五代裕作(めぞん一刻)とは【徹底解説・考察まとめ】

五代裕作(ごだい ゆうさく)とは漫画『めぞん一刻』の主人公である。
貧乏浪人生として登場し、新しく赴任してきた管理人の音無響子に一目惚れ。大学入学後も彼女に想いを寄せ、一刻館の面々に茶々を入れられながらも、恋敵の三鷹瞬と度々競い合っていった。一方で様々な女性からアプローチを受け、その度に響子からヤキモチを焼かれていた。大学卒業後はフリーターとして働きながら保父の資格取得を目指していく。最終的に保父として保育園に就職し、響子と結婚。娘の春香をもうけ、一刻館で響子と共に幸せな家庭を築いていった。

五代裕作(めぞん一刻)の概要

五代裕作(ごだい ゆうさく)とは漫画『めぞん一刻』の主人公である。本作はオンボロアパートの「一刻館」の5号室に住む貧乏青年の五代を中心に物語が展開されていく。貧乏浪人生であった五代は一刻館の奇妙な住人達に翻弄されながら生活していた。そこへ絶世の美女である音無響子(おとなし きょうこ)が新しく赴任し、一刻館に住込みで働く事になった。響子は五代の2歳年上の女性である。五代は彼女に想いを寄せていく。本作は個性豊かな一刻館の面々や、彼等を取り巻く様々な人々との交流の中で、時計の針のように五代と響子の関係は重なり合ったり、すれ違いで離れていったりしていく恋愛漫画である。時代背景は1980年代前半から後半の日本を舞台に描かれており、これは本作が連載していた時代を反映している。当然スマホといった最新機器は存在せず、通信手段は固定電話と手紙が主流であった。物語は大きく分けて五代の浪人生時代、大学生時代、フリーター時代に分類され、彼の成長と共に物語の展開も変わっていった。

五代は貧乏浪人生として登場し、一刻館に住みながら受験勉強に励んでいた。だが個性的で破天荒な他の住人達に邪魔をされ、中々勉強に専念出来ずに過ごしている。そこへ新しく響子が赴任し、彼は彼女の美貌に惹かれていった。一方の響子は、だらしが無い五代の事を弟のように想い世話を焼いていく。五代は甲斐甲斐しく世話をする響子を異性として意識し、想いを寄せていった。

五代は響子の支援もあり、何とか大学に合格した。だが彼女が実は未亡人である事を知り、五代は衝撃を受ける。それでも彼は響子の亡き夫である響子惣一郎(おとなし そういちろう)に対抗心を燃やして行った。惣一郎は響子の通っていた女子高の講師であり、彼女からアプローチをされて結婚した人物である。そして大学のコンパで泥酔して一刻館に帰宅した彼は、大声で響子への好意を叫んでしまう。これにより響子は五代を異性として意識するようになった。だがその後のすれ違いで少しずつ進んでいた2人の仲は足踏みを続けていく。そんな中、響子はご近所の主婦達の勧めでテニスクラブに入会し、コーチの三鷹瞬(みたか しゅん)に見初められた。三鷹は金持ちの御曹司であり、イケメンで白い歯が特徴的な色男である。以降、五代の恋敵として、五代と三鷹は競い合っていく事になった。三鷹は圧倒的な経済力と美貌で響子をデートに誘い、その度に五代はヤキモキしていく事になる。

五代は響子との距離を縮めたり、行き違いで離れたりしながら関係を深めていく。五代は響子を巡って三鷹と競い合いながらも、様々な女性達からアプローチを受けていった。また些細な誤解や想い込みから、響子が五代にヤキモチを焼いて喧嘩をする場面が多くなる。五代は様々な女性からの誘惑や、響子との関係に茶々を入れて面白がる一刻館の住人達を乗り越えて、彼女への想いを強めていく。

