ミカサ・アッカーマン（進撃の巨人）の徹底解説・考察まとめ

その後、審議の末調査兵団に配属されることが決まったエレン。ミカサもエレンに続いて調査兵団に入団する。
104期が加入して初めての壁外調査において、調査兵団は知性を持った「女型の巨人」に襲撃される。巨大樹の森で「女型の巨人」によって連れ去られたエレン。エレンの危機を察知したミカサは単身女型に突っ込もうとするが、エレンの上官であるリヴァイによって制止される。リヴァイとミカサの連携作戦によってなんとか女型からエレンを取り戻すことはできたものの、女型を取り逃がし調査兵団は大きな損害を負ってしまう。
その後、「女型の巨人」に会敵したアルミンの証言によって、女型の正体が同期のアニであると判明。ミカサ達はアニをストヘス区の地下街に誘い込もうとするも失敗。市街戦の末、アニを捕らえることに成功する。ただしアニが自分の体を結晶で覆ったため、有力な証言を得ることはできなかった。

エレン奪還作戦

エレンやミカサがアニと戦っている一方、104期の同期達はウォール・ローゼ内にどこからか侵入してきた巨人達と戦っていた。知らせを受けたミカサ達も応援に駆け付け、巨人の殲滅に成功。
しかし安堵する暇もなく、今度は同期のベルトルトとライナーが「超大型巨人」と「鎧の巨人」の正体だったと判明する。ベルトルトとライナーは、エレンともう1人の巨人化能力者であるユミルを拉致。
エレンを奪還するため、ミカサとアルミンは調査兵団団長エルヴィン率いる兵団混成部隊と共に、ライナー達が体を休めているであろう巨大樹の森へ向かう。
なんとかライナー達に追いつき、エレンを取り返したものの、エルヴィン団長が引き連れてきた巨人の群れによってエレンとミカサは窮地に陥る。死を覚悟してエレンへの感謝を伝えるミカサ。エレンは巨人化する体力がないにも関わらず素手で巨人に立ち向かおうとするが、巨人と接触した瞬間エレンの中に眠る「始祖の巨人」の力が覚醒。エレンは巨人たちを操り、なんとか窮地を逃れることができた。

中央憲兵との戦い

ミカサ達104期はリヴァイ兵士長の班に配属され、エレンと世界の謎の鍵を握る少女・ヒストリア・レイス（偽名クリスタ・レンズ）を護衛することに。
エレンとヒストリアを狙う中央憲兵との戦いの末、ミカサ達は地方貴族レイス家の教会にたどり着く。そこには真の王家であるレイス家が代々保有してきた「始祖の巨人」の力で造り上げられた地下空間があった。当主であるロッド・レイスはその場所で娘・ヒストリアにエレンを食わせ、エレンの中に眠る「始祖の巨人」をレイス家の元に取り戻そうとしていたのだ。
広大な地下空間での戦いの後、ミカサ達はエレンの元へたどり着く。ヒストリアが巨人化してエレンを食うことを拒否したため、ロッド自身が巨人化してエレンを食おうとするも、理性を失い暴走してしまう。
エレンは「ヨロイ」と書かれた薬剤によって得た硬質化能力で天井を補強し、ミカサ達はなんとか地下空間の崩落に巻き込まれずに済んだ。しかし一息つく暇もなく、巨人化したロッドがオルブド区を襲おうとする。
エレンやヒストリアらの活躍により、オルブド区に犠牲を出すことなくロッドの討伐に成功。ヒストリアは女王に即位し、体制の変化によってウォール・マリア奪還の機運が高まっていく。

ウォール・マリア最終奪還作戦

全ての準備が整い、いよいよウォール・マリア最終奪還作戦が決行される。エレンは硬質化の能力でシガンシナ区の扉の穴を塞ぐことに成功した。
アルミンは壁の中に潜んでいたライナーを見つけ出したものの、待ち構えていた「獣の巨人」によってシガンシナ区の周りは包囲され、退路を塞がれてしまう。
そして人類に敵対する巨人と調査兵団との最後の決戦の火蓋が切られた。
ミカサは104期の同期とハンジ・ゾエ分隊長とで「鎧の巨人」を取り囲み、新兵器「雷槍」でライナーに痛手を与える。しかし紙一重で致命傷には至らず、「超大型巨人」ことベルトルトの乱入によって調査兵団の優勢は覆される。
エレンとアルミンがベルトルトと戦っている間、ミカサは仲間たちの援護を受けて「鎧の巨人」の口に雷槍をぶち込み、本体であるライナーを外へ引きずり出すことに成功した。
しかし一瞬の隙をついた四足歩行型の「車力の巨人」によってライナーの身柄は奪われてしまう。
一方エレン達も、アルミンの決死の囮作戦によってベルトルトを打ち倒す。
「獣の巨人」と対峙していたリヴァイ達も、エルヴィンと多くの新兵を犠牲にしながら「獣の巨人」を撤退に追い込んだ。
エレンは大火傷を負ったアルミンに巨人化薬の注射を打ち、ベルトルトを捕食させて生き延びさせようとする。しかしそこに、瀕死のエルヴィンを背負った新兵・フロックが駆けつける。
エルヴィンとアルミン、どちらを生かすべきかで一同は紛糾。巨人化薬を持つリヴァイは人類の未来のためにエルヴィンを選ぼうとするが、エレンとミカサはそれに反発。殴り合いになった所をミカサはハンジに羽交い絞めで取り押さえられる。ハンジに説得され、最後にはアルミンの死を受け入れたミカサだったが、結局リヴァイが選んだのはエルヴィンではなくアルミンの方だった。
ベルトルトを捕食したアルミンは「超大型巨人」の力を得、エルヴィンの後任としてハンジが団長に就任したのだった。

