キング・ブラッドレイ(鋼の錬金術師)の徹底解説・考察まとめ

キング・ブラッドレイとは『鋼の錬金術師』の登場人物で、アメストリス軍の最高責任者(大総統)である。戦闘能力が非常に高く、数々の戦場で功績を残し、その地位へとのし上がった。しかし、その正体は「お父様」の計画により造られた人造人間(ホムンクルス)であり、ラストやエンヴィーなどの他のホムンクルスたちと共にその計画を進めていた「憤怒のラース」である。正体が明かされてからは、計画の邪魔になる者や、立ちはだかる者たちと対峙しながら、国を動かして計画を進めていく。

キング・ブラッドレイのプロフィール・人物像

年齢:60歳
担当声優:柴田秀勝/木内秀信(青年期)

キング・ブラッドレイとは『鋼の錬金術師』の登場人物で、アメストリス軍の最高責任者(大総統)。
高い戦闘力を持ち、戦場において数々の功績を収め、わずか44歳で大総統へとのし上がった実力者である。
大総統就任後は、国家錬金術師制度の導入などで軍事強化を行い、アメストリスを軍事国家へと成長させた。
また、イシュヴァール殲滅戦では市街戦を繰り返し、時には虐殺にも等しい作戦を敢行するなど容赦の無さを発揮し、「独裁者」として人々から恐れられるようになった。
しかしその反面、怪我をしたエドワードに見舞いと言ってメロンを持ってきたり、アロハシャツ姿で現れたり、とても大総統とは思えないような奇行をする一面もある。

正体:憤怒のラース

その正体は、「お父様」こと神の力を手に入れることを目論む古代王国の人造人間によって造り出された、7番目のホムンクルス(錬金術を用いて生み出された人工生命体)。
幼い頃から大総統候補としてエリート教育を受けて育ってきたが、ある日研究者たちによって賢者の石を体内に注入され、他の候補生たちが石による激しい拒絶反応で息絶えていく中、それに打ち克ったため、大総統に選ばれた。この時点で、すでに人間ではなくホムンクルスとなっている。
その後は「お父様」の計画を進めるべく、アメストリス国を動かしていくこととなる。同じく、「お父様」に造られたホムンクルスとして、ラスト(色欲)、エンヴィー(嫉妬)、グラトニー(暴食)、グリード(強欲)、スロウス(怠惰)、プライド(傲慢)がいる。

キング・ブラッドレイの能力

最強の眼

「最強の眼」は、ホムンクルスであるブラッドレイ特有の能力で、あらゆるものの動きを見切ることができる。
相手の攻撃や、銃弾さえも全てかわし、列車内で橋を落とされた時も、瓦礫の中の逃げ道を一瞬で判断するなど、常人ならざる能力を発揮している。
ラストの「最強の矛」やグリードの「最強の盾」に比べると、その力自体はあまり強くはないが、ブラッドレイはもともと戦闘能力く、獲物を問わず様々な武術を使いこなせるため、この「最強の眼」を駆使して、数々の戦場を生き抜くことができた。

優れた身体能力・武術

「最強の眼」と同じホムンクルスの能力として、卓越した身体能力を持っており、素早く動くことが可能で、「最強の眼」と合わせて、高速かつ正確な攻撃を行うことができる。
また、大総統候補時代に培った武術をも持ち合わせており、普段から持ち歩いている剣の他に、サバイバルナイフなども扱うことができる。

キング・ブラッドレイの来歴・活躍

国ぐるみの計画により大総統に仕立て上げられる

親も、自分の名も知らず、物心ついた時から他の「大総統候補」たちと共に、外部から完全に隔離された環境で徹底した教育と鍛錬の日々を過ごす。
様々な武術や、人間学、帝王学などを学んでいく中、青年と呼べる年頃になったある日、研究者に呼び出されて突然拘束される。
そこでは、「お父様」の計画の一環で人体実験が行われており、大総統候補となった者たちは、全員そのために集められ育てられていたのだった。そんな事情も知らず、身動きもできないまま、無限に等しいエネルギーを持つとされる錬金術の秘宝“賢者の石”を体内に注入される。
他の大総統候補たちが石による拒絶反応で次々と命を落としていく中、それに耐えきってホムンクルスとなり、“大総統となって、「お父様」の命じるままに表から国を操る”役として、そのために必要な立場を与えられる。同時に“キング・ブラッドレイ”という名前を与えられ、以後これを名乗るようになる。

