志々雄真実(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
志々雄真実(ししお まこと)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターであり、主人公の緋村剣心(抜刀斎)と相対する志々雄一派の首魁にして剣客。剣の力量は剣心と互角で、その内に強大な野心と支配欲を秘める危険人物。かつて自身を裏切った維新志士への復讐を兼ねて明治政府転覆を目論み、大久保利通暗殺など様々な事件を主導する。「弱肉強食」を信念としており、一番の強者である自分が国の覇権を握り、国を強くすることが「正義」だと信じている。京都編の大ボスとして剣心達と激しい闘いを繰り広げる。
激乱の幕末時代、志々雄は倒幕を目指す長州派維新志士の新星として、緋村剣心(抜刀斎)の後任として幕府要人の暗殺のため、刃を振るっていた。前任の緋村剣心は「抜刀斎」と恐れられるほどの剣客であったが、後任の志々雄の剣の腕前も非常に高く、彼の活躍を知る桂小五郎や大久保利通は当時の志々雄は「抜刀斎とほぼ互角の力量を持つ」と評していた。しかし、彼の暗殺の任務は口外されれば明治政府(幕末時代の薩長勢力)の信用の失墜ともなり得る暗殺等も含まれており、志々雄は必然的にこれらの新政府の弱みを握っていた。さらに、志々雄は高い実力を持つと同時に、その内に強大な野心や支配欲を秘めており、危険人物とみなされていた。
その結果、彼の底知れぬ野心を恐れた維新志士達は裏で彼を抹殺する計画を立て、戊辰戦争の混乱に乗じ志々雄を襲撃。その襲撃方法とは、不意打ちを額に喰らわせ、昏倒したところで身体に油を撒き火を点けるという凄惨なもので、維新志士達も彼の暗殺に成功したと思っていた。しかし、身体を燃やされながらも志々雄は生き延びており、自身を裏切った「明治政府」への復讐と、自身の野望「弱肉強食」の下、日本を支配するという目的のために動き出すのだった。
瀬田宗次郎との出会いと「十本刀」形成
同志からの裏切りを受けてもなお生き延びた志々雄は、明治政府の人間に見つからぬよう逃走の旅を始める。その中で彼は幼少期の瀬田宗次郎と出会う。当時、志々雄を抹殺しようとした明治政府は警察を使って彼を捜索しており、その追手である警察隊を志々雄は切り伏せる。しかし、その現場を偶然宗次郎に目撃された志々雄は、口封じに彼殺そうとするが、死を前にしても笑顔を浮かべる宗次郎に興味を抱き、考えを改め「食事と包帯を用意すること」、「しばらくの間自分を匿うこと」を条件に宗次郎を生かすことにする。「この男に逆らえば殺される」という死への恐怖に怯え、しかしそれ以上に志々雄の圧倒的強さに魅せられた宗次郎は要求を承諾し、自宅の米蔵に彼を匿い、食事と包帯を用意するのだった。
当初は志々雄を恐れていた宗次郎だが、度々志々雄のもとへ行き、交流を深めていく。その中で、宗次郎の生い立ち、虐待を受けていることや「怒ったり泣いたりするより、笑っていた方がやられずに済む」と考えていることを知った志々雄は「虐待を受けているのはお前が弱いからだ」と慰めの言葉ではなく、厳しい現実を突きつける。同時に匿ってもらったお礼として「所詮この世は弱肉強食」という言葉と脇差しを渡した。
志々雄から脇差しを渡されたその夜、包帯や食事の米などの不自然な減り具合を怪しまれ、とうとう志々雄を匿っていることが宗次郎の親兄弟に露見。新政府に取り入るために志々雄共々殺されかける宗次郎だったが、彼の「所詮この世は弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ」という言葉を思い出し覚醒。兄弟の首を撥ねたのを皮切りに、親族すべてを斬殺した。
土砂降りが降る中、血が滴っている脇差を片手に佇む宗次郎。志々雄は彼に「泣いているのか?」と尋ねると、宗次郎は「いいえ」と涙を流しながら笑顔で答えた。
宗次郎の剣才を見抜いた志々雄は、彼に「ついてくるか?」と問う。宗次郎はこれを快諾し、志々雄と共に歩んでいく。その際に志々雄は宗次郎に「俺の次に強くなれるさ」と言葉をかけており、彼の言葉通り、志々雄の下でその剣の才能を開花させ、後に形成される「十本刀」の中で1番の実力者になるほどの成長を遂げる。
紀尾井坂の変
身を隠しながらも反乱分子を束ね、瀬田宗次郎をはじめとする「十本刀」や大勢の配下を集めた志々雄は「志々雄一派」と呼ばれる反政府組織の長となり、着々と国盗りの準備を整えていた。内乱が起きれば他の反政府派が勢いづく可能性があり、さらに諸外国からの介入も避けられない。この事態を重く見た内務卿大久保利通は、志々雄の暗殺を計画。戊辰戦争後、藤田五郎と名を改め警官となった元新選組三番隊組長・斎藤一を陣営に引き込み、さらに「人斬り抜刀斎」と呼ばれた伝説の剣客・緋村剣心に志々雄討伐の協力を仰ぐ。
しかし、「不殺の誓い」を自身に課した剣心は志々雄の殺害に対し迷いを見せ、大久保卿は剣心に「一週間後の五月十四日、返事を聞きにもう一度来よう」と猶予を与える。大久保卿と剣心の接触を知った志々雄は、石川県の士族達が大久保の暗殺を計画しているという情報を事前に入手し、この計画を利用する形で、宗次郎に大久保卿の暗殺を命じるのだった。
回答の期限となる五月十四日、剣心を説得しようと意気込みながら馬車で移動する大久保。宗次郎は移動中の馬車に乗り込み、馬車の御者にも気づかれずに大久保卿を暗殺。宗次郎は志々雄からの伝言で「この国は俺がいただく」と告げ大久保卿を殺害した。
その後、反政府士族が大久保卿の乗車している馬車を襲撃。しかし、馬車の中を確認すると、既に大久保血まみれの状態で息絶えていた。政府は「志々雄一派」の存在を隠蔽するため、この事件を石川県士族の犯行と偽って発表した。
