スパイダーマン:ホームカミング(MCU版)のネタバレ解説・考察まとめ
『スパイダーマン:ホームカミング』とは2017年に公開されたアクション映画である。監督はジョン・ワッツ、主演はトム・ホランドが務めている。マーベル・コミックのスパイダーマンを原作とした作品でアクション映画だが超能力を得た高校生の主人公が高校生活とヒーロー活動の両立に悩みながら成長していく人間ドラマも描かれている。
ピーターの側にいて何かと皮肉を言うクラスメイト。不思議なキャラクターで一匹オオカミ、似顔絵を書くことが得意でピーターの似顔絵を描いていたりする。今作ではピーターとはあまり関わりはなかったが、物語のラストでMJと呼ばれているシーンがありスパイダーマンシリーズでヒロインとして登場してきたMJであることは間違いない。次作以降の伏線として登場することになりそうだ。
ネッド(演:ジェイコブ・バタロン)
ピーターの親友でオタク系の男の子。偶然ピーターがスパイダーマンという正体を知ってからは彼の右腕として活躍していく。彼自身はスーパーパワーを持っていはいないが器用でプログラミングが得意。劇中では兵器から動力源を取り出したりスーツのプロテクト(補助輪モード)を解除やピーターと協力して2代目ショッカーを倒すなどの活躍を魅せます。
ユージーン・"フラッシュ"・トンプソン(演:トニー・レヴォロリ)
ピーターのクラスメイトで学力大会のチームメイト。
お金持ちのいじめっ子でピーターを「ペニス・パーカー」と呼んでいじめている。
見た目は従来のシリーズに出てくるようなスポーツのできる白人ではなくグアテマラ系だが知能は変わらず低い。
メイ・パーカー(演:マリサ・トメイ)
通称メイおばさん。
ピーターの育ての母でいつも彼を気にかけている。一方で夫のベン・パーカーを失くしていることからピーターからは心配されている。
今作のメイおばさんは従来のシリーズに比べるとかなり若く描かれていてピーターの衣装を選んだりダンスを教えたりなど行動的な様子が描かれている。
人間ドラマとしてのスパイダーマン:ホームカミング
今作でも従来のシリーズと変わらずにスパイダーマンが縦横無人に街を飛び回りながら敵との戦いを繰り広げるというアクションが描かれている。 CGやスタントを活用したそれらのシーンはこの映画の見所でもある。しかしその一方で人間ドラマとしてもこの作品は楽しむことができる。主人公が大金持ちでも英雄でもないただの"15歳の高校生"という等身大の設定の主人公ことがよりその人間ドラマに見入ることができる要因でもある。
今作で描かれる人間ドラマは"愛"をテーマで展開していて、好きな子との"恋愛"、親から子への"愛情"といった人間ドラマがこの映画では描かれている。
リズとの恋愛
出典: theriver.jp
ピーターとヒロインの恋愛はスパイダーマンシリーズでは鉄板と言えるだろう。「スパイダーマン」でのMJとの恋愛は成就し最終的に結婚に至ったが「アメイジングスパイダーマン」では恋人のグエンをヴィランに殺されてしまうなど常に物語の主軸を担ってきた。今作でも勿論その恋愛が1つ人間ドラマとして描かれている。ピーターはリズに思いを伝えようと健闘しするがスパイダーマンとしての活動が障害になって上手くいかない。いい雰囲気になってもスパイダーマンとしての使命がその恋愛を邪魔するのである。自分のもう1つの姿であるスパイダーマンはリズからも好かれているし自信をいじめる存在なんてない。しかし本当の姿のピーター・パーカーではその逆。なのに自身の正体をクラスメイト達には明かさず1人苦悩しながらも一途にリズを想い続けるこの恋愛は見所でもある。
トニー・スタークとピーター・パーカーが繰り広げる人間ドラマ
ベンおじさんという父がわりの存在を失ったピーターにとってトニーは人生としてもヒーローとしても先輩で正しい道を教えてくれる父のような存在である。子供が親に認められたいと考えるようにピーターもまたトニーに認められたいと考えヒーロー活動を行なっていくのだ。しかしトニーは決して甘やかさずに調子に乗りすぎるなと釘を刺すようにピーターに接していく。この背景にはトニーが今まで自身の力を過信し自己中心的に生きてきたことで生んでしまった悲劇やトラブルがあると考えられる。正しい道を示さなければヒーローという能力は人生において大きな影を落とすと知っている彼だからこそそのような接し方をしているのだ。そんなトニーに対して15歳でまだまだ未熟なピーターは反抗するものの彼の正しさに気づき成長していく。今までは精神的に"子供"とされてきたトニーが今までのシリーズを通し"大人"になり今作では子供を育てていくその姿は非常に面白く魅力的だ。
