【進撃の巨人】ユミル「ベルトルさん」【厳選名作SS】

進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。みんなから名前でいじられまくるストレスに耐え兼ね、ついにユミルの目の前で泣き出してしまったベルトルト。ベルトルトがみんなに舐められないようユミルも協力しますが…。

75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 20:53:18 ID:4fqpF3NQ

ベルトルト「ありがとうライナー」

ライナー「今まで仲間はずれにしてくれたんだ。活躍させてくれよな?」

ベルトルト「ははっ、頼りにしてるよ」

ライナー「さて、訓練までの間にマルコ達にも今の話をしておくか」

ベルトルト「ジャンとマルコは今日の立体駆動訓練で同じ班だから、僕から話すよ」

ライナー「じゃあ俺はコニーとアニとサシャに話しておく。ユミルは…お前から話すか?」

ベルトルト「えっ、と。ユミルもライナーと同じ班だよね?なんで?」

ライナー「…お前、自覚がないのか?」

ベルトルト「ごめん…何の話だかわからない」

ライナー「まあ俺から言うことでもないからなぁ…まあお前から頼むよ」

ベルトルト「うーん?ライナーがそう言うなら、そうするけど…」

ライナー(…本当は咎めるところなんだろうが…俺も人のこと言えないからな)

ライナー(俺もクリスタとなんとか…一人か二人くらいなら故郷に…うーん)

76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 21:05:51 ID:4fqpF3NQ

ベルトルト「とはいえ、ユミルがどこにいるのか…ん?」

クリスタ「サシャとコニーも仲いいよね。もしかして…キャー!///」

サシャ「ソッスネ」ムシャムシャ

ハンナ「でもさでもさ!トーマスとミーナも最近怪しくなーい?」

ミーナ「そ、そんなんじゃないよ///と、トーマスとは別に…///」

クリスタ「ミーナったら赤くなってるじゃない!本当のところはどうなの?」

サシャ「パンウメエ」ムシャムシャ

ハンナ「白状しなさいよ~」

ミーナ「だから違うってばー!もー!///」

ベルトルト「うわあ…」

77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 21:18:23 ID:4fqpF3NQ

ベルトルト「あのピンクのオーラ…ユミルの場所を凄い聞きづらい雰囲気だ…」

クリスタ「あっ、ベルトルト」

ベルトルト「!?」ビクッ

ハンナ「そういえばベルトルト、さっきからウロウロしてたね」ヒソヒソ

ミーナ「きっとユミルに会いに来たんじゃない?」ヒソヒソ

クリスタ「やっぱりそうなのかな?そうなのかな?」ヒソヒソ

ベルトルト(この場から逃れたい…)

サシャ「ベルトルト、ユミルなら装置の点検に行っていますよ」

ベルトルト「あ、そうなんだ。ありがとうサシャ」

タッタッタッタ

クリスタ「…やっぱりユミルを探しに来てたんだね」キラキラキラキラ

ハンナ「ベルトルトって結構積極的ね~」

ミーナ「いいなぁ…トーマスもあんな風に…」フゥ

サシャ(あとで助け賃にパンを請求しますからねベルトルト)

78: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 21:45:30 ID:4fqpF3NQ

ベルトルト「女子って凄い…サシャが居なかったら危なかった…」

ベルトルト(ユミルもああいう話とかするのかなぁ…)

ユミル『ベルトルトって素敵だな。凄くいいと思うぞ』

ベルトルト「…」

ガンガンガンガン(頭を打ち付けている)

