パリストン＝ヒル（HUNTER×HUNTER）の徹底解説・考察まとめ

CV：外波山文明（1999年フジテレビ版）／永井一郎、銀河万丈（2011年日本テレビ版）
生年月日：不明
年齢：約120歳
身長：不明
体重：不明
血液型：不明
念系統：強化系

第12代ハンター協会長であり、心源流拳法の師範。友人である伝説の暗殺一族「ゾルディック家」のゼノによると、約20年前から自分の年齢を100歳くらいだと語っているという。第一級隔離指定生物「キメラ＝アント」討伐部隊として、キメラ＝アントの王・メルエムが占拠した宮殿に侵入。メルエムと激しい戦闘を繰り広げた末、体内に仕込んだ毒性のある爆弾「貧者の薔薇（ミニチュアローズ）」で自爆し、メルエムを死に至らしめた。普段は穏やかな性格の持ち主だが、強者との戦闘に嬉々として臨むといった戦闘狂の一面もある。第287期ハンター試験に同行した際、受験していた主人公・ゴン＝フリークスと「ゾルディック家」のエリート・キルア＝ゾルディックに暇つぶしとしてボール取りゲームをする等、お茶目な姿も見せた。人間の生命エネルギーをオーラとして自在に操る念能力者で、ネテロはオーラで物質の力を高める強化系能力者。根っからの武道家であるネテロは、46歳の時に「武道への感謝」を決意し、山に籠って「感謝の正拳突き一万回」を始める。その方法は、気を整える、拝む、祈る、構える、突くの四動作を一動作として毎日一万回行うというもの。そうした日々を過ごすうちにネテロは、音速の拳を打てるようになり、最強の念能力者と称されるまでに進化した。必殺技は「百式観音」。ネテロの背後にオーラで具現化された巨大な観音像が現れ、ネテロの手の動きに合わせて攻撃を繰り出す。その型は無限に等しく、「不可避の速攻」として対象者にオーラによる光線を放つこともできる。主な技として、単純な打撃「壱乃掌（いちのて）」、両手を使ったはさみ技「参乃掌（さんのて）」、全ての手を使った連続攻撃「九十九の掌（つくものて）」、観音像が対象者を包みネテロの全身全霊を賭けたオーラを放射する「零の掌（ゼロのて）」などがある。これらは全てオーラで具現化させた巨大な観音像が繰り出す技である。普段は底の長い下駄、白い袴を着用。本気で敵と相対する際には、丁髷と髭を剃り、「心Tシャツ」という「心」と大きく描かれた服を着る。ネテロはパリストンを副会長に任命した張本人だ。その任命理由についてネテロは、自分の一番苦手だと思う人物を近くに置いた方が楽しいからだと語っている。

ジン＝フリークス

CV：東地宏樹、高乃麗（少年期）（1999年フジテレビ版）／小山力也（2011年日本テレビ版）
生年月日：不明
年齢：約30歳
身長：不明
体重：不明
血液型：不明
念系統：不明

前ハンター協会長・アイザック＝ネテロが選抜した精鋭集団「十二支ん」の「亥（いぬ）」。遺跡発掘等の様々な分野で業績を残しており、世界的な偉業を達成したハンターに送られる「三ツ星（トリプル）」の称号に近い「二ツ星（ダブル）」ハンター。自然豊かな孤島「くじら島」で生まれ、12歳になる間際にハンターを目指して島を出た。そして10年の月日が経った頃、赤ん坊だった主人公・ゴンを連れて島に戻ってくる。しかし幼馴染のミトにゴンを託し、再び島を出て行方を眩ませた。ハンターの中では誰もが知る有名人だが、ジンの弟子であるハンター・カイト曰く、ジンを見つける事はどんな狩りよりも難しいという。一国の大統領に匹敵する財力を持つ反面、性格は自由奔放で規約違反の常習犯だ。本人はゴンをくじら島に置き去りにした事に後ろめたさを感じており、第13代会長総選挙でゴンと約10年ぶりの再会をした時は、珍しく動揺していた。人間の生命エネルギーをオーラとして自在に操る念能力者である。念系統は不明だが、ネテロはジンを念能力者の中でも、世界で五本の指に入る実力者であると称賛している。第13代会長総選挙でジンは、レオリオが放った放出系の打撃攻撃をあえて身に受けた。そしてパリストンの刺客である傭兵に襲撃された際、自身のセンスでレオリオから受けた攻撃を再現して撃退した。元々パリストンはジンをライバルとして、その実力を認めていた。しかしジンと自身の思考があまりにも似すぎていると感じ、生まれて初めての嫌悪感を抱いている。一方でジンはパリストンを危険視しており、自らお目付け役を担っている。普段は髪の毛が少しはみ出た帽子等、全体的にラフな服装をしており、無精髭も生やしている。

