ロイ・マスタング(鋼の錬金術師)の徹底解説・考察まとめ
ロイ・マスタングとは『鋼の錬金術師』に登場するキャラクターで、作中では「焔の錬金術師」の名で知られている。軍に所属しており階級は大佐。主人公の過去を知る数少ないキャラクターの1人であり様々な面で手助けをしている。普段は仕事をサボって女性と長電話したり主人公を揶揄ったりしているが、自身が過去に経験したことをきっかけに強い意志・信念を持ち国のトップの座に就かんとしている。
CV:室園丈裕(2003年版)/浜田賢二(2009年版)
長身で瘦せ気味、細目の男性で階級は准尉。後に少尉になっている。マスタングが東方司令部から信頼できる部下として連れて行った5人のうちの1人。ファルマンの別名は「歩くデータ・パンク」。その異名の通り、とんでもない記憶力の持ち主で、ありとあらゆる分野についての知識を蓄えている。大佐と共に中央司令部へ異動した際に連続殺人鬼のバリーを匿うことになったり、調査以外では雑に扱われたりなど苦労が絶えない人間である。
マスタング大佐が軍の暗部にふれた際に北方司令部へ、さらにはブリックズ砦勤務となる。そこでは下っ端がやるような仕事を任されており、エド達からは「出世コース外れたね」と言われて涙を流している。
ブリックズでの地下トンネルの発見とファルマンの記憶力により人造人間達が何をしようとしているのか、その全てに軍が関係していることを明らかにした。約束の日が間近になり、バッカニア大尉、ブリックズ兵と共に中央司令部の指令室を占拠する際にも、ファルマンの記憶力がいかんなく発揮されている。
ケイン・フュリー
CV:白鳥哲(2003年)/柿原徹也(2009年版)
黒の短髪に黒目、黒縁眼鏡が特徴で、階級は曹長。マスタングが東方司令部から信頼できる部下として連れて行った5人のうちの1人。フュリーは穏やかで優しく、部下の面倒見もよい。戦闘はあまり得意としていないが、通信機器に関する扱いに長けており、作中では通信機器への介入・情報操作・妨害工作の面で活躍している。
マスタング大佐が軍の暗部にふれたことで南部戦線へ異動し、最前線での通信網の設置という任務を担っていた。その際に仲間の死を間近で見たりなど過酷な戦地で彼が思ったのは、「必ず生き残る」という決意。マスタングの下にいたとき以上にフュリーを心身共に強くした出来事であったといえる。
約束の日間近に脱走し、マスタング大佐と合流。ラジオ・キャピタルに籠城して、お得意の技術で情報操作を行った。
マダム・クリスマス
CV:松岡洋子
本名はクリス・マスタング。バーの女主人で、マスタングの父方の叔母である。幼少期のマスタングを育てた。また、裏事情に精通しており、キング・ブラッドレイの一人息子セリム・ブラッドレイについての調査を依頼され、彼が人間ではないことを突き止めている。しかし、それが原因で軍に追われることになってしまったため、身を隠した。
アレックス・ルイ・アームストロング
CV:内海賢二
スキンヘッドにカールのかかった前髪、そして何より筋肉が特徴の大柄の男性。大佐と同じ国家錬金術師で、二つ名は「豪腕」。階級は少佐で、ヒューズ中佐の部下として初登場する。直属の部下にはマリア・ロス少尉、デニー・ブロッシュ軍曹がいる。
アメストリスの名門貴族で、軍将校を数多く輩出している「アームストロング家」の一族。代々伝わる錬金術をはじめ尾行術、似顔絵術など、出来ないことなど無いのではないかというくらいなんでもできる。大佐とはイシュヴァール殲滅戦で互いに認知しており、最後まで命令を貫いた大佐と違ってアレックスは虐殺に耐え切れず命令違反し、戦線離脱させられている。この時に、今の国家のあるべき姿に疑問を持ち改革をしたいという大佐の考えに同調し、ヒューズ中佐と共に大佐に協力している。
軍の暗部を大佐から教えられた際に「降りたらどうだ」と言われるも、嘗て戦場イシュヴァールの地から逃げた事を悔やみ、「嘗て己の弱さが故に戦場から逃げてしまった。倒すべき敵が分かっておるのにどうして逃げられましょうか」と闘う決意を示している。
