クロロ＝ルシルフル（HUNTER×HUNTER）の徹底解説・考察まとめ

クラピカの追跡の最中、尾行していたゴンとキルアを捕らえたシズク、マチ、クロロはベーチタクルホテルのロビーで待機する事になった。ゴンとキルアの仲間であるレオリオはこれからの作戦を、電話を掛けている体を装って二人に伝えるため、ロビーのソファに座っていた。幻影旅団に睨みを効かせるレオリオに対しシズクは「消します？」と問いかけるが、クロロは目を合わせないよう促した。ホテルに到着したパクノダにクロロは、ゴンとキルアの記憶を調べる様に命令する。しかし二人の記憶を読み取る最中、突然ホテルが消灯した。その隙をついたゴンとキルアは攻撃を仕掛け逃亡を図るが失敗。その瞬間ノブナガは、レオリオによって入り口付近から投げられたナイフを避けた。シズクはレオリオもゴンとキルアの仲間であった事を察知する。しかしクロロは、消灯時の一瞬の隙を突かれ、クラピカに誘拐されていた。クラピカは、ゴンとキルアの記憶を旅団員に周知させないために「2人の記憶話せば殺す」という伝言を残していた。パクノダは「クラピカを逃して団長を救う」か「団の掟に従い、団長を犠牲にしクラピカを狩る」かの選択に迷い始める。単独で来る様にとの条件をクラピカにつけられたパクノダは、葛藤の末、クロロを奪還する為にリンゴーン空港へと向かった。

同時刻、クロロはレオリオが運転する車の後部座席にてクラピカに鎖で縛られていた。死に対して特別な感情を持たないクロロは、捕らわれの身であるにも関わらず、「殺せはしないさ」とクラピカを挑発する。団長命令厳守という旅団の掟に従い、旅団全員でクラピカ討伐に来るだろうという、クロロの予想とは裏腹に、旅団員は「クラピカ討伐」か「クロロ奪還」を優先するかで意見が割れていた。ホテルにはフィンクスと幻影旅団のNo.2・フェイタン 、シャルナークが到着している。三人はクラピカの「追跡するな」という指示に背き、クラピカを殺害するためパクノダの後を追おうとするが、それを止めに入ったノブナガと対立する。その時クラピカから電話が入り、「こちらにはお前らのウソを見破る能力者がいる」と念を押された旅団員たちは、追跡を中止せざるを得なくなり、アジトへと戻る事になった。一方、依然として余裕の佇まいを見せるクロロに憤ったクラピカは、勢いよく殴り掛かった。血に塗れたクロロは、クラピカに鎖を突きつけられ、クルタ族を虐殺した際の事を問われるが「ウボォーは最期に何と言っていた？」と平然と聞き返す。クラピカは答える事無く目を逸らした。一連のクラピカの様子を見ていたクロロは、ある予想をしていた。それは仮にパクノダがクラピカの指示に背き、旅団全員で来たとしても、クラピカは幻影旅団への復讐ではなくゴンとキルアの奪還を優先するだろうという事。

しかしリンゴーン空港に来たのはパクノダだけだった。クロロは条件を破った者に死を与える能力「律する小指の鎖（ジャッジメントチェーン）」をクラピカに刺され、「念能力の使用」と「旅団員との接触」が出来なくなった。またパクノダも鎖を心臓に刺された事で「ゴンとキルアを無事に渡すこと」、「クラピカに関する情報を漏らさない」という二つの条件を与えられた。パクノダはアジトへ帰り、その旨を伝えるが旅団員は「クラピカ狩り」派と「クロロの奪還」派で対立。一触即発の状態となるが、幻影旅団のNo.7・フランクリンの説得により、パクノダはゴンとキルアを連れて再度、人質交換の場に向かうことになった。パクノダとクラピカはそれぞれの人質を交換する為、互いに飛行船を用いて断崖に降り立つ。その時、突如としてヒソカが現れる。困惑する一同を他所に、ヒソカはクロロと闘う為、クラピカの了承を得て飛行船に乗り込んだ。断崖の絶壁に二機の飛行船が到着し、クロロとゴン、キルアの人質交換が行われた。その後パクノダは一人でアジトへ戻り、自らの命と引き換えに、自分の記憶を他者に移す技「記憶弾（メモリーボム）」で事の顛末を旅団員に伝えた。そしてクロロは、旅団員では無かったと打ち明けるヒソカに対し、念能力を使えないと堂々と説明。両者の戦闘は見送られる事になった。絶壁の上に取り残されたクロロは「東…か」と呟き、予言詩が指し示す方角をただ一人見つめていた。

