パリストン＝ヒル（HUNTER×HUNTER）の徹底解説・考察まとめ

パリストン＝ヒルとは、『HUNTER×HUNTER』に登場する前ハンター協会長・アイザック＝ネテロが選抜した精鋭集団「十二支ん」の「子（ねずみ）」であり副会長。一見すると爽やかな好青年だが、その本性は巧みな話術で人を操る策略家だ。普段は茶色のボーダーとチェックのスーツを着ており、髪はブロンドである。ハンター協会から斡旋された仕事を請け負う「協専」のハンターを意のままに利用している。その為、「十二支ん」からは「紹介料（ピンハネ）王子」と呼ばれている。世界的な偉業を達成したハンターに送られる「三ツ星（トリプル）」の称号を持つ。第13代会長総選挙で勝ち取った会長の座を「戌（いぬ）」のチードル＝ヨークシャーに譲り、「十二支ん」を脱退。その後、ネテロの息子・ビヨンド＝ネテロ率いる暗黒大陸探検隊のNo.2に就任する。しかしパリストンを危険視する「二ツ星（ダブル）」ハンターのジン＝フリークスの画策により、その座を譲ることになった。カキン帝国の国王・ナスビー＝ホイコーロはビヨンドを表舞台に立たせ、近代5大陸「V5」により不可侵条約が締結された、人類未開のタブー地域「暗黒大陸」への進出を宣言した。「V5」はハンター協会にビヨンドの捕獲を命じたが、ビヨンドは自らハンター協会に出頭し、「十二支ん」を暗黒大陸に道連れにしようと試みた。一方でパリストンは、第一級隔離指定生物「キメラ＝アント」の王・メルエムの宮殿に残された5000体の繭を密かに回収。このパリストンの行動についてジンは、「十二支ん」がビヨンドの挑発に応じれば世界中に、応じなければハンター協会に回収したキメラ＝アントを送り込む、「強制二択」を目論んでいるのではと考察している。パリストンは暗黒大陸に向けて出港した「B・W（ブラックホエール）号」が目的地に到着し次第、ビヨンドと合流し暗黒大陸を探検する思惑だ。

パリストン＝ヒルの概要

パリストン＝ヒルのプロフィール・人物像

CV：高橋広樹
生年月日：不明
年齢：不明
身長：不明
体重：不明
血液型：不明
念系統：不明

パリストンは「十二支ん」の「子（ねずみ）」でハンター協会副会長だ。そして「十二支ん」の「丑（うし）」であり犯罪（クライム）ハンターのミザイストムから「闇側の人間」だと揶揄されている。その見立て通り、爽やかな好青年の振舞いとは裏腹に、パリストンには常人離れした狡猾さがある。第13代会長総選挙では、巧みな話術を用いた演説で投票数を獲得し、候補者であるチードルやミザイストムの妨害を行った。パリストンが次期会長に立候補した理由は、志や野心があったからではなく、自身が楽しむ事が目的だった。その証拠にパリストンは、勝ち取った会長の座をすぐにチードルに譲渡している。また、パリストンは「人に憎まれると幸せを感じ、愛しいものは無性に傷つけたくなるんです」と自らの性格を語っている。彼はハンター協会内で副会長派と呼ばれる独自の派閥を形成し、ネテロの任務の妨害を行ってきた。それはネテロを憎んでいるからではなく、愛しいが故のからかいである。普段はポーカーフェイスで滅多に本音を語らない。しかしメルエムとの戦闘で死んだネテロに涙を流すといった一面を見せるなど、掴みどころのない人物として描かれている。普段は茶色のボーダーとチェックのスーツを着ており、ブロンドの髪をしている。

