クロロ＝ルシルフル（HUNTER×HUNTER）の徹底解説・考察まとめ

クラピカ

CV：日高のり子（1999年フジテレビ（パイロット）版）／甲斐田ゆき（1999年フジテレビ版）／沢城みゆき（2011年日本テレビ版）
生年月日：4月4日
年齢：17歳
身長：171cm
体重：59kg
血液型：AB型
念系統：具現化系（特質系）

第287期ハンター試験合格者。ルクソ地方の少数民族「クルタ族」の生き残り。興奮状態になると眼球が緋色に染まる。同胞を皆殺しにした幻影旅団を倒す為、賞金首ハンターとして活動する。現在はヨークシン街のマフィア「ノストラード組」の若頭とハンター協会長・アイザック＝ネテロが選抜した精鋭集団「十二支ん」を兼務し、同胞の「緋の眼」の行方を追っている。人間の生命エネルギーをオーラとして操る念能力者であり、念系統はオーラで武器や物質を作り出す具現化系。クラピカは右手の指に装着した鎖を、それぞれ用途によって使い分けている。相手に条件を提示し、破れば死を与える「律する小指の鎖（ジャッジメントチェーン）」、捕獲した相手を強制的にオーラを使えない「絶」状態にする「束縛する中指の鎖（チェーンジェイル）」、物事の所在や嘘を見抜く「導く薬指の鎖（ダウジングチェーン）」、自己治癒力を高める「癒す親指の鎖（ホーリーチェーン）」、他者の念能力を奪う「奪う人差し指の鎖（スチールチェーン）」という必殺技がある。その全てが幻影旅団を抹殺する為に生み出されたものである。また「緋の眼」状態のクラピカは、特殊な念系統である特質系になる事で、全系統の能力を引き出せる「絶対時間（エンペラータイム）」となる。この「絶対時間（エンペラータイム）」が、技の多様性や強化に繋がっているのだが、発動中は1秒につき1時間寿命が縮むという厳しい誓約がある。知識が豊富で頭も切れるクラピカだが、理屈屋でマイペースな所があり、偶に人を不快にさせてしまう一面もある。クラピカは普段、オーラで物体を操る操作系能力者を装う為、あえて本物の鎖を持ち歩いている。またクルタ族特有の民族衣裳と、自前の武器である二つの木刀を装備している。

ゴン＝フリークス

CV：松本梨香（1999年フジテレビ（パイロット）版）／竹内順子（1999年フジテレビ版）／藩めぐみ（2011年日本テレビ版）
生年月日：5月5日
年齢：12歳
身長：154cm
体重：49kg
血液型：B型
念系統：強化系

第287期ハンター試験合格者。二ツ星（ダブル）ハンターの称号を持つジン＝フリークスの息子である。裏表の無い性格で、常識に囚われない純粋さを持つ。その一方で、善悪に頓着がない好奇心を見せる。目利きのゼパイルから、木造蔵の宝を偽物とすり替える「殺し技」という違法行為を教えてもらったゴンは、「すごい世界だね〜」と嫌悪するどころか驚嘆していた。ゴンの正義感の強さは、時に頑固さとして表れる。先に降参した方が負けのハンター最終試験でゴンは、忍の末裔であるハンゾーから腕を折られるといった拷問をされたが、「参った」と言わず、ハンゾーを根負けにした。自然豊かな「くじら島」で育ったゴンは、あらゆる動物と心を通わせることが出来る。野生児ならではの素質を活かし、嗅覚や視力も常人より優れている。人間の生命エネルギーをオーラとして操る念能力者であり、念系統はオーラで物や身体の力を高める強化系。ゴンの必殺技は、ジャンケンをモチーフとした「ジャジャン拳」。「ジャンケン」の掛け声でオーラを拳に集中させ、技を繰り出す。「グー」はオーラを纏った拳による短距離攻撃。「パー」で手からオーラを放つ。「チー」はオーラで象った刃で敵を切る。また攻撃後の「あいこで」という掛け声でオーラを拳に集め、二段階で攻撃する事も可能だ。普段は釣竿とリュックサック、緑とオレンジの服を着用している。旅団に一族を滅ぼされたクラピカと共に、幻影旅団をハントするべくヨークシン街を駆け回った。幻影旅団一行にクラピカの尾行が感づかれた際、ゴンは囮となって投降した。幻影旅団のNo.1・ノブナガからゴンの入団を持ち掛けられた際、クロロは「確かに面白そうな奴ではある」と話していた。しかし投降したゴンに対し、「逃げようとしたら殺していい」と旅団員に指示を出し、冷酷な態度でその動向を観察した。

