南条圭（女神異聞録ペルソナ・P1）の徹底解説・考察まとめ

なんじょうくん／南条圭の概要

なんじょうくん／南条圭（なんじょう けい）とは、株式会社アトラスのジュブナイルRPGシリーズ『ペルソナ』の1作目に登場する男性キャラクターである。物語展開が2パターン存在する『女神異聞録ペルソナ』において、「セベク編」と呼ばれる物語のメインメンバーとなっている。P1主人公（通称：ピアスの少年）が通う「聖エルミン学園」に通う高校1年生。P1主人公とはクラスメイトの関係にあたる。
日本有数の巨大財閥「南条財閥」の御曹司で、徹底した合理主義者。自分の出自に誇りを抱いており、相当な自信家でもある。その為、他人を見下すような発言をする事が多々ある。感情的に動く事が多いクラスメイトのマーク／稲葉正男（いなば まさお）とは、性格の不一致から犬猿の仲である。

両親はいるが、金銭という形でしかその愛情を受け取ったことはなく、執事の山岡が彼を育ててきたと言っても過言ではない。その為、山岡にだけは南条も頭があがらないらしく、山岡の前では一人称を「僕」としたり、どこか言葉遣いがやわらかめになったりと、他者には決して見せない姿を見せていたりもする。しかし、ある日、御影町を襲った「異変」が南条と山岡の運命を大きく動かす事になってしまう。

その日、南条はP1主人公と友人達と共に、聖エルミン学園の生徒達の間で流行っている儀式「ペルソナ様」を行っていた。しかしその儀式を終えた直後、南条達の前に白い服を着た少女が現れ、南条達に雷撃を当ててくる。突然の事に避ける間もなかった南条達は、そのまま雷に打たれて気絶してしまう。意識を失い、夢を見る南条達。そこで彼らは「フィレモン」と名乗る不思議な男と出会う。フィレモンは南条達にペルソナ使いの才覚があると認めると、彼らにペルソナを授け、現実世界へ帰す。

目が覚めた南条達は、ひとまず身体の具合を見る為に御影町内にある病院へ向かう事にする。その病院には、入学してからほとんど入院したきりになっていたクラスメイト、マキ／園村麻希（そのむら まき）がいた。自分達の検査も兼ねて麻希の見舞いに行くと、彼女の容態が急変。ICU（集中治療室）へ運ばれていってしまう。
麻希の容態を心配した南条達は、彼女が運ばれたICUの前で治療が終わるのを待つ事にする。だがその時、突然激しい地震が起こる。地震が収まった時、南条達の目の前に広がっていたのは、存在していた筈のICUが消えているという驚きの光景だった。

さらに同じ頃、病院内では地下の霊安室に居た筈の遺体がゾンビになって生き返るという大事件が発生していた。看護師の悲鳴を聞きつけ、病院のロビーへ向かう南条達。そこで南条が目にしたのは、看護師をかばってゾンビに襲われ、ボロボロになっていた山岡だった。実は山岡は、友人達と病院へ向かう南条の事を心配し、こっそりと後をつけていたのだ。そうして、ゾンビに襲われそうになっていた看護師を見つけ、とっさに身を挺して庇ってしまったのである。
山岡がゾンビにやられた事を知った南条は激怒。P1主人公達と共にゾンビとの戦闘を開始する。その時、南条達がフィレモンから貰ったペルソナ使いとしての力が覚醒。ペルソナを召喚する事ができた彼らは、その力を使いゾンビを倒す。だが、戦いが終わった頃には山岡の息は絶える寸前となっており、南条の目の前で亡くなってしまう。

一方その頃、病院の外でも「悪魔の出現」といった現象が起きていた。御影町内で起きている異変の事を知った南条達は、ペルソナ使いの力を使って町で起こる異変の原因を探っていく事にするのだった。

なんじょうくん／南条圭のプロフィール・人物像

性別：男
年齢：高校2年生
学校：聖エルミン学園
身長：177cm
体重：62kg
誕生日：1979年10月2日
血液型：A型
星座：天秤座
CV：山野井仁（PS2版『女神異聞録ペルソナ』）、近藤隆（PSP版『Persona』）、森川智之（ドラマCD版）

P1主人公が通う高校「聖エルミン学園」の生徒であり、P1主人公のクラスメイト。日本有数の巨大財閥「南条財閥」の御曹司であり、次期総帥である。幼い頃から、南条財閥の総帥になるべく育てあげられてきた事もあり、冷徹怜悧な合理主義者な性格の男子高校生となっている。そのような性格に加え大企業の御曹司という肩書きもあり、P1主人公や数少ない友人達以外の聖エルミン学園生からは距離を置かれている。しかし本人は特に気にしていないらしく、むしろ周囲を見下しているようなさまがある。

