秋山醤(鉄鍋のジャン!)の徹底解説・考察まとめ

秋山醤(あきやまじゃん)とは、西条真二による料理マンガ『鉄鍋のジャン!』の登場人物。唯一の肉親である祖父を失い、その祖父の友人が営む「五番町飯店」に雇用されることになった16歳の少年で、同作の主人公にあたる。料理対決に勝つためとあらば、極悪非道ともいえる手段を平気で取って相手を陥れる苛烈な性格がゆえに、本作をただの「料理マンガ」ではなく、一種のピカレスク・ロマン作品に押し上げている存在といえる。だが勝負が関係ないところであれば面倒見が良い一面もあり、そのギャップも非常に魅力的な人物だ。

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秋山醤の概要

秋山醤(あきやまじゃん)とは、西条真二による料理マンガ『鉄鍋のジャン!』の登場人物。唯一の肉親である祖父を失い、その祖父の友人である五番町睦十が営む「五番町飯店」に雇用されることになった16歳の少年で、同作の主人公にあたる。料理対決に勝つためとあらば、極悪非道ともいえる手段を平気で取って相手を陥れる苛烈な性格がゆえに、本作をただの「料理マンガ」ではなく、一種のピカレスク・ロマン作品に押し上げているといえる。
「中華の覇王」と呼ばれた祖父から、なかば虐待にも等しい英才教育を受けてきたため、技術と知識は非常に高い水準を誇っている。虫やハトの生き血など、一見すると全く食材とは思えないような食材も使いこなすアイディアマンだが、傲慢ともいえる言動がゆえに友人以上に敵が多い。勝負が関係ないところであれば面倒見が良い一面もあり、そのギャップも非常に魅力的な人物だ。
極悪非道ぶりについては読者からいじられている一方、作り出す料理は非常に美味しそうであることから、「食べてみたい」という声も多く上がっている。

『鉄鍋のジャン!』とは、西条真二による漫画作品。1995年から2000年にかけて『週刊少年チャンピオン』で連載され、コミックスは全27巻が刊行された。料理研究家のおやまけいこを監修に迎えた料理漫画作品で、主人公の秋山醤が様々な相手と料理対決をするという「王道」ともいえるストーリーだが、彼の「勝利のためなら手段を選ばない」というファイティングスタイルから、ある種のピカレスク作品として扱われている部分もある。
2026年にテレビアニメ化されることが、2025年末に発表された。

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秋山醤のプロフィール・人物像

「こいつ絶対主人公じゃないよ」と思わせるほどの邪悪な笑顔である。

16歳。小柄で細身ながら、殺気立った雰囲気を醸し出す少年。
「中華の覇王」の異名を持つ料理人、秋山階一郎の孫。祖母の明輝は中国で飲食店を経営している。幼いころから、祖父の虐待にも等しい徹底した英才教育を受け、卓越した料理の腕を身に着ける。背中には祖父との厳しい修行を裏付けるような夥しい数の傷があり、他人に見せないように心掛けている。
自身が徹底している「料理は勝負」という信念も、階一郎の受け売り。ベテラン料理人も顔負けの中華料理の腕を持ち、通常では料理には使うとは思えないような食材も自在に操るアイディアマンでもある。
祖父が自死を遂げて以降は、遺言に従って五番町飯店の門を叩いて見習いとして働き始める。しかし腕を認められ、わずか数日で調理担当に回った。
正論が多く、内容にも間違いはないが、その苛烈ともいえる性格と毒舌のため、周囲からは恨みや怒りを買うことが多い。料理対決で勝利することに対して徹底的なこだわりがあり、挑まれれば断ることは基本的にない。この好戦的な性格の一方で、自分に対して友好的な相手や、料理勝負とは無関係な状況下では小此木にも料理を教えるなど、面倒見のいい一面もある。料理のためには手間のかかる工程でも一切の妥協をせず、自身が負傷することも気にしないなど、良くも悪くも勝つために手段を選ばない。
丸刈りの坊主頭と目つきの鋭さのせいで人相は悪く、しばしば猿に例えられるような風貌をしている。しかし顔立ちそのものは整っており、小此木とともに女装した際には、自ら正体を明かすまで、大谷にも、大谷の傍にいた伍にも気づかれることはなかった。