クロロ＝ルシルフルの名言・名セリフ／名シーン・名場面

団長の威厳

クロロはアジトに旅団員を収集し、マフィアン・コミュニティーの十老頭の主催で開かれる「地下競売（アンダーグラウンドオークション）」の品を全て強奪するよう団長命令を出した。フェイタン、フランクリン、シズクは会場内に侵入し、出席していたマフィアを全て殺害。シズクの吸引能力・デメちゃんで椅子や死体を吸い込み、一切の痕跡を消した。そして三人はノブナガ、マチ、シャルナーク、ウボォーギンと合流して競売品の強奪にあたる予定だった。任務中、クロロとその他の旅団員はアジトで待機している。事前にネオンの予言能力で何者かが地下競売を襲うと知っていた十老頭は、競売品を陰獣の梟の収集能力「不思議で便利な大風呂敷（ファンファンクロス）」で別の場所に移動させていた。

強奪する筈だった競売品無かった事にウボォーギンは不信感を抱き、旅団員の中に裏切り者がいる可能性をクロロに電話で報告。その際クロロは、仮に旅団員の誰かがマフィアに密告をしていても、メリットは無いと推論を立て、裏切り者はいないと結論づけた。さらに地下競売の主催者は十老頭であることから、いずれ陰獣が追ってくる事をウボォーギンに伝え、戦闘の許可を与えた。クロロは自ら現場に出向かない場合でも、任務遂行を担当している旅団員の良き助言者となっている。これは旅団員がクロロの団長としての実力を信頼してる証であり、またクロロ自身も情報処理部隊として幻影旅団の生命線となるパクノダやコルトピをアジトで守る役割をしている。クロロは任務の際、旅団員の特性をよく理解した上で役割を分担させている事が伺えるシーンである。

「オレ達から貴方への鎮魂曲（レクイエム）です」

ウボォーギンはクラピカと戦い、二度とアジトへ帰ってくることは無かった。クロロは旅団員に「2人組で鎖野郎を探し出して連れてこい」という命令を出したが、マフィアはおろかクラピカは一切姿を現さない。それを不自然に感じた旅団員たちはシャルナークの指揮の元、それぞれ2人組でノストラード組構成員の顔写真リストの人物とクラピカの捜索へ当たる事になった。時を同じくしてクロロは、ネオンの予言能力「天使の自動筆記（ラブリーゴーストライター）」を盗むべく、セメタリービルへと向かっていた。クロロはセメタリービルへと先回りし、好青年を装ってネオンに自身を占ってもらう様に頼んだ。手渡された予言詩にはウボォーギンの死が暗示されており、クロロは涙を流した。予言詩に「死者の鎮魂」についての記述を見つけたクロロは、ネオンに「君は死後の世界ってあると思う？」と質問する。予言詩は死者より生きている人に対する警告なのだと話すネオンに対し、クロロは死んだ人物が一番やりたかった事をしてあげたいと伝えた。

そしてビルのロビーまで降りたところで、クロロは警備員の目の前でネオンを手刀で気絶させた。周囲はその手口に気づかなかったが、監視カメラを通して見ていたマフィアに雇われた殺し屋は、クロロの手刀さばきに気づき、一対一（サシ）の勝負を申し出る。クロロは殺し屋を壁に貼り付けにすると、密室でしか生息出来ない人食い念魚「室内遊魚（インドアフィッシュ）」を発動し襲わせた。クロロは、旅団員に対して「セメタリービルで暴れるから来い」という伝言を送信していた。旅団員は伝言に付け加えられている「派手に殺れ！！」という条件に従い、クラピカに殺害されたウボォーギンの弔い合戦としてマフィア達に抗争を仕掛ける。クロロはワイドサイズの窓を開けると、そこには旅団員とマフィアによる銃声が鳴り響き、各地で爆発が起きていた。それを眺めるクロロは、おもむろに手で指揮を執り、「オレ達から貴方への鎮魂曲（レクイエム）です」とウボォーギンへ想いを馳せた。死を享受している筈のクロロが、旅団員の死に対して特別な感情を持っている事が分かるシーンである。

優れた洞察力

ヨークシン街のセメタリービルで開催された競売品を強奪した幻影旅団。クロロは、ネオンから奪った「天使の自動筆記（ラブリーゴーストライター）」でノブナガを占った。ノブナガの予言詩には、ヨークシンに留まりクラピカと戦うと、幻影旅団の生命線となる情報処理部隊を失う事が記載されていた。そして幻影旅団はクラピカへの仇討ちよりもヨークシンを離れてアジトへ戻る方針となる。クロロへの強い戦闘欲求を抱いていたヒソカは、質感を再現する能力「薄っぺらな嘘（ドッキリテクスチャー）」で「現在地を離れてアジトに向かえば、旅団の半分が死ぬ」という嘘の記述を付け加えた。さらにヒソカは予言詩の改竄時、「旅団員の能力をクラピカに密告した事」についての記述をあえて残し、そこにクロロへ向けたある暗示を仕掛けた。ヒソカの予言詩を読んだノブナガは刀を抜き、襲い掛かる。一方でクロロはヒソカの読み通り、予言詩の内容に違和感を持ち「盗賊の極意（スキルハンター）」の能力でノブナガを瞬間移動させた。