ヒソカとの激戦

クロロはヒソカを雇い、他者の念を外す能力者・除念師のアベンガネと接触し、クラピカに刺された「律する小指の鎖（ジャッジメントチェーン）」の解除に成功した。念能力を取り戻したクロロは、その報酬として天空闘技場でヒソカと命を懸けた死闘（デスマッチ）を行う事にする。開戦の合図と同時にクロロは審判にアンテナを刺し、「携帯する他人の運命（ブラックボイス）」でヒソカを襲わせた。そしてヒソカの至近距離で爆弾の刻印を押す技「番いの破壊者（サンアンドムーン）」を発動して審判を爆破。ヒソカは驚いてガムとゴムの性質を持つオーラ「伸縮自在の愛（バンジーガム）」で天井に回避。余裕の佇まいのクロロは「晒したカードで闘うよ」と自身がこれから「盗賊の極意（スキルハンター）」で引き出す5つの念能力について説明を始めた。本に挟む事で、念能力の併用と本を閉じたまま戦える「栞のテーマ（ダブルフェイス）」、対象の人形に印鑑を押し操作する「人間の証明（オーダースタンプ）」を解説する。なお「人間の証明（オーダースタンプ）」は生命に使用出来ない制約がある為、クロロは能力使用時にコルトピの「神の左手悪魔の右手（ギャラリーフェイク）」で人間をコピーしてから操作する一手間を加えると説明。また「転校生（コンバートハンズ）」という右手で触れると相手が自分の姿になり、左手で触れると自分が相手の姿に変化する技についても話した。、さらに「番いの破壊者（サンアンドムーン）」には元の能力者である流星街の長老が死亡した事で、死後に強まる念によって一度でも刻印すれば消せない制約がついたと明かした。

手の内を全て晒したクロロは最後に、ヒソカにこのまま戦いを続ければ命は無いと警告した。しかしヒソカにとってクロロとの死闘は至福の時間であり、ヒソカの意向で戦闘は続行となった。クロロは「携帯する他人の運命（ブラックボイス）」を発動すると、観客席に紛れ込み、「人間の証明（オーダースタンプ）」で操った人間たちをヒソカに襲わせた。その隙をついたクロロは、ヒソカの背後に回り込み、左フックと見せかけての右足キックを食らわせた。その後もクロロは操り人間でヒソカを取り囲み、隙をついて攻撃を与える。しかし頭の切れるヒソカは、あえてクロロの攻撃を受け地面に叩きつけられると、左足に「伸縮自在の愛（バンジーガム）」でつけていた別の頭部をクロロの顔面にヒットさせた。そしてクロロは再び観客席に紛れ、「転校生（コンバートハンズ）」で観客の一人を自分の姿に変化させる。さらにアンテナを刺して「携帯する他人の運命（ブラックボイス）」で操り、自分の偽物を作り上げてヒソカを困惑させた。ヒソカは偽物と気づかずにクロロの容姿をした観客を地面に叩きつけた。その時点で場内の観客は観戦どころではなくパニックになっている。クロロはその動乱に乗じて、試合中継のアナウンサーのマイクを奪うと、場内の「人間の証明（オーダースタンプ）」で作った約200体もの操り人間に対して「ヒソカを壊せ…！！」と命令した。ヒソカはクロロではなく大量の操り人間を相手にすることになった。

そしてクロロは、ヒソカに首を切断された死体のコピーを「人間の証明（オーダースタンプ）」で操り人間にし、さらに「番いの破壊者（サンアンドムーン）」の太陽（プラス）の刻印をつけた。そして月（マイナス）の刻印をつけた人間を「携帯する他人の運命（ブラックボイス）」で操り、太陽の（プラス）の刻印がある死体のコピーに触れさせる。その瞬間、ヒソカが武器として使っていた太陽の（プラス）の人間の頭部が爆破し、左手を負傷。クロロの目論みは成功した。ヒソカは「伸縮自在の愛（バンジーガム）」で新たに人間の頭部を武器として作成し、二階の観客席に移ろうとしていた。その瞬間をクロロは見逃さず、「番いの破壊者（サンアンドムーン）」の刻印を持った「人間の証明（オーダースタンプ）」の操り人間をヒソカの間近で自爆させた。オーラでダメージを半減させたヒソカは、「伸縮自在の愛（バンジーガム）」を天井に貼り付け、態勢を整えようとした。しかし勢いよく振り上げた右足は無くなっている。再度ヒソカが左足を伸ばした瞬間、二階の観客席にいたクロロは、観客を掴むとヒソカに投げ当てた。そしてクロロは、床に落ちたヒソカに「番いの破壊者（サンアンドムーン）」の刻印のある操り人間を取り囲ませ、爆発に巻き込んだ。天空闘技場での死闘はクロロの勝利で幕を閉じた。

