美女と野獣(ディズニー映画)のネタバレ解説・考察まとめ
フランスの民話を元に1991年に制作されたディズニーの長編アニメーション映画作品。魔女の呪いによって醜い野獣に姿を変えられた古城の王子と美しく聡明な街の娘ベルとの奇跡の愛の物語。ロマンティックな音楽と美しい映像が全編を彩り、信じ合うことで起こる不思議な奇跡が深い感動を呼び起こすファンタジー・ラブストーリー。アニメ作品として初のアカデミー作品賞にノミネートされ、さらに作曲賞と歌曲賞を受賞した。
Read Article
フランスの民話を元に1991年に制作されたディズニーの長編アニメーション映画作品。魔女の呪いによって醜い野獣に姿を変えられた古城の王子と美しく聡明な街の娘ベルとの奇跡の愛の物語。ロマンティックな音楽と美しい映像が全編を彩り、信じ合うことで起こる不思議な奇跡が深い感動を呼び起こすファンタジー・ラブストーリー。アニメ作品として初のアカデミー作品賞にノミネートされ、さらに作曲賞と歌曲賞を受賞した。
フランスの民話を元に1991年に制作されたディズニーの長編アニメーション映画作品。魔女の呪いによって醜い野獣に姿を変えられた古城の王子と美しく聡明な街の娘ベルとの奇跡の愛の物語。ロマンティックな音楽と美しい映像が全編を彩り、信じ合うことで起こる不思議な奇跡が深い感動を呼び起こすファンタジー・ラブストーリー。アニメ作品として初のアカデミー作品賞にノミネートされ、さらに作曲賞と歌曲賞を受賞した。
Read Article
『アナと雪の女王』とは、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作による2013年公開のアメリカ合衆国の映画である。日本では『アナ雪』の略称でも呼ばれ、大ヒットを記録した。ディズニー史上初のダブルヒロインともなる今作で描かれるものは、従来のディズニープリンセスの映画では描かれてこなかった愛の形がある。アナ雪で描かれる愛の形について、他のディズニープリンセス作品と比較しつつまとめていく。
Read Article
『美女と野獣』(原題:Beauty and the Beast)は2017年にアメリカで制作された映画。1991年に制作された、ディズニーアニメーション不朽の名作を完全実写化。魔女の呪いによって醜い野獣の姿に変えられてしまった王子と、孤独を抱えながらも前向きに生きる美しい娘ベルが出会い次第に惹かれあっていく模様を描く。愛すること、信じ抜くことを描くファンタジーロマンス。
Read Article
ディズニープリンセスとは、これまでに制作されたディズニー作品に登場するプリンセスたちの総称である。白雪姫、シンデレラ、オーロラ、アリエル、ベル、ジャスミン、ポカホンタス、ムーラン、ティアナ、ラプンツェル、メリダ、モアナ、ラーヤがアメリカ公式サイトで発表されているディズニープリンセスだ。その他、ソフィアやヴァネロペ、エレナなどもプリンセスとして扱われることがある。
Read Article
『ディズニー100 フィルム・フェスティバル』とは、ディズニー創立100周年を記念して行われる映画の祭典。過去に公開されたディズニー映画の中から厳選された作品が、全国100か所の映画館で1日だけ特別上映される。『アナと雪の女王』、『ベイマックス』、『シンデレラ』、『モアナと伝説の海』、『リトル・マーメイド』、『ズートピア』、『塔の上のラプンツェル』、『ファンタジア』の計8作品を、2023年10月の毎週土日限定で見ることが可能。9月24日には公開直前のイベントも実施される。
Read Article
『トイ・ストーリー』シリーズとは、ピクサー・アニメーション・スタジオが1995年から作成した『トイ・ストーリー』をはじめとする長編アニメシリーズ。1999年に『トイ・ストーリー2』。2010年に『トイ・ストーリー3』、2019年に『トイ・ストーリー4』が公開された。人格があるおもちゃを主人公としたストーリーで、1作目である『トイ・ストーリー』は世界初のフルCGアニメーション作品として注目を集めた作品。ここでは、そんな『トイ・ストーリー』シリーズに登場する数々の名言を紹介。
