
『レッドタートル ある島の物語』(レッドタートル あるしまのものがたり)は、2016年のアニメーション映画。日本、フランス、ベルギーの3か国による合作で制作された。全編にセリフは一切存在しないが、生と死、自然との共存、そして人間が辿る人生のサイクルを美しく描く。言葉を用いずに文学的表現を成し遂げた手腕が高く評価され、第69回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門特別賞など、多くの映画賞にノミネートされている。
『レッドタートル ある島の物語』の概要
『レッドタートル ある島の物語』の予告編動画
『レッドタートル ある島の物語』(レッドタートル あるしまのものがたり)は、2016年のアニメーション映画。キャッチコピーは「どこから来たのか どこへ行くのか いのちは?」。
日本とフランス、ベルギーの3か国による合作で制作された。フランスのプリマ・リネア・プロダクションズがアニメーションの制作を、日本のスタジオジブリ、ベルギーのベルビジョンが製作を担当した。ジブリ作品ではあるが、監督はオランダ出身のアニメーション作家、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット。この他、フランスの映画監督で脚本家のパスカル・フェランが脚本を担当し、スタジオジブリの高畑勲がアーティスティックプロデューサーとして製作に参加した。それぞれの分野において高い評価を得ている錚々たる顔ぶれが、この度スタジオジブリ映画の元へと集結して出来上がった作品となっている。
無人島に流れ着いた男と女を主人公としているが、「世界中のあらゆる文化圏の人々に、物語の本質をダイレクトに伝えるため」という意図で制作にあたっているため、劇中に叫び声や呼吸音など以外での明確な「言語」としてのセリフや登場人物の名前は一切登場しない。ほぼ無声の中で生や死、自然との共存、そして人間が辿る人生のサイクルを美しく描いている。
言葉の一切を用いずに哲学的、文学的表現を追及した手腕は高く評価され、2016年に開催された第69回カンヌ国際映画祭では「ある視点」部門の特別賞を受賞。優れたアニメーション作品を称える賞である、第44回アニー賞では「インデペンデント最優秀長編作品賞」を受賞するなど、多くの賞に輝いた。
第41回トロント国際映画祭においては、ディスカバリー部門に出品したことが話題となっている。
『レッドタートル ある島の物語』のあらすじ・ストーリー
無人島にたどり着いた男
荒れた海に放り出されてしまい、溺れそうになっている1人の男。彼はかろうじて近くにあった小舟につかまることに成功し、命こそ助かったものの気を失ってしまう。
男が目を覚ますと、そこはウミガメやカニ、鳥たちといった野生動物が暮らすほかは、特に何も存在していない小さな無人島だった。男は島からの脱出を試み、朽木や竹を使ってイカダを作り、海に漕ぎ出すが、何者かが下から衝突してきたことによって壊れてしまった。島に戻らざるを得なくなった男は再びイカダを作って海に出るが、どういうわけか、それもまた壊れてしまう。
2度も脱出に失敗してしまった男だが、そこで諦めることはなかった。男は見つけたアシカの死骸の皮で作った腰布を身に付け、先ほどまでよりも大きく立派なイカダを作り始める。しかし、完成したイカダで海に漕ぎ出した男の前に、赤く巨大なウミガメが現れた。この直後にイカダが壊れ、島に戻された男はそれをこのウミガメの仕業だと思い込んでしまう。
ウミガメから生まれた女
島に戻り、浜辺で赤いウミガメを見つけた男は、イカダを壊されたことを思って激しく怒る。男はウミガメの頭を木の棒で殴りつけて体をひっくり返し、そのまま数日に亘って放置してしまう。男はその後、ウミガメが天へと昇っていく夢を見て目を覚ました。彼は慌ててウミガメの様子を見に行き、ぴくりとも動かない体に水をかけてやるものの、すでに手遅れで、ウミガメは死んでしまっていた。男は自分の行いを後悔する。
数日後、赤いウミガメの腹の部分が割れ、残った甲羅の中から1人の女が現れた。ウミガメへの贖罪をしようと思った男は、意識がない状態の得体が知れないその女を必死に看病した。何日か経つと女は目覚め、裸であることを恥じらったため、男が自分の衣服をさりげなく差し出す。
ある日、女がウミガメの甲羅を持って海に入っていくのを見た男は、海に帰りたいのだろうか、と考えてその姿を見守っていた。しかし彼女は甲羅を海に流し、そのまま男の元へ戻ってくる。それを見た男は、イカダで海に出るのをやめることを決意し、作りかけのそれを女と同じように海に流した。
そしてこうした交流を経て、いつしか2人は恋に落ちるのであった。
息子の誕生と男の人生の終わり