チードル＝ヨークシャー

CV：大谷育江
生年月日：不明
年齢：不明
身長：不明
体重：不明
血液型：不明
念系統：不明

前ハンター協会長・アイザック＝ネテロが選抜した精鋭集団「十二支ん」のメンバーであり、現ハンター協会長。世界的な偉業を達成したハンターに送られる「三ツ星（トリプル）」の称号を持つ。難病ハンターであり法律学者。人類未開拓のタブー地域「暗黒大陸」に向けて出航した「ブラックホエール（B・W）号」内でハンター協会の医療チームとして活動している。人間の生命エネルギーをオーラとして自在に操る念能力者。念系統は不明で、作中での戦闘描写はないが、第13代会長総選挙ではパリストンと会長の座を狙って巧みな心理戦を繰り広げた。冷静なモラリストで、台詞の中に「→」といった矢印を交えた論理的な話し方をする。一方で、激昂したり精神的に余裕が無い時には感情的になりやすく、素の性格が出る。「十二支ん」として与えられた「戌（いぬ）」のコードネームに見合う様に、犬の様な耳や鼻を装着し、フレームの大きな眼鏡を常にかけている。

サイユウ

CV：Velo武田
生年月日：不明
年齢：不明
身長：不明
体重：不明
血液型：不明
念系統：不明

前ハンター協会長・アイザック＝ネテロが選抜した精鋭集団「十二支ん」の「申（さる）」のコードネームを持つ格闘家、賞金首（ブラックリスト）ハンター。人類未開のタブー地域「暗黒大陸」を探検するにあたり、防衛班として活動する役割を担っている。「十二支ん」内では、「卯（う）」のピヨン、「酉（とり）」のクルックと共に「改革推進 タカ派」に属している。性格は短期で口が悪く、「十二支ん」メンバーと口論になることが多い。人間の生命エネルギーをオーラとして自在に操る念能力者。念系統は不明だが、「ミザル」、「キカザル」、「イワザル」というオーラで生み出された獣・念獣の三匹を操ることができる。サイユウの念獣はサルの容姿をしており、三匹それぞれの攻撃を受けた相手は、視覚、聴覚、言語を奪われる。三つの機能を奪われた相手が動揺している内に、常備している伸縮自在の如意棒で一気に叩き潰すという戦術だ。第13代会長総選挙の後に「十二支ん」を脱退し、ネテロの息子・ビヨンドが率いる暗黒大陸探検隊に加入したパリストンは、事前にサイユウと同盟を組んでいた。近代5大陸「V5」はハンター協会にビヨンドの捕獲を命じたが、ビヨンドは自らハンター協会に出頭し、「十二支ん」を暗黒大陸に道連れにしようと試みる。サイユウは「ビヨンドの監視」と「暗黒大陸探検」を「十二支ん」メンバーと行う為、暗黒大陸へ向かう「B・W（ブラックホエール）号」に乗船した。しかし水面下では、ビヨンドの脱出をパリストンと計画している。普段は中国の有名小説『西遊記』に登場する「孫悟空」を模した容姿をしている。

