イズミ・カーティス(鋼の錬金術師)の徹底解説・考察まとめ
イズミ・カーティスとは『鋼の錬金術師』に登場する錬金術師で、エドワード・エルリックとアルフォンス・エルリックに錬金術を教えた師匠。流産の経験があり、エルリック兄弟と同じく人体錬成という禁忌を犯している。錬成陣なしで錬成ができ、格闘技にも長けている。一方、人体錬成の影響で内臓をいくつか損傷しており、本来は屈強な体力の持ち主だが病弱になっている。アニメ1期のホムンクルス・ラースはこの時誕生したとされている。原作およびアニメ2期においては国土錬成陣発動に必要な「人柱」の一人である。
イズミ・カーティスの概要
イズミ・カーティスとは、『鋼の錬金術師』の登場人物で、錬金術師。主人公のエドワード・エルリック、アルフォンス・エルリックに錬金術と格闘技を教えた師匠(せんせい)である。アメストリス国南部にある都市・ダブリスで「カーティス精肉店」を営んでおり、趣味は旅行。近所の子供たちからも頼られる快活な“主婦”である。
髪型は黒髪のドレッドヘアで、ポニーテールでまとめている。また左鎖骨付近に錬金術のシンボルである「フラメルの十字架」の入れ墨を入れている。服装は白のノースリーブのワンピースに黒いレギンスを着ており、足元はトイレ用のサンダルを履いている。
イズミ・カーティスのプロフィール・人物像
年齢:35歳(作中の大陸歴1914年現在)
在住地:ダブリス
担当声優:津田匠子
実写劇場版キャスト:遼河はるひ
イズミと夫・シグの間に子供はおらず、過去に流産を経験し、その影響で子供を身ごもれない身体になっている。その負い目から禁忌である人体錬成を犯し、代償として内臓が一部なくなっている。そのせいもあってか虚弱体質で、戦闘中に吐血する場面も多々見受けられる。エルリック兄弟の師匠となった理由も、子供らしい目に負けてしまったから。同時期に母親を亡くした兄弟の親代わりとなった部分もある。
人体錬成を行い、「真理の扉」をみていることから錬成陣なしの錬成ができるようになっている。錬金術師としての腕前は優れており、国軍の支援のもと錬金術の研究が可能な国家錬金術師にならないかと大総統キングブラッドレイが直々に誘うほど。裏を返せば、登場人物らを翻弄する人造人間・ホムンクルスの黒幕である「お父様」が神を取り入れるため準備を進めている”国土錬成陣”の発動に必要な優秀な錬金術師・人柱になりうる人物として中央軍から目をつけられていた。
彼女は、2003年放送のアニメ1期と2009年放送のアニメ2期および原作にて設定が大きく異なるキャラクターの一人である。
アニメ1期では、人体錬成によってホムンクルスのラースを作り出し、一度真理の扉の中に作ったラースを戻している。その後、成長した彼をエルリック兄弟が発見して以降、ホムンクルスとしての能力に目覚めるまで家で面倒を見ていた。ホムンクルスとして覚醒して以降は、ラースを作ってしまったと自責する場面も目立つ。また、錬金術はホムンクルスの黒幕であるダンテから教わっており、彼女の暴走を止められなかったことも悔いている。なおアニメ1期の続編である劇場版『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』では、虚弱体質から体調が悪化し、亡くなっている設定となっていた。
一方アニメ2期および原作では、物語のキーパーソンとしての立ち回りが多い。旅行中に偶然エルリック兄弟の父親であるヴァン・ホーエンハイムと顔を合わせており、「約束の日」直前に再会。ホーエンハイムの手で治療を受け、若干体調が回復。彼から聞いた情報をもとに独自に動き、約束の日当日にはブリッグズ兵とともに中央司令部を襲撃。人柱として国土錬成陣発動に力を貸すも、最後まで戦い抜いている。原作最終話の写真では、夫のシグやカーティス精肉店の店員・メイスンとともに変わりのない日常を過ごしている様子が写っている。