オリヴィエ・ミラ・アームストロング
CV:沢海陽子
名門貴族「アームストロング家」の一族で、長い金髪をなびかせている女性。階級は少将で、最北に位置するブリックズ要塞の兵士を束ねる。幾度も北の大国ドラクマの進行を退けていることから、「ブリックズの北壁」の異名を持っている。
「弱肉強食」を絶対の掟とし、徹底した実力主義を貫いている。たとえ自分が死んだとしても「自分が弱いから」と割り切っていて、それ故に大佐のことは「青二才」「甘ったるい英雄」などと評している。だが彼女自身もブリックズ兵総ぐるみで行った上官殺しの責任を自分1人で背負う、24時間経っても帰ってこなかったら扉を封鎖してくれと部下に頼まれていた際もあえて壊れた時計を渡しておくなど、部下や周囲の親しい人間への思いやりや優しさが垣間見える。
その為、ブリックズ兵からは絶対の信頼を集めている。彼らの団結力は凄まじく、「お父様」との最終決戦の場においては彼女の部下である大勢のブリックズ兵たちが多大な貢献をしている。だが、普段のあまりの厳しさから部下から「あんなのメスじゃねえ」と言われている。
マリア・ロス
CV:斎賀みつき(2003年版)/名塚佳織(2009年版)
短髪黒髪、左目下にある泣きぼくろが特徴の女性で、階級は少尉。アームストロング少佐直属の部下で、作中ではエルリック兄弟の護衛の任に就いたりなどしている。芯が強い女性で、肩書上は上官であるエドに対し懲罰を受ける覚悟で叱っていたりなど、彼女の人柄の良さが表れている。
ヒューズ中佐が人造人間に殺された後、大佐を大人しくさせる為という理由でヒューズ中佐殺害の犯人に仕立て上げられてしまい、留置所へ入れられる。ロクに捜査されることなく犯人に断定され死刑宣告を受けるも、大佐の手助けにより一命をとりとめ、シン国の人達の協力の下シン国へ亡命する。余談だが、シン国で毒殺の犯人を捕らえたことでロス少尉と彼女を連れてきた部族の評価があがっている。
最終決戦ではハボック少尉とコンタクトをとり、大佐がピンチの場へ大量の救援物資を持って登場した。
ノックス
CV:有本欽隆
黒髪短髪で無精ひげを生やし、眼鏡をかけている中年の男性。職業は検死専門医。口は悪いが、突然訳アリの患者が来た時に愚痴を言いながらも治療し匿ったり、殺し合いを嫌っていたりなど根はとてもやさしいことがわかる。マスタング大佐からは戦友と言われていたがそれを否定し、「共犯」と言っている。ノックスは本来は医師だったが、イシュヴァール殲滅戦において「火傷と苦痛が人体へ与える影響」についてデータをとるために死体解剖をさせられていた。その中には、まだ瀕死ながらも生きているイシュヴァール人もいた。
同じ医者のティム・マルコーと出会った際に最前線へ残り、イシュヴァール人を治療している医者夫婦(ウィンリィの両親)のことで話をしていた。その際、「馬鹿……ね。それは安全圏からの物言いだ。片や強権にへつらい人を殺す医者。片や弱者につき人を生かし続ける医者。なぁマルコーさんよ。なんで俺は医者なのに人殺しをしてんだ?」と語っている。
またこの時のトラウマから頻繁に悪夢を見るようになり、当時は心配してくれた妻の首を絞めてしまったりと、心にかなりのダメージを負っている。
作中では、大佐がロス少尉を消し炭にしたものを人形だと知りながらあえてロス少尉と断定したり、大佐が連れてきた重症のランファンを悪態をつきながら治療をしたりしており、大佐からはかなり信用されている。治療をしたランファンやその祖父からお礼を言われた後で「俺が今更人助けかよ」と言っているが、数日後に別居した妻と息子が家を訪ねてきた際には患者を治療したことを喜ばれている。
グラマン
CV:塚田正昭(2003年版)/納谷六朗(2009年版)
大佐が序盤で所属していた東方司令部にいる司令官で、階級は中将。女好きで、たまにセクハラをしたり怠けたり気前が良かったりと、周囲からは「くえない変人」と言われている。普段は不真面目な人を演じているが、処世術でマスタング大佐に協力しながら大総統の地位を狙っている。また、マスタング大佐の女好きな一面はグラマン中将に倣ったものである。中央司令部や周囲の状況にも熟知しており、情報戦では大佐の上をいくほどの知略家である。
