天外魔境ZERO（ゲーム）のネタバレ解説・考察まとめ

2024.02.22

『天外魔境ZERO』とは、ハドソン社（2012年コナミ社に吸収）より1995年に発売されたロールプレイングゲーム。PCエンジンなどで展開してきた天外魔境シリーズにおける外伝的な扱いの作品であり、唯一のスーパーファミコン作品。企画・原案は『サクラ大戦』『魔神英雄伝ワタル』シリーズで知られる広井王子。
物語の舞台は、「外国人からみた誤った日本観」をコンセプトとした架空の国「ジパング」。天より600年前に地上に降りてきた、人間とは異なる種族・火の一族と地獄の軍団との戦いを描く。

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出典： twitter.com

半魚人のような恐ろしい姿を見せるサラを、火の一族3人で打ち倒す。

激しい水流攻撃などに耐えつつ、サラを打ち破ったヒガンたち。「ジュリ姉さん…ごめんなさい…私、しくじったみたい…」その声に応えるように、サラのそばに突然ふくよかな体型の女が現れる。「美しさなんかにこだわってるから負けるのよ、サラ！」その女こそ、サラの実の姉であり、鶴国の隣国である亀国を支配する地獄の四番隊長・「樹里（ジュリ）」であった。すでに息絶えているサラを見たジュリは、「安心しなさい…お前の美しい肉体を火の勇者なんかには渡さない。血の一滴まで食べてあげるわ！」と言い、サラの死体を食べ、取り込んでしまった。襲い掛からんとするテンジンをいなし、ジュリは続ける。「せっかく600年ぶりに会ったんだから、私の城『怪樹（かいき）城』に招待するわ」そう言い残し、ジュリは消えてしまった。ヒガンたちはあっけにとられるも、崩れゆくまぼろし城をあとにするのであった。

サラを倒したことで鶴国を埋め尽くしていた砂はなくなり、豊かな水が戻り、神獣・鶴の封印も解かれた。「あなたたち火の一族に助けられるのは、600年前に続きこれで2度目、感謝の言葉もありません…さあ、これを受け取ってください」ヒガンたちは、鶴の力が込められた「鶴の石」を受け取る。「私は火の一族に、命を守る優しい心を教わった。だから私はニニギ様に背き、火の一族の味方となったのです」各国を守護する神獣たちは、実は本来ニニギの配下であり、地獄の軍団に属する獣たちであった。しかし火の一族の心にふれ、ニニギを裏切ったのであった。「私はそれを、600年経った今も後悔はしていない。むしろ、感謝しているのです。ありがとう、火の一族よ。そして、かならずやジパングに平和を…」鶴の言葉を背に、ヒガンたちは亀国へと向かう。

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突如現れた地獄の隊長・ジュリ。妹であるサラの死体を取り込んでしまう。

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600年前に地獄の軍団を裏切ったことを後悔はしていないと話す神獣・鶴。ヒガンたちに「鶴の石」を渡し、想いを託す。

亀国

鶴国と亀国の国境は、ジュリの力によって樹海に埋め尽くされていた。手ごわい敵、毒の沼を潜り抜けたヒガンたちは亀国・亀岡神社に到着する。すると、突然ジュリが、地面から湧き出てヒガンたちの前に現れた。どうやら、ジュリはこうしてヒガンたちの行く先々に出てくるつもりのようだ。ジュリは驚く3人を気にせず、神獣・亀を封印したこと、亀国の3つの村の境目すべてに樹海を張り巡らしたことを説明してくる。そして、ヒガンたちは亀国の3つの村を巡る。ある村では村人が頭に木を生やされてしまっていたものの、その木々でお花見をしたりとどこか楽観的な雰囲気であったり、ある村では村人が樹木そのものに変えられてしまっていたりと、ジュリは力を使い人々をもてあそんでいた。そして、ある村でヒガンはまたも謎の剣士に出会う。「サラを倒すとは、さすが我が友、ビャクエンの孫といったところか…ジュリにはせいぜい踊らされないことだ。お前の活躍に期待させてもらおう…」

