宮崎駿や高畑勲が綴っていた「ジブリ日誌」が興味深い!制作裏話から日常の出来事まで盛りだくさん
本記事では世界的に有名なアニメ制作会社「スタジオジブリ」の中心人物である、鈴木敏夫、宮崎駿、高畑勲などが綴っていた「ジブリ日誌」の内容について、まとめて紹介している。書かれている内容は映画の制作に関する裏話の他、日常の出来事やイラストなど非常に多岐にわたる。かなりのボリュームがあるのでぜひコーヒー片手にじっくりと楽しんでみてほしい。
99.1.16(土)
・昨年1月14日にジブリを退社した宮崎監督がスタジオジブリ所長として復帰。スタッフは「所って何処だ?」と悩んでいる。
・高橋制作部長が、宮崎監督がジブリに復帰する対策としての、机整理も兼ねた制作電脳計画(単に散らかっていると怒られるのでかたづけるだけ)を進めている。
その際ごちゃごちゃに繋がれたハブを机の下に隠そうと色々考えていたところ、コンピュータに強い石井君が「両面テープで机の下に固定すればOK!」と提案。が、他の制作陣は「重いから無理だよ」とその意見に懐疑的。
「自分の家でやっているので絶対大丈夫、落ちたらジュースおごります」と意地になった石井君だが固定後約三分で落下し、面目丸潰れ。
高橋さん曰く「制作電脳化計画、両面テープに破れる」
出典: www.ghibli.jp
「所長」、ほんとなんでもあり
99年1月23日(土)
・朝11時半に「バグズライフ」の監督の一人アンドリュー・スタントン氏が、ピクサーの同僚イワン・ジョンソン(スーパーバイジング・レイアウト・アーティスト)、小西園子(アニメーション・サイエンティスト)両氏と来社。
宮崎監督の案内で社内見学、ジブリスタッフとの質疑応答、「ホーホケキョ となりの山田くん」の予告編鑑賞等を行う。
スタントン氏がピクサーの映画の作り方を「毎朝、メインスタッフ25人が試写も含め二時間のディスカッションを行っている。
それらの意見を取り入れジョン・ラセターが全てを決めている」と語っていたが、やはり作品をぐいぐい引っ張っていく人がいることが、面白い作品を作る大前提か、と納得。
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99.1.27(水)
・ジブリ一の大食いで有名な制作デスクの神村氏が、夕食に神楽坂飯店で、「餃子100個食べたらタダ」に挑戦する。
この忙しい時期に高畑監督等に「がんばってください」と送り出された手前失敗は許されない、と意気込んで行ったものの、やはり100個の壁は厚く、65個で断念。失意のうちに帰社する。
因みに奥田さん等6人の応援団は、必死に餃子を食べる神村氏の横で中華のコース料理を満喫していた。またこの挑戦の模様は、ビデオ録りされ、神村氏には今後も何度か挑戦してもらって、来年の忘年会で「神村氏の挑戦シリーズ」と題した作品にすることが門屋氏から提案されている。
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この忙しい時期に高畑監督等に「がんばってください」と送り出された
99.2.2(火)
・その神村氏のスクリーンセーバーが、先月の「背水の陣」から「がけっぷち」に変わる。それを見た高畑監督は、それを渦巻き状にして「がけっぷちに嵐が来ています」と喜んでいた。ふ~…。
99.2.10(水)
・近所の飲み屋がランチを始めたのだが、1000円で分厚いステーキが食える(しかも抜群に美味い)とあって早速ジブリで話題になっている。ところで最近NHKスペシャル「世紀を越えて」を見て「肉はあまり食べてはいけない」等と言い回っていた某田中氏が率先して食べに行ったため、批判を浴びている。
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◆「いつものジブリ日誌」1999年9月1日ー2011年9月2日まで。「いつものジブリ日誌」の更新は終了しています。
スタジオジブリ - STUDIO GHIBLI - 「いつものジブリ日誌」 (1999年9月1日から2011年9月2日まで)
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「いつものジブリ日誌」 (1999年9月1日から2011年9月2日まで)。「いつものジブリ日誌」の更新は終了しています。 過去の日誌はこちらからご覧下さい。 http://www.ghibli.jp/15diary/...。
10月20日(水)
最近ジブリでは、チョコのなかにカメ、てん、カエル等々の人形が入っている「チョコエッグ 日本の動物コレクション」集めがはやっている。10月末に発売予定の第二段を首を長くして待っている者多数。
11月12日(金)
全社員がバーに集まり宮崎監督長編次回作の説明会が行われる。
宮崎監督がホワイトボードを前に約一時間にわたり熱弁を振るう。内容は秘密だが、非常に面白そう。明日準備室を移動予定。
来月より三年ぶりに企画検討会が復活することに。
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12月6日(月)
