シズク＝ムラサキ（HUNTER×HUNTER）の徹底解説・考察まとめ

シズク＝ムラサキの概要

シズク＝ムラサキとは『HUNTER×HUNTER』に登場する、「クモ」と呼ばれ恐れられている危険度Aクラスの盗賊集団「幻影旅団」のNo.8である。出身地や年齢といった経歴は未だに明かされていない。大きな眼鏡と逆十字のネックレスを常に身につけている。マイペースで裏表のない無垢な性格とは裏腹に、見ず知らずの人間を殺害する冷酷さを持つ。旅団内では主に情報・処理を担当しており、戦闘時には冷静な状況判断を用いた戦略を用いる。団長クロロとクモの掟に絶大な信頼を寄せており、旅団内では唯一クロロに敬語で話している。

シズク＝ムラサキのプロフィール・人物像

CV：豊後敦子（1999年フジテレビ版）／荒川美穂（2011年日本テレビ版）
生年月日：不明
年齢：不明
身長：160cm
体重：45kg
血液型：O型

旅団内では主に情報処理を担当。他のメンバーと比べると好戦的ではないが、任務を遂行する為なら容赦無く人命を奪う冷酷さを持つ。一方で、普段はマイペースな性格をしており、クロロの占い能力で自身の死が予言された際も動じる様子は一切見せなかった。頭に浮かんだ事を率直に発言する姿がよく見られるが、そこに悪意はない。シズクの純粋無垢な物腰ゆえのものである。またシズクはクロロの命令とクモの掟を強く信頼している。旅団では「団員同士での争い」を掟で禁止しているが、血気盛んなメンバーは一触即発になる場面が度々あり、シズクはその都度メンバーに注意を入れている。さらにクロロがクラピカに誘拐された際には、クロロを奪還したい意向を示しつつも、最終的に「団長の命令は絶対」というクモの掟に従い、クロロの命よりクラピカ討伐を優先する姿勢を見せた。

シズク＝ムラサキの能力

人間の生命エネルギーを自らのオーラとして自在に操る「念能力者」であり、オーラを実体化し武器や道具として扱う事ができる「具現化系」の使い手。シズクは自身のオーラで実体化させた掃除機型の念能力「デメちゃん」による対象物の殴打を得意とする。念能力に加え、壁走りや幻影旅団のNo.11・ウボォーギンの咆哮が鼓膜に届く前に耳を塞ぐといった、高い基礎能力を持つ。第一級隔離指定生物であるキメラアントの師団長ザザンが、幻影旅団の出身地である流星街に拠点を設けた際には、目撃情報や被害報告から逆算し、ザザンがバルサ諸島出身であると推察する等、情報処理部隊ならではの分析力も兼ね備える。またザザンが率いる蜘蛛型の兵隊蟻・パイクとの戦闘時には、糸による攻撃を避けながら、敵の技の特性を全て把握し、独自の戦略を見出すといった頭の回転の速さも発揮した。

シズク＝ムラサキの必殺技

吸い込み

オーラで具現化した掃除機型の念能力「デメちゃん」は、シズク自身が生物で無いと判断した物なら、全て吸い込む事が出来る。但し無生物でも、念能力で具現化された物質は吸えないという制約が付けられている。シズクはこの制約を利用し、敵の念能力による罠を見破ることができる。吸引能力は主に、財宝の強奪や死体の証拠隠滅に用いられ、盗賊である幻影旅団にとっては便利な技である。また傷を負った相手に対し、「デメちゃん」に傷口から血を吸い取る様に命令することで、相手を死に至らしめることも可能だ。

シズク＝ムラサキの来歴・活躍

地下競売襲撃

ヨークシンシティでマフィア主催の地下競売（アンダーグラウンドオークション）が開催されることになった。クロロはメンバーに競売品を全て盗むという指示を出した。シズクと、幻影旅団のNo.2・フェイタン、No.7・フランクリンは会場を襲撃する。フェイタンとフランクリンは競売会場の司会に扮して潜入し、壇上からその場の出席者に向けて一斉射撃を開始した。任務として潜入していたノストラード組の三人の内の一人、シャッチモーノトチーノは外部に非常事態を知らせる為、二人に脱出を促した。しかし会場の外で見張りをしていたシズクは「デメちゃん」で二人の頭部を殴打し、殺害する。それが済むとシズクは、フェイタン、フランクリンと合流し、会場に散乱したマフィアの死体と椅子を「デメちゃん」で吸い込み、証拠を隠滅した。