世界の真実

その後、シガンシナ区にあるエレンの生家を訪れた調査兵団。そこに保管されていたエレンの父・グリシャの手記から、壁外の人類は死滅していないという真実が明らかになる。
しかし同時に、壁外の世界は壁内人類を「島の悪魔」と呼んで憎悪し、その根絶を願っているということが判明。ライナーやベルトルト達は、「始祖の巨人」奪還のためにマーレ国から送り込まれた巨人化能力者だった。
「始祖の巨人」がマーレに奪われれば、島内人類の暮らすパラディ島のみならずすべてのエルディア人が滅びの運命をたどる。エレンの父・グリシャはそれを防ぐため壁内に侵入し、王家から奪った「始祖の巨人」の力を息子エレンに託した。
一度は敵対勢力の侵攻を退けた壁内人類だったが、またいつ大規模な攻勢が来るかわからない。パラディ島を取り巻く現実の非情さにエレン達は打ちのめされる。
それから1年後、エレンの硬質化能力によって作り出された巨人自動駆逐装置によってパラディ島内の巨人はほとんど駆逐された。そして壁外調査に出たエレンとミカサ、アルミン達は待望の海を目の当たりにする。

マーレ奇襲

巨人殲滅からしばらくの後、壁内人類は「獣の巨人」ことジーク・イェーガー率いる反マーレ派義勇兵と接触し、島外の最新技術や情報を得る。これまで多くの調査兵団員を殺してきたジークだが、その真の目的はマーレを裏切りエルディア人を救う事だという。王家の血を引くジークと「始祖の巨人」を持つエレンが接触することで「始祖の巨人」の真価が発揮されるという話だが、兵団の中にはジークに疑念を抱く者も多かった。それでも他にパラディ島を守る方法はなく、兵団組織はジークをパラディ島に迎える方向に動き始める。
ジークの仲介により、パラディ島の友好国となるヒィズル国から特使が来訪する。ヒィズル国特使であるキヨミ・アズマビトは、ミカサの母方の一族と祖先を同じくする一族の出だった。キヨミから自分がヒィズル国将軍家の末裔だと聞かされ、ミカサは困惑する。
会談の席でキヨミは、ジークの秘策を実現させるために3つの条件を提示する。1つ目は「始祖の巨人」の力で壁を構成する巨人を行進させる通称「地鳴らし」を実験的に活用すること。2つ目は「地鳴らし」が必要なくなるまでこの島の軍事力を世界水準と同等に底上げすること。そして3つ目は、抑止力である「地鳴らし」を保持するため、現在ジークの持つ「獣の巨人」を王家の血を引く者が継承し、子孫にわたって受け継がせていくこと。
しかしエレンは大切な仲間でもあるヒストリア女王に「獣の巨人」を継がせたくないという想いから、この提案を断固拒否。
ジークのパラディ島送還計画を進めるため、エレンは単身マーレに潜入して暴れまわるという蛮行に打って出た。ミカサ達調査兵団もエレンを追いかけてマーレに乗り込み、市街戦を繰り広げることとなる。
結果的にジークとエレンを回収できただけでなく、マーレ首脳部や軍事機能に大きな損害を与え、エレンも「戦鎚の巨人」の能力を奪うという戦果を上げることができた。しかし失ったものも大きく、マーレの民間人に大きな被害を出したうえ、104期のサシャ・ブラウスも戦死してしまう。

混迷するパラディ島

104期の仲間たちがエレンの独断行動に不信感を覚える中、ミカサはどこまでもエレンを信じぬこうとしていた。しかしミカサの想いとは裏腹に、パラディ島とエレンを取り巻く情勢はますます混迷を深めていく。
マーレから帰還して以降監禁されていたエレンだが、「戦鎚の巨人」の能力で脱出。更にエレンを英雄として崇める「イェーガー派」の兵士達がザックレー総統を暗殺し、兵団の実権を握った。兵団上層部はジークの脊髄液が入ったワインを口にしたことで巨人化の危機にさらされ、反マーレ派義勇兵とイェーガー派への服従を余儀なくされる。
ミカサとアルミンはエレンの真意を知るべく直接対話の席に着くが、エレンの行動理由を聞き出せなかったばかりか、彼から酷い罵倒を受けてしまう。エレンから「お前がオレに執着する理由はアッカーマンの習性だ」「ガキの頃からずっとお前が嫌いだった」と言われたミカサは深く傷つき、エレンからもらった大切なマフラーを外してしまうのだった。

