ゴジラの逆襲(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゴジラの逆襲』とは1955年に公開された、日本の怪獣映画である。
魚群探査機パイロットの月岡と小林は、ゴジラとアンギラスの戦いを目撃する。大阪警視庁では、緊急会議が行われるものの、解決策は見つからぬままであった。そんな中、ゴジラとアンギラスは街を破壊しながら激しく戦う。
月岡はゴジラの出現により小林を亡くしながらも、ゴジラを生き埋めにする作戦に参加し、ゴジラを仕留めたのであった。
見所は月岡と小林の友情と、CGでは表現できないゴジラとアンギラスの独特の動きである。

『ゴジラの逆襲』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ゴジラとアンギラスの造形

ゴジラ(右)とアンギラス(左)との戦い

2代目ゴジラと呼ばれている今作のゴジラは、初代より細身で首が長く耳が大きめなことが特徴である。
1作目では研究段階であった液状ゴムのラテックスを取り寄せて怪獣の表皮に取り入れられた初の作品となった。様々な素材の変更により軽量化され、塗料も油性から水性に変更された。また胴体や手足を別々に作ることで、可動域を広げた。更に目や口が電動可動するように、尻尾の付け根に自動車用バッテリーが仕込まれた。
アンギラスについては、各種スチールやポスターには60.6cmの粘土模型が使用された。当初粘土製の検討用モデルが造られた段階では、背中の甲羅は2枚に割れ、後方はめくれあがっていた。着ぐるみも同じように造られたが、動くたび甲羅が剝がれかけたので、1枚に接合し背中全体に貼り付けられた。甲羅の重さは11.25kgもあった。
アンギラスの頭は石膏型からの型抜きでなく、硬い素材で頭の芯を作り、そこに表皮を直付けしていく手法で頭部を造っている。
口の開閉や顔の細かい表情はほぼ、片手を入れて操作する手踊り式のギニョール・モデルが使用された。背中のとげは丸めた金網に和紙を貼ってゴムを塗ったもので、踏むと潰れるほど柔らかい。その為、造型技師の開米栄三は「補修が大変だった」と述べている。
作中は白黒画面で、実際のアンギラスの色は伝わらないが、造型スタッフの八木正夫によれば、明るいエメラルドグリーンだったそうである。

1作目のヒットから2作目制作へ

雪山に上陸したゴジラ

前年に公開された、ゴジラシリーズの第1作目『ゴジラ』が大ヒットを飛ばしたことで、2作目も自然と期待が集まっていた。プロデューサーの田中友幸は「この大ヒットで我々は気負いたった」と語っている。
当初はアンギラスをメインとする予定であった。先に進んでいた企画を急遽先送りにし、ゴジラ2作目の製作が決定した為、撮影期間は3か月に満たなかった。因みに本作が大阪を舞台にしているのは、関西の劇場興行主からの要望であった。
前作の原作を担当した香山滋が、本作も担当している。しかし前作で死んだとされるゴジラを、再び登場させるという話作りには苦戦を強いられていた。香山は熱海の馴染みの旅館に泊まりこんで、話を練るがいい案が思い浮かばなかった。しかし温泉に飛び込んだら一気にインスピレーションが湧き、原作が誕生した。ただ、香山にはゴジラに対する愛着があり、再びゴジラを殺すことができず、氷の中に閉じ込める結末となった。なお、香山はこれ以降の続編を書くことを何度か依頼されたが、「ゴジラを殺すのがかわいそうだから、もうこれ以上は書きたくない」と、かたくなに拒み続けた。
本作の脚本も、前作に続いて村田武雄が担当している。村田は、極限状態での人間ドラマを盛り込もうとの意図で、脱走囚人のエピソードを入れたとされている。
音楽については、佐藤勝が担当しており、ゴジラの不気味さを表現する為、録音したテープを逆回転したものを楽曲中に採り入れた。

前作ヒットによって変化した待遇

氷に囲まれたゴジラ

前作の『ゴジラ』が大ヒットしたことにより、2作目である本作を作る上で様々な変化があった。
前作では、造形の作業場から撮影所までゴジラのスーツをリヤカーで運んでいたが、本作品以降はトラックで運ぶようになった。そして前作では、東宝内に特撮用ステージが無かった為、狭いスタジオでセットを組んだ。しかし本作では特撮用に第8ステージが新設された。そこにはステージ一杯に1/25スケールの大阪市街のミニチュアセットが組まれた。
高さ約2mの大坂城のミニチュアは、50万円をかけて約1か月で作り上げられた。丈夫すぎて、ゴジラが体当たりしてもうまく崩れなかった。
ラストの氷山は、オープンセットに高さ10mのものが作られた。本物の氷が業者から200t分運び込まれ、借りてきたベルトコンベアーで細かく粉砕したものを敷き詰めている。

『ゴジラの逆襲』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):佐藤勝「メインタイトル」

『ゴジラの逆襲』の音楽を手掛けたのは、北海道出身の作曲家佐藤勝である。佐藤は数多くの映画音楽を手掛けており、ゴジラシリーズでは『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(1966年)や、『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』(1967年)、『ゴジラ対メカゴジラ』(1974年)などがある。
ゴジラ音楽と言えば伊福部昭の、重厚感溢れる音楽であったが、伊福部とは違った緊張感ある作りになっている。

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