アーサー・ペンドラゴン(七つの大罪)の徹底解説・考察まとめ

アーサーとは漫画『七つの大罪』に登場する人物である。キャメロット王国の若き王子であり、七つの大罪の1人マーリンの弟子である。リオネス王国奪還の戦いの際、七つの大罪と共闘した。その後は十戒のゼルドリスに王国を乗っ取られ、孤独な戦いを強いられる。単独で王国奪還を試みるも、魔神キューザックの精神支配を受け、自殺させられた。一度は命を落とすものの、マーリンの手により蘇生する。そして封印から解かれた混沌の力をその身に宿し、混沌の王として覚醒する。当初は力を持て余していたが、徐々に力を使いこなしていく。

マーリンとの出会い

アーサーは街で偶然、マーリンと出会う。マーリンは七つの大罪の一員であり、チート級の魔術を扱える妖艶な女性である。七つの大罪とは、かつてリオネス王国に仕えていた7人の英雄が所属する騎士団である。彼等はそれぞれ怠惰、傲慢、嫉妬、憤怒、強欲、色欲、暴食の大罪を背負う罪人であり、マーリンはその中で暴食の大罪を背負っている。彼女は「混沌の王」を探しており、アーサーがその王である事を見抜いた。混沌とはこの世界を作り出した強大な力の意思の事である。魔神族の統率者である魔神王と女神族の統率者である創造神をも生み出した存在でもあった。混沌はその強大さ故に魔神王と創造神の手によって封印されている。マーリンは己の知識欲を満たす為に、混沌を復活させようと目論んでいたのである。そしてその混沌をその身に宿して使いこなせる混沌の王としてアーサーを見つけたのであった。以降、マーリンはアーサーを一人前の王にするべく、彼を導いていく。

マーリンに育てられたアーサーはある日、岩に刺された聖剣を引き抜く。この聖剣を抜いた者は新興国キャメロットの王となる事が約束されていた。その為、彼は若くしてキャメロットの王に即位する。

リオネス王国の戦い

リオネス王国では聖騎士長ヘンドリクセンと聖騎士ドレファス率いる聖騎士達がクーデターを起こし、王国を乗っ取ってしまった。ドレファスは前聖騎士長ザラトラスの弟である、ヘンドリクセンは女神族を信仰する人間の一部族のドルイド出身の騎士で、ドレファスの弟子であり無二の友でもある。だがザラトラスの死から10年後には、2人は考え方の違いから反目し合うようになっていた。ヘンドリクセンは密かに魔神族の血液を使用して「新世代聖騎士」を密かに作り出し、聖騎士達は「聖戦に備える」という名目で民を弾圧し始める。それを止めるべく、かつて王国を追放されたメリオダス率いる七つの大罪が立ち上がった。メリオダスは本作の主人公であり、七つの大罪の団長である。七つの大罪はリオネス王国へ乗り込み、ヘンドリクセン率いる聖騎士達に戦いを挑んでいった。アーサーもリオネス王国の異変を察知し、マーリンと共に王国へと乗り込んでいく。そこでヘンドリクセンへ戦いを仕掛けた。この時のアーサーは魔力に目覚めておらず、剣術のみでヘンドリクセンと戦う事になる。次第にアーサーは割り込んできたメリオダスと共闘する形となった。

最終的にヘンドリクセンは、七つの大罪の活躍により打倒される。これによりリオネス王国は解放されるのであった。

十戒との戦い

七つの大罪により打倒されたかに見えたヘンドリクセンであったが、彼は生き延びていた。そして常闇の棺の封印を解き、十戒を解放する。十戒とは魔神族の中でも特に力の強い「最上位魔神」を10人集めた精鋭部隊である。魔神王より「戒言」という強大な力を授かっており、無類の強さを誇るっていた。ヘンドリクセンは十戒の復活と同時に人間へと戻り、理性を取り戻す。そしてドレファスが現れ、十戒のメンバーに加わった。全ての黒幕はヘンドリクセンでは無く、ドレファスであったのである。彼には十戒のメンバーの1人で3000年前の常闇の棺の封印を逃れていたフラウドリンが憑依しており、ドレファスとヘンドリクセンを操っていた。