パリストン＝ヒルの能力

念能力

人間の生命エネルギーをオーラとして操る念能力者。念系統や必殺技は明かされていないが、本人は自身の戦闘能力について低いと語っている。

巧みな話術

頭が切れる人物であり、話術を駆使した誘導や策略で人操ることを楽しんでいる。第13代会長総選挙では、彼の性格や話術の巧みさが顕著に表れる。決戦投票の際、パリストンと医者志望のハンター・レオリオという、上位二名で行われる事になった。レオリオは、メルエムの直属護衛軍・ネフェルピトーとの戦闘で瀕死の重傷を負ったゴンを救いたいと選挙演説をしていた。この演説により、会長の座を得るのはレオリオだと「十二支ん」は予想する。しかしゴンは願いを叶える能力者・アルカ＝ゾルディックの治癒能力で復活し、最終投票直前の会場内に姿を見せ、レオリオは会長の座を降りた。ゴンの容態を知っても動じなかったジンの態度から、パリストンはゴンの回復を確信していた。そのためパリストンは、回復したゴンが会場内に現れるまでの時間稼ぎをしていたのだ。ジンはチードルに対し、パリストンの強さは勝敗に拘らないことだと語っている。パリストンは、他者の感情とルールを利用し、周囲が最も嫌がることを選択できる。パリストンの言動は自身が楽しむ事を念頭に置いたものであるため、周囲は彼の行動が予測できずに踊らされることが多い。

パリストン＝ヒルの来歴・活躍

抑制の効かないパリストン

前ハンター協会長・アイザック＝ネテロは第一級隔離指定生物・キメラ＝アント討伐に臨む前に会長を辞し、「十二支ん」に対して会長総選挙を行う様に指令を出した。「十二支ん」メンバーは、キメラ＝アントの王・メルエムと闘った末に自爆したネテロの死を悼みながら、ハンター協会へと集結した。パリストンは集合時間に遅れるも、普段通りの笑顔で「十二支ん」が集まる部屋に入室。ネテロは会長総選挙という指令を出すにあたり、「投票率95％なら無効再選挙」と「ハンター全員による投票」という二つの条件を付け加えていた。「十二支ん」は、この二つの条件をクリアする為の方針をメンバー全員で決めなければならない。パリストンは席に着くと他のメンバーに対し、議会の開始を宣言。当然のように仕切り始めるパリストンに対し、メンバーは苛立った。会長総選挙の方針を決める議会は、まず進行役を決める多数決から始まり、結果的にパリストンが司会を務める事になった。

そしてパリストンは自分が立候補する為に選挙自体の中止を提案し、メンバーから反感を買う。その中で「二ツ星（ダブル）」ハンターのジン＝フリークスは、自らが立候補すると言い放つ。パリストンは瀕死の主人公・ゴン＝フリークスの話題をジンに持ち掛け、挑発する。依然として動じないジンの姿を見たパリストンは、話題を変えてメンバー全員に対し、まず立候補そのものを中止すると提案した。二転三転するパリストンの発言に動揺するメンバー。それを見かねた「十二支ん」の「戌（いぬ）」チードル＝ヨークシャーは、くじ引きで選挙の方針を決めるように提案。「十二支ん」は、ネテロが出した条件を満たした投票方法を紙に書き、それを第三者である会長秘書のマーメン＝ビーンズに選ばせる事になった。パリストンもそれに賛同し、ビーンズによるくじ引きが行われた結果、ジンの投票方式が採用となる。そこには「投票率が95％未満の場合その選挙のみやり直す事」等のルールが記されていた。そして第13代会長総選挙がハンター協会で執り行われた。その投票率は87.7%であり、条件未達成として再選挙が決定となる。これを受けてパリストンは「十二支ん」全員に対し、「投票直前に投票用紙を確認し、意図的な無効投票を防止すること」、「『棄権』と『無効』両方の違反をした者のハンター証（ライセンス）を一定期間没収する」という二つの新たなルールを提案した。

