天外魔境ZERO（ゲーム）のネタバレ解説・考察まとめ
『天外魔境ZERO』とは、ハドソン社（2012年コナミ社に吸収）より1995年に発売されたロールプレイングゲーム。PCエンジンなどで展開してきた天外魔境シリーズにおける外伝的な扱いの作品であり、唯一のスーパーファミコン作品。企画・原案は『サクラ大戦』『魔神英雄伝ワタル』シリーズで知られる広井王子。
物語の舞台は、「外国人からみた誤った日本観」をコンセプトとした架空の国「ジパング」。天より600年前に地上に降りてきた、人間とは異なる種族・火の一族と地獄の軍団との戦いを描く。
ジュリを倒したことで亀国の人々の姿は元に戻り、樹海は消え、豊かな海が現れた。そして、神獣・亀の封印も無事に解かれていた。亀は、みずきと同じく元々は地獄の者。しかし、妻であるミツコ姫により救われたことで600年前に火の一族についたのであった。またしても火の一族に助けられたことに感謝する亀は、自身の力を込めた「亀の石」をヒガンたちに託す。「ワシたち神獣には、地獄の者と戦う力はもうなくなってしまった。ニニギ様に背いた時から、力が次第に失われていったのだ。わずかな力を石に込め、託すことしかできぬ…すまない、火の者よ。地獄の王・ニニギを封印し、ジパングに平和を…！」
亀のもとをあとにしたヒガンたちは、海の上にあるゲンブ城に赴き、亀の妻であるミツコ姫に会う。ゲンブ城は、テンジンが100年前まで身を置いていた場所であった。海に覆われる亀国を移動するのに便利な「べっこう船」をヒガンたちに授けたミツコ姫は、みずきに問う。「ヒガンについて行き、地獄の者と戦うか？」みずきは、「自分が決めることはできない」と言うものの、「テンジンが行くのなら、それについて行く」と返し、かつて仲間であった地獄の者達と戦う決心を固めるのであった。
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神獣・亀より「亀の石」を渡されるヒガンたち。亀は、600年前からテンジンとは親しい仲であった。
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亀国の海に浮かぶ「ゲンブ城」。神獣・亀の妻であるミツコ姫が住む場所である。
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ゲンブ城は、かつてテンジンが100年前まで身を潜めていた場所でもあった。
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ミツコ姫に「ヒガンたちと行くのか」と問われたみずき。地獄の者ではあるものの、テンジンの想いに応え、戦いに身を投じていくことを決意する。
犬神国
亀国をあとにした一行が次に入ったのは、神獣・犬神が治める犬神国。入国後、すぐ近くにあった犬神神社を訪れると、そこは地獄の5番隊長・「金銀（キンギン）」により破壊されており、新たに「金虎（きんとら）神社」という神社を建てられてしまっていた。実は、キンギンは元々「白虎（びゃっこ）」という神獣であり、犬神とは友人同士であったのだ。しかし、犬神がニニギを裏切ったことで袂を分かっていた。そして犬神への恨みからキンギンは、貧しくもつつましく生きていた犬神国の人々を、最新の科学技術や金で洗脳・支配していたのである。
犬神神社で、ヒガンは孔雀国や鶴国で出会った謎の剣士に再び出会う。「お前の正義の剣と、キンギンのカラクリとまやかし、どちらが勝つか見せてもらおう」と剣士は言う。それに、みずきが「あんた誰なんだい！ヒガンの勝利を願っているようだけど」と言うと、剣士は「願う…俺が…そうかもしれんな…」と過去を思い起こす。剣士は、ヒガンの祖父であるビャクエンに敵わない自身の強さの限界に苦しんでいた。「剣は人を切り、殺すためのものだ！人を活かす剣、正義の剣など俺は信じぬ！」そこにつけこんだのは、地獄の王・ニニギであった。「さらに非情になるがよい…『不知火（シラヌイ）』よ…地獄に落ちてでも強くなると願うがよい！このニニギがお前の心を捨てさってやる！！」シラヌイは、ニニギに魂を売ることで力を手にし、「闇の剣士」として生まれ変わったのであった。シラヌイは、ヒガンたちに改めて名乗る。「ククク…俺の名はシラヌイ。人は俺を闇の剣士と呼ぶ。覚えておいてもらおう、ヒガン…」彼は地獄の軍団の者であった。が、今はまだ戦う気はないようである。