そしてクロロはヒソカに対し、予言詩にある「攫われた秘密」は具体的に何を意味するのか訊いたところ、旅団員の能力であることが分かった。さらにクロロは密告した相手の情報を聞き出そうとするが、どれもヒソカは「言えない」と答える。予言詩の内容と一連のヒソカの返答から、クロロはクラピカの能力について「ウボォーギンを倒した力」と「ヒソカの言動を縛っている力」の二つの種類があると推察した。ヒソカが付け加えた「掟の剣」という記述に対しても、相手に何かの制約を与える能力だと仮定し、その力によってヒソカはクラピカに密告したのだと結論づけた。そしてクロロは立ち上がり、「掟の剣」が意味する能力は、既にヒソカの体内に埋まっていると旅団員に周知させた。その後もクロロは、改竄後のヒソカの予言詩にある「仮宿から出てはいけない」という一節を見逃さず、当初の予定を変更しヨークシンに留まることにした。ヒソカはクロロの賢さを逆手に取った大胆な行動に出たのである。このクロロの推察によって、ヒソカの密告はクラピカの攻撃によって強制的に行われたものだとされた。もしクロロがヒソカの暗示の意味に気が付かなければ、予言詩の改竄は無意味となり、ヒソカは幻影旅団を敵に回すことになっていた。クロロの優れた洞察力が発揮されたシーンである。

B・W（ブラックホエール）号での決意

天空闘技場でヒソカを殺害したクロロは、暗黒大陸へと向かう「B・W（ブラックホエール）号）」に密航し、カキン王族の財宝を強奪する意向をシャルナークに電話で伝えた。しかしヒソカは死ぬ寸前、心臓をオーラで覆い、死んだ後にマッサージを施す様に暗示をかけていた。その強い意志の力によって、死後に強まる念を発動したヒソカは、自ら心臓マッサージを行い息を吹き返した。そして試合後の治療役として呼んでいたマチをヒソカは「伸縮自在の愛（バンジーガム）」で拘束し幻影旅団への宣戦布告を行った。一方でクロロは船内に乗船するも、マチからヒソカが幻影旅団を狙っている事を知らされ、マフィアや密航者が暗躍する第五層の中央食堂で旅団員を招集することにした。そして新たにメンバーに加わったイルミは、クロロの指示で自己紹介とヒソカの動向予測について旅団員に話す。するとそこにカキン帝国で暗躍するマフィアが現れ、中央食堂の中でも特に大きいテーブルを占拠していた幻影旅団に対し場所を移すよう詰め寄ってきた。

それに対しクロロは「ここはオレ達が使う」と一掃するが、リーダー格のマフィアに協力的な姿勢を見せられ、その場を立ち退く。そして現在の幻影旅団の最優先事項はヒソカを見つけることだと打ち明け、王族や各国の要人が集う第一層に行く方法について訊いた。すると突然リーダー格のマフィアは血相を変えて幻影旅団に早く立ち去る様に促した。その変わり様を見たフィンクスは、第一層にある財宝に想いを馳せるが、クロロは「それは先の話」とあしらい、ヒソカを殺害するよう団長命令を出す。クロロの指揮の元、幻影旅団は船内に散らばり、ヒソカ狩りを開始する。その後クロロは、シズクと幻影旅団のNo.10・ボノレノフから共闘を持ち掛けられた際、自分にヒソカを殺させる事を条件として提示した。過去にウボォーギンがクラピカに殺害された時、クロロはその死を悼みマフィアを襲撃したが、クラピカ本人への復讐は企てずアジトへ去ろうとしていた。一方で現在のクロロは、ヒソカに対して強い殺意を持っている。その真意は復讐か、ヒソカを仕留め損ねた自責の念かは不明だ。しかしクロロのヒソカ狩りに対する並々ならぬ決意が伝わるシーンとなっている。

クロロ＝ルシルフルの裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

シルバとの因縁

幻影旅団とゾルディック家の関係は、まだまだ謎が多い。セメタリービルでゼノと共に、クロロの暗殺に乗り出したシルバ。その時、クロロとゼノの戦闘を見たシルバは「あの時より体術はさらに向上している」とクロロと対峙した過去を振り返っている。またシルバは、キルアに幻影旅団に手を出さない様に念を押したり、クロロの出身地である流星街のキキョウを妻にしている。従ってクロロとシルバ、二人の過去に何かしらの因縁があった可能性が高い。

11巻の表紙の元ネタ