Read Article
『ノートルダムの鐘』とは、1996年に公開されたウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ作品で、容姿が醜いことで周囲から酷い扱いを受けるカジモドが1人の女性に恋をする物語である。ディズニー作品といえば、プリンセスとプリンスが結ばれるストーリーで、年齢問わず楽しめるテーマが多い。一方で、今作は社会問題の1つである「差別」をテーマとした描写が見られ、歴史上差別対象となった「ジプシー」と呼ばれる民族が登場することからディズニー映画の中でも大人向けで異質なストーリーとなっている。
Read Article
ディズニー製作の大ヒットアニメ映画。 貧しい青年アラジンが王女ジャスミンと出会うことから話は始まる。 願いを三つ叶えてくれるランプの魔人・ジーニーは貧しいアラジンを王子に変身させ、ジャスミンとの恋の成就を後押しする。 しかし、最大の敵であるジャファーの魔の手が忍び寄るのであった。 アラジンとジャスミンが魔法の絨毯で空を舞う際に流れる「ホール・ニュー・ワールド」は珠玉の名曲として知られる。
Read Article
『ムーラン(原題:Mulan)』とは、アメリカのディズニーで1998年に制作された、古代中国を舞台としたディズニー映画である。中国の伝説の人物である「花木蘭」をモデルに描かれている作品。2020年には実写映画化もされたが、こちらの作品は多くの波紋を呼んでいる。古くからのしきたりに従う周囲に求められる女性としての自分、自分らしく振る舞いたいという気持ちを持つ自分とで葛藤をするムーランが、父の代わりに男装して出兵することをきっかけに多くの困難を乗り越える過程と成長する姿を描いた物語である。
Read Article
ピクサーによる生きたおもちゃの物語3作目です。おもちゃで遊ばなくなったアンディと、遊んでほしいおもちゃたち。大学に同行するカウボーイ人形のウッディ以外は、捨てられたと思い込んで保育園に寄付される道を選びます。そこが、おもちゃの楽園に見せかけた地獄だとも知らずに。容赦ない展開と冒険に手に汗握る、それでいて爽快にして感動の物語です。ジョン・ラセター製作総指揮、リー・アンクリッチ監督。
Read Article
『Mr.インクレディブル』とは、ディズニー配給・ピクサー製作、ブラッド・バード監督による長編フルCGアドベンチャー・アニメーション映画。一般市民として暮らしていた驚くべき怪力を持つ元スーパーヒーローが、謎の伝言が届いたことから、再びスーパーヒーローとして同じように特別なパワーを持った妻や子供たちとともに邪悪な敵に立ち向かう。2004年製作・アメリカ作品。
Read Article
「リメンバー・ミー(Coco)」とは2017年に公開されたアメリカのフルCGアニメーション映画作品。ピクサー・アニメーション・スタジオの劇場公開長編第19作目。家族に反対されながらもミュージシャンを志す少年が死者の世界に迷い込み、自身の先祖に関する秘密を知っていくストーリー。家族の絆をテーマとしている。
Read Article
「カーズ」は2006年6月9日に公開のピクサーによって制作された長編アニメーション映画作品。第64回ゴールデングローブ賞アニメーション映画賞を受賞。車の世界を舞台にした圧倒的なスケールとスピード感溢れる映像、そして温かい物語のラスト。名曲も多いと話題の映画。期待のレーシングカー、ライトニング・マックィーンが小さな町の住人たちとの出会いをきっかけに大切なものを学び成長していく物語。
Read Article
ジョン・ラセター監督による、生きたおもちゃたちの冒険を描くアニメ映画の2作目。アンディ少年の親友、カウボーイ人形のウッディは、実はプレミア人形。おもちゃ屋の社長にビジネスの道具として持ち去られた上、オフィスのおもちゃ達からいずれ持ち主から忘れられると聞き、帰るべきか迷います。一方、アンディの部屋では捜索隊が組まれてウッディの救出に向かうのでした。前作以上に見せ場もメッセージも盛り込まれています。
