ

稲城(手前)を認める花山(奥)

稲城と花山の戦いは花山の勝利に終わった。特に試合終盤、稲城は花山に有効打を与えることができなかった。しかし地下闘技場最大トーナメントで花山と稲城の闘いが終わった時、花山は背骨が折れてもなお関節技を仕掛けようとした意地を評価し、失神した稲城に向かって「武道をさせとくにゃ惜しい漢だぜ」と稲城の強さを認めていた。

足刀の威力

防具を壊すほどの威力

道場で組み手をした際にパンチの直突きが注目されていたが、実は蹴りについてもすごかった。直線的な足刀で相手の防具を破壊する威力はまさに総合格闘家と呼ぶにふさわしい武道家である。

背骨が折れても動く下半身

背骨を折られても足が動く稲城(左)

花山との試合で背骨を折られた稲城は、そのまま花山に関節技を極めようとしたが意識を失った。まず背骨を折られた瞬間に下半身は動かないはずだが、ここは関節技を見せておきたい作者の思いが込められていると読者の間では囁かれている。

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『刃牙』シリーズは、強さを求めて飽くなき戦いを繰り広げる格闘家たちの熱く壮絶な生き様を描いた板垣恵介の描く漫画作品。『グラップラー刃牙』、『バキ』、『範馬刃牙』、『刃牙道』、『バキ道』と名前を変えながら30年以上の長期連載を果たしている。 格闘技を扱った作品であるだけに、現実に存在するものを中心に様々な武術や流派が登場する。空手や柔道といったお馴染みのものから柔術、合気道、ボクシングまで多種多様。ここでは、『刃牙』シリーズに登場する武術と流派を紹介する。

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『刃牙シリーズ』とは、若き格闘家「範馬刃牙」を主人公とする板垣恵介の一連の漫画作品。様々な格闘技の使い手たちが、“最強”の称号を目指して時に戦い、時に共に修行に励み、交流を重ねていく様を描いている。 「強靭なフィジカルを作る」ことも格闘家にとって必要不可欠な修行であるため、食事シーンには特に力が入れられている。料理漫画顔負けの食事描写も少なくなく、ファンの間では「刃牙メシ」として有名。ここでは、『刃牙シリーズ』に登場する料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物をまとめて紹介する。

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