ビヨンド＝ネテロ

CV：なし
生年月日：不明
年齢：約70歳
身長：不明
体重：不明
血液型：不明
念系統：不明

前ハンター協会長・アイザック＝ネテロの息子を名乗る人物。人類未開のタブー地域「暗黒大陸」探検への野心を持ち、自身の障壁となるものは容赦なく排除する凶暴性がある。顔には十字に刻まれた大きな傷があり、中国の武将のような身なりをしている。かつて水面下で暗黒大陸の植民化に乗り出した、近代5大陸「V5」の探検隊として暗黒大陸を訪れ、生還した数少ない一人だ。しかしその際、人類滅亡級の禁忌として知られる「5大厄災」の「兵器 ブリオン」、「双尾の蛇 ヘルベル」、「ガス生命体 アイ」、「人飼いの獣 パプ」、「不死の病 ゾバエ病」を人類界に持ち帰り、ネテロから自身の存命中の一切の暗黒大陸探検を禁じられる。ネテロの死亡後は、カキン帝国のナスビー＝ホイコーロ国王の擁立により、暗黒大陸探検隊の総責任者となった。探検隊のメンバーは、かつてネテロが選抜した精鋭集団「十二支ん」に所属していたパリストンやハンター協会から斡旋を受ける「協専」のハンターから構成され、彼らからリーダーとして信頼されている。ビヨンドがカキン帝国と結んだ契約は、暗黒大陸付近にある無人島を新大陸と偽って、一般渡航者を移住させることである。それを偉業として世界に知らしめたいという、カキン帝国の思惑の元、ビヨンドは新世界への水先案内人として表舞台に立った。その為、彼は一般的には人類を暗黒大陸渡航に導く英雄だと認知されている。暗黒大陸への不可侵条約を結んでいた「V5」は、これを良く思わず、ハンター協会にビヨンドを捕らえるよう指令を出す。暗黒大陸で何らかの資源を得たいという「V5」の本心を知っていたビヨンドは、自身の安全を確信し、自らハンター協会に出頭した。そして「十二支ん」の監視の元、「B・W（ブラックホエール号）」で暗黒大陸に向かっている。暗黒大陸に到着後は逃亡し、人類未踏のルートで何らかの資源を人類界に持ち帰る思惑だ。パリストンは「十二支ん」の「申（さる）」・サイユウと同盟を組み、ビヨンドが逃亡する際の手助けを計画している。

ゴン＝フリークス

CV：松本梨香（1999年フジテレビ（パイロット）版）／竹内順子（1999年フジテレビ版）／藩めぐみ（2011年日本テレビ版）
生年月日：5月5日
年齢：12歳
身長：154cm
体重：49kg
血液型：B型
念系統：強化系

第287期ハンター試験合格者。偉業を達成したハンターに送られる「二ツ星（ダブル）」の称号を持つジン＝フリークスの息子である。裏表の無い性格で、常識に囚われない純粋さを持つ。その一方で、善悪に頓着がない好奇心を見せる。目利きのゼパイルから、木造蔵の宝を偽物とすり替える「殺し技」という違法行為を教えてもらったゴンは、「すごい世界だね〜」と嫌悪するどころか驚嘆していた。ゴンの正義感の強さは、時に頑固さとして表れる。先に降参した方が負けのハンター最終試験でゴンは、忍の末裔であるハンゾーから腕を折られるといった拷問をされたが、「参った」と言わず、ハンゾーを根負けにした。自然豊かな「くじら島」で育ったゴンは、あらゆる動物と心を通わせることが出来る。野生児ならではの素質を活かし、嗅覚や視力も常人より優れている。人間の生命エネルギーをオーラとして操る念能力者であり、念系統はオーラで物や身体の力を高める強化系。ゴンの必殺技は、ジャンケンをモチーフとした「ジャジャン拳」。「ジャンケン」の掛け声でオーラを拳に集中させ、技を繰り出す。「グー」はオーラを纏った拳による短距離攻撃。「パー」で手からオーラを放つ。「チー」はオーラで象った刃で敵を切る。また攻撃後の「あいこで」という掛け声でオーラを拳に集め、二段階で攻撃する事も可能だ。普段は釣竿とリュックサック、緑とオレンジの服を着用している。第一級隔離指定生物「キメラ＝アント」の王・メルエムに仕える直属護衛軍・ネフェルピトーを倒したゴンは、瀕死の重傷となった。パリストンは、第13代会長総選挙でゴンを救う為に立候補したレオリオの落選を狙い、ゴンが回復するまでの時間稼ぎを行う等の様々な策略を練った。

