歴代ゴジラの作品像、描かれ方、設定、特徴、見た目・ビジュアルまとめ

東宝が誇る世界の怪獣王、ゴジラが初めてスクリーンに姿を現したのは1954年。そこから現在に至るまでゴジラは姿形設定を変え、見るものを魅了してきた。1954年から2018年までスクリーンに登場してきた歴代のゴジラの劇中での作品像、活躍、描かれ方、設定、特徴、見た目・ビジュアルに焦点を充ててまとめていく。

・身長:55メートルから100メートル
・体重:2万5千トンから5万5千トン
・武器:放射熱線、引力放射能熱線、体内放射など

シンゴジラ(シン・ゴジラ)

概要

2016年に公開されたゴジラ。子供向け、ファミリー路線から外れた巨大生物に対しての対応を示した政治色の強い群像劇。第1作と世界観が繋がっていないという設定が存在しているため、怪獣という概念そのものがなく、ゴジラのことも当初、不明巨大生物と呼称されていた。
2014年に公開されたハリウッド版「GOZILLA」を受け、制作が決定された。累計動員数551万人を達成し、2016年邦画実写映画1位を達成。各批評家より絶賛の声をうけている。「個ではなく塊としての日本人の本質を描いている」と評されている通り、従来のゴジラ映画というよりも、日本という国、政治としての在り方を浮き彫りにした作品である。その反面、ゴジラとしての心理的恐怖を感じないという声も挙がっている。

劇中での活躍

東京湾羽田沖にて突如、大量の水蒸気を発しつつ出現、巨大生物の存在を日本国に知らしめる。その後、東京に上陸、移動のみではあるが甚大な被害をもたらしたあと、突如として進行を停止し海に帰る。再上陸した際は2足歩行の巨大な姿となって再上陸を果たす。陸上自衛隊の猛攻をものともせず、都心に接近していく。米国からの支援を受け攻撃をされた際初めてダメージを受けるも、直後に放射熱線を使用、東京を半壊させるまでの威力を見せる。放射熱線の使用後活動を停止する。ゴジラの活動再開までの間、ゴジラを凍結させる血液凝固剤が完成、日米合同で「ヤシオリ作戦」として実行に移す運びとなり、活動を再開したゴジラを電車を使用した無人爆撃機の突撃で転倒させ、凝固剤を繰り返し投与することで、ゴジラの凍結を成功させる。

特徴

第4形態のゴジラ

第4形態
身長:118.5メートル
全長:333メートル
体重:9万2千トン
武器:放射線流
元々は太古の時代より生き残っていた深海棲の海洋生物が60年前に投棄された放射性廃棄物を大量摂取したことにより、放射能に耐性が付いただけでなく、その影響により突然変異と異常成長を繰り返し誕生したと推測される超生物。その身体には人間の約8倍という遺伝子量が内包されており、世代交代を必要としない単一の個体であらゆる環境に適応する可能性が示唆されている。自由進化と退化も可能とされ、劇中では実に5つの形態変化をしている。最終的には細胞分裂による無性生殖も可能であるとされ、有翼化によるテリトリーの拡大、小型化への変異の可能性も示唆されており、劇中の最後のシーンにおいてもその小型化の個体発生過程も描かれている。
総監督である庵野秀明により「完全生物」としての造形になるよう指示がでていた。そのため今作のゴジラは、まぶたがない、歯がふぞろいという特徴的な外見をしている(完全生物であるがゆえに、目を保護する必要がない、捕食も必要ではないため)。

シンゴジラも放射熱線を使用する。最初は猛烈な勢いで黒煙を吐き出し、それが火炎放射にかわったあと収束して紫色の光線状となり東京を半壊させた。その後は火炎放射を経ずとも光線として発射できるようになり、命中した物体を溶断させる。発射時には下顎をヘビのように左右に展開する描写があり、作中終盤では背びれの発光箇所や尻尾の先端からも発射可能となる。

GODZILLA(1998年アメリカ版)

概要

1998年アメリカで公開されたゴジラ映画。興行的には成功をおさめたものの、従来のゴジラの造形から大きく違っていること、単なるモンスターパニック映画として仕上げられてしまったことで、作品の評価としては酷評が相次ぐという結果となってしまった。

特徴

1998年ハリウッド版のゴジラ。恐竜感が強いゴジラのこの姿には批判が多かった

身長:60メートル(小説版)/幼体時:3メートル
全長:90メートル(小説版)
体重:500トン(小説版)
武器:かぎ爪、パワーブレス(息吹)

ポリネシアに生息するイグアナのような生物がフランスの核実験に遭遇、突然変異して生まれた新種の生物とされている。無性生殖が可能で、一度に200個の卵を産卵するため、数年で人類を滅ぼす可能性も示唆されている。ただ、肉体としては従来のゴジラに比べ、非常にもろく、砲弾で出血をすることもある。
ゴジラシリーズのなかでも、放射熱線を使用することができない唯一の個体である。劇中で放射熱線を使用しているかのような描写があるが、それは出火している場所に息吹を吐きかけて火力を増大させているに過ぎない。特徴的な攻撃手段というものは特になく、巨体と巨大なカギ爪を使用するくらいである。

GODZILLA(2014年アメリカ版)

概要

ゴジラ映画を、レジェンダリー・ピクチャーズ製作で同一世界観のクロスオーバー作品として扱うモンスターバースシリーズとして作られた作品群。2014年に第1作が公開され、2017年には「キングコング:髑髏島の巨神」、2019年、2020年に続編の制作が決定されている。ゴジラだけでなく、東宝を代表する怪獣であるモスラ、キングギドラの登場が予定されており、アメリカの怪獣であるキングコングとの対決もあるといわれている。

特徴

モンスターバース版のゴジラ。ゴジラとしてのリブートを感じさせる姿

身長:108.2メートル
体重:9万トン
武器:放射熱線、尻尾

天然の放射能が地上に満ちあふれ、巨大生物が生きていた2億7000万年前(ペルム紀)に、地球の生態系の頂点に君臨していた生物の末裔とされている。その先祖は長らく地下深くに逃れていたが、たび重なる核実験によって地上の放射線量が上昇したため、地上に再進出を果たした。体内に原子炉のような器官をもち、莫大なエネルギーを生成することが可能になっている。人間には興味を示さずに超然としているが、巨体のため移動するだけで、人間社会に甚大な被害を与える。
放射熱線の使用は可能であり、まさに必殺技として使われている。体内の放射能エネルギーを生体電気で発火させることで、青色の放射熱線として発射する。放射熱線の威力は絶大だが、体力を激しく消耗するのか多用することはできず、作中で2度使用したあとはその場に倒れ込んでいる。

アニメ映画シリーズのゴジラ

概要

2016年に3部作として発表された初のアニメ版ゴジラ映画。脚本に虚淵玄が起用される。ゴジラの破壊活動により、一度は地球を捨て宇宙に逃げた人類が、母星を再び人類のものへと取り戻そうとする姿を描く作品である。2014年頃虚淵が打診されたときは久しぶりの日本産ゴジラがアニメでは立場がないと断るつもりだったそうだが、シン・ゴジラのヒットを受けてその後ならば筋も通ると参加を決めた。従来の日本のゴジラ作品にあった核の脅威という要素、設定は確認されていない。
第1作、2作ともに厳しい批判が続いている作品群であり、興行的に成功をしているとは言い難い状況である。

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