フー(鋼の錬金術師)の徹底解説・考察まとめ

フーとは、『鋼の錬金術師』に登場するリン・ヤオの護衛を務める老武人である。主であるシン国第十二皇子のリンと、孫娘でありフーと同じく護衛であるランファンの3人で、不老不死を求めアメストリスへやって来た。ヤオ家に代々使える家系であり、主であるリンに強い忠誠心を持つ。白髪白髭の老人でありながら俊敏に動き、シン式の特殊な体術を用いる。リンやランファンと同様にホムンクルスの気を読むことができる。「シンの人間は盟約は必ず守る」という発言などから分かるように義理堅い性格である。

フーの概要

フーとは、『鋼の錬金術師』に登場するリン・ヤオの護衛を務める老武人である。シン国次期皇帝の座を狙うシン国第十二皇子のリンに仕える。
不老不死の象徴「賢者の石」を求め、主であるリン、孫娘であり同じく護衛のランファンの3人でアメストリスへやって来た。フーとランファンはヤオ家に代々使える家系であり、主であるリンに強い忠誠心を持つ。
ランファンに対しては同じ護衛を務める立場であるため厳しい態度を取ることもあるが、孫娘としても大切に思っている。
「シンの人間は盟約は必ず守る」という発言などから分かるように義理堅い性格でありながらも、大きな目標の為には一時の情に流されず状況判断を下すべきという考えを持ち、長年の経験の中で培われた冷静沈着な一面も見受けられる。
最期は「約束の日」のブラッドレイとの一戦で、バッカニア大尉との命がけの攻撃でブラッドレイに致命傷を負わせ、命を落とす。

2003年版のアニメシリーズ1作目では、原作7巻のデビルズネスト時代のグリードのストーリー以降はアニメオリジナルとなっているため、フーを含めたシン国のキャラクター達は登場しない。ほぼ原作ストーリー準拠となっている2009年版アニメ2作目『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』では堀勝之祐が声優を担当していたが、堀は近年一部を除いて過去に演じたキャラクターを降板している。2021年配信開始のスマートフォン用ゲームアプリ『鋼の錬金術師 MOBILE』では後任として稲葉実が声優を担当している。

フーのプロフィール・人物像

出身国:シン
一人称:「儂」
語尾:「~だわイ」
年齢:不明
使用武器:薄刃刀、爆弾、催涙弾、煙幕閃光弾、照明弾
CV:堀勝之祐(アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』)/ 稲葉実(ゲームアプリ『鋼の錬金術師 MOBILE』)
演:筧利夫(実写映画版)

一人称は「儂」。主であるリンには敬語を用いて会話するが、多くの人物に対しては淡々とした話し方で敬語は用いない。また、シン訛りなのか他のシン国キャラクター同様語尾が「~だわイ」など、セリフの最後の文字がカタカナ表記となっている。黒装束を身にまとい素顔が分からないよう仮面を着けている。
白髪白髭の老人でありながら俊敏に動き、シン式の特殊な体術で戦闘を展開する。戦闘時には武器として薄刃刀や爆弾などで攻撃し、煙幕や閃光弾などで相手の視界を奪うなどのかく乱も行う。ホムンクルス特有の気配を読むことはできるが、同じくシンの人間であるメイ・チャンのように錬丹術は使えない。
年齢は明かされていないものの、「約束の日」に戦闘を交えたブラッドレイから「私より年寄りなのによく動いたものだ」と言われているため、ブラッドレイの年齢60歳よりも老齢であることが分かる。

フーの能力

リンやランファンと同様に大地の気の流れである「龍脈」を読み取る力を持っている。この「龍脈」は人体にも循環して流れており、シンで武術や錬丹術を極めているものはこの気を読み取ることが可能だ。そのため、アルフォンスから人間の気が感じられなかったことにより鎧の中身を見ずとも身体を持っていないことに勘づいたり、通常の人間とは異なる気を放つホムンクルスの気配に気づいたりすることができた。
くねくねとした独特の動きが特徴的なシン古来の体術を使い、「約束の日」に戦ったブラッドレイからも評価されるほどの俊敏な身のこなしにより肉弾戦では非常に高い戦闘力を見せている。実際にアルフォンスがフーとラッシュバレーで対峙した際には肉弾戦のみでは苦労しており、偶然通りかかったパニーニャの協力と陣無し錬金術で意表をついたことでフーを捕らえることができた。
また、老齢ながら豊富な経験の中で培った冷静な思考力・判断力を持っており、仲間となったエドワードとアルファオンスに対して「感情に流されて迂闊な行動をすべきでない」と諭す場面も見受けられる。