十戒はブリタニア大陸の侵略を開始する。ゼルドリスはキャメロットへ侵攻し、魔神族の根城にしてしまった。ゼルドリスは十戒の統率者であり、メリオダスの弟である。アーサーはキャメロットを取り戻すべく奮闘するが、なす術なく身を潜める事となった。彼は地下のシェルターに生き残った民達を避難させ、ゲリラ的に1人で魔神族達と戦いを繰り広げていく。

メリオダスの裏切りと死

メリオダスの正体は、魔神族の統率者である魔神王の息子であった。彼は3000年前に魔神族を裏切り、女神族の統率者である創造神の娘エリザベスと恋に落ちたのである。これがきっかけで魔神族と女神族のパワーバランスが崩れ、魔神族対女神族、人間、巨人、妖精の4種族連合の全面戦争が勃発した。

メリオダスとエリザベスは聖戦を止めようと奔走するが、聖戦は激化していった。聖戦は十戒の1人であるゴウセルが女神族の主力であったマエルの記憶を書き換え、十戒側に寝返らせた事で戦局が一変する。ゴウセルは「無欲」の戒言を持ち、記憶操作や精神操作の魔法を得意とする魔神族である。マエルは女神族の中核を成す女神族四大天使の1人である。魔神族側が優位になった事により、女神族は苦肉の策として「常闇の棺」を発動し、魔神族を封印する事になる。

聖戦は終結したものの、メリオダスは創造神の怒りに触れ「永遠の生」という呪いを掛けられている。これは彼が死亡する度に、魔神王に感情を1つ奪われて復活するという呪いであった。これにより、彼は死ぬ度に冷酷無慈悲な存在へと変貌していく。一方のエリザベスも魔神王から「永劫の輪廻」という呪いを掛けられる。これは「彼女が死亡する度に転生してメリオダスと出会って恋に落ち、転生前の記憶を取り戻すと必ず3日後にメリオダスの前で命を落とす」というものであった。これによりメリオダスはエリザベスと出会っては恋に落ち、目の前で彼女を失うという永遠の悲しみを経験する事となる。メリオダスは自分とエリザベスの呪いを解く為、3000年を超える旅をしていたのであった。

そのエリザベスの呪いが十戒との戦いの最中に発動してしまう。メリオダスはエリザベスを救う為、魔神王に成り代わる事を決意し、魔神族へと寝返るのであった。彼は魔神族の根城と化したキャメロット城へと赴く。アーサーもキャメロット城に封印されていた聖剣エクスカリバーを抜く為、城内へと潜入した。そしてアーサーは裏切ったメリオダスとゼルドリスを始めとした最上位魔神と対峙する。アーサーはエクスカリバーを抜いて彼等と戦うものの、その圧倒的な力の前に苦戦を強いられた。その時、瞬間移動を駆使したマーリンによって彼は救い出され、難を逃れる。だがキューザックの精神操作魔法に掛かっていたアーサーは、マーリンの目の前で自害させられてしまった。キューザックは魔神王が最初に生み出した原初の魔神の片割れである。精神操作魔法で相手を支配し、動けなくなった所を殺してしまう事から「うたた寝の悪魔」の異名を持つ。

因みにキャメロット王国は、アーサーが死亡している間に魔神王と七つの大罪の戦いによって滅びてしまった。

復活と覚醒

メリオダスは七つの大罪の団員達の活躍により、団長に復帰する。そしてその七つの大罪により魔神王は打ち倒された。魔神王が打ち倒された事により、混沌の封印が解かれ始める。マーリンはアーサーの死体を、ブリタニア大陸の中心に存在する「魔法の湖」へと運んだ。そこでアーサーを復活させ、封印されていた混沌の力を彼の肉体に収める。混沌はアーサーを器として認め、彼と一体化した。これによりアーサーは「混沌の王」として覚醒するのである。彼は無から望むものを生み出す、強力な力を得たのであった。

混沌の王となったアーサーであるが、この混沌の力を狙い、キャスがアーサーを襲撃する。キャスは、アーサーがイスタールの修練窟で出会った喋る猫である。その正体は混沌がかつて生み出し、その力を手中に収めて世界を破壊しようとする化け物であった。七つの大罪はアーサーに協力し、キャスと戦う。最終的にキャスは混沌の力に目覚めたアーサーによって吸収された。