だがチードルは「棄権」も「無効」も違反とは言えないと反論し、パリストンが提案したルール追加より、候補者の主張を発信する事が投票率を上げる為に必要だと話す。「棄権」や「無効」をしたハンターはネテロへの背信だと捉えるパリストンは、親前会長派の立場にいるチードルの言葉に耳を疑ったと発言。話をすり変えたとして「十二支ん」と口論になるが、パリストンは「丑（うし）」のミザイストム＝ナナの仲介により、提案したルールの決を採ることになった。ハンター証（ライセンス）を没収または紛失した者も投票者であり続けると明記する様、チードルとミザイストムから指摘されたパリストンは、それをすんなりと受け入れた。そして三回目となる第13代会長総選挙では、「無効」に出来ない仕組みにした代わりに「棄権」が増えており、またしても再選挙となる。「棄権」の投票者についてパリストンは、ハンター証（ライセンス）を免罪符にしてこれからも増え続けると語る。そして没収したハンター（証）の期限付き失効は、「十二支ん」全員が反対した事であるとし、元のルールの発案者である自分に責任は無いとした。議会はパリストンが楽しめるようにコントロールされていたのである。

本心の見えない主張演説

三回に渡って行われた第13代会長総選挙は、規定の条件である投票率95％に届かず、またしても再選挙となった。パリストンは候補者が投票者に生の主張演説を行うことが大事だと「十二支ん」に語る。その提案は採用され、第四回目はハンター協会で候補者が主張演説を行った後、投票を行うという仕組みとなった。その結果、投票率は97.1％と規定の95％を超えたため、第五回目は得票率が上位16名による選挙となる。パリストンは642票の内、258票を獲得し、四回連続で一位となった。その頃、伝説の暗殺一族「ゾルディック家」の三男・キルア＝ゾルディックは、願いを叶える能力者・アルカ＝ゾルディックを屋敷から連れ出していた。アルカの能力で瀕死のゴンを救いたいキルアの想いとは裏腹に、アルカの殺害を目論む兄のイルミ＝ゾルディックは、一般人をオーラを込めた針で操りキルアを追い詰めていく。

脱会長派組織である「清凛隊」の一人・ルーペ＝ハイランドは、パリストンを支持する「協専」ハンターをイルミの元へ向かわせ、パリストンの得票率を減らそうと画策する。そして第五回目となる第13代会長総選挙を迎え、パリストンの得票率は274票で一位だった。そしてパリストンは、「清凛隊」の一人・テラデイン＝ニュートラルからイルミの殺害を依頼されたと、ハンター協会から斡旋された仕事を請け負う「協専」ハンターからの報告を受ける。しかしパリストンは顔色一つ変えず、テラデインからの仕事を勧めた。「清凛隊」が雇った「協専」ハンターは、イルミに依頼された殺人狂の奇術師・ヒソカ＝モロウによって全滅させられる。そして第六回目の選挙結果が発表され、パリストンの得票率は272票であり、またしても一位であった。パリストンは自分の支持者である200人の「協専」ハンターに対してのみ、テラデインからの仕事を任せなかったのである。

そして第八回目となる第13代会長総選挙では、瀕死のゴンを救いたい医者志望のハンター・レオリオ、パリストンの落選を目論むミザイストムとチードルを含む上位四名が争うことになった。主張演説時、ミザイストムはチードル、チードルはレオリオを会長に推薦する。レオリオはゴン救済への確固たる決意を語り、出席していたハンターから拍手をもらった。続いてパリストンは主張演説でミザイストムを会長に推薦し、チードルを混乱させた。それを断るミザイストムに対し、パリストンはさらなる会長への立候補を勧め、投票の時間までチードルに自身の真意を読ませなかった。

決戦投票での画策

第八回目となった第13代会長総選挙は、レオリオが一位となり、初めてパリストンが首位では無くなった。レオリオの得票率は44.4%であり、規定の50％を超えなかったため、パリストンはレオリオと決戦投票を行うことになる。その時、選挙会場であるハンター協会近くの病院で異質なオーラが発生する。その病院ではアルカによる瀕死のゴンの治癒が行われていたのだ。その際の膨大なオーラの動きをパリストンは会場内で察知し、ゴンが完治したと推察する。選挙中にゴンが会場内に来たら、レオリオが立候補する意味は無くなると踏んだパリストンは、レオリオに会長就任後の動向を伺った。レオリオは依然としてゴンの救済だけが立候補の動機だと語る。