ユミル「お前なにやってんだ」

ベルトルト「!? いや、これは…別にそういうアレでは…」

ユミル「意味わかんねーよ。つーか訓練行かなくていいのか?」

ベルトルト「えっ、もうそんな時間?クリスタ達はゆっくりしてたけど」

ユミル「どうせ恋バナでもしてたんだろ?そのうちサシャが言い出すから」

ベルトルト「サシャ…凄く死んだ目をしてたね」

ユミル「何故か知らんがあいつはいつもあいつらの恋バナに巻き込まれるんだよ」

79: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 21:53:48 ID:4fqpF3NQ

ユミル「まあサシャは本気で嫌な時は断ってるから、気にするなって」

ベルトルト「そ、そうなんだ」

ユミル「それじゃあな。訓練、遅刻するなよ」

ベルトルト「あ、ちょ、ちょっと待ってユミル」

ユミル「うん?」

ベルトルト「その…気をつけて。あの三人、僕を狙っているとも限らないから」

ユミル「何だそんなことか。判ってるよ」

ベルトルト「でも君は今一人じゃないか。危ないよ」

ユミル「私の対人格闘がどんなものか判るだろ?」

ベルトルト「駄目だよ。ユミルは…その、女の子じゃないか」

ユミル「は?」

ベルトルト「ユミルは強いけど、男三人相手だと何があるかわからないだろ」

ベルトルト「だから訓練場まで僕が付いて行くよ」

80: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 21:59:58 ID:4fqpF3NQ

ユミル「…私が女に見えるか、ベルトルさんには」

ベルトルト「え!お、男じゃ…なかった筈だよね?どう見ても女の子だけど」

ユミル「…」ゲシッ

ベルトルト「ヴンッ!?」

ユミル「お前は本当に、本当にアレだ、色々と自重しろ」ゲシゲシッ

ベルトルト「痛い!なんで蹴るの!?痛いってば!」

ユミル「うるせえ唐変木!ケツが10倍くらい腫れちまえ!」

ベルトルト「なんなの一体…っ」

クリスタ「ねえサシャ!あれ!サシャあれ!」キラキラキラキラ

サシャ「はいはい、訓練に遅れますよクリスタ」

クリスタ「これは夜に問い詰めなきゃだよね!ふあああ///」

サシャ「ソーデスネー」

81: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 22:11:27 ID:4fqpF3NQ

~訓練場~

キュイイイイイインキリキリキリ

ジャン「よおおおっし!俺が一番乗りだ!」ザシュッ

コニー「あーくっそ!ジャンのやつ、最近調子いいなー」

ベルトルト「はあ…」スパスパ

ジャン「ベルトルトは体調でも悪いのか?」

コニー「落ち込みながらも人形のうなじはしっかり切ってるのが不気味だな…」

ジャン「おいベルトルト!今回の訓練は班単位で評価つくんだから真面目にやれ!」

コニー「そーだそーだ!ライナー達の班が今のところトップなんだぞ!」

ベルトルト「ライナー達の班が…」

ユミル『ベルトルさんの班が一番なんだって?やるじゃないか』

ベルトルト「…!」ザシュザシュザシュザシュ

コニー「うおすげえ。ミカサみてえ…」

ジャン「何アレ凄い怖い」

82: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 22:14:40 ID:4fqpF3NQ

ライナー班のはずのコニーが同じ班にしちまった。すまん適当に頭の中で補完してくれ

83: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 22:27:37 ID:4fqpF3NQ

ベルトルト「…」フー

ジャン「あー終わった…つかまだベルトルトは落ち込んでるのかよ」

コニー「あの後、凄い勢いで点数稼いでいたのに何が気に喰わないんだ?」

ジャン「ベルトルトの考えることはよく判らん…お、教官が来るぞ。整列だ」

バッ(整列)