「地鳴らし」の発動

イェーガー派にとって反乱分子とみなされたミカサ達104期は、シガンシナ区の牢で拘束されていた。そこで反マーレ派義勇兵の中心人物であるイェレナから、ジークの目指すエルディア人安楽死計画について聞かされる。ジークの秘策とは、「始祖の巨人」の力ですべてのエルディア人から生殖能力を奪うことだった。
そうしているうちに、マーレの軍勢がパラディ島に進軍する。エレンとライナーらマーレの巨人化能力者達が死闘を繰り広げる中、牢から脱出したミカサ達。立体起動装置を付けてマーレ軍との戦いに参戦する。
ジークとエレンが接触したことによって、2人は始祖ユミルのいる「死さえ存在しない世界」へと飛ばされる。そこでジークを抑えて「始祖の巨人」の能力を掌握したエレンは、全世界へ向けて「地鳴らし」を発動。巨大な異形の姿と化したエレンを先頭に、数千万の超大型巨人が島外への行進を始める。

エレンを止めるために

ミカサやアルミンら104期の仲間達が「地鳴らし」の発動に呆然としていると、ジークが生み出した巨人（ワインを飲んだ兵団上層部の人々）が襲ってくる。なんとか巨人を蹴散らしたものの、イェーガー派に同調する民衆が暴徒化するなど混乱は広がる一方。
初めはエレンの行動を理解できず戸惑うばかりだったミカサだが、アルミンや調査兵団の生き残り、加えてかつて敵対していたライナーなどマーレ側戦力とも手を組み、エレンを止めるため立ち上がる。
飛行艇でエレンの元へ向かおうとするミカサ達だが、港はイェーガー派に占拠されてしまっていた。ミカサ達は飛行艇とアズマビト家の技術者を守り抜くため、かつて共に戦った仲間に刃を向ける決意をする。
イェーガー派の包囲からキヨミ・アズマビトを救い出し、彼女の提案でミカサ達はマーレ海岸にあるオディハに向かい、そこで飛行艇の整備を行うことに。イェーガー派を殲滅し、一行は船でオディハへと向かう。
途中、イェーガー派の追手を食い止めるためマーレのマガド元帥とキース教官が船を自爆させたり、ハンジ団長が「地鳴らし」に生身で立ち向かって時間稼ぎしたりと、犠牲を重ねながらミカサ達一行は飛行艇でエレンの元へと向かう。

天と地の戦い

巨大化したエレンの上へ降り立った仲間達。だが、始祖の能力で歴代の「九つの巨人」が次々と生成され、その圧倒的な物量にミカサ達はなすすべもなく追いつめられる。
始祖に取り込まれたアルミンは仲間達を救うため、「死さえ存在しない世界」に囚われたジーク達を説得する作戦に出る。アルミンの説得は成功し、ベルトルトやグリシャなどの一部の巨人はミカサ達に味方した。そしてジークが自らリヴァイに殺されることを選んだことで、「地鳴らし」は停止する。
「超大型巨人」の変身による爆発で一度は吹き飛んだエレンだったが、すぐに形態を変えて復活。さらに、エレンの脊髄から出てきた光るムカデのようなものが巨人化ガスを吐き出したことで、その場にいた巨人化能力者とアッカーマン一族以外のエルディア人は全員巨人化してしまう。
あまりに残酷な現実に打ちのめされるミカサ。慢性化していた頭の痛みが最高潮に達した瞬間、ミカサの意識は全く違う場面へと飛ばされる。それは、エレンとミカサが戦いを放棄して逃げ出したIFの世界だった。IF世界のエレンはミカサに「自分のことは忘れて自由になってくれ」と話すが、ミカサはそれを拒否する。そしてあのマフラーをもう一度強く巻き直し、ミカサは巨大化したエレンの口の中に飛び込む。
そこにいるエレンの本体にとどめを刺した後、ミカサはその首にキスをする。ミカサが愛情を抱きながらエレンを殺す選択をしたことで、始祖ユミルは愛の苦しみから解き放たれることができた。そしてその結果、この世界から巨人の力は失われることとなる。

エレンの死後

エレンの死後、ミカサは彼の首をシガンシナ区近郊の丘の上に埋葬する。そこはエレンが木にもたれかかってよく居眠りをしていたところだった。ミカサはその墓を生涯にわたって見守り続け、その一生を終えるのだった。