フーの来歴・活躍

ラッシュバレーでのエルリック兄弟との出会い

アメストリスの東に位置するシン国は皇帝制度の国である。現皇帝は死期も近づいていたため国内では次期皇帝の座を巡り激しい骨肉の争いが起こっていた。シン国第十二皇子であるリン・ヤオの目的は、死期の近い皇帝の「不老不死」の願いを一時的に叶えることで次期皇帝の座に就くことであった。リン、護衛のフーとランファンの3人は、不老不死の象徴「賢者の石」を求めて、過酷な砂漠越えを経てアメストリスへ密入国しラッシュバレーへ到達する。

エドワードの機械鎧を直すため、機械鎧技師として修行中のウィンリィ・ロックベルのいるラッシュバレーを訪れていたエルリック兄弟。空腹で行き倒れていたリンと出会ったエドワードは、「賢者の石」についてリンから尋ねられる。「賢者の石」の原材料が人間であると知ってしまったことや、ダブリスの人造人間グリードにアルフォンスの身体の秘密を聞かれ一方的に喧嘩を売られ死人の出る騒動に巻き込まれるなど、「賢者の石」をめぐって快く思っていないことが多いエドワードは「知らない」としらを切った。しかし何かしらの情報を持っていると直感したリンは、力づくでも情報を聞き出すためフーとランファンに合図しエルリック兄弟を攻撃させる。
フーはアルフォンスと、ランファンはエドワードと二手に分かれ戦闘が展開される。俊敏な動きでアルフォンスを手こずらせる戦闘を展開するものの、最終的には錬金術を使用したアルフォンスにより捕らえられる。アルフォンスにとっては真理の扉での記憶が戻った直後、初めての錬成陣無しでの錬金術であった。フーは戦闘の中で、アルフォンスからは通常の人間の「気の流れ」がないことに気づきリンに報告をする。

その後エルリック兄弟との戦闘から力づくで情報を聞き出すことは難しいとわかったリンは、友好的な態度を取り賢者の石の情報を聞き出すことに切り替えた。ラッシュバレーからセントラルへ向かうエルリック兄弟とウィンリィの一行について回るようになる。

クセルクセスでのマリア・ロス亡命の付き添い

その後セントラルでまたも行き倒れてしまうリン。フーとランファンは護衛でありながらリンを見失ってしまい意気消沈する。リンは不法入国者として連行され、憲兵司令部の檻で取り調べを受けることとなる。
エドワードやウィンリィも面識のあるヒューズ准将の殺害事件について、マリア・ロスが容疑者として新聞で発表される。完全な濡れ衣であったが、リンと時を同じくして、ロスも取り調べのため憲兵司令部へ収監される。
この時マスタング大佐の指示を受けたバリー・ザ・チョッパーがロスの救出のため司令部へ突入してきたため、バリーに対して自分も一緒に逃がすよう交渉するリン。最初はリンを軽くあしらおうとしたバリーだったが、リンがシンからの不法入国者だと聞き立ち止まり考える。救出したロスの国外逃亡に利用できると考え、リンを脱出させ協力させることとした。この時にバリーと密約を交わしたリンの命令により、フーはロスをシンへ亡命させる任を負うこととなる。

クセルクセス遺跡にてロスを匿っていたフーは、事情を知らないながらもアームストロング少佐に強引に連行されてきたエドワードと再会する。表向きでは、マスタング大佐により焼死体となっていたはずのロスと再会し喜ぶエドワードに、一連の取引や事情を説明するフーたち。不老不死の法につながると考えたリンは、バリーの身体の秘密を教えてもらうことを条件に、ロスのアメストリス出国の協力に同意した。フーは自分たちがアメストリス入国時にも力を借りた出入国コーディネーターのハン氏と連絡を取り、同様の砂漠越えルートでのシンへの亡命の段取を組んだ。
エドワードに対する一連の流れの説明を聞いていたロスは、「賢者の石などの事情にはまったく無関係であるはずの自分がなぜ巻き込まれなければいけないのか」と率直かつ至極真っ当な感想を口にする。あまりにも正論すぎるロスの物言いに対してフーだけは「ビンボーくじひいたナ」と声をかけた。情報共有を終えた後、「シンの人間は盟約は必ず守ル」と責任をもってシンまで連れていきロスの衣食住を保証するとフーは声をかけ、義理堅い一面を見せた。その後ロスとともにシンへ向かい、クセルクセス遺跡を後にする。

