黒須淳／ジョーカー（ペルソナ2）の徹底解説・考察まとめ

黒須淳／ジョーカーの概要

黒須淳（くろす じゅん）／ジョーカーとは、株式会社アトラスのジュブナイルRPGシリーズ『ペルソナ』の2作目に登場する男性キャラクターである。2枚ディスクで構成されている『ペルソナ2』において、1枚目のディスク『ペルソナ2 罪』にて重要な役割を担う人物となっている。2枚目のディスク『ペルソナ2 罰』でもサブキャラクターとして登場する。
『ペルソナ2』の舞台「珠閒瑠市」にある「春日山高校（通称：カス校）」に通う高校3年生。本編開始の半年前にカス校に転入してきた。幼い頃に家庭崩壊を経験しており、それ故に両親を恨んでいる。しかし同時に、幼少期に少しだけ「家族」として両親と過ごした日々を忘れられず、両親からの愛情に飢えている状態でもある。

本編開始から10年前の夏、小学生であった淳は周防達哉（すおう たつや）／P2罪主人公を含む『ペルソナ2 罪』の重要人物達と出会い、仲良くなるが、その内の1人、天野舞耶（あまの まや）が神社の放火事件に巻き込まれた事から事態が急変する。放火事件に巻き込まれた舞耶は生きていたのが、幼い淳は彼女が死んでしまったものだと誤解する。さらにその際に舞耶を殺したのが達哉達であると思い込む。その思い込みは、人類の可能性を否定する為に人類を絶望の淵に落とそうとしていたニャルラトホテプによる策略の1つだったのだが、淳はそうは気づかず、亡き自分の父・橿原明成（かしはら あきなり）の姿をして現れたニャルラトホテプを信じて、達哉達を恨むようになってしまう。

そうして10年後、淳はニャルラトホテプの力を借りて、「噂が現実と化す街」となった珠閒瑠市へ怪人・ジョーカーとして出現するようになる。淳は「自分の携帯から自分の携帯へ電話をすると願いを叶えてくれる怪人・ジョーカー様が現れる」というジョーカーに関する噂を人々の間に流し、珠閒瑠市民の間にジョーカーの存在を拡散させていった。そうして、その噂を信じて自分（ジョーカー）を呼び出した者のところへ現れ、噂通りに願いを叶えるようになる。しかしそれはあくまでも建前で、本当の狙いはそうする事で現れるであろう「願いも何もなく、遊びでジョーカーを呼び出した人間」から「夢見る心」を奪う事にあった。この「夢見る心」は別名「イデアルエナジー」といい、淳の本物の父・明成が作り上げた書籍「イン・ラケチ」によれば、それを全て集める事で世界を滅ぼす事ができるとの事だった。

「イン・ラケチ」を明成の姿をしたニャルラトホテプから受け取った淳は、父の為にジョーカーとしてエネルギーを集めていく。すると、淳にとって恨むべき達哉と友人達が「ジョーカ様」を試し、自分を呼び出す事件が起こる。恨みを晴らすチャンスだと思った淳は、ジョーカーの力を使い達哉達を殺そうとするが、達哉達が当時の事を何も覚えていないと知り絶望する。ショックを受けた淳は「こんな状態での復讐には意味がない」と彼らを殺すのをやめる。そして達哉達に、復讐の為に悪魔を差し向ける事を告げ、「自分達のしでかした「罪」を思い出せ」と言い残して、その場を去っていくのだった。

黒須淳／ジョーカーのプロフィール・人物像

性別：男
年齢：高校3年生
学校：春日山高校（通称：カス校）
身長：169cm
体重：51kg
誕生日：1982年2月14日
血液型：AB型
星座：水瓶座
CV：渋谷茂

『ペルソナ2』の舞台、「珠閒瑠市」にある「春日山高校（通称：カス学校）」に通う高校3年生。本編開始半年前に転入してきた。花言葉や星占いに詳しく、ピアノが弾ける。ロマンチストな趣味趣向を持った美少年キャラクターとなっている。

