天外魔境ZERO(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ
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『天外魔境ZERO』とは、ハドソン社(2012年コナミ社に吸収)より1995年に発売されたロールプレイングゲーム。PCエンジンなどで展開してきた天外魔境シリーズにおける外伝的な扱いの作品であり、唯一のスーパーファミコン作品。企画・原案は『サクラ大戦』『魔神英雄伝ワタル』シリーズで知られる広井王子。
物語の舞台は、「外国人からみた誤った日本観」をコンセプトとした架空の国「ジパング」。天より600年前に地上に降りてきた、人間とは異なる種族・火の一族と地獄の軍団との戦いを描く。
奥義「鏡映し」を用いたレベル上げの裏技
テンジンの奥義には「鏡うつし」という、敵を2体に分裂させる代わりに弱体化させる。
それを利用した裏技が存在する。
まずは、作戦コマンドを作成し、
「テンジン:鏡映し」「ヒガン:攻撃」「スバル:乙女の羽衣(戦闘中に使うと回復効果がある)」を設定。
そして、ヒガンの素早さをテンジンより早くしておき、自爆をしない敵を探して、残り1体まで減らす。
そこで作戦を実行すると、自動で永遠に敵を増やしては倒し、増やしては倒しを繰り返すようになる。
戦闘はオートで進むため、その間に放置していれば膨大な量の経験値とお金が手にはいる。
また敵の中には分裂をしてくる敵もいるため、同じ要領で戦闘が終わらないように続けると膨大な量の経験値とお金が手に入る。
複数用意されている敗北時の演出
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出典: twitter.com
こちらがスイマに負けた際の演出である。生々しい描写は天外シリーズならでは。
本作は、地獄の隊長など敵の主要キャラに負けた際の演出がある。
勝ち誇る地獄の隊長のセリフが見れたりなど、基本的にレア度が高い。
ただし、中にはトラウマレベルの描写がなされるものもある。コクビャクに負けると、跡形もなく燃やされてしまうが、特にトラウマとなりやすいのが地獄の親衛隊「スイマ」に負けた際である。スイマは、妖精の卵や人の脳が大好物で、長い口を突き刺し吸ってしまう魔物。そして、負けたヒガンたちはなんと、脳みそを吸われてしまうのだ。こういった残虐な表現も天外魔境シリーズの特徴ではある。
クリア後の選択肢と「ふたたび」モード
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「王になる」を選んだ場合。
このゲームは、ラスボスを倒した後に、「ジパングの王になるかどうか」を問われる。
そして、「なる」「ならない」どちらのパターンのエンディングも用意されているのである。
「王になる」を選んだ場合は、竜王国にて仲間たちが見守る中、ジパングの新たな王・ヒガンが誕生するエンディングとなる。
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「王にならない」を選んだ場合。
一方、「王にならない」を選んだ場合は、これまで旅した道を遡りつつ、テンジン(みずき)がゲンブ城に残り、
火影村にヒガンとスバルの2人で帰るエンドとなる。
また、本作にはクリア後のみに選べる「ふたたび」というモードがある。
これは、物語を新たに始める際、前回ゲームをクリアした時点でのステータスのまま、
つまりラスボスを倒せるほど強いステータスのままで新しく物語を始められるというモードである。
「クロノ・トリガー」でいう「強くてニューゲーム」の天外魔境版である。
利点としては、敵に苦戦することがなくなるのでストーリーをスピーディに進められる、などが挙げられる。
ちなみに、仲間になるキャラもヒガンの強さに準拠するため、ゲンコツとビンタも相当な強さでスタートすることとなる。
『天外魔境シリーズ』でおなじみのキャラクターのゲスト出演
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天外魔境ZEROには、天外魔境シリーズでおなじみのキャラがゲスト出演している。
そのうちの一人が、「カブキ団十郎」。
「天外魔境2」や「風雲カブキ伝」で活躍する火の一族である。
しかし、本作に出てくるのはおそらくそのカブキ本人ではなく、先祖だろうと言われている。
(ZEROの世界観が従来のシリーズより太古のジパングだという設定から)
話す話題はお祭りに関するもの。お祭り男はいつの時代も変わらないようである。
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馬鹿でおなじみのマントー。「馬鹿の術」の強力さは相変わらずだ。
また、条件を満たすと、ほぼシリーズ皆勤賞である猿のキャラ、「マントー」も現れる。
その条件とは、「カニの兜」「ウスの鎧」「ハチの剣」「クリのお守り」「クソ踏んだ靴」の
5つの装備品をそろえて、竜王国の北東にあるカニカニ洞へ行くこと。