大久保卿暗殺の後、現場を訪れた剣心。宗次郎は志々雄に歯向かわない方が身のため、と彼を牽制するが、この事件を目の当たりにした剣心は、志々雄の「国盗り」計画の阻止を決意。仲間を巻き込まないように、1人で京都へ向かうのだった。
緋村剣心との邂逅
剣心が京都へ向かう最中、志々雄は、元御庭番衆頭領四ノ森蒼紫を仲間に引き入れようと阿武隈四入道を差し向けるが、蒼紫は彼らを瞬殺。蒼紫を即座に引き入れることが困難だと感じた志々雄は、まず先に人斬りの先輩である剣心に挨拶をするため、京都への道中にある「新月村」を訪れる。この新月村は立地から「国盗りを実行する際の軍事拠点」の1つとされ、志々雄一派が占領。村の警察隊を皆殺しにし、送られてくる警察隊を何度も返り討ちにした結果、村は地図から抹消され存在しない村として政府から見捨てられてしまう。この暴力と恐怖で統制された村の現状こそが、志々雄が思い描く日本の姿だったのだ。
剣心は京都へ向かう道中、瀕死状態の兄に抱えられた三島栄次を見つけ、村の現状を知る。村を解放するべく現地に向かった剣心は栄次の両親が、村から脱走しようとしたという理由で殺され吊るしあげられている現場を目撃する。志々雄の配下達を叩き伏せた剣心は、合流した斎藤一と共に、村の統治者である尖閣と志々雄が待ち構える館へ赴き、志々雄は彼らを迎え入れる。
新月村で初の邂逅を果たした剣心と志々雄。志々雄は剣心に己の「国盗り」の理念と、日本を強くする正義を説くが、平和に生きる人々を脅かす志々雄の行為を否定する。その際、新月村の統治者・尖角が剣心を襲うも返り討ちにされる。しかし、小物の尖角相手に情けをかける剣心の姿を見た志々雄は彼の「不殺」の在り方に絶望し、つまらない闘いはしたくないと、その場を宗次郎に任せ自身は京都へ向かうのだった。その後、剣心と抜刀術の競り合いで引き分けとなった宗次郎は志々雄に合流。名刀である虎徹を破壊された志々雄は剣心への評価を改め、彼の中に眠る「人斬り抜刀斎」を引き出すべく、「十本刀」を京都へ集結させる。
十本刀集結
「十本刀」集結の命令が下ってから、真っ先に「十本刀」の一員「刀狩りの張」が到着する。日本刀の蒐集家の彼は、京都に新井赤空最後の一振りがあると知り、独断で行動を開始。その際、赤空最後の一振りを手に入れるため剣心と戦闘の末敗北。警察に身柄を拘束されてしまう。その後、比叡山のアジトに続々と「十本刀」の構成員が到着。さらに、志々雄のアジトには剣心打倒を目論む四ノ森蒼紫の姿もあった。志々雄は、以前より四ノ森を気にかけており、宗次郎の働きかけで初めて邂逅を果たす。「誰ともつるむ気はない」と発言する蒼紫に対し、志々雄は彼の「誰とも相容れず孤高に生きる者」という彼の生き様を認め「剣心の情報の提供」や「自身の意志で剣心と闘えばいい」と、服従を強要せずに同盟を成立させる。
その後、志々雄一派の参謀を務める佐渡島方治は、剣心の情報を集めるため、元御庭番衆の拠点「葵屋」を襲撃させるも失敗に終わる。その際、方治が自身に仕えることに対し未だ覚悟が足りてないと見抜いた志々雄は彼に「洗礼」と称し、自身の持つ高温の体熱を感じさせ「人の本性は修羅、そしてこの現世こそ地獄」と説く。
志々雄から洗脳に近い「洗礼」を受け、彼に仕える喜びを見出した方治は彼と共に修羅の道を歩くことを決意する。その後、宇水、鎌足、破軍(甲)の才槌、破軍(乙)の不二が合流。「刀狩りの張」を除く十本刀の全員が集結した。志々雄は彼らの長旅を労い、明晩11時59分に京都大火を行うことを宣言する。この京都大火は、かつて維新志士達が京都に火を放ち、幕府要人を暗殺し天皇を長州へ連れ去ろうとした計画を模倣したものだった。当時の計画は新撰組の活躍によって阻止されたが、志々雄はその計画を再現し日本を混乱に陥れようと目論む。
京都大火
京都大火実行に向け、暗躍を始める志々雄一派と十本刀達。しかし、志々雄にとってこの作戦は人目と人員を引き付けるための囮であり、真の狙いは軍艦による海上からの東京砲撃が目的だったのだ。志々雄は忠臣である宗次郎、方治、由美を引き連れ大阪湾へ移動。切り札である艦「煉獄」に搭乗し、京都大火と同時に東京に向け出港を目論む。
この作戦は、幕末の戊辰戦争・鳥羽伏見の戦いで、将軍徳川慶喜が味方を欺き、大阪湾から東京へ移動したことが維新政府の勝利に繋がった事への皮肉を込めている行動だった。
一方、斎藤一は、以前に剣心が捕らえた「刀狩りの張」と、志々雄一派の工作員から京都大火の情報を聞き出すことに成功。後に剣心と合流し、事前に得た京都大火の情報から、志々雄の狙いを推察。剣心は同じ人斬りである特性から、京都大火が東京砲撃の布石であると確信する。剣心、斎藤、左之助は、京都大火の阻止を警察隊と元御庭番衆「葵屋」達に任せ、大阪湾へと移動する。
そして、11時59分。京都大火が実行に移されるが警察隊と御庭番衆の活躍もあり、作戦は失敗。さらに、出航の直前に剣心一行が駆けつける。彼らに力の差を示すべく、偽装した外装を破壊し、大型甲鉄艦「煉獄」の全貌が明らかとなる。
力の差を示すべく、アームストロング砲で彼らを攻撃するが、この砲撃を回避した剣心と斎藤は煉獄に搭乗。さらに、彼らが囮になっている隙に艦に接近した左之助はガトリング砲を撃たれるが、京都に着く前に身に着けた技「二重の極み」を海面に放ち猛烈な水飛沫を盾に弾を回避し炸裂弾を投げつける。外装を破壊する程度の威力と思っていた炸裂弾は予想以上の爆発力を有しており、艦体は大破。全財力の五分の三を費やして用意した「煉獄」は一夜にして轟沈する。志々雄はこの敗因を自分自身の慢心が招いたことと認め、全力で彼らを排除すべく、自身のアジトにて十本刀と共に迎え撃つと宣言し艦を脱出するのだった。
決戦間際