レオリオの目的をはっきりさせたパリストンだが、ゴンは姿を現わさず、レオリオを候補者から下ろすには至らなかった。そしてパリストンは、ゴンが会場に来るまでの時間稼ぎをする為、突如として「ハンター十ヶ条とハンター試験の見直し」という名目で緊急動議を宣言した。これをレオリオの会長としての至らなさを提示し、支持率を下げる為の策略だと考えたチードルは、その場でレオリオのサポートを徹底すると宣言した。その時、会場に完治したゴンが登場する。レオリオは念願の再会を果たすことができたと同時に、立候補する動機が無くなった。チードルは、この状況こそがパリストンの狙いだったと気づく。

パリストンは、いつからゴンとレオリオの再会を予測していたのか、チードルから質問された。そしてパリストンは、以前ジンが瀕死のゴンについて死なないと断言していたことが今回の戦略に活かされたと語る。今回のレオリオのように、瀕死のゴンを主張演説で利用されると、勝ち目はないとパリストンは考えていた。パリストンは、レオリオが主張演説で語った「ゴン救済の為にその仲間が命懸けで動いている」という発言、その後の異質なオーラを感じた事でゴンは必ず完治すると確信していた。そして何より、パリストンがライバルとしてその実力を認めているジンがゴンの完治を疑っていなかった事が、彼の選挙戦略を確立させた大きな要因となったのである。

ビヨンド奪還計画

パリストンは第13代会長総選挙で会長の座をチードルに譲渡し、「十二支ん」を脱退。その後、ネテロの息子・ビヨンド＝ネテロが率いる人類未開のタブー地域である「暗黒大陸」探検隊のNo.2に就任した。近代5大陸「V5」はハンター協会にビヨンドの捕獲を命じるが、ビヨンドは自らハンター協会に出頭し、「十二支ん」を暗黒大陸に道連れにしようと試みる。その直後ジンは、「十二支ん」がビヨンドの挑発に応じれば世界中に、応じなければハンター協会に事前に回収していたキメラ＝アントを送り込むという二択をパリストンが計画していると推察。パリストンは、「十二支ん」を脱退し暗黒大陸探検隊に途中参加したジンによってNo.2の座を降ろされた。

暗黒大陸に向かう「B・W（ブラックホエール）号」が目的地に到着し次第、ビヨンドと合流し暗黒大陸を探検する思惑のパリストンは、ビヨンドの奪還を計画する。パリストンは、ビヨンド側の刺客と「協専」のハンターをハンター試験を通して、協会内にスパイとして送り込もうと試みた。しかし新たに「十二支ん」に加入したクルタ族の生き残り・クラピカの嘘を見抜く能力によって、スパイは適性審査の段階で振り落とされる。パリストンが強力な刺客として送った、嘘発見器をスルー出来る傭兵・ミュヘル等でさえ不合格となった。ハンター協会側はクラピカの能力と共に、事前の身辺調査をクリアした人物にまで、ビヨンド側のスパイの疑いをかける徹底した審査を行っていたのである。ハンター試験を利用したビヨンドの奪還は失敗に終わった。

このガードの固さにパリストンは感心するが、依然として余裕の佇まいを崩さなかった。暗黒大陸探検隊のアジトに帰ったミュヘルは、ハンター試験官の能力は読心術であると推察し、事前に渡航後のビヨンドの奪還計画を知らなくて正解だったと安堵した。それに対しパリストンは、笑顔で渡航後の計画は無いと答え、ビヨンドには目的地に着いた後に自力で脱出してもらうと答える。しかしパリストンは事前に「十二支ん」の「申（さる）」のサイユウと手を組み、ビヨンド側の内通者として協会内部に残していた。パリストンにとって、ハンター試験に刺客を送り込む試みは、サイユウとのビヨンドの奪還計画から目をそらせる役割を兼ねていたのだ。つまりパリストンは、ハンター試験を利用したビヨンドの奪還が失敗した後のことまで予測し、計画を練っていたのである。

パリストン＝ヒルの関連人物・キャラクター

アイザック＝ネテロ