キース「諸君、訓練ご苦労!」

キース「今回は普段の訓練と違いチームプレイが要求された」

キース「各々努力していたが、その中でも特に成績の良い上位3班を発表する!」

キース「まずは3位、イェーガー班!点数は高いが、イェーガー訓練兵の個人行動が目立った!」

アルミン「…だから言ったじゃないか。個人訓練とは違うって」

エレン「う、うるさいな」

キース「次に2位!ブラウン班、申し分の無いチームプレイだ!」

マルコ「特にアニとライナーが頑張ってたよね。二人とも息ぴったりだったよ」

アニ「…ふん」

84: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 22:33:28 ID:4fqpF3NQ

キース「最後に一位!…キルシュタイン班!」

ベルトルト「!?」

ジャン「よおっしゃああああああああ!!!」

コニー「マジか!」

キース「途中までフーバー訓練兵の調子が悪かったようだが、後半に追い上げたな!」

キース「以上を持って上位3班の発表とする!」

ベルトルト「僕達の班が1位…」

ジャン「なにしけた顔してんだよベルトルト!へへ、これで憲兵団への道にまた一歩近づいたぜ」

コニー「もっと嬉しそうな顔をしろって。ほら、親友のライナーも喜んでるぞ」

ベルトルト「…」チラッ

ライナー「…ユミル、ベルトルトに手を振ってやったらどうだ?」

ユミル「あ?なんでだよ」

ライナー「いいから。ついでに笑いかけてやれ」

85: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 22:40:51 ID:4fqpF3NQ

ユミル「…ニヤアッ」フリフリ(手を振る)

ライナー(それじゃ笑いかけるというより暗黒微笑だろうが…!)

ベルトルト「!」カアアッ

ライナー(そしてお前はそれでいいのかベルトルト…)

ジャン「何いきなり顔を赤くして…あっ(察し)」

コニー「おい大丈夫かベルトルト。マジで体調悪いんじゃねえn…むぐっ」

ジャン「奴にも春がきたんだ。邪魔してやるなって」ヒソヒソ

コニー「むぐぐー!」

ベルトルト「…これは…うーん…なんなんだろうなぁ…」モヤモヤ

ジャン(俺はその感情の名前を知ってるぜベルトルト…!)チラッ

ミカサ「エレン、顔に泥が付いている」

エレン「自分で取れるから!わざわざ拭かなくていいっての!」

ジャン「畜生が!!」

86: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 22:48:15 ID:4fqpF3NQ

アーオワッタオワッター
カラスガナクカラカエロウゼ

ライナー「ベルトルト…」

ベルトルト「」ビクッ

ライナー「…故郷に連れて行きたい女ができたら相談しろよ。その、何とかする」

ベルトルト「ななな何の話かなライナー!」

ライナー「俺らは戦士だが、年頃だから気持ちはわかる」

ベルトルト「言っている意味がわからないな!」

ライナー「だってお前、ユミルのことをずっと見てただろ?さすがに判る」

ライナー「自覚していないようだから言わないでおくつもりだったが…重症のようなんでな」

ベルトルト「…そんなに見てた?」

ライナー「さすがに本人も気づいてたぞ。その…何で見てんだろうなって」

ライナー(本当は何で見てるんだ気持ちわりい、くらい言っていたけどな)

87: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 22:54:08 ID:4fqpF3NQ

ベルトルト「ユミルにまで…恥ずかしい、僕は埋まりたい…」

ライナー「直球で聞くが、ユミルの事が好きなのか?」

ベルトルト「…よく判らないけど、ユミルと居るのは嫌じゃないよ」

ライナー「そうかつまり楽しいってことだな」

ベルトルト「翻訳するのやめてよライナー…でも、彼女を見てると落ち着かない時がある」

ベルトルト「でも彼女の方はきっと僕に興味ないよ」

ベルトルト「今、僕と関わってくれるのもこの悪ふざけがあるおかげなんだ」

ライナー「俺はそうは思わんがなぁ…」

ベルトルト「それに…僕らがこれからやることを彼女が知ったら、きっと軽蔑する」

ベルトルト「ああ見えてさ、結構正義感とかあるみたいだから」

ライナー「…」

ベルトルト「だから僕は誰も好きになったりしない。故郷に戻れればそれでいいさ…」

88: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 23:01:25 ID:4fqpF3NQ

ライナー「…お前がそれで納得してるならこの話はここまでにする」

ライナー「だが、こんな俺らでも人くらい好きになってもいい…俺はそう思うぞ」

ベルトルト「…」

ライナー「最終的にどうするかはお前の勝手だがな。さあ訓練所に戻るぞ」

ベルトルト「…うん」

ベルトルト(いっそユミルも僕達と同じだったら良かったのにな…)