京都大火後、自身のアジトで剣心一行を迎え撃たんとする志々雄だったが、彼の参謀・方治は「煉獄」の消失を重く受け止めていた。これ以上の一派の損失を危惧した方治は、「十本刀」を捨て駒のように剣心達に差し向ける志々雄の策を否定し、「十本刀」の中で実力の高い宇水、安慈、宗次郎の3人のみアジトに残し、残った者で御庭番衆の拠点「葵屋」の襲撃を提案する。それは、剣心との約束を反故にするもので、志々雄も当初は自身の「剣客」としての自負から、方治の提案を一蹴するが、方治は「どんな卑劣で卑怯な手段を使ってでも完全勝利を志々雄様に捧げる!そのためには人に同胞にそして志々雄様にさえ蛇蝎の如く忌み嫌われようと私は一向に構わない!!」と宣言する。
そして、志々雄は方治の発言した「蛇蝎の如く嫌われても完全勝利を捧げる」という覚悟を試すために、京都大火で「十本刀」を囮にした汚れ役を彼に着せる。危うく宇水に真相を見破られそうになったその時、方治は裏切りの償いとして自分自身の爪を食いちぎり、志々雄への不信感を水に流してほしいと懇願する。その結果、「十本刀」達の志々雄への不信感は払拭され、更に彼の覚悟を見届けた志々雄は、今後汚れ役をすべて任せる代わりに、自身の側でいの一番に勝利を味わわせると彼に約束する。志々雄は方治の発案通り、十本刀7名を「葵屋」襲撃に向かわせ、残った3名はアジトに待機。さらに、アジトの案内役に側近の由美を任命する。
その後、剣心一行はアジト内の「十本刀」との戦闘で負傷しながらも勝ち進み、「葵屋」襲撃も御庭番衆や弥彦、比古清十郎の活躍により失敗。さらに、宗次郎が剣心との戦闘をきっかけに組織を離脱するなど、「十本刀」は壊滅してしまう。志々雄は、宗次郎から返された脇差と、飛天御剣流奥義「天翔龍閃」の秘密を受け取り、「大灼熱の間」にて、剣心とついに対峙するのだった。
最終戦開始
安慈・宇水・宗次郎とアジト内の「十本刀」を撃破しアジト最奥部の「大灼熱の間」再び対峙した志々雄と剣心。
十本刀が全員敗北してしまうが、剣心、斎藤、左之助がそれぞれ負傷していたことは志々雄の想定の範囲内であった。志々雄自身は「所詮誰一人としてこの俺の強さには、ついては来れないという訳だ!」などと余裕を崩さないでいた。
志々雄は、自身の体を案ずる由美に「15分で片をつける」と約束し、いよいよ最後の戦いが始まる。剣心との序盤戦、連戦で疲労しながらも志々雄に引けを取らない力を見せる剣心に対し、剣心に壱の秘剣「焔霊」で先手を取った。剣心の読みの裏をかき、剣心に焔霊の直撃を加え、剣心に膝をつかせる。しかし剣心に発火の正体がノコギリのような刃の構造と人間の脂を利用したものだと看破されてしまう。一方、志々雄もまた剣心の繰り出す「龍翔閃」を見切り(当人曰く「一度見せた技はこの俺に効かねえ」)、未だに全力を出さない剣心に対し「お前もここで俺の糧になるか?」と問いかけ、肩の筋肉を食いちぎる。
戦闘の最中、志々雄は宗次郎に刷り込んだ「所詮この世は弱肉強食。強ければ生き弱ければ死ぬ」という「弱肉強食」は自然の摂理であり、強い自分が弱者を糧にし国の覇権を握るのは必定だと「国盗り」の真意を語る。幕末の動乱を駆け抜けた者として、思想自体は理解できても志々雄の行動を放っておけないと立ち上がる剣心だが、志々雄は弐の秘剣「紅蓮腕」を放ち、彼を戦闘不能に陥れる。奥義「天翔龍閃」も出さないままついてしまった決着に落胆する中、宇水を倒した後に隙を伺っていた斎藤一が現れ、奇襲の牙突が額を直撃。しかし、かつて仲間に騙し討ちにされた経験から針金の額当てをつけていたことで攻撃を防ぐ。そして、宇水を葬った奥の手「牙突零式」も難なく回避し「紅蓮腕」で斎藤に重傷を負わせる。その様子に激昂した左之助は「二重の極み」を放つが、顔面に技を受けてもなお余裕の態度で、左之助を撃破。剣心一行を撃退し勝利の余韻に浸ろうとしたその時、剣心との戦闘で改心した四乃森蒼紫が「勝利の余韻に浸るのはまだ早い」と宣言し、襲い掛かる。「流水の動き」で一度は志々雄を翻弄するが、疲労した状態で繰り出す奥義「回天剣舞・六連」は簡単に見切られてしまう。だが、蒼紫の行動は志々雄を倒すためではなく彼を倒せる剣心が復活するまでの時間稼ぎだったのだ。蒼紫からは「貴様が緋村より強いとは思えん」と言われ、蒼紫の想いに呼応するように気絶していた剣心が覚醒。斎藤や左之助も気を取り戻し、最終戦第2局目が始まるのだった。
最終局面
すでに満身創痍の中、限界を超え凄まじい剣気を放つ剣心。志々雄も、自身が全力で動ける15分の時間を超え、互いに限界を超えた最終戦第2局目。志々雄優勢だと思われた戦いだが、「紅蓮腕」を破られたことを機に、剣心から「龍槌翔閃」、「龍巻閃凩・旋・嵐」の5連撃を受ける。それでも「どうした、それで終いか!!?」となお余裕を崩さず、「焔霊」で反撃する志々雄だったが、その隙に自身の包帯を掴まれ身動きの取れない状態で飛天御剣流の中で高い威力を持つ「九頭龍閃」を受けてしまう。猛攻を受けた志々雄の表情からは先ほどまでの笑みは消えており、剣心を葬るべく終の秘剣「火産霊神」を放つことを宣言。剣心も志々雄を迎え撃たんと飛天御剣流奥義「天翔龍閃」の抜刀術の構えを取る。
技を放つ直前、互いの力量を称え合う両者。しかし、既に明治に入り自分達のような人斬りの時代は終わりを迎えたと諭す剣心だが、「終わりはしねえさ。俺が無限刃を手にしている限り!」と言い返す。
