日本代表アギーレ監督 八百長疑惑の経緯

ワールドカップブラジル大会の後、男子サッカー日本代表チームはハビエル・アギレを新たな監督として迎え入れた。メキシコ代表チームを率いた経験値や実績から期待がかかっていたが、「八百長疑惑」という気がかりもあった。ここではハビエル・アギレにかけられた疑惑の経緯をまとめた。

日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)がスペインリーグで八百長に関与した疑いで告発された問題で日本サッカー協会は18日、後任人事に着手していることを示唆した。日本協会の原博実専務理事(56)は都内で行われた理事会後の会見で来年1月のアジア杯(オーストラリア)では当面、疑惑の指揮官を続投させる方針を明言。一方で告発が受理され、捜査が本格化した場合は“続投白紙”で解任もしくは辞任を勧告することが決定的となった。

日本サッカー協会が疑惑の指揮官、アギーレ監督に「見切り」を付けていることは明白だった。現職の代表監督が八百長関与の疑いでスペイン検察当局から告発されたのが3日前の15日。今後、バレンシア裁判所に告発が受理されれば強い権限を持つ予審判事の下、捜査は本格化する。当然、日本代表の指揮には大きな支障が出てくる。

出典: www.sponichi.co.jp

この日、日本協会幹部では初めて、原専務理事が指揮官の進退について言及。「受理される可能性は十分にある。当然いろんなことを考えてます。あらゆる対応ができるように」とした。大仁会長も「最悪の状態を想定してやっている」。後任の人選を始めているか?の質問にも「今やるべきは現状の正しい認識と考えている」と原専務理事。否定はせず、水面下で後任人事に着手していることが明らかになった。

理事会では冒頭、大仁会長から「アジア杯はアギーレ監督が指揮を執る」と説明があり、各理事の了承も得た。しかし、これはあくまで告発が受理されなかった場合の話。日本協会法務委員長の三好弁護士は「現状は監督を代えるだけの証拠を発見できていない。ただ、状況は変わっていくと思うので対応していきたい」と説明した。もはや解任間近を印象づけた。

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スペイン紙では、告発から受理までに要する期間は10日間程度との報道もある。告発が受理されても有罪が確定するわけではない。今後、長い時間をかけて捜査、聴取が始まる。物理的にはアジア杯の指揮が可能となるケースもある。だが、八百長疑惑で告発が受理された監督が代表を指揮するのは異常事態。告発の受理が分岐点となる。

原専務理事はアギーレ監督が来年1月のアジア杯で続投しても、その後は白紙とした。「アジア杯で連覇を懸けて戦う。その後のことはどうのこうの言えない」。アジア杯までは時間も限られる。開幕前や大会中に告発が受理されれば、手倉森コーチ、ゲリング・コーチの監督代行が濃厚だ。疑惑の指揮官を招へいした原専務理事、霜田技術委員長は「任命責任」を問われるため、後任人事は他の技術委員を中心に進められることになる。

原専務理事は「彼もしっかり言いたいという気持ちはある」と話し、年内にも指揮官による“釈明会見”の準備があることを明かした。だが、状況が好転するとは思えない。告発が受理された時点で、来年3月27日のチュニジア戦を初陣に6月開幕のW杯予選は新監督の下で――という新たなシナリオが動きだす。

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■アジア杯はアギーレ監督で 原専務理事が方針示す

日本サッカー協会の原博実専務理事は18日、八百長に関与した疑いでスペイン検察当局から告発された日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)が、来年1月のアジア・カップで指揮を執る方針を示した。同日、東京都内で開いた理事会後に明らかにした。大仁邦弥会長は理事会の冒頭で「ご心配をおかけして申し訳ない」と謝罪したという。

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スペイン1部リーグのサラゴサ(現2部)を率いていた2011年5月の最終節でレバンテを下した試合に八百長の疑いがある。日本協会はアギーレ監督が告発されたことを受け、17日に監督への2度目の聞き取りを実施。監督は「八百長には一切関与していない」とあらためて潔白を主張したという。原専務理事は「現段階でアギーレ監督をどうこうとは全く考えていない」と述べた。

スペインの司法制度では、告発を裁判所が受理した後に本格的な捜査が始まる。手続きの進展によって出頭などで代表活動に支障が出る恐れもあり、原専務理事も「いろいろなことは考えている。あらゆる対応ができないと」と方針には含みを持たせた。

日本代表はオーストラリアで開催されるアジア・カップで2連覇を目指し、今月29日から合宿に入る予定。

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■金の分配役はアギーレ監督!?メキシコ紙報じる

メキシコ紙エル・ウニベルサルの電子版は16日、サラゴサに近い関係者の話として「検察は、アギーレ監督が入金された金を引き出し、レバンテの選手たちに試合に負けるよう配ったとみている」と報じた。スペインで公開された告発状では、橋渡し役が誰だったかについては触れられていない。この関係者によれば、アギーレ監督は八百長疑惑で重要な役割を果たした人物として、検察から考えられている。