ベルトルト(…やっぱり、人と関わるべきじゃなかったんだ)

ベルトルト(特別な感情を持っている誰かを裏切るなんて…僕には荷が重すぎるよ…)

89: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 23:10:34 ID:4fqpF3NQ

~夕食~

クリスタ「…あれ、あれー…?」キョロキョロ

ライナー「(結婚しよ)どうしたクリスタ」

クリスタ「あ、えっと…サシャとユミルがいないの。一緒に食べる約束してたのに」

ライナー「サシャとユミルが?ユミルはとにかく、サシャが居ないのは珍しいな」

クリスタ「でしょう?特にサシャはベルトルトからパン貰うって言ってたのに」

ライナー(…まさか)

ライナー「おいベルトルト!こっちに来い!」

ベルトルト「なにライナー…いきなり大きな声を出して…」

ライナー「ユミルとサシャがいない」

ベルトルト「え…?」

ライナー「探すぞ。サシャが夕飯時に居ないなんてあり得ない…二人に何かあったのかもしれん」

ベルトルト「…!!!」

90: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 23:15:13 ID:4fqpF3NQ

ガシッボカッ

ユミル「はっ、他愛ねーなおい?」

サシャ「狩猟民族を舐められては困りますねー」

サシャ「でも一人だとさすがに危なかったです。ユミル、ありがとうございます!」

ユミル「明日の掃除当番頼んだぞ」

サシャ「うへえ…まあいいですけどぉ…」

「ううう…いてえ…」
「ユミル、何でお前まで来るんだよ…」
「サシャだけなら何とかなったのに…」

サシャ「悪が栄えることがないんですよ!ざまあみろで…!?」ガッ

ドサッ

ユミル「!? サシャ…ぐっ!」ガンッ

「そうでもないぜサシャ。悪は栄えるもんだ」

ユミル「…てめえ」ダラダラ

91: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 23:20:31 ID:4fqpF3NQ

「4人目がいるって知らなかっただろ?油断大敵ってやつだ」

ユミル「くそ…」

「おいサシャの服を脱がせ。めちゃくちゃに犯しとけよ」
「人使い荒いな…くそっ、まだ身体がいてえ」

ユミル「おい…あぐっ」グイッ

「ユミル、お前は大人しくしとけよ。安心しろ、犯すのはサシャだけだ」
「つーか男みたいなお前じゃ勃たねえしwww」

ユミル「糞野郎…!」

「ベルトルトの奴は最近強くなってきたからな。ターゲットを変えることにしたんだ」
「まさか聞き耳をたてていた自分が狙われたとはサシャも思ってなかっただろ」
「なあユミル、俺の順位がいくつか知ってるか?」

ユミル「お前は…11位だったな」

「そうだ。だから一人いなくなれば十分なんだ」
「ベルトルトが一番狙い易かったけど…誰だっていいんだよ、俺は」

92: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 23:25:14 ID:4fqpF3NQ

ユミル「こんな下衆が11位とは、教官もお嘆きだろうよ…!」

ドガッ

ユミル「う、げぼっ」ビシャビシャ

「うわきたねえ!吐きやがったこいつ!」
「もっと傷めつけとけよ。真っ最中に邪魔されたら萎えるからな」

ユミル「サシャに触んな…!…!」メキッ

「やべ、折っちまった…」
「なあ、いくらなんでも折るのはやばくないか?」

ユミル「サシャ…」

ユミル(駄目だ、なんか気が遠くなってきやがった)

ユミル(私の第二の人生、こんななのか?)

ユミル(あーくそ…あの野郎、汚いもんをおっ勃ててんじゃねえよ…)

ユミル(サシャも早く起きやがれ…そんなもん、食いちぎれ……・!)