戦いを終えたアーサーは、七つの大罪に別れを告げマーリンと共に旅立っていく。彼は混沌の力を使い「誰も苦しまず、誰も悲しまない永遠の王国」を作るべく、行動を始めたのである。七つの大罪はそんな彼を温かく見送るのであった。

続編『黙示録の四騎士』へ

続編の『黙示録の四騎士』にてアーサーは再登場を果たす。彼は闇に堕ち、ブリタニア大陸を恐怖に突き落とす混沌の王と化していた。

アーサー・ペンドラゴン(七つの大罪)の関連人物・キャラクター

親族

ケイ

アーサーの義兄。彼の才能に嫉妬しており、疎んでいる。アーサーを殺そうとした事もあり、非道な人物。それでもアーサーは彼に対しても礼儀正しく振る舞っていた。

七つの大罪

マーリン

「暴食の大罪(ボア・シン)」を背負う妖艶な女性で、チート級の魔術を操る。その本性は己の時を止める事で不老不死となった幼い少女である。

「ベリアルイン」という賢者達の築き上げた国に生まれ、親の愛情を知らずに育つ。両親は彼女の「無限」という特異な魔力のみに注目しており、娘としてでは無く知的好奇心の対象として見ていた。親の愛情に飢えていた彼女は、その飢餓感を埋める様に知識を吸収していった。彼女の魔力は魔神王と最高神も注目しており、双方が自分の陣営に引き込もうとした。両者はマーリンの気を惹こうと、魔神王は「魔界の秘術に関するあらゆる知識と女神の洗脳術を防ぐ加護」を、最高神は「いかなる闇の呪いと戒言すら無効にする加護」を彼女に与えた。だがマーリンは両者の加護を受け取った上で双方を裏切り、逃げ出してしまう。怒り狂った魔神王と創造神は、ベリアルインに天変地異を引き起こす。こうしてマーリンは知識を貪欲に求め続けるという「暴食」により魔神王と最高神を騙し、祝福を授かったにもかかわらず両者に反いたことにより神の怒りを買い、ベリアルインを滅亡させた。これが彼女が「暴食の大罪」を背負う所以である。

3000年前、マーリンはメリオダスとエリザベスと出会う。愛情に飢えていたマーリンはメリオダスに惚れたが、彼には既にエリザベスという女性が居た。失恋で傷心した彼女は更に知識を求めるようになり、リオネス王国の専属魔術師として研究に没頭する様になる。そしてバルトラの予言をメリオダスに伝え、間接的に彼に七つの大罪の創設を決意させた。マーリンは七つの大罪の最古参メンバーでもある。

マーリンはこの世のあらゆる物を研究しつつ七つの大罪として活動した。その中で彼女は「混沌」の存在へ行きつく。混沌とは魔神王と創造神やブリタニア大陸の5種族を作り出した、全ての源の様な超常的な存在である。「知識を探求したい」という「暴食」に囚われた彼女は、混沌の力を求め始めた。混沌はその強大すぎる力を恐れた魔神王と創造神によって封印されており、その力を解放できる「器」を求めている。混沌の封印は魔神族と創造神の力の均衡によってもたらされている為、封印の解放にはどちらか一方を打倒する必要があった。マーリンは混沌の封印を解く為、メリオダスを利用して魔神王を打倒する事を画策する。この為の施策の1つとして、彼女はメリオダスに七つの大罪を組織させたのであった。この事から七つの大罪はマーリンの差し金で組織されたともいえる。

リオネス王国にて、偶然混沌の器となるアーサーと出会った。アーサーの素質を見抜いた彼女は、以降彼を育てていく事になる。

リオネス王国奪還の際、アーサーと共にキャメロットから駆け付けた。以降は七つの大罪に復帰し、メリオダス達と共に戦った。だがアーサーはキャメロット城にて最上位魔神キューザックに殺され、彼女は悲しみに晒される。