時は過ぎていき、彼は卒業を間近に控え就職活動に励むようになった。五代は響子との結婚を意識しながら就職活動を行うものの、生来の人の良さや不運に見舞われて悉く面接に落ちてしまう。どうにか中小企業に就職が決まったものの、不況の煽りを受けてその会社は五代が入社する前に倒産してしまった。そのまま彼は卒業し、フリーターとして社会に出る事になってしまう。それでもアルバイト先の保育園で子供達と接し、彼は保父を目指す事を決意した。だが、五代がアルバイトしていた保育園も人員整理でクビになり、キャバレーの呼び込みとして働くことになる。それでも彼は保育の腕を見込まれ、キャバ嬢の連れ子の面倒を見る内勤に励む事となった。五代はキャバレーで働きつつ、保父(現在の保育士)の資格取得に向けて勉学に励んでいく。一方、恋敵の三鷹は響子にプロポーズするが、彼女は前旦那の惣一郎の事が忘れられなかった為断られる。そして三鷹は以前から見合いをしていた九条明日菜(くじょう あすな)と紆余曲折を経て結ばれた。九条は犬が大好きな資産家の箱入り令嬢である。恋敵が居なくなった五代だが、様々な誤解から本格的に響子から避けられてしまう。それでも一刻館の面々の助けもあり、ようやく2人は結ばれた。

五代は無事に保父の資格を取得し、以前働いていた保育園に正式に採用される。そして結婚に反対していた彼女の父親との衝突を乗り越えて、五代は響子にプロポーズをした。2人は結婚し、五代春香(ごだい はるか)という娘を授かる。五代は出産を終えて退院した響子と春香を連れて一刻館へ戻り、幸せな家庭を築き上げていくのであった。

五代裕作(めぞん一刻)のプロフィール・人物像

CV:二又一成、渡辺久美子(幼少期)、櫻井孝宏(CRめぞん一刻版)
五代裕作(ごだい ゆうさく)は貧乏で平凡な青年である。実家は定食屋を経営しており、変わった人物の多い一刻館の住人と比べるとごく普通の家庭に育った。

性格は優しく、困っている人を見捨てられないお人良しである。一方で優柔不断な所があり、決断が遅い。こういった性格が災いし、非常識な一刻館の面々からは玩具にされていた。登場初期は浪人生であり、勉学に励んでいたものの「荷物が一刻館の住人達の中で一番少ない」という理由で住人達に部屋を占拠されて宴会を開かれている。度重なる住人達の嫌がらせに耐えかねて、一刻館を何度も抜け出そうとしていたが、お金が無い等の理由で嫌々住み続けていた。だが響子が新しい一刻館の管理人として赴任してからは、積極的に住み続けるようになる。登場初期は喫煙をしていたものの、物語の進行に伴って喫煙シーンは無くなっていった。アニメ版では「響子のために禁煙をした」と話すシーンがある。また浪人生時代から大学時代は、実家から仕送りをしてもらっていたものの、一刻館の面々にたかられたり、外食を頻繁にするため金欠になる場面が多かった。家賃も何度か滞納しているものの、最終的にはアルバイト等の金策をしてきちんと支払う誠実さを見せている。

五代は妄想に没頭してしまう悪癖を持ち、度々響子とのラブロマンスを妄想しては電信柱等に頭を打ち付けていた。こういった妄想や思い込みの激しさから変に響子を意識してしまい、結果的に響子から距離を置かれることもあった。それだけ性欲を持て余しており、時には響子以外の女性に誘惑されて浮気をしそうになった事もある。物語の終盤には悪友の坂本(さかもと)にそそのかされ、トルコ風呂(現在のソープ)で童貞を捨てた描写がされている。坂本は五代の大学時代からの悪友であり、五代にお金を借りようとしたり、キャバクラのアルバイトを紹介した。時に性欲に流されてしまう五代だが、響子を抱こうとした際、音無惣一郎(おとなし そういちろう)を意識して失敗していた。惣一郎は響子の死別した、最愛の元旦那である。肉体的に響子を見る以前に、彼女を心から愛そうとしていた事が伺える。