両親は健在だが、金銭という形のみでしかその愛情を受けた事がなく、家族関係はあまり良好とはいえない様子。執事の山岡が両親の代わりに南条を育ててくれており、その為、山岡にだけは心を開いている。御影町で起きた異変により山岡が亡くなった時も、彼の為に激昂したり、仇討ちを誓ったりなど、普段の冷徹怜悧な姿からは想像もできない情の厚い姿を見せている。

物語序盤では、山岡の仇討ちの為に熱くなり暴走しがちな様を見せていたが、P1主人公達と行動を共にしていく内に次第に元の落ち着きを払った性格に戻っていく。またP1主人公達と戦いを共にしていく内に、今までにはなかった固い友情や絆が彼らと南条の間に生まれ始める。その結果、合理的主義であった南条の心に変化が生まれ、周囲の事をを認める寛容さを持つようになっていく。

なんじょうくん／南条圭のペルソナ能力

アイゼンミョウオウ

なんじょうくん／南条圭の初期ペルソナ。『女神異聞録ペルソナ』では、『ペルソナ3』以降では主人公にのみ備えられた「複数のペルソナが使用できる」といった能力「ワイルド」が、ペルソナ使い全メンバーに備えられている。その為、初めてペルソナ能力を使った際に召喚するペルソナの事は「初期ペルソナ」と呼び、他のペルソナと分けて呼ぶ形が取られている。
また『女神異聞録ペルソナ』と次作『ペルソナ2』では、ペルソナの召喚毎に決まったSPが消費されるシステムになっている。使うスキル毎に消費SP量が変わってくる『ペルソナ3』以降には存在しないシステムである。

アルカナは「HIEROPHANT（教皇）」。モデルは仏教の信仰対象であり、密教特有の尊格である「明王」の1人「愛染明王」。サンスクリット語では「赤き王」の意味を持つ「ラーガ・ラジャ」や、「大いなる赤」という意味を持つ「マハー・ラーガ」という、「赤」に纏わる名を与えられている。
愛欲や煩悩を、悟りを求める力に転換させる「煩悩即菩薩」と呼ばれる仏であると同時に、縁結びや夫婦円満、出産、安産の神であるともされている。またその手に弓矢を持っている事から「軍神」とされる事もあり、「戦勝の仏」としても信仰されている。

見た目は、仮面をつけたハイレグ姿の女性のような容姿になっている。このような外見でありながら、召喚者である南条圭が男な為、その関連性について色々な考察がなされており、アンソロジーなどでもネタにされてしまっていたりする。だがそんなネタ要素たっぷりの見た目に反し、覚える技は破魔属性と拳属性の攻撃技にバステ系スキル、補助系スキルの習得も可能と、様々な種類のスキルを網羅した、強力なスキル構成のペルソナとなっている。なお、回復系スキルだけは覚えられない仕様となっており、その点だけは他のペルソナを使用して補わなければならない。

弱点属性は、物理属性（拳や鞭など）系の攻撃技。
召喚する際に必要なSPは4。

ハンマ

破魔属性の攻撃技。
アイゼンミョウオウが初期から持っているスキル。
敵1体に毎ターンダメージを与える他、敵「屍鬼」を即死させる効果を持つ。
ダメージ力は、最大HPで変化するが、ボスに対しては無効の技となっている。

キャンディボイス

バステ系スキル。
アイゼンミョウオウのランクが2になった時に習得する。
敵複数体に状態異常「魅惑」を付与する事ができる。

スクカジャ

補助系スキル。
アイゼンミョウオウのランクが3になった時に習得する。
味方全体の命中率を上げる事ができる。

怒りの鉄拳

拳属性の攻撃技。
アイゼンミョウオウのランクが4になった時に習得する。
敵1体に小ダメージを与える事ができる。

マカカジャ

補助系スキル。
アイゼンミョウオウのランクが5になった時に習得する。
味方全体の属性攻撃の威力を上げる事ができる。

永遠の白

特殊技「奇跡」の1つ。
アイゼンミョウオウのランクが6になった時に習得する。
敵複数体に「奇跡」の力で大ダメージを与える事ができる。

なんじょうくん／南条圭の来歴・活躍

1979年10月2日、南条財閥の跡継ぎとして生まれる

1979年10月2日、日本有数の巨大財閥「南条財閥」の御曹司として、南条はこの世に生を受ける。次期総帥としてなるべく立ち場に生まれた南条は、南条家の跡継ぎとして恥じない自分になるべく、幼い頃から「南条家の御曹司」として様々な教育を受けえていく。

その結果、高校生になる頃には、南条は文武両道の完璧な「御曹司」に成長を遂げる。だが両親からの愛を金銭という形でしか与えられて来なかった事や、自分を高める事だけに集中し、周囲の事を省みずに来てしまった事が起因し、冷徹な性格の人物に育ってしまう。唯一心開ける相手は両親の代わりに自分を育ててきてくれた執事の山岡だけ。山岡以外の他人は信じず、見下し侮蔑しながら、南条は高校生活を送っていくようになる。