秋山醤の能力

卓越した料理センスと技術

サメを油で揚げているシーン。もちろん素手である。

「中華の覇王」である秋山階一郎直々に、虐待ともいえる厳しい訓練を受けてきた醤は、包丁さばきや鍋、火力操作など、料理に対する基本的なスキルが常人離れしている。さらに、微量の調味料の増減による味の変化や、火の入りすぎ、足りなさなどを即座に察知するなど感覚も鋭敏で、他人の料理の欠点を一口で看破することもできる。
さらに、全日本中華料理人選手権の予選で披露した「幻覚キノコスープ」をはじめ、味覚の錯覚を誘う素材や調理法も把握しているなど、一見すると全くそうは見えずとも、非常に水準の高い知識を持っていることもわかる。

ハエの親子が、などと言って審査員を怯えさせているが、れっきとした調理方法の解説である。

また、周到な一面もあり、下処理や調理でも手間は惜しまない。この周到さがよく活かされる反面、大会要項などを熟読し、その裏を突く形で「誰も思いつかないから想定されてない手」を使って周囲を振り回しがちでもある。

秋山醤の来歴・活躍

五番町飯店編

祖父の秋山階一郎に、幼少期から厳しく料理を教わる。祖父が亡くなった際、彼の遺言に従って東京で一番と評判の中華料理店「五番町飯店」に入店して見習いとなるが、店の跡取り娘である五番町霧子をはじめとした店の面々としばしば対立し、協力しながら交流を深める。
「神の舌」と呼ばれる料理評論家、大谷日堂が来店し、醤と霧子は彼にふるまう料理を担当することになる。確かな舌と腐りきった心を持ち、必ず料理のアラを見つけて罵ってくる大谷だが、醤は「何も言わせない料理を作ればいい」と考え、大谷に一泡吹かせる「茶碗蒸し」を作ることを決意。醤は大谷に「羊の脳みそ」を具材にした茶碗蒸しを提供し、大谷はこの一件から五番町飯店と秋山醤に対して恨みを持つようになってしまう。

第1回全日本中華料理人選手権編

醤が作った「鴿子型酥皮包戯蛋(ゴォズリェンスウピィパウヘイタン)」。本人はさらにわかりやすく「鳩型パイケース入りビックリ卵」と紹介している。

醤と霧子の2人は、若手中華料理人のナンバーワンを決める大会、全日本中華料理選手権に五番町飯店代表として出場することになった。しかし、この大会は大谷日堂が醤を潰すために用意した舞台だった。幻覚作用のあるキノコのスープで予選を突破し、その後も順当に勝ちを重ねて、醤は準決勝に臨む。そこでのテーマは「レンコン料理」だった。「鶏肉とレンコンのココナッツミルク炒め」に自身のルーツであるウナギを掛け合わせたオリジナルメニューを用意していた対戦相手に対し、醤が提供したのは甘いレンコンのスープ。審査員たちは醤のスープを先に食べることで満足してしまい、対戦相手の料理にあまり食指が動かない様子を見せるが、実はこれも醤の戦略だった。
決勝進出を果たした醤は「麺料理」と「デザート」の課題に臨むことになるが、祖父直伝の刀削麵がオリジナリティに欠けるとして最低評価をつけられてしまったことに打ちひしがれる。しかしその悔しさをバネにした醤は、ハトの血を使った「鴿子型酥皮包戯蛋(ゴォズリェンスウピィパウヘイタン)」という名のデザートを作って周囲を唖然とさせる。しかし、醤を優勝させたくない大谷が霧子に票を入れたため、醤は優勝を逃してしまうのであった。