クロロ＝ルシルフルの関連人物・キャラクター

ノブナガ＝ハザマ

CV：松山鷹志（1999年フジテレビ版）／内田直哉（2011年日本テレビ版）
生年月日：7月8日
年齢：不明
身長：183cm
体重：75kg
血液型：B型
念系統：強化系
旅団ナンバー：No.1

クモと呼ばれる危険度Aクラスの盗賊集団・幻影旅団のNo.1であり、初期メンバー。クロロの指示なら、見ず知らずの人間の命を奪う事に対して一切の躊躇を見せない冷酷さを持つ。旅団内では特攻として戦地に赴く役目を担っている。人間の生命エネルギーをオーラとして操る念能力者であり、念系統はオーラで自分や物に備わる力を高める強化系だ。ノブナガは刀にオーラを集中させ、居合斬りで敵を倒す。オーラを広げて物質の位置を感知する「周」を自身の太刀筋の間合いとして利用する。旅団内でも感情的な言動が際立つ人物であるが、冷静な状況判断に長けている。クロロの命令と旅団の掟に絶大な信頼を寄せている。普段は着流し姿に丁髷といった武士の様な装いだ。

フェイタン＝ポートオ

CV：日比野朱里（1999年フジテレビ版）／山口勝平（2011年日本テレビ版）
生年月日：不明
年齢：不明
身長：155cm
体重：45kg
血液型：不明
念系統：変化系
旅団ナンバー：No.2

クモと呼ばれる悪名高い危険度A級クラスの盗賊集団・幻影旅団のNo.2である。好戦的で冷酷な性格の持ち主だが、クロロとクモの掟には絶大な信頼を寄せている。拷問好きの一面もあり、旅団内では尋問の役割を担っている。主な武器は弾丸と刀を仕込んだ傘である。人間の生命エネルギーをオーラとして操る念能力者であり、念系統はオーラ自体の性質を変化させる変化系。能力の全ては未だに隠されているが、「許されざる者（ペインパッカー）」というオーラを灼熱にして空中に飛ばす技や、太陽の様な形状に変化させたオーラで周囲を焼き尽くす「太陽に灼かれて（ライジングサン）」を使うことができる。また話す言語は特徴的であり、語尾に「ね」をつける等、カタコトの言葉で話す。体格は小柄で、髑髏マークの付いた民族衣装を着用し、いつも口元が隠れている。

マチ＝コマチネ

CV：並木のり子、上村貴子（1999年フジテレビ版）／前田玲奈（2011年日本テレビ版）
生年月日：不明
年齢：不明
身長：159cm
体重：48kg
血液型：A型
念系統：変化系
旅団ナンバー：No.3

クモと呼ばれる悪名高い危険度A級クラスの盗賊集団・幻影旅団のNo.3であり初期メンバー。クロロと旅団の掟に絶大な信頼を寄せている。可憐な見た目とは裏腹に、自らと関わりの無い人間を殺害する冷酷さを持つ。一方で、戦闘のメッカである天空闘技場でクロロに敗北した奇術師・ヒソカの遺体に対して「団長の除念…ありがと」と声を掛ける等、優しい一面もある。人間の生命エネルギーをオーラとして操る念能力者であり、念系統はオーラの性質を自在に操る変化系。マチは「念糸」という糸状のオーラを操り、そこに結ばれた針を対象者に刺すことで追跡する事が出来る。必殺技は「念糸縫合」。これは念糸で人間の神経や血管、筋肉などの部位を裁縫の様に縫い合わせることで、ほぼ100%元通りに治療できる技である。普段は髪を一括りに束ね、白装束の忍者風の様な出で立ちをしている。