その後、襲撃が幻影旅団によるものだと知った各マフィアの長で構成された組織・十老頭は、自分たちが選抜した最強の能力者集団・陰獣を差し向けた。シズクはヨークシンでマフィアと陰獣を相手にするウボォーギンを旅団メンバーとトランプをしながら見物していた。マフィアと陰獣の病犬、蚯蚓、蛭、豪猪を返討ちにしたウボォーギンだったが、クラピカの奇襲を受け、誘拐されてしまう。幻影旅団のNo.3・マチの追跡能力である念糸を使って旅団メンバーはウボォーギンを乗せた車を追うことになった。その最中、陰獣の梟に奇襲され、攻撃を回避する為に幻影旅団No.1・ノブナガを除く旅団メンバーは車の外に脱出した。車の外には全ての陰獣たちが待ち構えており、シズクはウボォーギンを誘拐した鎖の使い手が、陰獣でなければ一体誰なのか、疑問を抱いた。陰獣を始末し競売品を奪い取った、シズク、ノブナガ、No.6・シャルナーク、マチの五人はアジトで待機していたNo.5・フィンクスを連れて、ビルの地下室で拘束されていたウボォーギンの救出に向かう。マフィアンコミュニティーに扮した六人の旅団メンバーは見張りをしていたノストラード組のダルツォルネを殺害した。シズクは「デメちゃん」でウボォーギンの身体を麻痺させている毒を吸い込んだ。ウボォーギンは起き上がると、クラピカへの怒りから大声を上げ、隣にいたシズクは鼓膜が破れないよう瞬時に耳を塞いだ。

蜘蛛の追跡

セメタリービルで開催されたオークション品を強奪した幻影旅団。クロロは団長命令としてヨークシンを離れる方針を示したが、クラピカへの仇討ちを望むノブナガは反対の声を上げる。それに対しクロロは、ノストラード組の娘・ネオンから奪った予言能力でノブナガを占った。自身の未来が記された予言詩を読んだノブナガは、「来週おそらく5人死ぬな」と推察するが、それ以上の内容の意味には理解が及ばなかった。シズクはその内容に興味を示し、クロロに未来を占ってもらった。シズクは自身の予言詩を読み、「来週死ぬの あたしです」と発言する。予言詩に記された暦の月が旅団員のナンバーを表していると気づいたシズクは、幻影旅団のNo.9・パクノダとシャルナークも死亡すると推察した。さらにヒソカはクロロと戦いたいという強い欲求を抱いており、「現在地を離れてアジトに向かえば、旅団の半分が死ぬ」という嘘の記述を予言詩に付け加えていた。クロロはそれがヒソカの策略だとは気づかず、現在地であるヨークシンに留まる事を現在の方針とした。

クロロは再度、シャルナークが入手したノストラード組の構成員リストを手に、クラピカについての情報共有を始める。クロロがネオンについて話した際、シズクはネオンがヨークシンを訪れた理由について疑問を持つ。それに対しパクノダは「そりゃあオークションなんじゃない？」とシズクに返答した。二人の会話を聞いたクロロは、標的であるクラピカが盗んだ競売品の一つである「緋の眼」と関連があると察知した。幻影旅団のNo.12・コルトピのコピー能力「神の左手悪魔の右手（ギャラリーフェイク）」は原本を触れると、コピーの在り方が分かる。そのためクロロはコルトピに「緋の眼」のコピーの所在を調べさせた。クロロはクラピカの現在地がヨークシン内のベーチタクルホテルにあると推察し、ノブナガにクラピカ討伐の許可を与えた。シズクはクロロの指揮の元、旅団員と共にベーチタクルホテルへと向かう。幻影旅団は「緋の眼」のコピーを追って街を疾走するが、尾行されている事に気付いたクロロは旅団員に対し、二手に分かれる様に指示を出す。シズクとマチはクロロと共に、尾行していたゴンとクラピカを待ち伏せた。