イズミ・カーティスの能力
錬金術師としての能力
人体錬成を行ったものの生き残っており、錬成陣なしで錬成が可能。錬金術師としての腕前は非常に優秀。エルリック兄弟に出会うきっかけとなったリゼンブール旅行の際、洪水で氾濫しかけている川の堤防を瞬く間に錬成するなど大型建造物の錬成も容易である。約束の日の中央司令部襲撃の際にも、大きな地下トンネルを瞬時に錬成し、ブリッグズ兵の侵入をサポート。国土錬成陣を使ったもう一つの錬成陣発動後も、ホムンクルスの黒幕であるお父様がいる地下にてアメストリス国の地下を巡るチューブを使った派手な戦闘を行っている。
その優秀さはホムンクルス側も目をつけており、人柱候補として監視していた。ラースことキング・ブラッドレイ大総統が直々に国家錬金術師にスカウトに来る場面もあった。
格闘家としての能力
かつてブリッグス山でブリッグズ兵と猛獣と戦い抜いたことから、身体能力は非常に高い。本を読みながら幼少期のエルリック兄弟2人を軽く相手にできる、少年になったエドワードを軽く蹴飛ばせるなど、エルリック兄弟に対してはほぼ最強。グリードをはじめとした合成獣との戦闘、軍人との戦闘も全く遜色ないレベルである。
イズミ・カーティスの来歴・活躍
不妊、流産、そして禁忌へ
夫のシグと結婚し、幸せな生活を送っていたがなかなか子宝に恵まれなかった。ようやく子供を授かるも、流産で失い、同時に二度と子供を宿せない身体になってしまった。ショックを受けたイズミは、子供を取り戻すべく人体錬成を犯してしまう。
その結果、真理によりに消化器官を中心に内臓をもっていかれてしまった。死は免れたものの、残った内臓が複雑に絡み合って機能を保つような状態になった。錬成陣なしで錬成ができるようになるも、虚弱体質に。これ以降、夫婦の間で子供の話はタブーとなっており、カーティス精肉店の店員・メイスンも極力こうした話題を振らないようにしている。
エルリック兄弟との出会い
大陸歴1908年、旅行で訪れたリゼンブールで大雨により川が氾濫しかけているところに遭遇し、錬金術で堤防を作り洪水を阻止。その場で吐血したため介抱を受けているところにエルリック兄弟が弟子入りを懇願しに来る。弟子は取らない方針だったものの、兄弟の真っすぐな目に心打たれて「仮修業」の許可を彼らに出す。この時に兄弟の幼馴染・ウィンリィの祖母であるピナコから、母親を亡くし身寄りがないことを聞かされている。
仮修業の場としてダブリスにあるカウロイ湖にある無人島・ヨック島を選ぶ。そこでエルリック兄弟に、自身がブリッグスで生き抜いた時に見出した「一は全 全は一」という考え方を理解できるかどうかを試した。無事その答えを見出した彼らを受け入れ、半年間錬金術を教える。ここで自身の人体錬成の経験から人を決して作ってはいけないと繰り返し兄弟に伝えている。
数年ぶりの“弟子”との再会
修行を終え、兄弟がリゼンブールに戻ってから数年経った大陸歴1914年。エルリック兄弟がダブリスに訪ねてくる。弟子との再会を喜ぶでもなく、エドワードを蹴飛ばし、アルフォンスに巴投げを決めている。国家錬金術師になったことを叱責するも、笑顔で出迎える。
エルリック兄弟から、体を取り戻すため探し求めている賢者の石に関する情報はないかと聞かれた際、旅行中に出会ったヴァン・ホーエンハイムについての話題を出す。ここで長年の望み、つまり約束の日に関する話を耳にしていたことを兄弟に話している。
その後、錬金術の腕前を見た際にエドワードの錬成陣なし錬成を目にする。そこで兄弟が真理を見たことを悟り、何が起きたかを兄弟の口から聞かされる。師弟関係のけじめとして破門を言い渡すも、アルフォンスが真理を見た記憶が戻っていないことなど、別の可能性を探ることを示唆。引き続き兄弟の滞在を許す。