家族構成は、父・母・淳の3人だが、「マイヤの託宣」等といった夢想事にのめり込む父と、仕事に執着し家庭を顧みなかった母により、幼少期にはすでに家庭崩壊が起きてしまっていた。なお、父は達哉とギンコが通う七姉妹高校の世界史教諭の橿原明成（かしはら あきなり）だが、夢想事に執着したあまり、居もしない敵に狙われていると勘違いした事が原因で事故死している。母はベテラン女優の黒須純子（くろす じゅんこ）で、健在。淳の名字は母のものである事が明らかになっている

ニャルラトホテプに騙され、達哉達への恨みに心が捕らわれてしまった淳だが、本来の性格はとても穏やかで優しいものとなっている。サブキャラクターとして登場する『ペルソナ2 罰』では、家族仲に問題は起きていない為、元来の性格が強調された心優しい高校生に成長している。

黒須淳／ジョーカーのペルソナ能力

ヘルメス

黒須淳の初期ペルソナ。『ペルソナ2』では、『ペルソナ3』以降では主人公にのみ備えられた「複数のペルソナが使用できる」といった能力「ワイルド」が、ペルソナ使い全メンバーに備えられている。その為、初めてペルソナ能力を使った際に召喚するペルソナの事は「初期ペルソナ」と呼び、他のペルソナと分けて呼ぶ形が取られている。
また『ペルソナ2』と前作『女神異聞録ペルソナ』では、ペルソナの召喚毎に決まったSPが消費されるシステムになっている。使うスキル毎に消費SP量が変わってくる『ペルソナ3』以降には存在しないシステムである。

アルカナは「FORTUNE（運命の輪）」。モデルはギリシャ神話に登場する青年神「ヘルメス」である。天空神「ゼウス」が神族「タイタン」の巨神「アトラス」の娘であった「プレイアデス」との間に作った子どもとされており、ギリシャ神話に登場する山「オリュンポス山」の山頂に住まうとされる「オリュンポス十二神」の1柱でもある。神々の中で一番足が速く、弁が立つ事から伝令役を担う事もある。さらに狡猾な知恵者でもあった事から、父であるゼウスの参謀としても働いていたという。象徴は「朱鷺」と「雄鶏」。なお、母親であるプレイアデスは「マイア」という名でもあると言われており、天野舞耶の初期ペルソナのモデルともなっている。

ジェット機の翼のようなものが生えた帽子とサンダルを身に付けているペルソナ。キャラクターデザインを担当した金子一馬曰く、これらのデザインは、神ヘルメスが持つ「翼の生えた帽子とサンダルを身に付けている」という伝承になぞらえてデザインが行われたとのこと。

疾風属性、万能属性、剣撃属性の攻撃技を覚える他、補助系スキル、回復系スキルも覚える万能型ペルソナ。なかでも回復系スキルは、初期ペルソナ内で唯一、戦闘不能（瀕死）状態の味方を復活させる事ができるスキルを覚えるようになっている。

弱点属性は、電撃。光属性と「混乱」、「魅惑」、「睡眠」系のバステ技に対する耐性を持ち、闇属性が無効、さらには火炎属性に対する反射持ちとなっている。
召喚する際に必要なSPは29。

ガルーラ

疾風属性の攻撃技。
ヘルメスが初期から持っているスキル。
敵1体に中ダメージを与える事ができる。

スクカジャ

補助系スキル。
ヘルメスのランクが2になった時に習得する。
味方1体の速さを上げる事ができる。

疾風斬

剣撃属性と疾風属性が合わさった攻撃技。
ヘルメスのランクが4になった時に習得する。
敵1体に小ダメージを与える事ができる。

イルゾーン

万能属性の攻撃技。
ヘルメスのランクが5になった時に習得する。
敵1体に24％の確率で状態異常「幻影」を付与する事ができる。

マハガルーラ

疾風属性の攻撃技。
ヘルメスのランクが6になった時に習得する。
敵1グループに中ダメージを与える事ができる。

リカーム

回復系スキル。
ヘルメスのランクが8になった時に習得する。
戦闘不能状態（瀕死）の味方1体のHPを小回復する事ができる。

ガルダイン

疾風属性の攻撃技。
ヘルメスが「変異」した時に習得する。
敵1体に大ダメージを与える事ができる。

黒須淳／ジョーカーの来歴・活躍