「チョコエッグ日本の動物コレクション2」が発売されたと聞いて、昼休みに何人もが近くのコンビニに駆けつけるも既に売り切れ。店員によれば「みんなまとめ買いをしてしまったので」とのこと。買ったのはほとんどジブリとの噂も。
12月13日(月)
ところで発表ではタイトルが「千と千尋の神隠し」となっているが、実際はまだ決定してはいない。実は「もののけ姫」の時と同様に「千と千尋の神隠し」を主張する宮崎監督と「千の神隠し」の方が良いとする鈴木プロデューサーが攻防を繰り広げているのだ。
「もののけ姫」の時は「アシタカせっ記」を主張する宮崎監督を退け鈴木プロデューサーが勝利を収めたが、果たして今回はどっちが勝つのだろう。
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12月21日(火)
秋の社員旅行の際、「一村教授行くところ定休日あり」の伝説を作った一村氏だが、今日も一緒に昼食に出かけたところ、三軒続けて定休日が続き、伝説の恐ろしさを見せつけられる。
12月27日(月)
2スタにいる新人星野さんの机の上で顔の描いたミカンが発見される。休み中の犯行と見られているが、本人の必死の捜査のかいもなく、犯人はいまだ不明、早くも迷宮入りがささやかれている。
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◆ スタジオジブリ日誌 2000年
1月12日(水)
正月の鏡餅を使い、大鍋でおしるこを作る。制作神村氏は、餅を24個食べる暴挙に出るも、更に晩飯も食べ、「明日からダイエットだ」とうそぶく始末。嗚呼、スポーツクラブに通う渡辺、稲城のダイエット・コンビはなにを思う。
野中氏が、額にアザをつくって出社。某女性作画スタッフにゴルバチョフと呼ばれるも、自分では「『愛と誠』と呼んで下さい」と若者には分からないギャグを飛ばしている。ちなみにその傷は、単に戸棚に頭をぶつけただけのものらしい。
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1月13日(木)
鈴木さんの執務室に大画面テレビ、「プラズマディスプレイ」が届く。後ろの壁一面のモニターに、「悪の秘密結社みたい」「大画面から社長の指令が」等、様々な反応がある。宮崎監督曰く、「鬼面党の隠れ家だな」
1月14日(金)
制作部内では、ターザンのハッピーセットを集めんが為、ここ2日マクドナルドに通い詰め、早くも全種集めてしまった。しかし、必死にハンバーガーにぱくつく姿は、「業」を感じずにはおられない。
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1月21日(金)
「千と千尋の神隠し」Aパートのコンテ終了。253カット、20分4秒8コマ。本日より安藤氏に続いて、宮崎監督もレイアウト作業に入る。制作神村氏もコピーに追われる。
監督曰く、「1日 1カットできねえなあ。描き方忘れてしまったよ。ガハハ」制作は信じていますとも。
1月27日(木)
遅ればせながら、2スタでチョコエッグが流行する。しかし、ここに大きな落とし穴が。第3弾の動物模型が、先行して入っているのだ。これでまた近所のコンビニから、チョコエッグがなくなることだろう。
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1月28日(金)
制作斎藤氏が晩御飯に買い置きしておいたパンに、宮崎監督が食指を動かす。
斎藤氏本人はいないというのに、「これ食っていいかなあ」と周りの人に訊き、「お金いれとけばいいかなあ」と袋に200円をいれると、ついにパンを食べてしまう。
まさにその直後に戻ってきた斎藤氏は、「よかったねえ。50円得したよ」という制作部の暖かい声も聞こえないのか、しばし呆然。
「ぼ、僕の晩御飯…」と悲しげな声をあげていた。
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目次 - Contents
- ◆ スタジオジブリ日誌 1994年8月ー1998年7月までのスタジオジブリの毎日の出来事を掲載しています
- ◆ 制作日誌 1994年8月~95年5月
- ◆ スタジオジブリ日誌 1996年
- ◆ スタジオジブリ日誌 1997年
- ◆ 8月3日「ツール・ド・信州」当日である
- ◆ スタジオジブリ日誌 1998年
- ◆ スタジオジブリ日誌 1999年
- ◆「いつものジブリ日誌」1999年9月1日ー2011年9月2日まで。「いつものジブリ日誌」の更新は終了しています。
- ◆ スタジオジブリ日誌 2000年
- ◆ スタジオジブリ日誌 2001年
- ◆ スタジオジブリ日誌 2002年
- ◆ スタジオジブリ日誌 2003年
- ◆ スタジオジブリ日誌 2004年
- ◆ スタジオジブリ日誌 2005年
- ◆ スタジオジブリ日誌 2006年 ◇ 2005/12-2006/6「ゲド戦記」制作日誌
- ◆ スタジオジブリ日誌 2007年
- ◆ スタジオジブリ日誌 2008年