パリストン＝ヒルの名言・名セリフ／名シーン・名場面

「ボクが会長に立候補しますから 選挙やめません？」

ネテロはキメラ＝アント討伐隊に参加し、メルエムを倒すために自爆した。死ぬ覚悟で討伐に臨んだネテロは、事前に「十二支ん」に対して会長総選挙を行うようメッセージを残していた。「十二支ん」メンバーは、ネテロの死を悼みながら、ハンター協会へと集結するが、そこにパリストンの姿は無い。ネテロは会長総選挙という指令を出すにあたり、「投票率95％なら無効再選挙」と「ハンター全員による投票」という二つの条件を付け加えていた。従って「十二支ん」は、この二つの条件をクリアする為の方針をメンバー全員で決めなければならず、パリストンが来るまで話を進めることはできない。ミザイストムやサイユウは苛立ち始めるが、暫くしてパリストンが普段通りの笑顔で「十二支ん」が集まる部屋に入室。

パリストンはメンバーに対して軽々と遅刻をしたことを謝罪し、席に着いた。そしてすぐに議会の開始を宣言。当然のように仕切り始めるパリストンに対し、ピヨンや「十二支ん」の「寅（とら）」・カンザイは苛立った。会長総選挙の方針を決める議会は、まず進行役を決める多数決から始まり、結果的にパリストンが司会を務める事になった。議会を進行するにあたり、パリストンはメンバーに対し「ボクが会長に立候補しますから 選挙やめません？」と提案する。パリストンの自分勝手な提案に堪忍袋の負を切らしたメンバーは、一斉に怒りを顕わにした。パリストンは普段通りの笑顔で、ネテロの指令を蔑ろにするような提案を堂々と行ったのだ。パリストンの掴みどころのない性格と、彼に対する「十二支ん」の好感度がはっきりと分かるシーンである。

チードルに見せた涙

第13代会長総選挙は八回に渡って行われ、パリストンは一位となったレオリオと決戦投票を行うことになる。選挙会場であるハンター協会近くの病院では、アルカによる瀕死のゴンの治癒が行われており、そのオーラの動きをパリストンは会場内で察知した。パリストンは選挙中に完治したゴンが会場内に来たら、彼の救済が目的のレオリオが立候補する意味は無くなると予想し、時間稼ぎの策略を巡らした。それをレオリオの会長としての至らなさを提示し、支持率を下げる為の妨害だと考えたチードルは、その場でレオリオのサポートを宣言した。その時、会場に完治したゴンが登場。レオリオは念願の再会を果たすことができ、立候補する動機を失う。チードルは、この状況こそがパリストンの狙いだった気づいた。パリストンは、いつからゴンとレオリオの再会を予測していたのかチードルから質問され、ジンがゴンの完治を確信していた事が今回の戦略に活かされたと語る。

チードルは負けじと、会場内のハンターにパリストンとレオリオ、どちらが次期会長に相応しいかをゴンに投げかける。そこにパリストンが割って入り、ゴンの指名も一票として有効であると宣言した。混乱するチードルを前にゴンは、その場でパリストンを指名した。理由はレオリオが医者志望だからというものだ。そしてゴンが仲間であるレオリオを指名すると考えていたチードルは面食らった。その場で第九回目の開票が行われ、パリストンが一位となり第13代会長が決まる。しかしその瞬間、パリストンはチードルを副会長に指名し、会長を辞すると宣言。チードルは、勝ち取った会長の座をいとも簡単に丸投げされた事に憤り、会場から出たパリストンに怒りを顕わにした。それに対しパリストンは、ネテロともっと関わりたかったと語り、目に涙を浮かべた。そして混乱するチードルに対し、つまらない協会にしない様に忠告し、その場を後にした。周囲を挑発するかの様な選挙戦略を用いた後だからこそ、パリストンが見せた涙の意外性が伝わるシーンである。