Read Article
『モンスターズ・ユニバーシティ』とは、2013年にディズニーとピクサーによって制作された映画である。略称は『MU』。2001年に公開された『モンスターズ・インク』の続編で、最強の怖がらせ屋のモンスター・マイクとサリーの大学時代が舞台となっている。夢に向かってひたすら努力をするマイクと、才能に頼って努力を怠けるサリーの出会いと成長を描いた冒険物語になっており、マイクとサリーの関係性の変化や、前作とのつながりが描かれている。
Read Article
『魔法にかけられて』とは、2007年にウォルト・ディズニー・ピクチャーズが製作したミュージカル映画。ディズニー伝統のアニメーションと実写を融合し、過去のディズニー作品からのセルフパロディや楽しいミュージカルナンバーを随所にちりばめて描いたファンタジック・ラブ・コメディ。王子との結婚式の日に魔女に騙されて現代のニューヨークへと送り込まれたおとぎの国のプリンセス・ジゼルは、見知らぬ世界の中で困り果てていた時、弁護士の男性・ロバートと出会い、やがて彼に惹かれていく。
Read Article
2011年7月30日公開の大人気カーズシリーズの第2弾。ピクサー映画で「トイ・ストーリー」シリーズ以外で初めての続編長編作。ジョン・ラセターとブラッド・ルイスの共同監督。カーズの主人公「ライトニング・マックィーン」が仲間たちと一緒にワールド・グランプリに出場する。初めてレースについてきた親友の「メーター」がスパイと間違われ悪の組織と闘うことになる。メーターが大活躍する友情がテーマの物語。
Read Article
『塔の上のラプンツェル』とは、2010年11月24日にアメリカで公開された、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオが製作の第50作目の長編アニメーション映画である。バイロン・ハワードとネイサン・グレノが共同で監督を務めた。魔法の髪を持つ少女ラプンツェルは幼い頃、魔法の髪を独り占めしようとしたゴーテルにさらわれ、森の中の塔で育てられた。塔から出ることを許されず、誕生日にだけ空に浮かぶ灯りを間近で見るのが夢だった。そんな所に現れた青年フリン・ライダーとその灯りを見に行く旅に出る。
Read Article
『モンスターズ・インク』とは、ディズニーとピクサー製作の長編3DCGアニメーション映画。公開前から、ユニークで愛らしいキャラクターが脚光を浴び、2001年、全米で記録的な大ヒットとなった。夜な夜な子どもたちを脅かすくせに実は子どもが大の苦手というモンスターたち。彼らの世界に小さな女の子が紛れ込んだことから巻き起こる騒動を友情と愛情を織り交ぜてコミカルに描く。ベテランアニメーター、ピート・ドクターの初監督作品。
Read Article
『ムーラン2(Mulan II)』とは、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ製作、ディズニーの人気作品『ムーラン』の続編である。『ムーラン』の物語から1ヵ月後、主人公のムーランとシャン将軍が新たな任務を受け、旅に出る物語である。そのため、前作とリンクする部分も多々見受けられる。2005年にアメリカで公開された。日本では劇場での公開は無かったが、2004年に先行してビデオで販売された。一方で、主要キャラクターの中には今回新たに登場する者もおり、新しい『ムーラン』を見せることにも成功している。
Read Article
『シュガー・ラッシュ』とは、アメリカ合衆国で2012年11月2日、日本で2013年3月23日に公開されたウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作の第52作目のアニメーション映画である。監督はリッチ・ムーアが務めた。また、タイトルは作中に登場するアーケードゲームの名前でもある。ゲームの世界で悪役を演じるラルフは、ヒーローになる夢を叶えるため潜り込んだレースゲーム「シュガー・ラッシュ」の世界で少女ヴェネロペと出会い、二人は互いの夢のために協力することになる。