ヴァルチャーを中心に繰り広げられる人間ドラマ
ヴァルチャーは従来のヴィランとは違い愛情を持っているキャラクターとして描かれている。まず彼がヴィランになった理由はトニー・スタークの設立したダメージコントロール社に半ば強制的に仕事を奪われ仕事がなくなってしまった社員達の生活、そして自身の家族の生活ためだ。つまり家族や社員への愛情を貫くが故にヴィランにならざるを得なかったという異色の経歴を持つヴィランである。あくまでスパイダーマンと対峙する理由も"自分のビジネスがなくなる=家族や社員が生きていけない"という考えからで100%の悪意で行動している訳ではない。そんな家族や社員への愛情を信念に行動する彼が繰り広げる人間ドラマは魅力的だ。
ヴァルチャーの人間ドラマが魅力な理由は彼の行動の理由が”社員と家族のため”という愛情の下に行動しているというからだ。彼の行なっているビジネスは違法な武器の密売というものだが世界征服や大量虐殺を目的とはしておらずある種のサラリーマンのようである。もちろん違法な以上スパイダーマンから狙われ逮捕されることは仕方ないのだがどこか同情してしまうような人物だ。
物語の後半で描かれるパーティー会場へ送るためにヴァルチャーが車にピーターとリズを乗せ運転しピーターだけを車に残し2人で会話をするシーンはヴァルチャーを演じるマイケル・キートンの熱演もあり今作の見所と言えるだろう。
愛する娘の幸せのためにもヴァルチャーはスパイダーマンにお互いが戦い合うことをやめて社員と家族のためにもビジネスをさせてくれと言うのだ。問答無用でピーターを殺せる状況ながらも娘のために殺意を抑えてお互いがWin-Winの関係になることを提案するその姿は男らしさに溢れている。
しかしピーターはその話を断りリズへの愛よりもヒーローとしての責任を取りヴァルチャーを倒し彼は逮捕されてしまう。そして父が逮捕されたリズはショックを受け転校してしまい彼女との恋愛にも終わりを迎えてしまう。
劇中で繰り広げられる愛する娘や妻のために密売をせざるを得ないヴァルチャーと好きな子との関係が終わってしまうにも関わらず自身の正義のために逮捕せざるを得ないスパイダーマンという関係性がアクション映画としてではなくこの映画の人間ドラマ的な側面を際立たせているのだ。
『スパイダーマン:ホームカミング』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
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目次 - Contents
- 『スパイダーマン:ホームカミング』の概要
- 『スパイダーマン:ホームカミング』のあらすじ・ストーリー
- 『スパイダーマン:ホームカミング』の主要な登場人物・キャラクター
- ピーター・パーカー / スパイダーマン(演:トム・ホランド)
- トニー・スターク / アイアンマン(演:ロバート・ダウニー・Jr)
- ハッピー・ホーガン(演:ジョン・ファヴロー)
- エイドリアン・トゥームス / バルチャー(演:マイケル・キートン)
- リズ(演:ローラ・ハリアー)
- ミシェル・ジョーンズ(演:ゼンデイヤ)
- ネッド(演:ジェイコブ・バタロン)
- ユージーン・"フラッシュ"・トンプソン(演:トニー・レヴォロリ)
- メイ・パーカー(演:マリサ・トメイ)
- 人間ドラマとしてのスパイダーマン:ホームカミング
- リズとの恋愛
- トニー・スタークとピーター・パーカーが繰り広げる人間ドラマ
- ヴァルチャーを中心に繰り広げられる人間ドラマ
- 『スパイダーマン:ホームカミング』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ホームカミングの意味
- モリタ校長の正体
- ピーター・パーカーはスターウォーズファン?
- ピーター・パーカーは「アイアンマン2」に出ていた?
- トム・ホランドのオーディション合格通知は意外な方法だった。
- 『スパイダーマン:ホームカミング』の主題歌
- OP:マイケル・ジアッチーノ「Theme (from "Spider Man")」
- ED:ラモーンズ「Blitzkrieg Bop」
- ED(日本語吹き替え版):関ジャニ∞「Never Say Never」