その後、再度ヒガンたちの前に現れたジュリは、今度は自分の城の庭である「ジュリのお花畑」に来るように促してくる。ジュリのお花畑は、これまでの樹海よりもさらに入り組んだ迷路になっていた。3人は、ジュリによる適当な案内の立て札に惑わされつつも、なんとかお花畑を抜け、ジュリの本拠地である怪樹城にたどり着く。

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樹海には、眠り攻撃などの厄介な攻撃を繰り出す敵が多く潜んでいる。

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ヒガンたちの行く先々に現れるジュリ。どこか調子が狂うような、ひょうひょうとした態度をとる。

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またも黒ずくめの剣士に出会うヒガン。火の一族と地獄の軍団との戦いを傍観するつもりのよう。

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ジュリによって頭に木を生やされてしまった村人たち。実害はそこまでないようで、楽観的。

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この村では、村人たちが樹木そのものに変えられてしまっている。身動きができず、村人は壮絶な苦しみを味わう。

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ジュリの待つ怪樹城にたどり着くためには、迷宮ともいえるほどに入り組んだ花畑を抜ける必要がある。

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城の壁に村人たちが埋め込まれている。植物に捕食されているようだ。

「物理攻撃しかできない塔」「巻物しか使えない塔」「どう答えても敵と戦わされるクイズ」など、ジュリらしいいやらしさに溢れたトラップをなんとか退け、ヒガンたちはジュリが待つ「花のお部屋」に踏み入る。ジュリは、テンジンに語りかける。「懐かしいでしょう、テンジン…ここだよ、私の妹、『水貴（みずき）』がお前と結ばれたのは」驚くヒガンとスバル。サラやジュリが話していたみずきとは、2人の妹のことであったのだ。テンジンは、600年前にこの部屋で起きたことを思い起こす…。テンジンとみずきは、火の一族と地獄の軍団という種族の垣根を超えて愛し合う中であった。しかし、地獄の軍団を裏切ることを許さないジュリは、テンジンの目の前でみずきを殺してしまう。「みずきーーーーーー！！！！」亡骸を抱き起し、名前を叫ぶテンジン。ジュリはその様子をあざ笑う。「みじめだねぇ火の一族は。好きな女ひとり、守れないのかい？めめしいねぇ火の一族は。こんなことで、泣きわめくのかい？たかが女ひとりじゃないかい…そんなに悲しいのなら、みずきをお前の中に入れてやるよ」そう言うと、ジュリはみずきの死体に手をかざす。すると、みずきの体は光を放ちながら宙に浮いていく。「みずき…お前を、お前の愛した男の中に入れてやるよ…さあ、受けとり！テンジン！」ジュリは、そういうとみずきの体をテンジンに吸収させてしまう。「うううわあああああああああ！！」もがき苦しむテンジン。これが、600年前にこの部屋で起きたことであった。

「思い出したかい？テンジン…じゃあ、久しぶりにみずきに会わせてやるよ！この『マンダラの笛』でね！」そう言うと、ジュリは奇妙な形の笛を吹き、その音色を響かせた。それを止めようとしたテンジンは、笛の音を聞くなりもがき苦しみ始める。「うあああああああああ…」うずくまるテンジン。スバルが駆け寄り、「テンジン！！死んじゃった？死んだ？」とのぞき込むと、そこにはテンジンの姿はなかった。代わりに、明るい赤い髪をした女性がそこにはいた。正確には、テンジンが赤い髪の女性に変わってしまったのだ。「はあ…はあ…ジュリ…お前…私をこんな…」女がジュリを睨む。「久しぶりだねえ、みずき。どうだい？愛しい男の体の中は。嬉しいだろ？姉さんの、可愛い妹へのたった一つの思いやりだよ…」テンジンに代わって出てきたこの女性こそが、みずきであった。「あんたは！あんたら地獄の奴らは！！いつもそうやって！！！」叫ぶみずきに、ジュリは「気に入らないのかい？」と返す。「ああ、気に入らないね！！あんたのやり方が！！地獄の奴らのやり口がね！！」今にも斬りかからんとするみずきを、ジュリはあざ笑う。「ならいっそ殺してやるよ…今度はテンジンと一緒にね。そこの火の勇者たちも一緒がいいかい…可愛い妹が悲しまないよう、たくさんで殺してあげるよ！」樹木が体の一部となっている真の姿に変身しながら襲いかかってくるジュリに、みずきは「来な！！ジュリ！！殺してやるよ！！！！！」と向かっていく。