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犬神神社はキンギンによって破壊され、「金虎神社」として建て替えられていた。狛犬も、まねき猫に差し替えられている。
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キンギンの科学とお金の力により、犬神国の人々は心を掌握されてしまった。
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再度出会った黒ずくめの剣士は、「シラヌイ」と名乗った。
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シラヌイは強さのためにニニギに魂を売った火の一族であり、ヒガンの祖父ビャクエンのライバルであり、友であった。
犬神神社をあとにし、キンギンの根城である「黄金（おうごん）城」に踏み込もうとする一行。すると、地獄の隊長であるキンギンが直接出迎える。「地獄の隊長たちを倒してきたようだが、俺は他の奴らのようなまやかしの力は使わない！俺様の力は、この天才的な頭脳と、万能の科学だ！！見よ！これが火の勇者全滅兵器、史上最強のカラクリロボット・『スーパーマネキング3』だ！！！」キンギンの背後には、巨大な招き猫のような姿をしたロボットが立っていた。「おっきなネコだ！ニャンニャン！」と喜ぶスバル。「喜んでもらえるとは光栄だ…ではマネキングの力をお見せしよう！いけ！マネキングパンチ！！」キンギンがけしかけると、マネキングから強烈なパンチが飛び、ヒガンたちはいとも簡単に敗れてしまった。「このマネキング3がある限り、君たち火の一族はこのキンギンを倒すことはできない！」キンギンの高笑いを背に、ヒガンたちは城を追い出されてしまった。
マネキングをどうにか突破しない限りは城を攻略することもできない。ヒガンたちは犬神国を歩き回り、そのなかで600年前に開発されたロボット「マ・ジン」の話を聞く。それは、神獣・犬神とキンギンが協力し開発したロボットで、「魔人の滝」に封印されているとのことだった。犬神からその話について聞いていた仙人から、マ・ジンを動かすための鍵となる「犬神の心」を託されたヒガンたちは、魔人の滝を抜けた先にある犬神の紋章が書かれた壁の奥でマ・ジンを発見する。さっそくマ・ジンの内部に乗り込む一行。しかし、なにやら見覚えのある顔が。そこにいたのは、孔雀国で倒したはずの赤丸であった。「わては心をいれかえさせてもらいました！ぜひ、マ・ジンの操縦はお任せください！カギを渡してくれまへんか？」当然、信用できないヒガンたち。「くくく…いくらアホの火の一族でも同じ手にはかかりまへんな…しかしこちらはわて1人、そちらは3人、これはあきまへんわ。でもなあ、今回はわてにも仲間がおりますねん！」そして、赤丸は仲間を呼び始めた。「青丸！黄丸！出てきいや！」すると、赤丸によく似た顔の2人が現れた。いつぞやの、瀕死の赤丸を担ぎながらヒガンたちを追い抜いて行った2人組であった。「赤丸ニイさんをいじめるやつはこの青丸が許さない！」「同じくこの黄丸が許さない！」2人は赤丸からつくられたクローンであり、赤丸と同等の強さを持っていた。「さあ、これで3対3や！いきまっせヒガンさん！」
赤丸たち3人の連携に苦しめられながらも、ヒガンたちはなんとかこれを退ける。「やっぱり…あかん…か…」みずきは、赤丸たちを生かしておくと危険なのでトドメをさせとヒガンに忠告する。しかし、ヒガンはトドメをさすことはしなかった。「そうだよ、それがヒガンだよ！よかったね！赤丸くん！」とどこか嬉しそうなスバル。赤丸たちは、情けをかけられたことに悪態をつきながらも、退散していった。「ヒガン、あんたは甘いよ。…でもそれが、火の一族の優しさなんだろうね」とみずきはつぶやく。