Read Article
「アナと雪の女王」はアメリカ合衆国の3Dコンピュータアニメーション・ミュージカル・ファンタジー映画。 日本ではアナ雪の略称でも呼ばれる。 王家の娘、2人の主人公アナとエルサを待ち受ける過酷な運命を描く。 大人から子供まで楽しめるウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの名作。
Read Article
ピクサー製作、ジョン・ラセター監督による長編アニメ映画。人間の目がない所でおもちゃが動くという設定に、独自の味付けが成されています。古いカウボーイ人形のウッディは、新しくやって来た宇宙飛行士人形バズにより持ち主の「一番のお気に入り」の座を奪われます。その逆恨みが元で様々な困難に見舞われるのでした。厳しい現実をユーモラスに描きつつ、友情や冒険の要素も盛り込んだ、大人も子供も楽しめる作品です。
Read Article
『ズートピア』とは、2016年にウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオより公開されたアニメーション映画。第89回アカデミー賞長編アニメ映画賞受賞作品。肉食動物と草食動物が共に暮らす大都会ズートピアを舞台に、新米警察官のウサギのジュディ・ホップスと、キツネの詐欺師ニック・ワイルドの2人が、連続行方不明事件を解決するために奮闘するメディ・アドベンチャー。作品のテーマとして人種差別などの社会問題が描かれている。
Read Article
実写版「美女と野獣」は2017年に公開されたディズニー映画作品です。1991年に長編アニメーションとして公開された「美女と野獣」をベースに、新たな曲や伏線を加えてリメイクされています。
ヒロインのベル役を演じたのはエマ・ワトソンさんです。主人公ベルは「女性として生きる強さ」を持っています。女性としての強さや賢さを持つ、エマ・ワトソンさんの姿はベルそのもので、より一層視聴者を物語に引き込んでいきます。
フランスを舞台としたこの作品は、愛することや思いやりを持つことの大切さを語っています。そして、誰しも一人では生きていけないことを教えてくれます。
CGが施されているとは感じないほど自然な家具たちの動きや野獣のリアルさは1つの見どころです。
この映画で加えられた音楽の数々は、原作ではクローズアップされていなかったキャラクターの心情を詩っています。『時は永遠に』ではベルの父親の過去を愛する心情を、『ひそかな夢』では愛を愛のために手放す野獣の心情を表現しています。
全体的にどこか不思議な雰囲気があり、暗くも感じます。魔女の呪いをかけられたお城だからこその空気感であり、魔法が解けるときの感動は言葉では表せないほどです。
各場面ごとに散りばめられた、人の想いと音楽が作り出す感動を味わってほしいです。
ベルが変な子扱いされていますが、ベルって実はすごい若い子設定のはずだから物語に深くハマるってのもわかるけどなあと思いました。随分保守的な村の話で、だからこそ、ストーリー展開が面白いです。それに楽曲もぜんぷすばらしかったです。ベルがガストン夫人なんて嫌って歌うところがお気に入りです。村の女の子にはモテてるガストンに対してひどい言いようでした。でも、私もガストンは嫌です。なぜ人気なのかがわからない。まあ、ああいう男らしいのが人気というのも保守的な村の表れなんでしょう。
野獣についてはすごくかっこいいです。野獣のときだって、かっこいい気もするのですが、まあ、ほんとに野獣に会ったらそりゃあ怖いかもしれません。でも、すごく優しい人です。昔、魔女に無礼な振る舞いをして、魔法をかけられたとは思えないほどです。2人の恋は、どっちも頑固な方でなかなか進まなかったけど、それがなんとも胸キュンでした。野獣がベルのために図書館を開放するところが好きです。女が本なんてとか言わないで、本が好きな人には本を!これが本当のプレゼントだと思います。とてもロマンチックで素敵な作品で、子供の頃からの憧れでした。大人になってみてもいいものだなと思いました。