互いの最終奥義をぶつけあう瞬間、先に剣心が「天翔龍閃」を仕掛けるが、前もって宗次郎から「左足を要とする抜刀術」と知らされた志々雄は、左足の踏み込みを見逃さず抜刀術を無限刃で受け止める。「天翔龍閃」を捌き、自身の切り札である無限刃の根元から剣先に至る発火能力を全開放した斬撃「火産霊神」を振り下ろす志々雄だが、突然剣心に吸い寄せられてしまう。突然の現象に戸惑う志々雄、この強烈な吸い込みは彼が捌いた「天翔龍閃」一撃目の衝撃と威力によりはじかれた空気が、時間差で辺りの物体ごと元に戻ろうとしていたことによって引き起こされたのだ。一度目の踏み込みに抜刀の鞘走り。さらに回転による遠心力。二度目の踏み込みと空間を挟んでの交差法。様々な力が加わった高威力の2撃目をまともに受けた志々雄は、空高く舞い上がり。技を受けた後に今までとは違った苦しみ方を見せる。
時代の選びし者
「天翔龍閃」により深いダメージを負い、連戦による体温の急上昇により苦しみ出した志々雄。彼の苦しむ様子を見た由美は志々雄を庇うように剣心の前に立ちはだかる。「これ以上志々雄様を苦しめないで!!」と彼女の説得により、剣を納めようとする剣心だが、志々雄はその隙を見逃さなかった。彼は、自身を守ろうとした由美ごと、剣心を貫いてしまう。愛する者を裏切ってまで勝利を得ようとする志々雄に激昂する剣心。しかし、彼の眼に映るのは、「闘い」の中で役に立てたことに喜びを感じ涙を流す由美の姿だった。由美は「闘い」が全てだった志々雄に対し、体の世話しかできず悔しくて歯がゆかったと自身の心情を吐露し、彼の勝利を願いながら息を引き取る。
死ぬことのどこに幸せがあると、彼らの愛の形に共感できない剣心だったが、由美ごと貫かれた傷は深く多量に出血してしまう。剣心は多量の出血により全身に力が入らず「死」を覚悟する。志々雄も体温が上昇したあまり、血液の凝固作用を上回り赤い蒸気を出すほど深刻な状態になるが、それでもなお高い剣気を放ち続ける。動けなくなった剣心は次の時代を担う者が志々雄を阻止してくれることに期待し、「死」を受け入れようとするが、自身の帰りを待つ薫の顔が頭をよぎり、死ぬわけにはいかないと立ち上がる。「生きる意志は何よりも強い」と抗おうとする剣心に向かって志々雄は「何より強いのはこの俺!!」と彼に刃を振りかざす。誰もが志々雄の勝利を確信したその瞬間、突然彼の体が勢いよく燃え始める。
何度も限界を超えて上昇し続けた異常体熱がついに自分自身の脂とリン分を燃やし始めたのだ。突然の発火に対し、驚きの表情を見せる志々雄だったが、彼は高笑いしながら、愛する由美と共に跡形も無く消え去ってしまう。もし、志々雄があのまま刃を振り下ろしていたら、彼の勝利だったかもしれないが、時代の流れは彼の勝利を許さず剣心に味方をしたのだ。幕末の炎から現れた修羅は、再び炎を纏いながら地獄へと舞い戻っていった。
地獄の国盗り
決闘の場に残された志々雄の参謀・方治は主の敗北を受け入れられられず、「全員死ねば勝者はいない」と一派のアジトを爆破し剣心一行を道連れにしようと試みる。しかし、斎藤の活躍もあり、間一髪でアジトを脱出する剣心一行。そして、方治もまた安慈により救出され一命を取り留める。そして方治は、裁判の場で「弱肉強食」の政策の必要性を説き、志々雄の汚名をそそぐべく警察へ出頭するのだった。
一方、志々雄の死後、十本刀達はその常人離れした実力を評価され裏取引で恩赦を受け政府の傘下に下る者。罪を償うべく刑務所へ服役する者。人生の答えを探すため旅に出る者。とそれぞれの道を歩き始める。方治は、刑務所で裁判の機会を待ち続けるが、彼の思いとは裏腹に持ちかけられるのは裏取引の話のみで、「弱肉強食」の必要性を説く機会は一切与えられなかった。政府要人は維新政府の陰の存在である志々雄一派の存在を表沙汰にすることを恐れたのだ。大逆人を毅然と罰することもできず、その敵にすら能力を求めるほど弱り切った政府の現状に絶望した方治は、隠し持っていた短刀で自害。彼は最期の力を振り絞り「もはやこの世に未練無し。志々雄様の地獄行へ御供仕る」と、血の遺書を残し息絶えるのだった。
そして、夢か現実か幻か、方治が今際の際に見た光景は、骸骨の山と彼の到着を待ちわびる志々雄の姿だった。信じがたい光景に呆然とする方治に対し、出発を促す志々雄。どこへ向かうのか?と訊ねると「閻魔相手に地獄の国盗りだ」とかつてと同じ不敵な笑みを浮かべる。志々雄はかつて方治と交わした「いの一番に自身の側で勝利を味わわせる」約束を果たすべく彼が地獄に来るのを待っていたのだ。剣心との闘いでは、時代が彼に味方をしたが、悪人しかいない地獄では邪魔をする者はいない。現世では夢半ばで果たせなかった「国盗り」を果たすべく、高笑いを上げながら地獄の道を歩み始めるのだった。
志々雄真実の関連人物・キャラクター
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るろうに剣心(るろ剣)の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ
『るろうに剣心』とは和月伸宏によって描かれた、幕末から明治にかけてを舞台にした剣客漫画、およびそれらを原作としたアニメ作品だ。主人公である緋村剣心はかつて「人斬り抜刀斎」として暗躍し、幾人もの人を切り殺してきた伝説的な人物である。その後「人斬り」をやめて「不殺」の誓いを立てた剣心は、流浪の旅の途中神谷薫と知り合い、様々な事件や出来事を乗り越えて夫婦となる。作中では剣心・薫を含めて様々なカップルや夫婦が登場する。この記事では『るろうに剣心』に登場したカップルや夫婦をまとめた。
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るろうに剣心(るろ剣)の料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物まとめ
