ジパング(かわぐちかいじ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ジパング』とは2000年よりかわぐちかいじが『モーニング』で連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。西暦200X年の6月、日本海上自衛隊の最新型イージス艦みらいはミッドウェー沖合にて落雷を受ける。それをきっかけに、彼等はイージス艦ごとミッドウェー海戦直前の1942年6月4日の太平洋上にタイムスリップした。オーバーテクノロジーを保有する形となった彼等は、戦前の人々や歴史の流れの中で葛藤し、各々の思想の違いによって対立していく。そして彼等の存在は、歴史を大きく変えて行くのであった。

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イギリス人の闇商人。冬馬の父であり、照子の夫。機嫌が悪いと酒を飲み、冬馬に当たり散らす。だが冬馬にとってはたった一人の父親で、それなりに大切にしていた。だが第二次世界大戦に伴い、冬馬と照子はイギリス軍にチャンギ収容所へ収容される。その後日本軍がシンガポールを占領した際、それまでイギリス軍の手で日本人住民が収容されていたチャンギ捕虜収容所へ、入れ替わりで収容される。その時に解放された照子と冬馬を見つけ、呼びかける。しかし照子が返事をしようとした冬馬の口を照子がふさいだ為、そのまま収容所に入れられ、マラリアで病死した。

外伝『至誠に悖るなかりしか』

小春(こはる)

広島県・江田島で下宿を営む老婆。幹部候補生時代の尾栗は、彼女の下宿の世話になった。

若く血気盛んな尾栗に、自身が若い頃に死別した海軍軍人の夫の事や海軍の誇りについて教えを説いた。

外伝『フレンドシップ』

ポール・ハミルトン

草加がロンドンでの海軍中尉時代に知り合ったイギリス人の男性。祖父はクリミア戦争の英雄であり、愛国心が強い。イギリス海軍航空隊隊長で、階級は中尉。彼の妹がダンスパーティーで草加と踊った事を契機に知り合う。2人は親友となり、それぞれの持つお守りを交換しあっていた。だが日本が第二次世界大戦へと足を運んで行くに従い、敵国同士となってしまう。この為、2人は心を通わせつつも別離する事となる。

高須四郎(たかす しろう)

ハミルトンと親交のある草加を重要視している男性。軍属の大差で駐英日本大使館付武官を務める。五・一五事件を機に横須賀鎮守府軍法会議判士長に任命された。作中ではその拝命のために帰国している。

『ジパング』の用語

概念

ジパング

未来を見た草加が歴史を改変して新しく創立しようとしている国家。本人曰く「大日本帝国でも戦後日本でもない新しい日本」との事。後に角松も草加とは別のジパング創立を志し、行動していく。

環太平洋条約機構

略称はRPTOで、日本と連合国との講和後に成立した、架空の集団安全保障機構。太平洋沿岸の自由主義陣営の軍事同盟とされている。

兵器

原子爆弾

草加が欧州で暗躍して入手した濃縮ウランを用いて作成された日本製原爆。

当初は、史実の広島にて使用されたガンバレル方式での製作が予定されていた。この方式は構造が簡単な為、製作が容易と判断された為である。だが機材を載せたルイス・フロイス号が沈没し、断念した。結果的に史実の長崎にて使用された、インプロージョン方式を採用する事となる。この方式は艦砲を用いて「分割したウラン片を爆縮させる」というものであった。この設計変更した為、巨大な重量物と化し、運搬手段として戦艦大和が採用される。

大和の採用理由は「巨大な収納スペースを持ち、戦闘中に敵へ突入できるほど頑丈で、かつ戦闘速度を保つことが可能であるから」である。

最終的に「みらい」の砲撃で原子爆弾は大和ごとマリアナ海溝へ沈没。海中にて爆発し、その威力をアメリカ海軍へ見せ付けた。戦術兵器としての使用は失敗したものの、「日本が原子爆弾を完成させた」という政治的メッセージをアメリカに伝えた。

MV/SA-32J「海鳥」

ベル社(V-22オスプレイを開発した会社)と三菱が共同開発したティルトウイング方式の垂直離着陸機。「みらい」に搭載された架空の艦載機である。高精度の偵察任務をこなし、時には戦闘を行った。最終的にダンピール海峡にて「みらい」を庇い、アメリカ軍の反跳爆撃を受けて爆発四散する。

Hua18257
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