大学入学後も響子を想い続けるが、恋敵の三鷹瞬(みたか しゅん)の登場にヤキモキする場面が多かった。三鷹は響子の通うテニスクラブのコーチをしている青年である。資産家の御曹司であり、白い歯と美貌が特徴的な人物である。三鷹と恋の競争をする一方、五代はその人柄の良さから他の複数の女性達からアプローチを受けていた。その度に響子は彼にヤキモチを焼き、五代は彼女に説明をしようとするも、彼女は話を聞かずに冷たく接するという展開がお約束になっている。五代はお人好し且つ口下手でトラブルに巻き込まれやすい。一方のメインヒロインの響子は天然で思い込みが激しい一面を持つ。この両者の関係に、一刻館の住人達や三鷹を始めとした様々な登場人物達が横槍を入れてしまう為、五代は響子と良い感じになった所で彼女とすれ違いになり、距離が出来てしまっていた。ある意味で五代は不幸体質ともいえる。

大学は教育学部で、響子の母校の女子校で教育実習を行っている。そこでも受け持っていたクラスの女子高生八神いぶき(やがみ いぶき)に惚れられ、トラブルに巻き込まれていた。八神は思い込みが激しく、非常にアグレッシブな女性である。

五代はその人柄から、子供に好かれやすい。フリーター時代にアルバイトをしていた保育園では子供達から大人気であった。この事から彼は保父(現在の保育士)の資格取得を目指すようになる。またキャバクラでバイトをした際には、福利厚生部長に任命されてキャバ嬢の連れ子の世話をしていた。

五代は当初、響子の亡き夫の惣一郎に対抗心を燃やしていた。だが惣一郎の人柄や彼女との関係性を知っていった五代は、次第に惣一郎の存在を受け入れていくようになる。そして「惣一郎の事を想う響子も含めて、彼女を愛する」決意を惣一郎の墓前で誓った。

五代裕作(めぞん一刻)の特技・能力

勉強

初登場より、五代は度々勉強に励んでいる。だが、地頭が良くないのと一刻館の面々が妨害してくる為、中々捗らない。響子の援助もあり、どうにか大学に合格したものの、私立高校生に勉強を教えられないレベルであった。大学時代は勉強をサボり、悪友と遊んだりバイトや響子へのアプローチに精を出している。フリーターとして大学を卒業してからは保父(現在の保育士)を目指して資格取得の為、再び勉強に励んでいた。

5号室

一刻館の五代の部屋。一刻館は1階に管理人室、1、2、3号室があり、2階に4、5、6号室がある。また一刻館の住民全員の名前に、部屋の番号が当てられている。1号室は一ノ瀬、2号室は二階堂、4号室は四谷、5号室は五代、6号室は六本木である。

五代の5号室は四谷と朱美の部屋に挟まれ、2号室の真上に位置する。この為、5号室は四谷によって壁に穴を開けられ、更に彼の手で6号室との壁にも覗き用の穴を開けられていた。二階堂が引っ越して四谷と悪戯合戦を始めた際には、5号室の床に大穴を開けられている。また、一刻館の住人達が頻繁に5号室で宴会を開く為、五代のプライバシーは皆無であった。

五代が浪人生時代から使っている鞄。

受験番号

五代が大学受験をした時の受験番号。「4989」であり、これは四字熟語の四苦八苦に掛けられている。本作の後日談である「約束の向こう側」では、五代の娘の春香も「4989」の受験番号で大学試験を受けていた。

タバコ

五代は当初、喫煙をしていた。物語の進行に伴い、喫煙シーンは無くなっている。原作では触れられていなかったが、アニメでは響子の為に禁煙したと語っていた。

手作り人形

五代の手作り人形

五代は手先が器用で、人形劇用の人形を手作りした。

9humi-aoi8008
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