カルト＝ゾルディック

CV：前田優子（1999年フジテレビ版）／能登麻美子（2011年日本テレビ版）
生年月日：不明
年齢：10歳
身長：150cm
体重：30kg
血液型：A型
念系統：操作系
旅団ナンバー：No.4

伝説の暗殺一族・ゾルディック家の五人兄弟の末っ子である。出身地はパドキア共和国。暗殺業に加え、クモと呼ばれ恐れられている盗賊集団・幻影旅団のNo.4として活動している。彼が旅団に入団した目的の全容は明かされていないが、「兄を取り戻す」という並々ならぬ決意のもと、No.2の座を狙っている。ゾルディック家の中でも従順で大人しい性格をしているが、拷問好きという残虐な一面もある。人間の生命エネルギーをオーラとして操る念能力者であり、念系統はオーラで物体や生物を操る操作系。紙製の扇子でオーラを込めた紙屑を操った切断攻撃や、紙人形を対象者に貼り付け、自身の持つもう一つの紙人形から盗聴したりと多様な技を持つ。また「蛇咬の舞（ダコウのまい）」という、オーラを込めた紙屑を蛇の様な形に束ね、敵を攻撃する必殺技もある。その威力は頑丈な皮膚を持つ第一級隔離指定生物「キメラ＝アント」の身体を切断できる程である。一人称は「ボク」だが、日本人形の様なその容姿からは女性の様にも見える。口元にホクロがあり、髪型はおかっぱ頭である。クロロの指示のもと、人類未開のタブー地域・暗黒大陸へ向かう「B・Y（ブラックホエール）号」に密航し、幻影旅団のNo.6・シャルナークとNo.12・コルトピを殺害した奇術師・ヒソカを兄のイルミと共に捜索している。

フィンクス＝マグカブ

CV：松田吉朗（1999年フジテレビ版）／KENN（2011年日本テレビ版）
生年月日：不明
年齢：不明
身長：185cm
体重：85kg
血液型：AB型
念系統：強化系
旅団ナンバー：No.5

クモと呼ばれ恐れられている悪名高い危険度A級クラスの盗賊集団・幻影旅団のNo.5である。旅団内でも特に短気であり、好戦的で人殺しも躊躇しない性格である。拷問好きの幻影旅団のNo.2・フェイタンと行動を共にすることが多い。クロロとクモの掟には絶大な信頼を寄せている。また第一級隔離指定生物「キメラ＝アント」によって異形の姿に変えられた幻影旅団の出身地・流星街の住民に対して「おめーら 腐っても流星街（ココ）の住人だろうが！！最期まで根性見せやがれ！！！」と檄を飛ばすなど、人情味がある一面を見せることもある。人間の生命エネルギーをオーラとして操る念能力者であり、念系統は物体の力をオーラで高める強化系。腕を回すほどパンチ力を増大させることができる能力「廻天(リッパー・サイクロトロン」を使って敵を倒す。普段は白い服装に蛇の様な被り物といったエジプト風の衣装を身に着けているが、戦闘時には着脱する。ジャージを着用することも多い。

シャルナーク＝リュウセイ

CV：高戸靖広（1999年フジテレビ版）／日高のり子（2011年日本テレビ版）
生年月日：不明
年齢：不明
身長：180cm
体重：72kg
血液型：O型
念系統：操作系
旅団ナンバー：No.6

クモと呼ばれ恐れられる悪名高い危険度Aクラスの盗賊集団・幻影旅団のNo.6。気さくで仲間想いな性格だが、任務の為なら見ず知らずの人間の命は容赦なく奪う冷酷さを持つ。プロハンターの資格を有しており、旅団内では主に情報処理の役割を担っている。人間の生命エネルギーをオーラとして操る念能力者であり、念系統はオーラで自身や物体を操る操作系。彼の持つ携帯電話はメンバー同士の連絡手段として用いられているだけでなく、付属のアンテナを人間に刺すことで、「携帯する他人の運命（ブラックボイス）」という技を発動出来る。これは携帯電話のボタンをクリックすることで対象者を自由に操ることができる能力だ。また自身と同じく情報処理部隊である幻影旅団のNo.8・シズクやNo.12・コルトピとは活動を共にすることが多い。旅団結成時からの初期メンバーであり、クロロとクモの掟に絶大な信頼を寄せている。