かつて中央司令部に所属していたが、人造人間側についている将校からの誘いを「くだらない」と一蹴した結果、東方司令部へ左遷されてしまう。だが野心は燻ぶったままであり、大佐に協力しながら自らも上へ上り詰める気満々である。
なお、グラマン中将はリザ・ホークアイの祖父でもある。
元マスタング隊
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目次 - Contents
- ロイ・マスタングの概要
- ロイ・マスタングのプロフィール・人物像
- ロイ・マスタングの能力
- 錬金術の原理
- ロイ・マスタングの来歴・活躍
- 漫画・2009年版アニメ
- エドワード達と出会う前
- エルリック兄弟との出会い
- 本編の初登場
- VS傷の男(スカー)
- 人造人間がヒューズ中佐を殺害
- 中央司令部へ異動
- ロス少尉殺害の真実
- 第三研究所での戦い
- エド達の人造人間捕獲作戦に協力
- ヒューズ中佐遺言の本当の意味
- エドがブリックズ~貧民街カナマにいる間
- 約束の日
- 人造人間がマスタングへ人体錬成を強制
- 「お父様」との最後の戦闘
- 最終決戦後
- OVA
- 映画『嘆きの丘(ミロス)の聖なる星』
- 2003年版アニメ
- 映画『シャンバラを征く者』
- ロイ・マスタングの関連人物・キャラクター
- ホークアイ師匠
- リザ・ホークアイ
- マース・ヒューズ
- ジャン・ハボック
- ハイマンス・ブレダ
- ヴァトー・ファルマン
- ケイン・フュリー
- マダム・クリスマス
- アレックス・ルイ・アームストロング
- オリヴィエ・ミラ・アームストロング
- マリア・ロス
- ノックス
- グラマン
- 元マスタング隊
- ロイ・マスタングの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「ロイ・マスタング。地位は大佐だ。そしてもうひとつ。『焔の錬金術師』だ。覚えておきたまえ」
- 「いや 雨だよ」
- 「文句は言わせん。ついてこい!」
- 「……どいていたまえ中尉。今夜の火力はちょっとすごいぞ」
- 「ようやく跪いたな。人造人間(ホムンクルス)」
- 「貴様はこう言ったな。『まだまだ死なない』と。ならば死ぬまで殺すだけだ」
- 「うろたえるな!思考を止めるな!生きる事を諦めるな!」
- 「わかった。置いて行く。置いて行くから追い付いてこい。私は先に行く。上で待っているぞ」
- 「『兵器』だ『化物』だと言われている自分が本当の化物と闘っている時にこそ己れがただの人間であることを実感できるよ」
- 「一人の力などたかが知れている。ならば私は自分で守れるだけ…ほんのわずかでいい…大切な者を守ろう。下の者が更に下の者を守る。小さな人間なりにそれくらいはできるはずだ」
- 「理想とか綺麗事と言うが、それを成し遂げた時それはただの"可能な事"に成り下がる。理想を語れよヒューズ。士官学校のあの頃のように。理想を語れなくなったら人間の進化は止まるぞ」
- 「決まりだ。貴様がヒューズを殺した。その事実さえわかればよい。もう喋らなくていいぞエンヴィー。まずその舌の根から焼き尽くしてやろう」
- ロイ・マスタングの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 名前の由来は戦闘機P-51マスタング
- デート日記風に書かれた研究書
- ナンパに焔の錬金術を悪用
- 家は賃貸住宅
- 女性軍服をミニスカへ変えたい大佐
- 指パッチンの正体は錬金術使用時の化学反応の音
- 実は一度もスカーと闘っていない大佐
- ブラッドレイ大総統と4コマ漫画内で決別
- ファンレターでも「無能」と弄られる大佐