成長し、ウミガメと泳ぐ息子
数年後、男と女の間には息子が生まれていた。無人島だったはずの島には、仲睦まじく幸せな生活を送る3人家族の姿があった。
ある日、島に漂着したガラス瓶を見つけた息子は強い興味を示す。父となった男が砂に描いた島の外の絵を見せられた息子は、外の世界に憧れを抱くようになった。
数年が経って息子も大きくなったころ、津波が島に襲い掛かる。津波に飲み込まれてしまった3人はなんとか再会を果たしたが、息子は宝物のガラス瓶をなくしてしまった。
その後、なくしたガラス瓶を発見した息子は、外の世界へ飛び出すことを決意した。両親と最後の挨拶を交わし、別れを惜しみつつも新たな世界への希望を胸に、息子は3匹のウミガメを連れて島を出ていった。島に残った男と女は、再び二人だけで穏やかな日々を送った。やがて年を取り、ある日男は月を眺めながら、女を残して静かに天国へと旅立っていった。残された女は悲しみ、動かなくなった男の手を優しく撫でる。
そして女は再び赤いウミガメの姿に戻り、自らの故郷である海へと帰っていくのであった。

『レッドタートル ある島の物語』の登場人物・キャラクター
男(おとこ)

この物語の主人公。海で嵐に巻き込まれてしまい、気を失った状態で無人島に漂着した。当初は絶望や孤独に苛まれ、イカダを作って根気よく島からの脱出を試みる。しかしそのたびに壊れてしまい、「イカダを壊す存在」と見なした赤いウミガメに怒りをぶつけて死に追いやってしまうが、根は常識的な人物であることから自身のその行いを後悔していた。動かなくなったウミガメが女性へと変わったことで贖罪のために女を看病し、彼女と夫婦のような関係性となり、息子を一人設ける。
当初は自然に抗う存在として台頭するものの、女と出会ったことで自然と共存していくことを選ぶ。
女(おんな)

物語の軸となる巨大な赤いウミガメが変身した姿。男の脱出を阻んでいたことで殴られて倒れ、女に姿を変える。言葉を持っておらず、まさしく「自然そのもの」を体現したかのような存在。男と出会って彼を愛すようになり、共に生きることを選んだ。
人間が忘れかけていた自然の力や命の尊さを象徴する存在として描かれ、男に新たな人生をもたらした。
息子(むすこ)

画像中央の小さな男の子が息子
恋に落ちた男と女の間に誕生した子で、物語の終盤に登場する。人間と自然の両方の要素を併せ持った二人の愛の結晶として登場しており、新しい命と未来の象徴として描かれる。
成長して独り立ちし、島を離れて暮らすことを選ぶ。親から子へと受け継がれる命のサイクルと、新しい世代が自らの道を歩むようになる、いわゆる「世代交代」を体現する存在。
『レッドタートル ある島の物語』の用語
ウミガメ
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目次 - Contents
- 『レッドタートル ある島の物語』の概要
- 『レッドタートル ある島の物語』のあらすじ・ストーリー
- 無人島にたどり着いた男
- ウミガメから生まれた女
- 息子の誕生と男の人生の終わり
- 『レッドタートル ある島の物語』の登場人物・キャラクター
- 男(おとこ)
- 女(おんな)
- 息子(むすこ)
- 『レッドタートル ある島の物語』の用語
- ウミガメ
- イカダ
- カニ
- 『レッドタートル ある島の物語』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 男を看取ってウミガメとして海へ帰っていく女
- 『レッドタートル ある島の物語』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 本作に明確なセリフがない理由は「世界中のあらゆる文化圏の人々に、物語の本質をダイレクトに伝えるため」
- 錚々たる顔ぶれで制作された本作『レッドタートル ある島の物語』
- 監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
- 脚本:パスカル・フェラン
- アーティスティックディレクター:高畑勲