傷を負ったランファンを潜伏先まで迎えに

キング・ブラッドレイとの戦闘で左腕を失ったランファンは、行動を共にしていたマスタング大佐の紹介によりノックス医師のもとで治療を受け潜伏していた。
エルリック兄弟づてで潜伏先を訪れたフー。グリードとなったリンを護衛できなかったランファンに対して厳しく叱責するものの、仲間であり孫娘であるランファンの痛々しい姿を見て悲しみの表情を浮かべる。その後エドワードが機械鎧技師としてピナコを紹介すると提案するが、エドワードの厚意を汲みつつも自分たちで機械鎧技師を探すとして提案を断る。ランファンの命の恩人であるノックス医師に感謝の念を伝えて潜伏先を後にした二人。皇帝の体調が悪化する状況の中一刻も早く不老不死の法を手にするため、必ず戻ってくると決意を固め、共に暗闇へと消えていく。

半年後、異例の短期間でリハビリを終え機械鎧を装着したランファンと共にフーは再登場し、グリードとなったリン、エドワードの一行と再会する。

「約束の日」での対ブラッドレイ戦

「約束の日」には、列車の爆発事故から帰還したブラッドレイを相手に、グリード化したリンとバッカニア大尉らと協力して交戦する。リンがグリードに人格を乗っ取られた経緯の中でランファンを叱責したフーだったが、左腕を失ったことには涙を堪え身を震わすほど悲しんでいた。ランファンが片腕を失った元凶のブラッドレイはフーにとって大切な孫娘をめぐって因縁の仇敵でもあった。

憎悪の対象であるブラッドレイに対して奮闘するものの、人造人間であるブラッドレイの格段の戦闘力の前に太刀打ちができない。決死の自爆攻撃によりブラッドレイへの致命傷を与えるよう試みるものの、その自爆攻撃すらもブラッドレイに防がれ、逆に攻撃を受け自らが致命傷を負ってしまう。ブラッドレイに切られたフーが、何も成しえず絶望感のまま生き絶えるのかと思われた時、フーの背後から身を隠したバッカニア大尉による援護攻撃でブラッドレイに致命傷を与える。自らの攻撃が無駄にならずに済んだフーはバッカニアに感謝の言葉を述べ亡くなる。

その後フーの遺体はリンとランファンが連れて帰り、故国のシン国で埋葬された。

フーの関連人物・キャラクター

リン・ヤオ

50万人からなるヤオ族出身のシン国第十二皇子であり、フーの仕える主。
明るくて飄々とした性格だが、糸目の風貌のため真顔だと目つきが悪いことを気にしているため、常に笑顔を心がけている。背丈は高いものの年齢は15歳の少年で、フーやランファンからは「若」と呼ばれている。
一族代々ヤオ家に仕えているフーは、次期皇帝候補としてリンの護衛とお目付役の任を担っている。しかし、リンは空腹で行き倒れたり自由気ままに行動したりすることが多いため、護衛であるフーやランファンが少し目を離しただけで見失ってしまうことも多々あるようだ。無賃乗車をしているフーたちを車掌につきだそうとするエドワードに対して「そう簡単には捕まらない」と口にしており、リンはフーやランファンの実力に信頼を置いている。

お父様の策略により途中グリードに人格を乗っ取られてしまう。その後フーやランファンとは別れて行動をするようになるが、グリードとなったリンの異様な気配を辿りフーがリンのもとへ合流した「約束の日」では、共に協力してブラッドレイとの肉弾戦を展開した。フーがブラッドレイにとどめを刺されそうになった瞬間、グリードの人格からリン本人の人格に戻り虫の息の状態のフーを助ける。そんなリンの姿を見てブラッドレイは「捨てられないもののために己の命を危険にさらしている」とリンの判断の甘さを指摘する。重傷を負い戦闘の力になれないと感じているフー自身も、リンの足手まといとならないよう自分のことは捨て置くようリンに語りかける。しかし、「王は民のために在る者」「民無くして王は在りえない」という信念を持つリン。目的のためには自分の国の民をも見捨てようとするブラッドレイと同じような行動を取ることはないとフーに伝える。リンの信念の強さに触れ覚悟を決めたフーは、「王になりなされ」とリンへの最期の言葉を残し、ブラッドレイへ決死の攻撃を仕掛ける。この攻撃によりフーは命を落とす。
リンは周囲に対して自分の中にいるグリードの賢者の石を使い生き返らせるよう必死に声をかける。本来シン国からアメストリスを訪れた目的は賢者の石を手に入れることであったにもかかわらず、その賢者の石を「いくらでも使ってくれ」と発言していたことからも、リンにとってフーという人物が何物にも代えがたい大切な存在であったことが分かる。

「約束の日」の後は、「賢者の石」を手にしたことにより、フーの遺言どおり念願の皇帝となる。皇帝に即位したリンは、それまでほぼ国交の無かったアメストリスとの条約を結んでいる。

renote.net

ランファン

原作コミック16巻 第62話『夢の先』より

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