『るろうに剣心』とは和月伸宏によって『週刊少年ジャンプ』に連載されていた、幕末から明治にかけて活躍した剣客たちを主人公にした漫画、およびアニメ作品である。作中では主人公の緋村剣心や神谷薫たちは、「赤べこ」という料理屋で食事をしているシーンがよく登場する。また薫や高荷恵の手料理、剣心のライバル・斎藤一の好物の蕎麦、剣心の師匠・比古清十郎があおっている酒など様々な料理・飲み物が登場しているのだ。当記事では『るろうに剣心』に登場した食べ物や飲み物を紹介する。
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ジャンプの歴代ヒロインまとめ
日本でもっとも発行部数の多い漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』は、人気でも知名度でも漫画という文化の頂点に位置する存在であり、幾多の傑作を生み出してきた。少年漫画であるだけにほとんどの作品の主人公は男性キャラクターだが、彼らを盛り立てるヒロインもまた魅力的な造形の人物ばかりである。 大人に子供、主人公に守られるだけの存在から共に戦う相棒、正規のヒロインを蹴散らして主人公と結ばれた者、“少年漫画”の常識を超えたヒロインかつ女性主人公というタイプ。ここでは、ジャンプ作品を彩ったヒロインたちを紹介する。
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るろうに剣心(るろ剣)の原作・新旧アニメ・劇場版・OVA・実写版・舞台・ゲームの違い・相違点まとめ
人斬りだった過去を悔い、弱き人々を守る贖罪の旅を続ける剣士の活躍を描いた漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろうにけんしん めいじけんかくろまんたん)は、様々なメディアミックスを果たした人気作品である。しかしこれらのメディアミックス作品には、媒体ごとの特徴の違いなどから原作との相違点が存在する。 オリジナル長編エピソードが作られた旧アニメ版。少年漫画風アクションが排されたOVA版。エピソードが整理された実写映画版。ここでは、『るろうに剣心』の媒体ごとの相違点を紹介する。
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2024年10月秋アニメ(今期アニメ)まとめ
2024年10月期に放送される秋アニメを50音順に紹介する。2024年10月秋アニメは、有名シリーズの新作が多数ラインナップされている。アニメの放送情報や配信情報、声優・スタッフ、あらすじなどの情報をわかりやすくまとめた。
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るろうに剣心(るろ剣)の流派まとめ
贖罪のため、弱き人々を守るため不殺の剣を振るう伝説の人斬り緋村剣心の活躍を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろうにけんしん めいじけんかくろまんたん)には、チャンバラ活劇としての魅力に溢れる数々の流派が登場する。 神速の古流剣術飛天御剣流。活人剣を掲げる神谷活心流。催眠術で相手の動きを封じる二階堂平法。調査、潜入、戦闘までをこなす御庭番忍術。少年漫画的なアレンジが加えられた一刀流。破壊の極意二重の極み。ここでは、『るろうに剣心』に登場した流派を紹介する。
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るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 相楽左之助」戦のネタバレ解説・考察まとめ
「緋村剣心 vs. 相楽左之助」とは、伝説の人斬りが贖罪のために刃を振るう様を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろ剣)で繰り広げられた戦いの1つ。剣心と左之助の過去が明かされるボリューミーな内容となっている。 剣心に退治された悪党が、仕返しのために名うての喧嘩屋“斬左”こと左之助に仕事を依頼。相手が維新志士と聞いて左之助がやる気になる一方、剣心はなぜ彼が維新志士を憎むのか分からず戸惑う。秘められた過去を背負い、左之助は剣心に真っ向勝負を挑む。
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るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 四乃森蒼紫」戦のネタバレ解説・考察まとめ
「緋村剣心 vs. 四乃森蒼紫」とは、伝説の人斬りが贖罪のために刃を振るう様を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろ剣)で繰り広げられた戦いの1つ。物語序盤の勝負ではあるが、人気キャラクターである蒼紫の最初の戦いとして高い知名度を誇る。 江戸城の守備を担っていた隠密御庭番衆は、維新の成立と共に戦うことなく敗者となる。その長である蒼紫は、部下たちと共に自分たちに見合う戦場を探し続けていた。伝説の人斬り緋村剣心と戦う機会を得た蒼紫は、我らこそ幕末最強との証明のため死力を尽くす。
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るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 般若」戦のネタバレ解説・考察まとめ