93: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 23:29:55 ID:4fqpF3NQ

ガラッ

ライナー「…!これは…お前ら、何をしてやがる!」

「!!ライナー」
「くそ、これじゃ分が悪い…逃げるぞ!」

ベルトルト「駄目だよ」ガシッ

「ベルトルト、てめえ…!」

ベルトルト「なんだ、僕の名前…ちゃんと言えるじゃないか…」

ベルトルト「だけどもう駄目だよ。僕は今、凄く怒っているんだ」

ベルトルト「君たちはやり過ぎたんだ…僕だけなら、僕はそのまま見逃したのに…」

ベルトルト「サシャを、ユミルをあんなにして、駄目じゃないか」

ベルトルト「ユミルは女の子なんだよ…それをあんなにボロボロにして…」

ベルトルト「女の子にあんなことをしたら…駄目だろ…?」

「…」ゾクッ

94: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 23:36:49 ID:4fqpF3NQ

ライナー「…ベルトルト、お前は怒るのが苦手なんだろう?」

ベルトルト「そう…だからライナー。お願い。『僕が怒り過ぎないように』してね」

ベルトルト「僕は怒るのが苦手なんだ…だから一度怒ると限度ってものが無い…」

ベルトルト「でも大丈夫、ライナーがいるからきっと死んだりはしないよ」

ベルトルト「だから安心して『僕に怒られて』ね…それじゃ、始めようか」

「ひ…」

ウワアアアアアアア…

95: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 23:43:06 ID:4fqpF3NQ

~三日後~

監視兵「ブラウン訓練兵、フーバー訓練兵。キース教官がお呼びだ、出ろ」

ライナー「キース教官…三日ぶりですね」

ベルトルト「…」ペコリ

キース「たった三日でやつれたような顔だな。だがそれも今日で終わりだ。営倉から出ていいぞ」

ライナー「え、もういいんですか?」

キース「…フーバー訓練兵はまだ入らなければらないが、お前はもう出てもいい」

キース「さすがに4人の訓練兵を兵士として使い物に出来なくしたんだ」

キース「理由が理由だけに私個人としてはすぐに出してやりたいが…理解して欲しい」

ベルトルト「いえ、当然のことだと思います」

ライナー「…すまんベルトルト。俺がもっとちゃんと止められれば良かったんだ」

ベルトルト「ライナーのせいでもないよ。やったことの責任は取るのは当然だ」

ベルトルト「それより…あの、ユミルとサシャは?」

96: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 23:48:35 ID:4fqpF3NQ

キース「ブラウス訓練兵は元より軽傷だったが、乱暴にされかけたことがショックのようでな」

キース「だか周りの友人知人に恵まれたおかげか、今は乗り越えたようだ」

キース「昨日から訓練には復帰している」

ライナー「そうですか…それは良かった」

ベルトルト「うん…本当に良かった。えっと、ユミルの方はどうですか?」

キース「…実は…」

ベルトルト「えっ、まさか、まだ目を覚まして居ないんですか…!?」

キース「…ふっ」

ベルトルト「きょ、教官?」

ユミル「よう」

ベルトルト「…!ゆ、ユミル!も、もう大丈夫なの!?」

ユミル「脚が折れているんでこの通りだがな。だが幸い、綺麗に折れたお陰で開拓地送りは免れた」

ユミル「キース教官が計らいもあるけどな。…ですよねぇ?」

97: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/18(土) 23:55:16 ID:4fqpF3NQ

キース「…ごほん」

ライナー(教官…顔は無表情だが、頭が赤くなっている…)

ユミル(タコ頭ワロス)

キース「彼女は兵士として優秀だからな。医師からも復帰可能とのお墨付きだ」

ユミル「まあ、何にせよ教官殿には感謝していますよ」

キース「ふん…。さて、ブラウン訓練兵…営倉が名残惜しいだろうが、手続きがある」

キース「フーバー訓練兵はそのまま引き続き営倉にとどまり、反省するように」

ベルトルト「はい」

ライナー「悪いベルトルト…俺は先に出る。時々は面会に来るからな」

ベルトルト「ありがとうライナー…」

ギイッ

ライナー「…ユミル、ベルトルトと少し話をしてやってくれ」

ライナー「お前達を助けるためにやったんだ。それくらいいだろう?」

ユミル「…ああ」

99: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/19(日) 00:00:43 ID:RI3/akY.