出典: news.livedoor.com

この関係者はまた「最悪のケースではアギーレは4年間収監され、6年間監督ができなくなる」と証言。一方で「八百長があったとは思わない。試合を何度も見たが違和感はなかった。(レバンテのGK)ムヌアは試合で最も活躍した選手だった」とも話し、疑惑そのものについては否定的だった。

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■大仁会長ようやく取材対応、アギーレ進退表明へ…原氏ら“総辞職”も

日本サッカー協会の大仁邦弥会長(70)が18日、スペインリーグの八百長問題で告発された日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)の進退問題などについて説明する。17日は休日返上で都内のJFAハウスに現れたが、この日も取材対応はなし。日本協会によれば、18日のJFA理事会でまずは理事らに事情を説明。フットサルの国際親善試合、日本―クロアチア戦(駒沢体育館)を視察した後、報道陣の取材に応じる方針という。

大仁会長を乗せた黒塗りのハイヤーはほとんど速度を落とさぬまま、JFAハウスの地下駐車場に入った。当初は休日予定だったがオフ返上で姿を見せた。日本代表の指揮官が八百長問題で告発されるという前代未聞の事態だけに、告発が明るみになって2日がたっても慌ただしさを感じさせた。だが、この日も協会トップの口は閉ざされたまま。取材対応を求めた報道陣に、日本協会の広報担当はこの日も「その予定はありません」と言い切った。

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注目が集まる疑惑の指揮官の進退問題。大仁会長は18日、ようやく口を開く。日本協会は同日にJFA理事会を開催。日本協会の西沢コミュニケーション部長は「(18日の)JFA理事会で理事に事情を説明し、その後、(フットサル会場で)メディアの囲み取材にも応じる予定です」と説明した。西沢氏は前日16日、指揮官の進退について「現時点で何かを判断する段階ではない」と話し“続投”の方針を示していた。だが告発されたという事実は重く、指揮官の進退に関する追及は免れない状況となっている。

大仁会長の取材対応に先立ち、理事会終了後には原専務理事が定例会見に臨む。同専務理事はアギーレ監督の招へいに動いたものの、指揮官が告発されてからは報道陣の質問に「ノーコメント」を貫いていた。それだけに、こちらの発言にも注目が集まる。

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地元スペイン紙によれば、スペイン検察庁からの告発は近日中にも受理される見通しだ。来年1~2月にはバレンシア裁判所から召喚される可能性が高い。アギーレ監督の代理人によれば「(指揮官は)喜んで出頭する」と話しているが、来年1月にアジア杯を戦う日本代表への影響は計り知れない。それだけに、日本協会がアジア杯前に辞任勧告、解任へと動く可能性も残されている。

代表監督の解任に動いた場合、指揮官を招へいした原専務理事、霜田技術委員長の任命責任は重い。日本協会関係者によれば、“総辞職”を求める声もあり、早くも「後任人事の指揮は誰が執るのか?」との声まで上がっているという。18日は大仁会長の責任も追及されることになりそうだ。

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関係者によれば、日本協会の西沢部長は技術委員らに対しても、この件に関する発言を控えるよう伝えるなど、かん口令が敷かれているという。一方で、日本協会の小倉純二名誉会長は「今の状態が続くのは良くない。ただ白黒つくまで待ってあげた方がいい。(進展があったら)その時に判断しなければ」と会長より一足先に見解を示した。協会トップはどんな結論に至るのか。その方向性は日本サッカー界の未来を左右することになる。

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■アギーレ監督 検察に怒りの応戦「裁判には喜んで駆けつける」

潔白を主張するため、アギーレ監督が検察当局との全面闘争を辞さない構えを見せた。代理人のペレ・アルティガス氏が本紙の取材に応じ「彼は落ち着いているが、プロとして、とても憤りを感じている。裁判所にも喜んで駆けつけるだろう。なぜなら、彼自身もいろいろと意見を言いたいからだ」と指揮官の思いを代弁。告発が受理されれば、本格的な捜査が始まってバレンシア裁判所から召喚される可能性があるが、出頭を歓迎する意向を示しているという。

八百長疑惑がかかる試合は11年5月21日のレバンテ―サラゴサ戦。告発の対象者は41人おり、アギーレ監督の名前は6番目に記されている。告発状にはサラゴサ幹部とアギーレ監督、選手が試合結果を操作することで合意していたとの記述もある。置かれた状況は厳しいが、アルティガス氏は「彼は本当に何も知らなかった。にもかかわらず、とんでもない混乱に陥れられた。あの試合の映像を90分通して見れば、どんな疑いも生じることはない」と説明した。

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日本協会はアギーレ監督の弁護士の見解を受け出頭は来年2月になるとの見通しを示している。一方で、地元メディアでは告発の受理に要する日数は10日以内とも報道されており、出頭がアジア杯期間中の1月に早まる可能性も否定できない。起訴に発展して裁判に突入した場合は判決までに3~4年を要するとされる。八百長関与が認められれば、1~6年の資格停止処分が科される可能性があり、FIFAから指導者ライセンスを剥奪されることが濃厚。半年から4年の禁錮刑を受けるという見方もある。