ホムンクルスとの遭遇
ダブリスにあるバー「デビルスネスト」に潜伏するホムンクルス・グリード一派にアルフォンスが誘拐される。メイスンの情報をもとに身一つで襲撃をかけ、グリードと対峙。ホムンクルスの存在を初めて知り、取引をもちかけられる。取引は拒み、その場を去り、得た情報をエドワードに情報を伝えている。このシーン以降、登場の機会は一度途絶える。
ホーエンハイムと再会、約束の日を知る
次の登場シーンは原作75話、エルリック兄弟がブリッグズに滞在している最中である。旅行の途中で、ヴァン・ホーエンハイムと再会。兄弟に関する談笑中に体調を崩すイズミ。それを見たホーエンハイムは彼女が人体錬成を行ったことを指摘する。同時にシグが席を外した隙に、彼女の内臓の血流を良くして病状を改善。ホーエンハイムの身体が賢者の石でできているという真実を知る。
引き続きメイスンと連絡を取りながら、全国各地を旅する夫婦。北部を訪れた際に、メイスンから「アルフォンスとホーエンハイムからの伝言」という形で「約束の日」についての情報を手にする。約束の日について伝えるべく、修業時代と同じ手法でブリッグズ兵を襲撃。ブリッグズ要塞にてエルリック兄弟と親密にしている軍大尉・マイルズ・バッカニアに「約束の日」について伝言を行った。
「約束の日」当日
「約束の日」の当日、イズミはブリッグズ兵と一緒に行動をしている。潜伏していたアームストロング家の地下から中央司令部につながる地下トンネルを錬成。ブリッグズ兵とともに司令部内に乗り込んで以降は、ブリッグズ要塞を束ねる軍中将オリヴィエ・ミラ・アームストロング、国家錬金術師であるアレックス・ルイ・アームスロトング姉弟のもとに赴く。ホムンクルスの一員であるスロウスとの戦闘に参加し、とどめを刺す手伝いをした。スロウス撃退後、アームストロング姉弟とともに行動。人形兵を撃退しながら地下を目指す。その途中で、お父様側についているエジソン准将と遭遇し、お父様の目論見をすべて知る。
話を聞いた後に国土錬成陣発動の下準備が始まり、お父様のもとに人体錬成される。そしてその時を迎え、国土錬成陣発動のための人柱として真理の扉を開けさせられる。
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目次 - Contents
- イズミ・カーティスの概要
- イズミ・カーティスのプロフィール・人物像
- イズミ・カーティスの能力
- 錬金術師としての能力
- 格闘家としての能力
- イズミ・カーティスの来歴・活躍
- 不妊、流産、そして禁忌へ
- エルリック兄弟との出会い
- 数年ぶりの“弟子”との再会
- ホムンクルスとの遭遇
- ホーエンハイムと再会、約束の日を知る
- 「約束の日」当日
- 国土錬成陣・逆転の国土錬成陣発動後
- イズミ・カーティスの関連人物・キャラクター
- エルリック兄弟(エドワード・エルリック及びアルフォンス・エルリック)
- ヴァン・ホーエンハイム(原作およびアニメ2期)
- ラース(アニメ1期版)
- イズミ・カーティスの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「一は全 全は一」
- 「主婦だっ!」
- 「貴方の魂に恥をかかせない生き方を選べばいいじゃない」
- イズミ・カーティスの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- イズミの師匠は錬金術師ではなく格闘家
- シグとの出会いは少女漫画チック
- 「フラメルの十字架」の入れ墨に込められた意味