ユミル「あのさ」 ベルトルト「あの」

ユミル「…」

ベルトルト「…えっと」

監視兵「…」ジー

キース「…」

キース「おいお前。私一人ではブラウン訓練兵が暴れた時に心もとない」

キース「手伝ってくれないか」

監視兵「…はっ!」

ベルトルト「…」

ユミル「…」

100: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/19(日) 00:06:57 ID:RI3/akY.

ユミル「…私は気絶してたんで見てなかったが、凄かったらしいな」

ユミル「千切っては投げてたんだって?」

ベルトルト「そ、そこまでは…してたかもしれないけど。夢中だったんだ」

ベルトルト「サシャに乗っかってる奴らと…ボロボロのユミルをみたら…頭が真っ白になって」

ベルトルト「その後のことは、ライナーが一番良く知ってると思うよ」

ユミル「そうか。…サシャが無事でよかったな」

ベルトルト「え、うん?で、でもユミルのことだって…」

ユミル「サシャは馬鹿でも容姿はいいからな。だから余計に狙われちまったんだ」

ユミル「まさか4人目が居たなんて、甘く見てたよ」

ベルトルト「そうだね…」

ユミル「まあ私のほうはこんなだが、リンチされるのは慣れたもんだ」

101: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/19(日) 00:13:55 ID:RI3/akY.

ユミル「むしろあんな性的対象にされなかっただけ運が良かったと…」

ベルトルト「…それ、本気で言ってるの?」

ユミル「あ?」

ベルトルト「僕が怒ったのは、サシャのこともそうだけど…ボロボロになった君を見たからだよ」

ベルトルト「顔を腫らして、身体に靴跡がつくまで蹴られていた君を見て僕は我を忘れそうになった」

ベルトルト「万が一、ユミルがサシャみたいなことまでされていたら…」

ベルトルト「僕はきっと、ライナーに止められても止まらなくて、あいつらを殺したかもしれない」

ユミル「…なんか熱烈な告白みたいだな。冗談キツイぞ…」

ベルトルト「これって告白なのかな…」

ユミル「ああ。普通だったらイチコロだろうよ」

ベルトルト「君はそうじゃないの?」

ユミル「ああ?おいベルトルさん、冗談が過ぎるぞ」

ベルトルト「冗談を言ったつもりは…ないけど…そう思うならいい」プイッ

102: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/19(日) 00:19:54 ID:RI3/akY.

ユミル(いやまさか…嘘だろ?こいつまさかそうなのか?)

ユミル「なあベルトルさん、単刀直入に聞くが…お前、私をそういう対象として見てるのか?」

ベルトルト「そ、そういう対象って?」

ユミル「私で勃つのかってことだよ」

ベルトルト「!!!???!?!?!?!」カアアアアアッ

ユミル(判りやすいくらいに顔を赤くしやがったな…あーマジか…)

ベルトルト「たっ、た、勃つとか、女の子がそんなこと、言っちゃ駄目だよ!」

ユミル「いいから答えろってんだよ」

ベルトルト「わ、わか、わからないよそんなの!」

ユミル「大事なことだよベルトルさん。ほら、これでどうだ?興奮するか?」グイッ ムニ

ベルトルト「!!!!!!!!!!(おっぱいが!)」グワシッ

ユミル「いってえ…!おい、誰が鷲掴みにしろっつった!」

103: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/19(日) 00:25:15 ID:RI3/akY.

ベルトルト「ごめんなさい!ごめんなさい!」ガタガタ

ユミル「もういい。よく判った。ほんっと変わり者だよなお前」

ベルトルト「う、うん…?」

ユミル「…言っておくが私は処女だぞ。ビッチだと思ってる馬鹿が居るようだがな」

ベルトルト「え、あの、なんでその情報を…?」

ユミル「わっかんねえかな!とにかく、私からってのはごめんだぞ!」

ベルトルト「ごめん!言っていることが判らない!」

ユミル「お前から言え!そうしたら頷いてやる!」

ベルトルト「そ、それって…あの、そういうことなの?」

ユミル「私からは言わないと言っただろ。気が変わらないうちに言え」

ベルトルト「ぼ、僕は…」

104: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/19(日) 00:31:47 ID:RI3/akY.