アルティガス氏は「彼のことを知っている人間は、彼の倫理観がいかに素晴らしいかを理解している。八百長に加担するなど、絶対にない。彼はそんなことを許す人間ではないし、八百長を知っていたらサッカーのプロとして彼自身が告発していただろう」と主張した。アギーレ監督の力となり、無実の証明に全力を尽くす方針だが、検察との争いが長期化すれば、代表監督の業務に支障が出ることは必至だ。指揮官は現時点で続投方針を示している日本協会の大甘裁定に救われているものの、八百長疑惑の解消に労力を割かなければならない時点で、日本を指揮する資格があるのかは疑問だ。

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■危機感ゼロ…協会幹部は懇親会、アギーレ進退問題は議論もされず

日本協会の危機管理の欠如、大甘な体質が浮き彫りとなった。現職の日本代表監督が八百長疑惑で裁判所に告発された。告発が受理されれば、強い権限を持つ予審判事の下、捜査が本格化する。アギーレ監督に出頭が要請される可能性は高い。来年1月にアジア杯を控え、状況次第で進退問題は避けられないはずだ。

だが、日本協会の西沢コミュニケーション部長は「現時点で何かを判断する段階ではない。こうなったら、どうするというような議論はしていません」。当面は指揮官を“続投”させる見通しを示した。この日は午前中から日本協会の大仁会長、原専務理事、法務委員長の三好弁護士らが緊急会談。しかし、確認したのは独自の情報収集を進めること、出頭時期の日程確認などにとどまった。日本協会も独自に検察当局の告発文を入手したが、この日は西沢氏がアギーレ監督と通訳を介して電話で話しただけだ。

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日本代表は来年1月2日にオーストラリア入りしアジア杯に臨む。指揮官は1月に出頭を要請される可能性もゼロではなく、アジア杯期間中に監督が離脱する最悪の事態も想定される。その場合はゲリング・コーチ、手倉森コーチの代行が濃厚だが、選手の士気に影響を及ぼすのは明らかだ。

日本協会関係者は「JFAは公益財団法人なんだから(告発のような事態は)嫌うよね」と指摘。日本代表は協会に年間約55億円もの協賛金などの収入をもたらす“看板”だけに広告関係者も「疑惑の段階でもイメージダウン」と表情を曇らせた。状況次第ではアジア杯を前に辞任勧告、解任へ動きだす可能性も残す。

捜査や裁判が長引けば来年6月に始まるW杯予選にも影響するが、西沢氏は「そういう検討はしていない」。この日、報道陣に対応したのは西沢氏のみ。「ノーコメント」とした原専務理事ら協会幹部は同時刻に職員の懇親会に出席しており、危機管理に対する意識の甘さを象徴していた。

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■「想定内」の声も…大久保と宇佐美はアジア杯代表なぜ落選?

来年1月9日からオーストラリアで始まるアジア杯の日本代表メンバー23人が15日に発表された。

FWでは岡崎慎司、本田圭佑、豊田陽平、乾貴士、武藤嘉紀、小林悠と11月のキリンチャレンジ杯に呼ばれた6人が順当に選出された。軸になるのは、ブンデスリーガでゴールを量産している岡崎だろう。

Jリーグで2年連続得点王(18ゴール)に輝いた大久保嘉人、G大阪の3冠獲得に貢献した宇佐美貴史(リーグ戦10点、ナビスコ杯5点、天皇杯6点)のサプライズ選出は見送られた。

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個人的には「想定内」である。大久保は、32歳という年齢がネックになっているはずだ。結果を残しているが、これまでアギーレ監督は、一度も大久保に興味を示したことがない。

宇佐美については、得点能力に加えてドリブル突破も大きな魅力だが、守備力に問題があると判断されたのだろう。相手ボールの時もプレスをかけるのではなく、前線に居残っているだけ。近代サッカーのFWは、前線からの守備に加え、ボールをロストしたら自ら取り返すという個人の責任も要求される。

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アギーレ・ジャパンの基本システムは4-3-3だが、「攻撃では3-4-3になり、守備では4-1-4-1になる。重要なのはシステムではない。その位置でプレーする選手だ。試合中もシステムは変える」と話したアギーレ監督は、対戦相手によって使い分ける可能性が高い。

11月のオーストラリア戦では、後半から戦い慣れた4-2-3-1にシステムを変更して勝利を収めた。ブラジルW杯組が14人もいるだけに連係的に違和感もなく、スムーズに対応するだろう。

不安材料として、やはりコンディションがカギを握っている。今季Jリーグは12月6日に終了。毎年、元日が決勝だった天皇杯も、今月13日に繰り上げてオフの期間をつくった。しかし、それは国内組に限った話。セリエAやブンデスリーガは21日までリーグ戦があるので、海外組にはオフが1週間程度しかない。

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