レノ（ファイナルファンタジーVII）の徹底解説・考察まとめ

ウータイに休暇に訪れていたレノ、ルード、イリーナは居酒屋「かめ道楽」で酒を傾け楽しんでいた。そこへ偶然クラウド達が現れ臨戦態勢になるイリーナに対し、レノは「イリーナうるさいぞ、と」と声を掛けて制止する。「俺たちは休暇でここ（ウータイ）に来てるんだ。せっかくの休暇がつぶれちまうぞ、と」と述べあっさりとクラウド達を見逃してしまった。ルードもレノに反対意見を述べることなく「せっかくの酒がマズくなる」と述べたため、納得はいかなかったが先輩であるレノとルードには逆らえず、イリーナは「運がよかったわね、さっさと消えなさい」と攻撃態勢を解いて再び飲み始めた。

しばらく経ったころ今度は神羅の兵隊たちが数人で店を訪れ、「機密情報を漏らした男の捕縛に協力してほしい」と持ち掛けてくる。しかしレノはまたしても「自分たちは休暇中だ」と要求を突っぱねてしまうのだった。神羅本部からの命令にまで逆らうレノの姿勢に我慢ができなくなったイリーナは「本当にそれでいいんですか？これがプロの仕事なんですか？！」と詰め寄るも、レノは冷静に「仕事の為にすべてを犠牲にするのがプロじゃない。そんなのはただの仕事バカだ」と持論を述べていた。
若いイリーナには理解されない考え方だったが、レノは気にすることなく自分の姿勢を貫く。レノのプロ意識と美学がよく表れた印象的なシーンである。

「もう少し、時間をやるぞ、と」

五番街の教会に落下したクラウドが目を覚ました後エアリスに話しかけずに外に出ようとすると、柱の陰に隠れていたレノから「もう少し、時間をやるぞ、と」と言われる。手荒な真似はせずあくまでも監視が目的なことと、思いのほか気遣いのできるレノの意外な一面が見られる一言である。

レノの裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

相棒ルードとの関係

ストーリー本編中たびたびクラウド達の行方を阻んできたレノだが、レノに欠かせないパートナーがルードである。レノとルードの付き合いは長く、前日譚『ファイナルファンタジーVIIクライシス・コア』においてもルードとコンビで襲撃された神羅カンパニーの事態収拾にあたっていた。
『ファイナルファンタジーVII』本編ではレノがルードに「好きなタイプは誰なんだ？」とからかい、ルードが真っ赤になって「ティファ」と答えるという場面がある。また休暇に訪れた先のウータイの居酒屋で飲んでいた際には、レノは「おまえと組んでもう何年になる？大変な仕事も多いがお前のような奴にも出会えた、と」とルードに対して感謝を伝えるような言葉を述べ、ルードは静かに「タークスに、レノに乾杯」と応じていた。仕事の間柄を超えた友情が二人の間に確かに結ばれていることが確認できる。

レノとルードの名コンビぶりを特に堪能できる作品が、本編から2年後を描いた映像作品『ファイナルファンタジーVIIAC（アドベントチルドレン）』である。セフィロスの残留思念であるカダージュ一味の手によって洗脳された子供たちを救い出すため、レノとルードはお互いを名パートナーとして信頼し共に戦っている。さらに特典映像を付け加えた『ファイナルファンタジーVIIACC（アドベントチルドレンコンプリート）』では、ミッドガルハイウェイでお互いを相棒と呼び合うレノとルードの姿を見ることができる。派手なアクションシーンも多いのでおすすめである。

藤原啓治の死去と後任声優

レノの声を担当していた声優の藤原啓治（ふじわらけいじ）が、2020年4月12日に55歳で死去した。『ファイナルファンタジーVIIリメイク』の発売はわずか二日前の2020年4月10日であり、多くのプレイヤーが「リメイク版のレノの声を聴いて涙した。悲しい」などの感想をSNSなどに投稿している。
一方でSNS上では「藤原啓治の後任は誰になるのか」「レノの声にふさわしい声優は誰か」という議論が盛り上がった。

まず候補に挙げられていたのが、アニメ『クレヨンしんちゃん』野原ひろしの声優を務める森川智之である。藤原は元々ひろしの声優を務めていたが、2016年8月に病気療養の為一時的に休業している。この時代役としてひろしに声を当てていたのが森川であり、藤原の死後も継続してひろしの声優を務めている。この為「同じような声質だから違和感がないのではないか」と期待する声がSNS上で多く聞かれていた。一方森川は『ファイナルファンタジーVII』シリーズで重要な役割を果たしているセフィロスの声優を担当しており、「セフィロスとのダブルキャストになるので大変ではないか」との意見もSNSには上がっていた。
SNSでは森久保祥太郎の名を挙げる人も多くいた。森久保は『ファイナルファンタジーVIIAC』の敵キャラクターカダージュの声優を務めたことから、「声質も近いしFF7と縁もあるからマッチしているのでは」との意見がSNSに書き込まれていた。

その他『ONE PIECE』のトラファルガー・ロー役の神谷浩史、『ドラゴンボール』シリーズのピッコロ役を務める古川登志夫、『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』のグリード役中村悠一等の名を挙げるSNSの書き込みがあった。
また少数ではあるが、「レノはリメイク版一作目以降の出番を無くしても問題ないのではないか」との意見もSNSに書き込まれていた。