イシュヴァール殲滅戦を指揮

イシュヴァール側最高責任者の願いを聞き入れることなく、殲滅を続けるように指示する冷酷さを見せた

アメストリス軍の将校が、誤って、神シュヴァラを信仰する民、イシュヴァール人を銃殺してしまったことで暴動が起き、内乱へと発展。
内乱は7年間にも渡って続き、それを終わらせるためにブラッドレイは「イシュヴァール殲滅戦」を開始し、自ら指揮を執った。
その内容は、民間人のみならず、軍の兵士であっても、イシュヴァール人ならば一人残らず殺すというまさに殲滅の名に相応しいものであった。
また、その際に初めて国家錬金術師が実践投入され、ロイやアームストロングも参戦。後に「人間兵器」と恐れられることとなる。
殲滅が進む中、イシュヴァール側の最高責任者ローグ=ロウが「我が命と引き替えに今生き残っているイシュヴァール人の助命を乞う」と交渉を持ち掛けるが、ブラッドレイは冷然とした態度で拒絶した。
それどころか、殲滅を続けることを指示し、冷酷な独裁者ぶりを見せつけた。
これらの内乱と殲滅戦だが、実は「お父様」の、アメストリスに国土錬成陣を形成する計画の一部であり、そもそもの発端である子供の銃殺は、軍将校に姿を変えたエンヴィーの仕業であった。
全てはホムンクルスたちによって行われた自作自演であり、ブラッドレイは軍やイシュヴァールの民を利用し、狡猾かつ、大胆に自分たちの真の目的を果たしたのだ。

国家錬金術師試験でエドワードと初対面する

エドワードの国家錬金術師資格試験を実施する際、見学に来ていたブラッドレイ。
試験が始まるや否や、エドワードは槍を錬成し、ブラッドレイへと突きつけるが、ブラッドレイは微動だにしなかった。
その後、「肝が座っておる だが世界の知らぬ」と言って去っていくが、その瞬間エドワードの槍が折れる。
ブラッドレイは目にも止まらぬ速さで剣を抜き、エドワードの槍に一撃入れていたのだった。

エドワードとロイの国家錬金術師対決を許可する

軍内部で、「最年少国家錬金術師のエドワードと東部内乱の英雄であるロイのどちらが強いのか」という素朴な疑問から開催されることとなった、国家錬金術師対決。
その興味本位な提案に対し、大総統であるブラッドレイは「面白そうじゃないか。良い許す。戦いたまえ。」とあっさりと了承し、その気さくさと、大らかさを読者へ印象付けた。

正体が明かされる対グリード戦

この戦いで初めてホムンクルスであることが明かされた

ダブリスでホムンクルスのグリードとその一味に捕らえられたアルフォンスをエドワードが救出に向かった後、ブラッドレイは軍を率いて自らの指揮の下、二人の保護とグリードの捕捉を目的に突入を開始。
凄まじい剣術を駆使し、容赦なくグリードの部下たちを次々となぎ倒していった。
その際、敵に対し投降するように促したアームストロングに対し、「敵に情けをかけるな。だからおまえは出世できんのだ」と言い放っている。
その後、エドワードとの戦闘から逃げ出したグリードと接触し、ブラッドレイは先制してその腕を斬り飛ばす。
グリードは自身の特殊能力である「再生」と「硬化」を試みるが、ブラッドレイの攻撃が凄まじく、そのどちらも間に合わずに一方的に詰め寄られてしまう。
戦闘の最中に眼帯が外れ、その左目にはホムンクルスの証である、「ウロボロスの印」が刻まれていた。
ブラッドレイは、この「最強の眼」のおかげで、弾丸飛び交う戦場を生き抜くことができ、今の地位にいるとグリードに語っている。
グリードを戦闘不能にした後、グリードの側近たちを始末し、最後はアルフォンスが成り行きで庇っていた側近の最後の一人をも殺し、任務を完遂させた。
このエピソードは、読者に対して初めてブラッドレイがホムンクルスであることが明かされた、作品の中でも重要な場面である。

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