『ジパング』とは2000年よりかわぐちかいじが『モーニング』で連載していた漫画、およびそれを原作としたアニメ作品。西暦200X年の6月、日本海上自衛隊の最新型イージス艦みらいはミッドウェー沖合にて落雷を受ける。それをきっかけに、彼等はイージス艦ごとミッドウェー海戦直前の1942年6月4日の太平洋上にタイムスリップした。オーバーテクノロジーを保有する形となった彼等は、戦前の人々や歴史の流れの中で葛藤し、各々の思想の違いによって対立していく。そして彼等の存在は、歴史を大きく変えて行くのであった。
CV:屋良有作
艦長で一等海佐を務める男性。兵庫県西宮市出身で、1948年5月20日生まれ。
非常に温和な性格で、決断が遅い事から部下に「昼行灯」とあだ名づけられている。建築会社に勤めている息子と学生の娘がおり、阪神タイガースの大ファンである。叩き上げで、どんな戦闘でも自衛官として専守防衛を貫き部下の生命を第一としている。クルー以外の人命についても可能な限り守ろうとする姿勢を持っており、これが後に原爆開発妨害の原動力となっていく。命を大切にする一方、艦長として命を奪う決断もしなければならず、やむを得ない米軍への攻撃を許可した事もあった。
アリューシャン戦で敵の攻撃により、揺れた艦内で頭を打ち付けて負傷してしまう。その後は下艦して横須賀で療養した。後に草加の原爆製造と歴史改変を阻止すべく、如月中尉と共に南京に渡る。そして原爆の原料であるウラン235を処分すべく、原爆開発者の倉田と対峙した。その後、原爆工船ルイス・フロイスにてウラン235を海中に投棄しようとするものの、石原の部下に狙撃されて重傷を負う。死を悟った彼は倉田へ原爆の処分を託し、転落死した。遺体は回収されなかった為、彼の眼鏡が遺品として「みらい」の元へ届けられる。梅津の死は「みらい」乗務員に衝撃を与え、統率者を亡くして不安定になっていった。角松が後任を引き継ぐ事になるものの、クーデターを起こされてしまう結果となる。
未来の梅津は死亡したものの、過去の彼は生きており、そのまま大きくなる。その数年後、「みらい」介入後の世界で国防海軍に入隊。「第二のみらい」の乗員となる。
菊池雅行(きくち まさゆき)
CV:星野貴紀
砲雷長で三等海佐を務める理知的な男性。血液型AB型。角松、尾栗とは防大からの同期であり親友でもある。常に冷静で梅津、角松からの信頼も厚く、部下達からも慕われている。だがその一方で生真面目でもあり、苦境に立たされると何かに心の拠り所を求めようとする。
当初はタイムパラドックスを恐れ、歴史改変に反発していた。だがアリューシャン戦の最中、ソーラーマックスに遭遇した際に、角松と対立する。更に草加や「みらい」によって歴史が既に改変され、後戻りできないと感じて方針を転換。自分なりに歴史改編を行う決意をした。そして敗戦ともアメリカの従属国とも無縁の、新しい日本を生み出すべく行動していく。その為に草加と行動を共にすることを選び、「みらい」でクーデターを引き起こす。角松から指揮権を奪った後は、一線を引きつつも草加の計画に協力していくようになった。菊池の指揮下に入った事で、「みらい」はその圧倒的な性能で米軍を始めとした連合国に衝撃を与える。
ギルバード諸島に向かう途中、かつて退艦した角松達と遭遇する。苦渋の末に乗艦を認め、再び角松と行動を共にする事となった。その後、タラワで角松と共に撤退隠蔽の欺瞞作業を行う事となる。しかし、アメリカ軍との戦闘になり、更に麻生の誤射によって重傷を負い、退艦した。
治療後は内地に戻り、角松達と再び同じ道を歩む事を決意する。彼の後方支援をしつつ、米内の下で終戦工作に奔走した。昭和28年、桃井と共に沖縄に向かう航空機に搭乗するが、洋上で消息不明となる。
その数年後、「みらい」介入後の世界で新しく生を受け国防海軍に入隊。「第二のみらい」の乗員となる。
桐野(きりの)