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キンギンが開発した巨大ロボット「スーパーマネキング3」が立ちはだかり、城に突入することができない。
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スーパーマネキング3の強さに手も足も出ないヒガンたち。対抗するために、600年前に活躍したロボット「マ・ジン」を探す。
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魔人の滝の奥にて、マ・ジンを見つけるヒガンたち。
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マ・ジンの中では復活した赤丸が待ち構えていた。またも芝居をうつが、今度は通用しない。
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赤丸からつくられたクローンである青丸、黄丸が現れ、3対3の戦いとなる。
マ・ジンの内部を調べると、奥の方にくぼみがあった。そこに犬神の心をはめこむと、目の前に流れていた滝が割れ、マ・ジンが起動する。そして、ロケットのように炎を噴射し、飛び始めた。どうやら、キンギンが待つ黄金城に向かっているようであった。「これでおっきいネコをやっつけにいこう！マ・ジン！！Go！！！」と興奮するスバル。黄金城に降り立つと、キンギンがマ・ジンの姿を見て驚愕する。「そ、それは600年前のマ・ジン！ガルルルル…犬神が、俺様から奪っていったマ・ジン！！犬神！！貴様！！また！！オレを裏切るのか！！」キンギンはうろたえつつも、マネキングをけしかける。「ええい負けんぞ！いけ！スーパーマネキング3！！マ・ジンを破壊しろ！！」
巨大ロボット同士の戦いが始まった。レーザーやミサイル、しっぽの鉄球アタックなど多彩な攻撃をしかけてくるマネキング。それに対しヒガンたちが操るマ・ジンもレーザーやパンチなどで対抗し、なんとかマネキング3を倒すことに成功する。「やった～！ネコ！ネコ！やっつけた～！」と喜ぶスバル。みずきも「勝って当然だよ！マネキングはただの機械。マ・ジンには、犬神の心が入っているんだ！」と嬉しそうである。「おお…俺様のスーパーマネキング3が壊れる…！ぬぬぬぬ…こうなれば死なばもろとも、スーパーマネキング3！いけ！！」キンギンは、爆発寸前のマネキングをマ・ジンにつっこませてその隙に城内に逃げてしまった。
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犬神の心を原動力とし、マ・ジンが動き出す。
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スーパーマネキング3との戦いに向け、マ・ジンの内部には操作方法の説明が響き渡る。
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マ・ジンの姿を見て驚愕するキンギン。自分のもとからマ・ジンを奪っていった犬神を思い、激昂する。
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ビームにミサイル、しっぽ攻撃など多彩な攻撃を繰り出すスーパーマネキング3に対抗するマ・ジン。
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敗北し、煙をあげて爆発するスーパーマネキング3。しかし、マ・ジンもその爆発の道連れにされてしまう。
マ・ジンから脱出し、それを追いかけるヒガンたち。すると、城内には黄金で出来たキンギンの像が大量に立っていた。「どうだ！俺様がどこにいるか分かるまい！！」どうやら、キンギンは像に化けてこの中に隠れているらしい。「ずいぶんとのんきな作戦だね、キンギン…」と呆れるみずきに、キンギンは「もうすぐニニギ様が奴を復活させる。そうすれば…グフフ」と不気味に笑う。どうやら、ニニギの計画のための時間稼ぎのための作戦のようだ。これでは、どれがキンギンか分からず、先には進めない…