ベルトルト「…言う、けど、返事は先にしてくれないかな」

ユミル「は?なんでだよ」

ベルトルト「僕はこの先、君たちに凄く軽蔑されるような選択をする」

ベルトルト「だからもし…もし君がそれを知った時、それでも頷いてくれるなら…」

ベルトルト「僕は君と一緒に、故郷に行きたいと、そう思う」

ユミル「…すぐに返事をすると言ったら?」

ベルトルト「悪いけど、聞かなかったことにするよ」

ユミル「っはー…なんか意志が硬そうだな。わかったよ、それでいい」

ベルトルト「ありがとう」

ユミル「それじゃ、前払いを早くしてくれよ」

ベルトルト「…うん。僕は多分…いや、君が助けてくれると言った時から気になってた」

ベルトルト「今はハッキリと言える。好きだよユミル」

105: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/19(日) 00:37:21 ID:RI3/akY.

ユミル「…」

ベルトルト「ユミル…顔が赤いね…」

ユミル「うるせえ…お前の方がよっぽどだろ…」

ベルトルト「うん、そうだね」ニコッ

ユミル「…イラッ」ゲシッ

ベルトルト「い、痛い!?檻の隙間から蹴るのやめてよ!!」

ユミル「うるさい。お前はホント、ホントな」ゲシゲシッ

ベルトルト「怪我してるのにそんなに動いちゃ駄目だって!せめて治ってから…」

ユミル「…!」ゲシゲシゲシドカドカドカ

ベルトルト「スタンピング!?ちょ、だ、誰か止めて!!!」

キース「何の騒ぎだ…なにこれぇ」

監視兵「何のプレイだよ」

106: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/19(日) 00:42:01 ID:RI3/akY.

ヤメテーヤメテエエエエエ
ウルセーバカ!オマエモワタシトオナジニナッチマエ!!!







~???日後、巨大樹の森~

ライナー「二人共、まだ目が覚めないな」

ベルトルト「そうだね」

ライナー「…それにしてもベルトルト、良かったのか?ユミルも連れてきて」

ベルトルト「…」

ライナー「あの時の姿を見ただろ。あれは…俺達の…」

ベルトルト「ライナー、いいんだ」

ベルトルト「まだ整理はついてないけど…今ここにユミルが居るのが答えだと思う」

ライナー「…そうか」

107: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/19(日) 00:46:20 ID:RI3/akY.

ベルトルト(…ユミル、君は目が覚めたら僕達が何者かを知る)

ベルトルト(あの時の答え…君はどう答えるかな)

ライナー「…おい、ユミルのほうが動いたぞ。もうすぐ起きそうだ」

ベルトルト「!」

ライナー「どうする?ユミルと話すか?」

ベルトルト「いや…いい。時間はあるんだ。それに、今はエレンもいるから」

ライナー「エレンか…あいつをどう説得したものかな」

ベルトルト「例え色よい返事がもらえなくても、連れて帰るしか無い」

ベルトルト「…ユミルも、そうだ」

ライナー「お前、まさかそのつもりで連れてきたのか?」

ベルトルト「違うよ。ユミルのことは、本当に無我夢中だったんだ」

ベルトルト「あの時みたいにね」

109: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/19(日) 00:51:25 ID:RI3/akY.