最初、町の人がベルをおかしな子だと歌うところがありますが、別に変な子だとは思いません。なんていうか、女の子が年頃になっても物語とかを読んだり、勉強みたいなことをしてるのを変というなんて時代だなと思います。ていうか、あれってフラッシュモブのはしりでしょうか。とても愉快な場面です。ベルは野獣が元の姿に戻る前に野獣と庭で遊んだり本を一緒に読んだりして、好きになっていきます。これはほんとに見た目は関係ないねという話になってるなと思いました。野獣はわるいことしたから、野獣に変えられたのは意味あったかもだけど、周りの従業員たちはかわいそうだったよなと思いました。ろうそくが歌うたった1人のゲストだという歌が、一応コミカルな場面なのになんとなく切ない感じなのは、給仕をしたりしたいのにこんな姿に変えられてできなかった悲しみが出ているからでしょうか。結構切ない話だったなと思います。あと悪役のガストンが私から見ると、ただやな奴で恋のライバルになどなりえない奴だなと思いました。まあ、子供向けだしどちらもいい人だけど、野獣を選ぶって話にするとわかりにくかったのかなとは思いますが、そういう話でも面白かったかなと思いました。
ディズニーの映画はやはり歌がいいなと思います。中でも本作は最初のベルの説明のところから歌でとても面白いです。今まで普通にいた人がぞろぞろと歌い出し、歌い終わるとバラバラになるという、フラッシュモブの走りだなと思いました。ヒロインのベルは、みんなに歌で歌われているとおり、ちょっと風変わりでオタク気質で好感が持てます。野獣も野獣といってもなかなかハンサムなビジュアルだし、優しげだし、まあ惚れてしまうのもわかります。ライバルの男ガストンはモテモテ男の設定ですが、なんか偉そうだし、ベルがミセスガストン、ご冗談というのもわかります。でも、映画内ではモテているので、強さイコールかっこよさのような時代だったのでしょう。他にも、物に変えられてしまった使用人たちもユニークだし、ベルのお父さんも変わっているし、ディズニーの中でも、群を抜いて変わった人たち勢揃いという感じなのではないでしょうか。ディズニープリンセスと言われますが、その中でも庶民的で変わった親がいるという親しみやすさがベルの人気の秘密かもしれません。最後、ベルの愛で野獣の呪いは解けますが、野獣のままでも十分お似合いのベストカップルだと思いました。
童話の『美女と野獣』はディズニー映画でお馴染みですが、フランス版の実写映画として作られたこの作品は、新しい解釈を試みていて、従来の物語とは一味違ったストーリーが楽しめます。
今回スポットライトが当たるのは野獣の過去です。なぜ野獣が今のような恐ろしい姿になってしまったのか?そこにはどういった経緯があったのか?その辺りがドラマチックに語られています。この切なくも悲しいストーリーを映画の中に入れることによって、単なるお伽話ではない、大人が観ても楽しめる洗練された物語になっています。
そして、その秘密を暴いていくのは美女であるベル。知的で芯の強いベルをレア・セドゥが演じているのですが、自ら積極的にストーリーを動かしていく現代的な女性像が、クールでスタイリッシュな雰囲気の彼女の魅力とマッチしていました。まさにこの古くからある物語に新しい風を吹き込むことに成功しています。
また、映像面ではディズニーのアニメーションの印象が強い『美女と野獣』ですが、このフランスの実写版は重厚で濃密な雰囲気です。そういった点でも、大人が観ても面白い映画だと思います。ラストもちょっと意外性があり、よく知られている物語を上手いこと現代風にアレンジしています。
18世紀のフランスで書かれた小説が原作です。同名で有名なアニメ映画やミュージカルなどがありますが、この作品は原作小説を元にフランスで撮られた、言わば「本家本元」と言うことができます。