「緋村剣心 vs. 般若」とは、伝説の人斬りが贖罪のために刃を振るう様を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろ剣)で繰り広げられた戦いの1つ。般若の実力と狂気にも等しい忠誠心を描くことで、隠密御庭番衆の力を剣心と読者に知らしめるものとなった。 剣心が出会った女医の高荷恵は、悪徳商人の武田観柳に強要されて阿片作りに加担していた。囚われた恵を救うべく観柳の屋敷に乗り込んだ剣心の前に、隠密御庭番衆の般若が立ちはだかる。不可思議な伸腕の術と絶対の忠誠心を武器に、般若は剣心に襲い掛かる。
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るろうに剣心名勝負「緋村剣心 vs. 鵜堂刃衛」戦のネタバレ解説・考察まとめ
「緋村剣心 vs. 鵜堂刃衛」とは、伝説の人斬りが贖罪のために刃を振るう様を描いた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(るろ剣)で繰り広げられた戦いの1つ。作品のテーマにも深く関わる人斬り同士の対決であり、剣心の心に苦いものを長く残す決着となったことでも知られる。 明治政府の高官の下に刃衛から斬奸状が送りつけられ、剣心はこの護衛を依頼される。やがて現れた刃衛は、剣心の正体に気付くと標的を彼に変更。剣心が世話になっている神谷道場の神谷薫を拉致し、彼の内に潜む人斬りとしての本性を暴こうとする。
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るろうに剣心(るろ剣)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
明治時代を舞台に幕末の人斬り緋村剣心の生き様を描く時代劇漫画。宿敵志々雄誠との死闘を描いた「京都編」では、少年漫画の王道である「正義は勝つ」というセオリーに対し「勝負に勝った者が正義、というのは正しいのか」という疑問を読者に投げかけた。様々な信念を持って生きる魅力的なキャラクターたちが残した名言は少年漫画ならではの「かっこよさ」に留まらず「正義とは何か」を考えさせるものも多い。
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るろうに剣心(るろ剣)の歴代OP・ED主題歌・挿入歌まとめ
『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』とは、和月伸宏による和風バトルアクション漫画及びそれを原作としたアニメや実写映画などのメディアミックス作品。この記事では、『るろうに剣心』のアニメで使用された歴代オープニング・エンディング主題歌・挿入歌と、実写映画の主題歌を紹介する。当時アニメの主題歌といえばその内容に沿って作られたものが主流だったが、本作ではアニメの内容に関係なく流行のJポップが取り入れられ、その結果多くのヒット曲を生み出した。
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瀬田宗次郎(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
瀬田宗次郎とは、『るろうに剣心』に登場するキャラクターであり、主人公の緋村剣心と相対する志々雄真実が擁する十本刀の中でも、トップの実力を誇る剣客である。武力ににおいては志々雄一派の実質ナンバー2である。齢16にして“天剣の宗次郎”の異名で敵味方に恐れられている。見た目は主人公である緋村剣心とも負けず劣らずの優男であり、常に穏やかな表情である。生い立ちが原因で感情欠落しており、表情とは裏腹に平然と仲間を捨て駒にするなど冷酷な面もある。作中最速といわれる剣術で、剣心たちの前に立ちはだかる。
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雪代巴(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
雪代巴(ゆきしろ ともえ)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターであり、本作の主人公、緋村剣心の前妻である。元々は闇乃武の差し金であり、幕末当時、維新志士・人斬り抜刀斎として暗殺を請け負っていた剣心の弱点を探ることが目的で剣心に近づいていた。しかし、巴自身も剣心と籍を入れて暮らしている中で、惹かれていく。このことが災いし、闇乃武の戦いの中に自ら身を投じ、不運にも剣心の剣によって斬殺されてしまう。この一件はその後の剣心の運命を大きく変えた。
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斎藤一(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
斎藤一(さいとう はじめ)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場する帯刀の警察官である。明治に入ってからは警視庁の密偵として活動しており、職位は警部補。公には藤田五郎と名乗っている。元新選組三番隊組長であり、これらの経歴も史実に沿っている。妻の時尾がおり、妻帯者である。平突きの昇華技である「牙突」を軸に戦い、作中でも屈指の実力を誇る。元は維新志士だった主人公の緋村剣心とは因縁があったが、明治政府転覆を目論む志々雄真実討伐のため、「悪・即・斬」の信条のもと剣心と共闘する。
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悠久山安慈(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