ベルトルト(特別な感情を持つ誰かを裏切るのはあまりにも辛い)

ベルトルト(そして、特別な感情を持つ誰かを手放すのはそれ以上に辛い)

ベルトルト(…やっぱり、人を好きになるべきではなかったんだ)

ベルトルト(僕はきっと、どんな返事でも、どうすることも出来なくなった)

ユミル「う…ん」

ライナー「ベルトルト…ユミルが起きたぞ」

ベルトルト「うん、判ってる」

ユミル「…ここは、どこだ?」

ベルトルト「おはようユミル、ここは…巨大樹の森の木の上だよ」

ユミル「ベルトルト?…ライナー…そしてエレン。こりゃどういうことだ」

ユミル「ウドガルド城の後、一体何があったんだよ…」

110: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/19(日) 01:00:45 ID:RI3/akY.

ベルトルト「それはこれから、エレンが起きてからちゃんと話すよ」

ユミル「なんだよそれ…」

ベルトルト「全部話すから…そうしたら、あの時の返事も聞かせてくれよ」

ユミル「なあ、ベルトルさん」

ベルトルト「君のその呼び方、好きだったよ。あの頃の僕にとって救いだった」

ユミル「なあ、おい、なあ」

ベルトルト「救われて、一緒にいるうちに、いつの間にか手放せなくなった」

ベルトルト「だからちゃんと、答えてねユミル。『頷いてくれるのを』僕はずっと、待ってるから」

ユミル「ベルトルさん」

エレン「」ググッ

ライナー「おう、エレン」

ライナー「起きたか」

終わり

112: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/19(日) 01:20:47 ID:RI3/akY.

おまけ

ユミル「馬鹿野郎!頷くまで待つだ?ぬるいこと言うんじゃねーよ!」

ベルトルト「!?」

ユミル「男だったら一言、俺についてこいくらい言ってみろ!」

ベルトルト「ふええ…」

ライナー「ベルトルト、どうやらここが正念場のようだぞ」

ベルトルト「ライナー!言うのか、ここで!」

ライナー「ああ!勝負はここで決めろ!」

ユミル「あくしろよ」

ベルトルト「ぼぼぼぼぼ僕についてこいユミル!」

ユミル「もっと熱く!情熱が足りねえんだよ!」

113: 以下、名無しが深夜にお送りします 2013/05/19(日) 01:24:26 ID:RI3/akY.

ベルトルト「ユミル!僕に付いてきて下さい!」

ユミル「駄目だ駄目だ!修造だって冬にしじみとって頑張ってるんだぞ!」

ベルトルト「僕と結婚して!!」

ユミル「パンチが足りない!!!!」

ベルトルト「僕の子供を産んで下さい!!!」

ユミル「気が早い!!!!」

ライナー「ベルトルト…頑張れ…頑張れ…!!」ググッ

ギャーギャー

エレン(…なんかうるせえな)

終わり

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『進撃!巨人中学校』とは中川沙樹が描く、諫山創の『進撃の巨人』の公式学園パロディ漫画。2015年にProduction I.G製作でアニメ化。前半をアニメパート、後半を出演声優たちによるバラエティ番組の実写パートとして30分枠で放送。中学生になったエレン・イェーガーは進撃中学校へ入学する。学校には巨人も在籍しており、エレンは巨人に恨みを持っており巨人を駆逐しようと非公式部活「調査団」へ入部した。

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ミカサ・アッカーマンとは諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。本作のヒロイン的ポジションで、幼い時にエレンに助けられた経験から、彼を守ることを自分の使命だと考えている。驚異的な身体能力を持ち、トップの成績で訓練兵団を卒業。実戦でも1人で複数の巨人を討伐する実績を残す。性格は寡黙で口下手だが、エレンのこととなると取り乱す一面もある。物語後半において、母方の祖先が東洋にあるヒィズル国将軍家だったことが明らかになった。

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フリーダ・レイスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、レイス家の長女。黒髪で青い瞳を持つ。レイス家当主のロッド・レイスとその正妻の第1子として生まれた。表向きは地方の貴族として振る舞っているが、実際は壁内の真の王家の末裔。レイス家に代々引き継がれている特別な巨人能力を叔父のウーリ・レイスから引き継ぎ、宿している。本人の飾らない性格は多くの者から慕われており、妾の子である異母妹ヒストリアにも姉として優しく接していた。

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