そこで、ヒガンたちは犬神国の町で聞いた、金を食べる「キンキン虫」の話を思い出す。金がとれる鉱山に生息していたキンキン虫の巣を調達してきた一行は、キンギンの像の間でその虫たちを放った。たちまち、部屋中の金の像を食べつくしていくキンキン虫。そして、残ったのは金メッキがはがれたキンギンであった。あわてて奥へと逃げるキンギン。黄金城の多彩な仕掛けを潜り抜け、天守閣でついにヒガンたちはキンギンを追い詰める。しかし、キンギンは用意していた巨大ロボット「ゴールドシルバー」に乗り込み、向かってくる。「地獄の5番隊長・キンギンの科学のすばらしさ、ゴールドシルバーの力を思う存分に味わうが良い！」
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目次 - Contents
- 『天外魔境ZERO』の概要
- 『天外魔境ZERO』のあらすじ・ストーリー
- はじまり
- 火熊国
- 孔雀国
- 鶴国
- 亀国
- 犬神国
- 竜王国
- 高天原（たかまがはら）
- 最終決戦～エンディング
- 『天外魔境ZERO』の登場人物・キャラクター
- 火の一族
- 火眼（ヒガン）
- 昴（スバル）
- 天神（テンジン）
- 水貴（みずき）
- 翡翠（ヒスイ）
- 地獄の軍団
- 絶対レイド
- 地獄の赤丸（あかまる）
- 狂極の怒鬼（きょうごくのどき）
- 砂羅（サラ）
- 樹里（ジュリ）
- 金銀（キンギン）
- ニニギ
- コクビャク
- 神獣
- 火熊
- 孔雀
- 鶴
- 亀
- 犬神
- 竜
- その他
- 百炎（ビャクエン）
- ゲンコツ
- ビンタ
- 炭仙人
- 不知火（シラヌイ）
- アグニ
- 弟王
- 兄王
- おミネ
- カブキ一族
- スゴイ武具屋 六助
- お宝ハンター万吉
- まい
- ちとせ
- ビナン仙人
- カレン仙人
- ネズミオヤジ
- 花丸一家
- ミツコ姫
- 火立村の長老
- マントー
- 今田耕司
- 『天外魔境ZERO』のゲームシステム
- 戦闘画面、基本表記
- 奥義
- ヒガンの奥義
- 火炎斬り
- 稲妻斬り
- 爆裂斬り
- 千人斬り
- ばさら斬り
- 竜神斬り
- スバルの奥義
- 火炎の象
- 電気なまず
- 風のはやぶさ
- 鋼鉄の獅子
- 冷界グモ
- 猪鹿チョウ
- 舌好チョウ
- 歌舞伎チョウ
- 極楽チョウ
- テンジンの奥義
- 口うつし
- 姿うつし
- 闇うつし
- 夢うつし
- 月うつし
- 心うつし
- みずきの奥義
- 火炎返し
- やまびこ返し
- 地獄返し
- ちゃぶ台返し
- つばめ返し
- どんでん返し
- その他のキャラの奥義
- 大ゲンコツ
- 往復びんた
- さよなら
- 奥義のカットイン
- マもの
- 巻物
- PLGS（パーソナル・ライブ・ゲーム・システム）
- 月ごとに行われるお祭りと開催する国一覧
- 1月：正月祭り（孔雀国）
- 2月：節分祭り（火熊国）
- 3月：ひな祭り（鶴国）
- 4月：花見（孔雀国）
- 5月：こどもの日（亀国）
- 6月：ゲンブ祭り（亀国）
- 7月：七夕祭り（犬神国）
- 8月：旧暦の七夕祭り（鶴国）
- 9月：月見祭り（犬神国）
- 10月：鶴見祭り（鶴国）
- 11月：神無月
- 12月：三太祭り（火熊国）
- 『天外魔境ZERO』のアイテム
- 武器装備 / 三種の神器
- 神獣の石
- 回復アイテム
- クサだんご
- まんじゅう
- ガマのあぶら
- いのちのさけ
- きせきのさけ
- マンダラのふえ
- 『天外魔境ZERO』の用語
- 火の一族
- 地獄の軍団
- 神獣
- 高天原
- 永遠の火
- 仙人
- 出会い茶屋
- 卵屋
- 『天外魔境ZERO』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 「スタッフの子供に遊んでほしい」との想いがきっかけになった『天外魔境ZERO』の開発
- 奥義「鏡映し」を用いたレベル上げの裏技
- 複数用意されている敗北時の演出
- クリア後の選択肢と「ふたたび」モード
- 『天外魔境シリーズ』でおなじみのキャラクターのゲスト出演
- お笑い芸人「今田耕司」のゲスト出演
- 少数だけ生産された幻のカセット『天外魔境ZERO 少年ジャンプの章』