魔神王打倒後、マーリンの目論見通り混沌が躍動を始める。彼女は本性を現し、七つの大罪を離脱した。そして死んでいたアーサーを蘇生し、彼に混沌の力を授ける。これによりアーサーは混沌の王として覚醒した。また混沌の目覚めに呼応してキャスパリーグ(キャス)も活動を始めた。キャスはかつて混沌が生み出し、その混沌の力を利用して全てを破壊しようとした化け物である。キャスは混沌の王であるアーサーを襲撃し、マーリンは彼を守る為に戦った。苦戦するマーリンの元に、仲間を救おうとメリオダス達七つの大罪が駆け付け、アーサーが覚醒する時間を稼いだ。キャスの撃退後メリオダスはマーリンの陰謀を許し、彼女にアーサーを導く様に団長命令を下した。

メリオダスからアーサーを導く様に言われていたマーリンであるが、続編の『黙示録の四騎士』においてアーサーは闇落ちしている。マーリンとは仲違いをしたとの事で、アーサーは彼女の身代わり人形を傍に置いていた。

メリオダス

本作『七つの大罪』の主人公である。憤怒の大罪(ドラゴン・シン)を背負い、七つの大罪の団長でもある。幼い見た目をしているが、数千年以上生きている魔神族。魔神族を支配する魔神王の息子でもある。3000年前、魔神族と女神族の戦いにおいて、魔神族を率いている。また十戒の統率者でもあり、魔神王から力を貸し与えられていた。だが、女神族を統率する最高神の娘のエリザベスと恋に落ち、女神族側に寝返る。これがきっかけで魔神族と女神族、妖精、巨人、人間の混成軍である光の刻印(スティグマ)の全面戦争「聖戦」が勃発した。以降は聖戦を終結させる為にエリザベスと奔走していく。

最終的に聖戦は、女神族が総力を掛けて魔神族を「常闇の棺」に封印した事で終結する。だが、メリオダスは魔神族を裏切った事で魔神王から「永遠の生」の呪いを受けてしまった。これは彼が命を落とした時、魔神王の手によって復活させられるというものである。この際、メリオダスは魔神王に感情を1つ奪われてしまい、復活する度に冷徹な魔神王に近付くというものであった。またエリザベスも女神族でありながら魔神族の命を助けようとした事で最高神から転生の呪いを掛けられている。これは死ぬ度に転生し、必ずメリオダスと恋に落ちるというものであった。また彼女が転生前の記憶を取り戻すと3日後に必ず死んでしまう。これによりエリザベスは永遠に最愛のメリオダスとの離別を味わう事となった。彼はエリザベスの呪いを解く為の放浪の旅へと出る。

放浪の旅を続けていたメリオダスであったが、エリザベスの転生体がリオネス王国の第3王女となった事で、彼女を守護すべくリオネス王国の聖騎士となる。そして彼はマーリンの進言により、7人の大罪人を集め七つの大罪を結成した。

アーサーとは、リオネス王国奪還の戦いの際に出会う。メリオダスは彼と協力し、共にヘンドリクセンと戦った。アーサーはマーリンから七つの大罪について聞かされており、メリオダスに尊敬の念を抱いている。

十戒復活後、エリザベスの呪いが発動してからは魔神王に成り替わろうと十戒に寝返る。その際に根城にしていたキャメロット城にて、アーサーは彼と戦う事となった。この戦いで、アーサーはメリオダスの配下であるキューザックの術によって命を落としてしまう。この出来事が後にアーサーの心に深い闇を落とす事となった。

メリオダスは最終的に七つの大罪へ復帰し、魔神王を倒す。これにより混沌が目覚め、マーリンが七つの大罪を裏切っていた事が発覚する。マーリンはメリオダス達七つの大罪に離別を告げ、蘇生したアーサーと共に姿を消した。だがメリオダスは今まで仲間に尽くしてきたマーリンを見限る事は無く、彼女の行動に付き合う事を決意した。

アーサーとマーリンはキャスの襲撃を受けて絶体絶命のピンチを迎えるが、そこへメリオダス達七つの大罪が駆け付け、彼女を救い出す。そして共にキャスと戦い、これを撃退した。

全ての事情を知ったメリオダスは、マーリンにアーサーを導く様に指示する。更に全ての戦いを終え、役目を果たした七つの大罪を解散した。アーサーは彼等七つの大罪に別れを告げ、マーリンと共に去っていく。

アーサー達と離別後、メリオダスはリオネス王国へと帰還する。最終的にエリザベスと結婚し、リオネス王国の王となった。

続編の『黙示録の四騎士』では、アーサーと敵対関係になる。

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