団長の奪還

クラピカの追跡の最中、尾行していたゴンとキルアを捕らえたシズク、マチ、クロロはベーチタクルホテルのロビーで待機する事になった。ゴンとキルアの仲間であるレオリオはこれからの作戦を、電話を掛けている体を装って二人に伝えるため、ロビーのソファに座っていた。幻影旅団に睨みを効かせるレオリオ。それに対しシズクは「消します？」と問いかけるがクロロは目を合わせないよう促した。ホテルに到着したパクノダにクロロは、ゴンとキルアの記憶を調べる様に命令するが、二人の記憶を読み取る最中、突然ホテルが消灯し、その隙をついたゴンとキルアは攻撃を仕掛け逃亡を図った。しかし、周囲の物体を察知できる念能力の応用技・「円」を発動したノブナガによってゴンは足を掴まれ捕獲されてしまった。その瞬間、レオリオによって入り口付近から投げられたナイフを避けるノブナガ。シズクはレオリオもゴンとキルアの仲間であった事を察知すると同時に、クロロがその場に居ないことに逸早く気づいた。

クロロを誘拐したクラピカは、ゴンとキルアの記憶を旅団員に周知させないために「2人の記憶話せば殺す」という伝言を残していた。パクノダが「クラピカを逃して団長を救う」か「団の掟に従い、団長を犠牲にしクラピカを狩る」か選択に迷う中、ホテルにフィンクスとフェイタン 、シャルナークが到着した。単独で来る様にとの条件をクラピカにつけられたパクノダは、クロロを奪還する為にリンゴーン空港へと向かった。しかしフェイタン、フィンクス 、シャルナークは「追跡するな」という指示に背き、クラピカを殺害するためパクノダの後を追おうとする。それを止めに入ったノブナガはフィンクスと対立する。クラピカの指示に従うというマチとコルトピの意向を聞いたフィンクス は、シズクに意見を求めた。シズクもパクノダと同じくクラピカ討伐よりクロロ奪還を優先する意向を示した。呆れたフィンクス はパクノダを追おうとするが、再度止めに入ったノブナガと一触即発の状態となる。見兼ねたシズクは同じ意見であった筈のノブナガを背後から殴打し、気絶させた。驚くフィンクスに対しシズクは本心ではクロロの奪還を優先したいが、クモの掟に従ってクラピカ討伐するべきだと自己の考えを述べた。その際クラピカから電話が入り、「こちらにはお前らのウソを見破る能力者がいる」と念を押された旅団員たちは、追跡を中止せざるを得なくなり、アジトへと戻った。

兵隊蟻とのバトル

第一級隔離指定生物であるキメラアントの師団長ザザンは、幻影旅団の出身地である流星街に拠点を設け、自称女王を名乗っていた。住民を次々に兵隊蟻に変形させているザザンを幻影旅団は、住民に代わって討伐に乗り出した。ザザンの城に潜入した旅団一行は各自に分かれた。シズクは蜘蛛型の兵隊蟻・パイクと遭遇し、戦闘を開始する。シズクはパイクの糸攻撃を回避しつつ、戦略を模索するが、一瞬の隙を突かれ網状の糸攻撃「愛の放射線（ラブシャワー）」によって捕獲される。パイクはそのままシズクをザザンの元へ連れて行こうとする。しかしシズクは「デメちゃん」で糸の隙間を広げて脱出。糸攻撃の性能を全て把握していたシズクは「私とデメちゃんの勝ちです」と宣言し、パイクの傷口から「デメちゃん」で血を吸い取り勝利を収めた。その場を後にしようとしたシズクだったが、瀕死のパイクに駆け寄った。シズクはパイクに粘着性の糸を全身に巻けば出血を止められた、という自身の推論を伝えた。その後シズクは旅団一行と合流し、フェイタンとザザンの戦いを見物した。

シズク＝ムラサキの関連人物・キャラクター

クロロ＝ルシルフル