悠久山安慈(ゆうきゅうざんあんじ)とは、『るろうに剣心』の登場人物で志々雄真実一派・十本刀の一人。明王の安慈という異名を持ち、十本刀の中でも瀬田宗次郎、魚沼宇水に並ぶ実力を誇り、志々雄から高く評価されている。鍛え抜かれた肉体を持つ巨漢であり、10年の修行の末編み出した破壊の極意「二重の極み」はあらゆる物体を粉々に粉砕する凄まじい威力を持つ。元々は心優しい瘦身の僧侶であったが、過去の悲惨な事件以来、明治政府を激しく憎んでおり、政府の打倒という共通の目的から、志々雄一派に協力することとなった。
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相楽左之助(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
相楽左之助(さがらさのすけ)とは、『るろうに剣心ー明治剣客浪漫譚ー』に登場するキャラクターで、主人公・緋村剣心の友人であり戦友である。馬ごと切り倒すほどの巨大刀剣、斬馬刀を使用して戦うことから、裏社会での異名は斬左。少年期に所属していた隊がニセ官軍汚名を着せられた絶望から、喧嘩に興じることで日々を過ごしていた。剣心と出会うまで喧嘩では負け知らずであったが、剣心に敗北し明治維新はまだ途中と諭される。それからは明治維新が生んだ軋轢に巻き込まれながら剣心らと共闘し、その中で戦術を身に付け成長していく。
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神谷薫(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
神谷薫(かみやかおる)とは『るろうに剣心』シリーズのヒロインであり主人公緋村剣心の妻、亡き父・越路郎が創り上げた神谷活心流の師範代である。あるとき、神谷活心流が人斬り抜刀斎を生み出した剣術である、と容疑がかけられていたときに剣心と出会う。剣心とともに父の生み出した流派の再建をするべく奮闘し、弟子となる明神弥彦を迎える。師範代として教えを説く日々であったが、ある日喧嘩屋の相楽左之助と出会い仲間となる。出会った仲間たちとともに剣心の命を狙ってくる刺客たちを倒すべく成長する。
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明神弥彦(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
明神弥彦(みょうじん やひこ)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターで東京府士族の少年。明治維新の混乱によって孤児となった。集英組というヤクザに拾われ、スリ等雑用をさせられていたが、緋村剣心(ひむら けんしん)達と関わり、士族としてのプライドを取り戻し、ヤクザと手を切った。その後剣心の計らいで神谷道場に入門、神谷薫(かみや かおる)の下、神谷活心流を学び剣心達と共に戦う。幼いながらも常人離れした精神力や身体能力、剣才を発揮し成長していく。
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石動雷十太(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
石動雷十太(いするぎ らいじゅうた)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物で、実戦剣術流派「真古流」の隆盛を目論む剣豪。 次々と新しい兵器が生まれる中、剣術の意義が失われていくことを憂い、「兵器に負けないほど強力な剣士」たちによる剣術の再興を目論む。自身も古流剣術「飯綱」を修得した凄腕の剣士だが、言動のわりに中身は小物で、作中では「愚物」と吐き捨てられている。真古流のパトロンにするために刀剣商の塚山由左衛門に近づき、やがて主人公緋村剣心と対峙する。
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魚沼宇水(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
魚沼宇水(うおぬま うすい)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターで、明治政府転覆を目論む志々雄真実配下の精鋭部隊「十本刀」の一員。その中でも最強格の戦闘能力を持つ剣士で、盲目であることから「盲剣の宇水」と呼ばれている。琉球王家秘伝の武術の使い手であり、かつて対人斬り用暗殺者として腕を振るっていた。志々雄に敗れて光を失い、「隙あらばいつでも斬りかかって構わない」という条件で彼の仲間になっている。しかしすでに復讐を断念していることを斎藤一に見抜かれ、死闘を繰り広げる。
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武田観柳(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
武田観柳(たけだかんりゅう)とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場する悪徳実業家。 表向きは町外れに住む青年実業家だが、裏では医師と結託し「蜘蛛の巣」という阿片を売りさばいていた。仲間割れにより協力者であった医師を殺害してしまい、その助手を務める高荷恵を監禁し無理矢理阿片の製造に協力させた。四乃森蒼紫を御頭とする御庭番衆や私兵団を従え、阿片で得た利益を利用して武器商人となり、更なる財を築こうと企む。実写や舞台の要素を取り入れて深みが増していったキャラであり、『北海道編』で再登場する。