砲雷科で一等海尉を務める男性。菊池の謀反後、彼の腹心として活躍した。タラワでの菊池の負傷を機に草加、滝と共謀し海軍陸戦隊を率いて「みらい」を制圧する。だが、その軽薄さから2人に信用されずに裏切られ、他のクルー達と無人島に軟禁された。その後は「みらい」奪還計画やマリアナで角松達と協力する。対大和戦では実質、角松の補佐を務めた。そして大和強行移乗作戦で角松不在後は、「みらい」の指揮を任される。
最期はマリアナ海戦で沈没した「みらい」と共に、マリアナ海峡に沈んで死亡する。だがその数年後、「みらい」介入後の世界で新しく生を受け国防海軍に入隊。「第二のみらい」の乗員となる。
青梅鷹志(おうめ たかし)
CV:岩崎征実
砲雷科員で一等海曹を務める既婚男性。帽子と煙草がトレードマークである。
「みらい」との戦闘中、常にCICでオペレーターをしている。電子機器への造形が深く、上層部からも重要視されていた。クーデターの際には、菊池自らが彼を仲間にしようと説得している。
対大和戦の際、三式弾の砲撃によって「みらい」のレーダーが破壊され、CICの機能が事実上停止してしまう。これにより役目が無くなった事から、シーホークへの座乗を志願した。そして尾栗の落下後、シーホークからハンドアローを機関部へと撃ち込み、先に投下した航空燃料が充満した機関部に大打撃を与える。これにより大和は停戦する事となった。
大和強行移乗作戦にも参加し、シーホークから甲板に降り立つ。大和艦内へ移動する途中、大和に見とれた一瞬の隙を突かれ、狙撃され致命傷を負った。それでも角松に尾栗の捜索を託し、侵入口で殿として残る。そして瀕死の状態の中、敵の会話を盗み聞き、無線で角松達に捜索隊の情報を流した。その後捜索隊に発見され戦闘になるが、手榴弾を使い捜索隊を巻き添えにして自爆し、殉職する。その後、大和反乱将兵から尾栗の遺体が柳達へ引き渡された際、唯一かろうじて原形を留めていた彼の鉄帽も引き渡された。
その数年後、「みらい」介入後の世界で新しく生を受け国防海軍に入隊。「第二のみらい」の乗員となる。
米倉薫(よねくら かおる)
CV:下崎紘史
砲雷科員で一等海尉を務める眼鏡を掛けた男性。
ミッドウェー沖でガトー級潜水艦「ガードフィッシュ」の雷撃から逃れる為、独断でアスロック対潜魚雷を発射する大失態を犯す。これにより草加と米軍に「みらい」の脅威的な性能が知られてしまった。その後は補給科に異動されたが、後に砲雷科に戻っている。補給科にいた頃はアスロックを独断発射した失態の為か、他の科員から蔑まれたり、階級が下の杉本に呼び捨てにされていた。
対大和戦では実質、菊池の代わりに砲雷長を代行する。更に大和強行移乗作戦において原爆解体要員として選抜された。だが予備倉庫から原子爆弾のある倉庫に壁を爆破して突入する際、貯められていた大量の海水により押し流され、後方の壁で頭部を強打してしまう。角松達によって倉庫へ運ばれるが、致命傷であった為そのまま死亡した。
その数年後、「みらい」介入後の世界で新しく生を受け国防海軍に入隊。「第二のみらい」の乗員となる。
榎本一志(えのもと ひとし)
CV:植木誠
砲雷科員で二等海曹の男性。
ガダルカナル島上陸部隊に選抜され、ガ島に角松らと上陸。ハープーンの誘導のレーザー照射を担当した。その後、柳と米兵の遭遇から始まった銃撃戦で、自分達が救おうとした米兵達を殺してしまった事に涙する。
タラワ上陸作戦にも抜擢され、角松と菊池と共に行動する。その際に突如米海兵隊の偵察隊が現れ交戦状態になった。同時に回収に出てきた林原のシーホークに自分達の居場所を知らせようと、角松達の静止を振り切ってライトで合図を送る。だがシーホークが着陸場所を探して離れた為、焦って塹壕から飛び出してしまった。そこを米兵に発見され、喉に銃弾を受けて殉職する。安全を確保する関係で一旦遺体はその場に置き去りにされるが、偵察隊が引き上げた後に回収された。
その数年後、「みらい」介入後の世界で新しく生を受け国防海軍に入隊。「第二のみらい」の乗員となる。
柏原秀行(かしわばら ひでゆき)
CV:内藤玲
船務科員で菊池派の一員。
立花(たちばな)
船務科通信士で二等海尉を務める男性。角松派の一員でもある。