ある富豪の商人一家は突然の嵐により船を失い、家財道具も家も取り上げられ田舎へ移ってきます。慣れない田舎暮らしの中で、末娘のベルだけは家族一緒に暮らせることが楽しくて、生き生きと畑仕事や家事に精を出します。そこへ「船が一隻発見された」と知らせがはいり、父親は喜ぶ家族に希望のお土産を聞いてから港に行きますが、戻ってきた船の財産もすべて返済にあてられてしまい、結局一文無しで追い出されてしまいます。その帰り道吹雪の中で森をさまよい、不思議な古城に迷い込みます。
城の中には誰もいませんでしたが、豪華な食事や頼まれていたお土産と同じ内容の品が見つかり、商人はそれを持って去ろうとします。その時に美しい赤いバラが目に入り、ベルの希望した「バラが欲しい」という言葉を思い、その花を一輪摘んでしまいます。ところがその途端に野獣が飛びかかり、「バラを盗んだのだから命を差し出せ」と言われて、約束を守らなければ家族を殺すと脅されます。
家に帰ってきた商人は子供たちにその話をしますが、ベルは翌朝たった一人で父親の代わりに野獣の城へ向かいます。てっきり殺されると覚悟していたベルですが、野獣はディナーを共にすることを求めるだけ。目が覚めれば美しい豪華なドレスが用意されていました。野獣の態度に困惑するベルですが、夜になると奇妙な夢をみます。
夢の中では古城は壮麗な姿で、たくさんの人がいます。そして、金髪のプリンセスと王子の恋が語られます。目覚めたベルが広い庭で見つけたのはこの夢のプリンセスの石像でした。この作品では、古城はたくさんのバラが茂り部屋の中にまではいりこんでいます。物悲しいうち捨てられたような城の中でベルがまとう美しいドレスだけがとても鮮明で目にとびこんできます。見ているほうは野獣の正体にすぐ気づきますが、彼がそうなった出来事のシーンでは「愛を知りたかったの」というプリンセスの純粋な想いがとてもせつないです。そして、バラの化身となっても愛する人を救いたいと、野獣に興味を持ったベルを夢の中で導いていきます。白いドレスを着た無垢な少女ベルが、野獣への愛を自覚したのちは燃えるような赤いドレスの大人の女性と変化していく様子が、何気ない目線やしぐさで、描かれています。お話の最後で、バラ飾りのついた可愛らしいピンクのドレスを着たベルと、すっかり良き夫となった野獣が住んでいるのは、城に咲いていた色とりどりのバラを栽培している最初にでてきた田舎家でした。傲慢で不遜な印象があった野獣が、プリンセスの赤いバラを育み、お花屋さんになっているというのがとても素敵です。
映画全体を通して会話はあまりなく、どちらかというと色彩や表情、しぐさなどで二人の想いが変化していく様子を描写しています。それらを感じ取ることのできる大人のための童話という印象でした。
こちらは2017年に公開された、実写版の「美女と野獣」です。
私は元々ディズニーが好きで、アニメ作品も好きです。特に「美女と野獣」はVHSを擦り切るほど観て、たくさん借りて、曲も全て覚えるほど大好きです。
そのようなアニメファンにとっては、不満のある仕上がりになっています。キャスティングは素晴らしいですが、問題は音楽です。吹き替え版に難ありかなと思います。字幕では違和感ありませんが、元の音楽とは歌詞を変えているため、日本語に直したときの字数の違和感はすごく感じました。アニメファンにとって、歌詞は変えてほしくなかったと思います。
次に言えることは、吹き替え声優の方です。野獣役とベル役を担当した二人の声が、少し違和感を感じました。どれも有名な舞台俳優さんですが、役に合わない声をしていました。ディズニーは有名人の起用が素晴らしいですが、せめて主人公二人は、声のプロである声優さんの方にしてほしかったです。オリジナリティーの加え方も微妙な感じがしました。展開が少し早いので、感情がついていきませんでした。ですが、元々のストーリーや感性を崩していないので、そこは嬉しいです。観るなら字幕版を是非オススメします。