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四乃森蒼紫(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
四乃森蒼紫(しのもりあおし)とは、『るろうに剣心』の登場人物でかつて江戸城の警護を務めた御庭番衆(おにわばんしゅう)最後の御頭であり、15歳という若さでその座に就いた天才である。小太刀を用いた防御力に優れる剣術と御庭番式の格闘術を融合させた戦法で戦う。整った顔立ちの美男子だが、幼い頃より隠密として厳しい修行を受けていたため、冷静沈着な性格で表情の変化に乏しい。幕末最強と言われていた人斬り抜刀斎(現在の緋村剣心)を倒し、御庭番衆こそが真の最強である事を証明する為、剣心の前に立ちはだかる。
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エルダー=ピーベリー(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
エルダー=ピーベリーとは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 第零幕』の登場人物で、外国人居留地に在住する西洋人の女性医師。 若輩かつ女性ということで、西欧では信用も仕事も得られず、やむなく自分の技術を活かせる場所、必要としている人を求めて日本にやってきた。困窮する者からは金を取らない高潔な医師だが、日本においても“若い娘”というだけで色眼鏡で見る者が少なくないため、普段は男装している。主人公緋村剣心と交流し、協力して外国人居留地で起きた事件を解決した後、アメリカへと渡っていった。
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緋村剣心(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ
緋村剣心(ひむらけんしん)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物であり、同作の主人公。左頬の十字傷と後ろで一つ結びにした長い赤髪が特徴的な単身痩躯の男。赤い着物に白い袴姿で腰には刃と峰が逆になっている刀「逆刃刀」を差している。一見物腰穏やかな優男だが、その正体はかつて幕末最強と謳われた「人斬り抜刀斎」。 動乱の中で多くの者を殺めた過去を抱えており、その償いと太平の世を生きる人々を守るため「不殺(ころさず)」の信念を掲げて旅をする「流浪人(るろうにん)」を名乗っている。
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目次 - Contents
- 志々雄真実のプロフィール・人物像
- 悪のカリスマ
- 志々雄真実の戦闘スタイル・必殺技
- 使用した武器
- 無限刃
- 秘剣
- 壱の秘剣・焔霊
- 弐の秘剣・紅蓮腕
- 終の秘剣・火産霊神
- 志々雄真実の来歴・活躍
- 同志からの裏切り
- 瀬田宗次郎との出会いと「十本刀」形成
- 紀尾井坂の変
- 緋村剣心との邂逅
- 十本刀集結
- 京都大火
- 決戦間際
- 最終戦開始
- 最終局面
- 時代の選びし者
- 地獄の国盗り
- 志々雄真実の関連人物・キャラクター
- 駒形由美(こまがた ゆみ)
- 瀬田宗次郎(せた そうじろう)
- 佐渡島方治(さどしま ほうじ)
- 魚沼宇水(うおぬま うすい)
- 悠久山安慈(ゆうきゅうざん あんじ)
- 本条鎌足(ほんじょう かまたり)
- 沢下条張(さわげじょう ちょう)
- 刈羽蝙也(かりわ へんや)
- 才槌(さいづち)
- 不二(ふじ)
- 夷腕坊(いわんぼう)
- 緋村剣心(ひむら けんしん)
- 斎藤一(さいとう はじめ)
- 相楽左之助(さがら さのすけ)
- 長谷川明日郎(はせがわ あしたろう)
- 一ヶ瀬鮫男(いちがせ さめお)
- 志々雄真実の名言・名台詞/名シーン・名場面
- 「所詮この世は弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ」
- 「生まれがどーのこーのじゃねえ。お前が弱いから悪いんだ」
- 「“君”ぐらいつけろよ、無礼な先輩だな」
- 「その代わり、お前には常にいの一番の勝利を味わわせてやる」
- 「油断?何のことだ?これは”余裕”というもんだ」
- 「かかってくるなら如何ともし難い力の差をちったあ埋めてからかかって来い!」
- 「終わりはしねえさ。俺が無限刃を手にしている限り!」
- 「裏切るだと…?てめえのものさしで語るんじゃねェよ。コイツは誰より俺を理解し、俺は誰よりコイツを理解している」
- 「決まってんだろ。閻魔相手に地獄の国盗りだ」
- 「本当にいい男は例えどんなになっても女の方から寄って来る」
- 「そんな時代に生まれ合わせたのなら天下の覇権を狙ってみるのが男ってもんだろ」
- 「動乱が終わったのなら、俺がもう一度起こしてやる!」
- 「弱者は強者の糧となるべき。糧にすらならない弱者は存在する価値すらねえ」
- 「裏切るだと…?てめえのものさしで語るんじゃねェよ。コイツは誰より俺を理解し、俺は誰よりコイツを理解している」
- 「かかってくるなら如何ともし難い力の差をちったあ埋めてからかかって来い!」
- 志々雄真実の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 実写版の志々雄
- 志々雄のデザインのモデル
- 無限刃の行方
- 十本刀の集結は2度あった