周防克哉(ペルソナ2)の徹底解説・考察まとめ

周防克哉(すおう かつや)とは、株式会社アトラスのジュブナイルRPGシリーズ『ペルソナ』の2作目に登場するキャラクターである。周防達哉/P2罪主人公(すおう たつや)の兄。『ペルソナ2』の舞台、珠閒瑠市にある「港南警察署」の刑事課に所属している。『ペルソナ2 罰』にて怪人・JOKERが起こす殺人事件を追っていたところ、JOKER本人に遭遇。彼が使役していた悪魔との戦闘を通してペルソナ使いに覚醒する。なぜかJOKERに狙われている天野舞耶やペルソナ使いの仲間達と共にJOKERを追いかけていく。

克哉が亡くなった富樫署長に行った敬礼は誤用

亡くなった富樫署長に「挙手敬礼」をする克哉(画面真ん中、スーツの男)。

『ペルソナ2 罰』の物語中盤、自分の父が冤罪を着せられた事件に署長である「富樫署長」が大きく関わっていた事を知る事になる克哉。しかし富樫署長は当時の事を悔いており、その罪を償う為に自身が味方についていた秘密結社「新世塾」を裏切る事に決める。そうして新世塾の動向を探る克哉にその情報をリークし始めるが、それがバレてしまい、新世塾側の人間であった島津管理官に始末されてしまう事になる。

命を張ってまで罪の償いをしようとした富樫署長の死に、克哉は敬礼をもって見送る。だが実はこの描写は、現実の警察礼式においては間違いである事が判明している。

この克哉が行った敬礼のことを「挙手敬礼」という。しかしこの敬礼を行うのは制服警察官のみと規定されており、克哉のような私服刑事は屋内外を問わずに、室内敬礼を行う事が定められているのだ。この敬礼の場合は、受礼者から約3歩離れた場所で、受礼者に向って姿勢を正し、注目したあとに上半身を約15度傾け、頭を正しく状態の方向に保った状態で礼を行う。つまり克哉が行っている敬礼のように、手を額に当てることはしないのだ。

しかしこの誤った描写は、刑事ドラマでもしばしば使われているものとなっている。これは警察礼式に明るくない視聴者が、ただ頭をさげて見送っただけではその動作の意図するところがわからないだろう、という視聴者への配慮から行われるようになった誤用だとされている。その為、克哉の行った挙手敬礼も、警察礼式をよく知らないであろうプレイヤー達に配慮した故の表現なのだろう。
克哉が1人の警察官として富樫署長の死を敬意をもって見送った、というその行動の「意味」をプレイヤーに伝える為、わざと行われた誤用である事が推測できる。

周防兄弟のモデルは漫画『タッチ』の上杉兄弟

周防兄弟(周防克哉と達哉)のモデルになったと推測される漫画『タッチ』の主役・上杉和也(画面手前の少年)と上杉達也(ユニフォーム姿の少年)。

周防兄弟(周防克哉と周防達哉)は、人気恋愛・野球漫画『タッチ』の主役・上杉達也(うえすぎ たつや)と上杉和也(うえすぎ かずや)をモデルに作られたと言われている。
その理由は、ヒロインであり『ペルソナ2 罰』の主役である舞耶の存在にある。周防兄弟はどちらも作中の出来事を通して、舞耶に心惹かれていくようになる。その光景は、上杉兄弟と幼馴染の浅倉南(あさくら みなみ)の恋愛模様を描いた『タッチ』の物語展開と似たものがある。
また克哉と達哉の名前も和也と達也と似た名前になっている。『タッチ』を意識して作られた事は簡単に想像できる。

『ペルソナ3』『ペルソナ5』に克哉が登場

『ペルソナ5』の主人公が居候している喫茶店「ルブラン」。画面奥にある小さなテレビを通して、克哉らしき人物の姿を見ることができる。

『ペルソナ2』の次作にあたる作品『ペルソナ3』に、克哉と思しき人物が登場している事が確認されている。とはいってもその存在はテキスト文でのみ確認する事ができるものとなっている。
存在が確認できるのは、主人公達が生活している学生寮「巌戸台分寮」のロビーにあるテレビでの事となっている。作中で発生する「自由時間(文字通りプレイヤーが好きに時間を過ごす事ができる)」中に、このテレビを見てみると「お菓子作りが趣味の、刑事職を務めるスタイリッシュなスーツの着こなしの三十代の男性」が街頭インタビューを受けている姿が映っている事がテキスト文で表示されることがある。
この男性というのが、克哉ではないかといわれている。
『ペルソナ3』は、『ペルソナ2 罰』の世界線から続く世界を舞台に展開された物語だ。その為、克哉を連想させる特徴を持つこの男性が克哉本人だと推測されている。
また同じ世界線が舞台となっている『ペルソナ5』でも、克哉らしき人物がいる事が判明している。『ペルソナ3』同様にテキスト文のみではあるが、主人公の居候先である喫茶店「ルブラン」で見られるテレビを通して、克哉と思われる「赤いサングラスのイケメン刑事」がインタビューされている様子を目にすることができるようになっている。

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