マントーは、そこに住んでいたカニを追い出して、カニの柿を独り占めしている。
装備品からして「さるかに合戦」のオマージュと思われる。
このマントーはおなじみの強力な技「馬鹿(うましか)の術」を放ってくるが、
勝てばスバルのペットとして飼うことができる。
しかも、マントーは不死身のため、いくら放置しても死ぬことはない。
お笑い芸人「今田耕司」のゲスト出演
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本作には、芸人である「今田耕司」がゲスト出演している。
本作の販売当時、テレビ番組にてタイアップ企画をやっていたからだとのこと。
出現条件はかなり厳しく、以下の時間条件・場所でしか現れない。
・1996年1月9日-2月3日 午前0時50分-0時59分 火熊神社・境内
・1996年2月6日-3月2日 午前0時50分-0時59分 孔雀神社・境内
・1996年3月5日-3月30日 午前0時50分-0時59分 犬神神社・境内
少数だけ生産された幻のカセット『天外魔境ZERO 少年ジャンプの章』
本作には、「天外魔境ZERO 少年ジャンプの章」という特別版のカセットがある。
週刊少年ジャンプにて行われた抽選プレゼントでのみゲットできた非売品の幻のソフトであり、
500本しか生産されていないため大変希少価値が高い。
ゲームの内容自体は大きくは変わらないが、
「タイトル画面が違う」「作品内に集英社が建っている」「ジャンプが買える」などの追加要素がある。
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目次 - Contents
- 『天外魔境ZERO』の概要
- 『天外魔境ZERO』のあらすじ・ストーリー
- はじまり
- 火熊国
- 孔雀国
- 鶴国
- 亀国
- 犬神国
- 竜王国
- 高天原(たかまがはら)
- 最終決戦~エンディング
- 『天外魔境ZERO』の登場人物・キャラクター
- 火の一族
- 火眼(ヒガン)
- 昴(スバル)
- 天神(テンジン)
- 水貴(みずき)
- 翡翠(ヒスイ)
- 地獄の軍団
- 絶対レイド
- 地獄の赤丸(あかまる)
- 狂極の怒鬼(きょうごくのどき)
- 砂羅(サラ)
- 樹里(ジュリ)
- 金銀(キンギン)
- ニニギ
- コクビャク
- 神獣
- 火熊
- 孔雀
- 鶴
- 亀
- 犬神
- 竜
- その他
- 百炎(ビャクエン)
- ゲンコツ
- ビンタ
- 炭仙人
- 不知火(シラヌイ)
- アグニ
- 弟王
- 兄王
- おミネ
- カブキ一族
- スゴイ武具屋 六助
- お宝ハンター万吉
- まい
- ちとせ
- ビナン仙人
- カレン仙人
- ネズミオヤジ
- 花丸一家
- ミツコ姫
- 火立村の長老
- マントー
- 今田耕司
- 『天外魔境ZERO』のゲームシステム
- 戦闘画面、基本表記
- 奥義
- ヒガンの奥義
- 火炎斬り
- 稲妻斬り
- 爆裂斬り
- 千人斬り
- ばさら斬り
- 竜神斬り
- スバルの奥義
- 火炎の象
- 電気なまず
- 風のはやぶさ
- 鋼鉄の獅子
- 冷界グモ
- 猪鹿チョウ
- 舌好チョウ
- 歌舞伎チョウ
- 極楽チョウ
- テンジンの奥義
- 口うつし
- 姿うつし
- 闇うつし
- 夢うつし
- 月うつし
- 心うつし
- みずきの奥義
- 火炎返し
- やまびこ返し
- 地獄返し
- ちゃぶ台返し
- つばめ返し
- どんでん返し
- その他のキャラの奥義
- 大ゲンコツ
- 往復びんた
- さよなら
- 奥義のカットイン
- マもの
- 巻物
- PLGS(パーソナル・ライブ・ゲーム・システム)
- 月ごとに行われるお祭りと開催する国一覧
- 1月:正月祭り(孔雀国)
- 2月:節分祭り(火熊国)
- 3月:ひな祭り(鶴国)
- 4月:花見(孔雀国)
- 5月:こどもの日(亀国)
- 6月:ゲンブ祭り(亀国)
- 7月:七夕祭り(犬神国)
- 8月:旧暦の七夕祭り(鶴国)
- 9月:月見祭り(犬神国)
- 10月:鶴見祭り(鶴国)
- 11月:神無月
- 12月:三太祭り(火熊国)
- 『天外魔境ZERO』のアイテム
- 武器装備 / 三種の神器
- 神獣の石
- 回復アイテム
- クサだんご
- まんじゅう
- ガマのあぶら
- いのちのさけ
- きせきのさけ
- マンダラのふえ
- 『天外魔境ZERO』の用語
- 火の一族
- 地獄の軍団
- 神獣
- 高天原
- 永遠の火
- 仙人
- 出会い茶屋
- 卵屋
- 『天外魔境ZERO』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「スタッフの子供に遊んでほしい」との想いがきっかけになった『天外魔境ZERO』の開発
- 奥義「鏡映し」を用いたレベル上げの裏技
- 複数用意されている敗北時の演出
- クリア後の選択肢と「ふたたび」モード
- 『天外魔境シリーズ』でおなじみのキャラクターのゲスト出演
- お笑い芸人「今田耕司」のゲスト出演
- 少数だけ生産された幻のカセット『天外魔境ZERO 少年ジャンプの章』