ホテル「ミラージュ」編

五番町飯店を訪ねてきた、元従業員の蟇目壇(ひきめ だん)に楯突いたことで右手の指をすべて折られてしまった醤は、その状態で蟇目と料理勝負を行うことになる。
勝負の課題は「酢豚」で、フルーツたっぷりの酢豚を作った蟇目に対し、柚子とシメジの相性の良さを生かした酢豚を作って対抗する醤。勝負の結果は引き分けとなったが、さらに蟇目を挑発した醤は左腕も折られてしまった上に、再び料理勝負をすることが決まった。
両腕を完全に封じられて、自分で料理ができない醤は、小此木に手足となってもらうことにして特訓を始める。彼らは特訓の成果もあって再戦に勝利するが、実は蟇目は高級ホテル「ミラージュ」内の中華料理店「蜃気楼」の総料理長として引き抜かれており、自分の手足になる料理人として醤をスカウトするつもりというのがこの再戦の狙いだった。
醤はオープン前の「蜃気楼」に招かれるが蟇目の誘いを蹴り、五番町飯店へと戻っていった。
その後、醤は「蜃気楼」の料理顧問が大谷日堂で、独断で醤を店に入れようとした上に、しかも勝負に敗れた蟇目は開店前にクビにされていたことを知る。
今度こそ公衆の面前で醤を敗北させ、辱めるという目標のために大谷はテレビ局を巻き込み、醤はこの「ミラージュ」の新たな総料理長である伍行壊とテレビ番組の企画で料理の五番勝負を行うことになった。
行壊は通称「五行膳」と呼ばれる薬膳料理で醤を追い詰めるが、醤は従来のセオリーを破って塩を入れたすっぽんのスープや、睦十のコレクションから無断で持ち出してきた幻の高級食材、「龍の涙」を使った料理でこれに対抗する。決着は最終戦にもつれ込むが、行壊の工作によって醤の料理を食べた審査員の1人が倒れ、代わりの審査員としてホテル「ミラージュ」のオーナーである荒俣雷蝶(あらまたらいちょう)がやってくる。圧倒的不利な状況かに見えた醤だが、行壊が雷蝶の愛犬を殺して、その肉を料理に使っていることを暴露し、番組そのものをぶち壊して去っていくのであった。

湯水スグル編

醤たちのもとに、大企業「湯水グループ」の若き総帥・湯水スグル(ゆみずスグル)から出張料理の依頼があった。しかし湯水の目的は料理を食べることではなく、彼自身が行っている「料理人狩り」の100人目の標的として醤を打ち負かすことだったのである。スグルの挑戦を受け、あっさり倒した醤だがスグルは諦めなかった。彼は、五番町飯店に押しかけて再戦を申し込んでくる。「子豚の丸焼き」をテーマにした再試合でも、醤は中国三大食感の1つ「口に入れた時パリッサクッと砕けてもろくはかなく溶けていく食感」を現す「脆」を極めた一皿を作ることでこれも圧勝。
さらに食い下がるスグルが「肝料理」での勝負を挑んできたため、醤はカワハギの肝と鶏の白レバーを合わせることでフォアグラよりも濃厚な肝を作りだす調理法を編み出し、勝利する。それでも諦めないスグルに対し、醤はスグル本人ではなく執事の刈衣花梨(かりい かりん)と勝負することを提案。2人は「羊料理」で対決する。羊とイチジクを煮込んだ伝統的な中国北方の郷土料理を作った醤だが、刈衣が作った羊のローストに敗北してしまう。
その後「魚の蒸し料理」で対決することになった2人。定温調理機を駆使してムラなく完璧に蒸しあがった蒸し魚を作った刈衣服に対し、醤は祖父との修行で身に着けた感覚を頼りに、中心部にわずかに生の部分を残した蒸し魚を作った。素材の旨さを引き出した最高の料理を提供した醤は、無事に勝利を収める。

第2回全日本中華料理人選手権編

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