「みらい」でのクーデターの際、角松派であった為、多数の菊池派に取り囲まれて銃で脅される。だがこれに抵抗し、自分を説得に来た菊池派の野口ともみ合いとなった。その後、野口の拳銃を奪った所で暴発し、重傷を負わせてしまう。これに対し駆け付けた米倉(菊池派)と互いに銃口を向け合う状態となり、恐慌状態となった。だが駆け付けた角松の説得により銃口を下ろし、一旦場は収まる。
その後角松と共に下艦しようとするが、「みらい」の外側「戦争の時代」へ進む事に恐怖しタラップで踏み留まってしまう。それを見抜いた角松の言葉を受け、「みらい」に残留した。これ以降「角松を裏切ってしまった」と後悔する様になり、艦内業務を放棄して自室に籠る毎日を送る。だが空母龍驤へ「みらい」の乗組員を通信士て送り込む事になった際、名乗りを上げる。そして戦争への恐怖を克服する覚悟で荻島と共に空母龍驤へと乗艦した。
立花の乗る龍驤は英空軍の攻撃に晒された際、「みらい」を守る為に単機で敵と交戦する事となる。立花はこの決断に了承し、龍驤と共に戦う覚悟をした。そして被弾した際に鉄骨の下敷きとなり、そのまま艦内に流れ込んだ大量の海水により溺死する。その際、菊池達に「戦争に対してどんなに考えようにももう考える時間が無い」と最期の交信を行った。
その数年後、「みらい」介入後の世界で新しく生を受け国防海軍に入隊。「第二のみらい」の乗員となる。
麻生保(あそう やすし)
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目次 - Contents
- 『ジパング』の概要
- 『ジパング』のあらすじ・ストーリー
- 過去へと飛ばされる
- 揺れる「みらい」
- 角松の決意
- 大決戦
- 継承
- 新しい未来
- 『ジパング』の登場人物・キャラクター
- 海上自衛隊イージス艦「みらい」乗務員
- 角松洋介(かどまつ ようすけ)
- 草加拓海(くさか たくみ)
- 梅津三郎(うめづ さぶろう)
- 菊池雅行(きくち まさゆき)
- 桐野(きりの)
- 青梅鷹志(おうめ たかし)
- 米倉薫(よねくら かおる)
- 榎本一志(えのもと ひとし)
- 柏原秀行(かしわばら ひでゆき)
- 立花(たちばな)
- 麻生保(あそう やすし)
- 柴田(しばた)
- 荻島(おぎしま)
- 尾栗康平(おぐり こうへい)
- 柳一信(やなぎ かずのぶ)
- 杉本直人(すぎもと なおと)
- 篠原(しのはら)
- 野口(のぐち)
- 桜井一彦(さくらい かずひこ)
- 桃井佐知子(ももい さちこ)
- 給養員長
- 佐竹守(さたけ まもる)
- 森(もり)
- 林原克敏(はやしばら かつとし)
- 柿崎(かきさき)
- 片桐(かたぎり)
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- 滝栄一郎(たき えいいちろう)
- 河本(かわもと)
- 如月克己(きさらぎ かつみ)
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- 角松洋介「俺がそいつをぶっ壊してやる!!」
- 草加拓海「生き延びよ。そして…」
- 「みらい」撃沈シーン
- 角松が「みらい」を見送るシーン
- 『ジパング』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 史実の戦争
- 史実のミッドウェー海戦
- 史実のガダルカナル島の戦い
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- 『ジパング』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):AUDIO RULEZ『羅針盤』
- ED(エンディング):BEGIN『君を見ている』
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