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サラやジュリが言う「みずき」とは、テンジンが600年前に死別した恋人のことだった。この広間で、みずきはジュリに殺された。

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600年前を思い起こすテンジン。目の前で愛する人を殺された悲しみと怒りに震える。

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不思議な力で、みずきの死体をテンジンの体内に吸収させるジュリ。

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ジュリが「マンダラの笛」を吹くと、苦しみ倒れるテンジン。ヒガンとスバルが駆け寄ると、そこにいたのはテンジンではなく赤い髪をした女性であった。

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テンジンの中に眠っていたみずき。600年前に自身を殺したジュリを、今度は自分が殺してやると向かっていく。

ヒガン、スバルはみずきと共闘し、ジュリを打ち倒す。悲鳴をあげ、倒れるジュリ。「わーい！しつこいオバチャン、死んだ！」ジュリにかけよるスバルを「まだだよ！妖精！」と止めるみずき。ジュリは死んだフリをしていたのだ。「さすが身内だねぇ、ダマされないかい」と起き上がりつぶやくジュリに「うるさい！あんたらとの縁は切った！！」とみずきは返す。それを聞いたジュリは、ある人物の名前を呼び始めた。「サラ！サラ！！出ておいで！2人でこの不届きな妹を殺してあげましょう…地獄の3番隊長・サラと、地獄の4番隊長・ジュリの合体した姿でね！」そう言うと、ジュリは自身が取り込んだサラを呼び出し、融合した異形の姿で襲ってくるのだった。

特殊な攻撃でヒガンたちを惑わすジュリ・サラ。3人はそれをなんとか退け、ついに打ち破った。「みずき…なんでお前が、姉さんたちに勝てるんだい…なぜ、弱い火の一族が、勝てるんだ…！！みずき…なぜ火の一族の味方をするんだい…」倒れこむジュリ・サラ。それに、みずきが語りかける。「そうさ、火の一族は弱いよ！姉さんたちや私…地獄の者たちよりも。でも、皆で力を合わせるんだ！助け合って、励まし合って…ニニギのように、自分が生み出した人間を、何万人も殺すようなマネはしない！」そして、うずくまるジュリ・サラに歩み寄るみずき。「火の一族はね…姉さんが…妹を…殺したりしないんだよ！！」ジュリ・サラはそれを聞き、言葉を絞り出す。「み…ず…きぃ…あんたは…姉さんたちを、殺した…」みずきがその言葉に応える。「そうだよ！私は地獄の者だ！ニニギの戦士だ！だけど、ニニギのやり方にはついていけないんだよ！！だから私は…テンジンを愛したんだ…！ごめんね…ジュリ姉さん…サラ姉さん…」その言葉に、ジュリ・サラは激昂する。「み…ずきぃぃ！！許さないよ！！裏切ったのは、お前だ！お前は、ニニギ様の裁きを受けるのだ！！」ジュリ・サラは、裏切ったみずきをあざ笑いながら、消滅していった。

ジュリ・サラが消え去ったあとには、マンダラの笛が残っていた。笛を手に取るみずきに、スバルが詰め寄る。「テンジン！テンジンじゃないの？」みずきは、スバルの言葉に微笑みながら「ああ…私はテンジンじゃない、みずきだ。テンジンを愛した女だ…テンジンは私の中にいる。テンジンの中には…私がいる」みずきは、ヒガンに笛を預ける。「その笛を吹けば、テンジンが現れて私が消える。テンジンにその笛を吹けば、テンジンが消え、私が現れる。そして…私はテンジンには会えない。テンジンも私には会えない…」それを聞き、スバルは「テンジンもみずきも、かわいそう…」とつぶやく。その時、怪樹城が崩れ始め、ヒガン、スバル、みずきは城を脱出するのであった。

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自身の体力や技の数値をわかならくするなど、特殊な攻撃を繰り出してくるジュリ。

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吸収したサラと合体するジュリ。おぞましい姿となり、ヒガンたちを襲う。

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実の姉たちを打ち破ったみずき。火の一族の優しさに触れ、寝返った自身の想いを話す。

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600年前に自身を殺した相手とはいえ、実の姉たちを手にかけたことを悲しむみずき。

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