【進撃の巨人】エレン「駆逐系男子?」【厳選名作SS】
進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。女子たちが「今の流行りは駆逐系男子」と言っているのを聞いたジャンは「駆逐系男子」とは何なのか突きとめるためエレンに尋ねてみますが…。
エレン「駆逐系男子?」
1:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 20:07:35 ID:ZUlMw3mg
エレン「なんだそりゃ。初めて聞いたz」
ジャン「頼む!そう言わずに教えてくれ!」ガバッ
エレン「!? お、おい、頭上げろよ!俺、本当に知らないんだって!」
ジャン「嘘つけ!お前いつも駆逐駆逐言ってるじゃねぇか!」
エレン「!? た、確かに……。……いや、やっぱ知らねえよ!いい加減にしろこの馬面!!」
アルミン「ふ、二人とも落ち着いてよ!」
3:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 20:13:20 ID:ZUlMw3mg
アルミン「そもそもエレン、駆逐系男子って言葉の意味分かる?」
エレン「…………。ば、馬鹿にすんなよ!俺だって駆逐って意味くらいは知ってるぞ!」
アルミン(ようするに、それに続く”系男子”は理解できなかったのか)
アルミン「けど、ジャン。どうして急にそんなこと言いだしたの?」
ジャン「ああ、それはな……」
4:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 20:21:00 ID:ZUlMw3mg
ジャン 回想
クリスタ「今の流行りは、やっぱり駆逐系男子だよね!」
サシャ「はい!あの雰囲気がまた堪りませんよね!」
アニ「…………」コクン
ジャン(ったく、最近の女子は流行りモンにホイホイ釣られやがって)
ミカサ「駆逐系男子……。……甘美な響き」ウットリ
ジャン「!?」
ジャン「…………」
6:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 20:27:38 ID:ZUlMw3mg
――――
ジャン「という訳なんだ」
アルミン「うん、端的に言うとモテたいんだね。ミカサに」
ジャン「ばっ、お前、言い方ってものがあるだろ!」
アルミン「言い方を変えようが事実は変わらないよ……」
ジャン「……まぁいい。で、駆逐系男子を目指そうと決めたのは良いものの……」
アルミン「よく意味が分からないから、取り敢えず常日頃から駆逐駆逐うるさいエレンに聞いてみたと」
ジャン「ああ、そういう事だ」
7:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 20:37:08 ID:ZUlMw3mg
エレン「いやびっくりした。最初はてっきり俺をからかってるのかと思ったぜ」
ジャン「男が冗談で頭下げる訳ないだろ!俺は真剣なんだ!!」
エレン「……。……そうだよな。疑って悪かった」
アルミン(……あのジャンがエレンに頭を下げるくらいに、ミカサの事を真剣に想っている……)
アルミン(……それなのに、言える訳無い、言える訳が無いよ……)
アルミン(駆逐系男子という言葉は、単にエレンの事をさす代名詞だなんて!!)
8:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 20:45:06 ID:ZUlMw3mg
アルミン(そのことをダイレクトにジャンに伝えてみろ、ショックなんて言葉じゃ済まないぞ)
アルミン(……自分で駆逐系男子の意味に気付くのが一番ダメージが少ないかな……)
アルミン(なるべくやんわりと……、それでいてはっきりと……)
アルミン(……、そうだ!)
アルミン「ねぇジャン。その言葉、女の子たちが噂してるのを聞いて知ったんだよね?」
ジャン「お?おう。夕飯の時に席が近かったからな」
アルミン「じゃあ、女の子たちに聞くのが一番手っ取り早いじゃないか!」
ジャン「!!
」
9:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 20:52:36 ID:ZUlMw3mg
ジャン「それもそうだな!いや、何で気付かなかったのか不思議なくらいだ!」
アルミン(全くだよ)
エレン「……、ジャン。俺には話がよく見えねえけど、お前が本気なんだって事だけは分かったぜ」
ジャン「……エレン」
エレン「その本気さがあれば何だってできるだろ!頑張れよ!」
ジャン「お、お前……、……いや、感動している場合じゃねぇ!」
ジャン「待ってろよエレン!もうすぐお前の幼馴染の晴れ姿、見せてやるからな!!」
エレン「お?……おう!待ってるぜ!!」
アルミン(絶対話よく分かってないな)
12:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 20:59:34 ID:ZUlMw3mg
数分後
ジャン(……さて、誰から話を聞いたもんかな……)
ジャン(……?あそこにいるのは……、サシャか?)
ジャン「おーいサシャー!」
サシャ「? ジャンじゃないですか!どうしたんですか?」
ジャン「あー、いや、その。カクカクシカジカ」
サシャ「成程、駆逐系男子についてですか……」
13:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 21:04:51 ID:ZUlMw3mg
サシャ「うーん、駆逐系男子の特徴を全部上げてくとキリがないですし……」
ジャン「大雑把で良いんだ!頼む!」
サシャ「うーん……、明日の朝食のパンが一個増えればアイデアもパァンと浮かぶんですけどねぇ……」
ジャン「しょうがねぇな、やるよ、明日のパン」
サシャ「本当ですか!?わぁい!」
14:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 21:13:34 ID:ZUlMw3mg
サシャ「取り敢えず、一番に挙げられる特徴は『熱い』という事ですね!」
ジャン「ふむふむ」
サシャ「それでいて、『まっすぐ』!目線は常に一直線、目的に向かってひた走る姿も素敵なんです!」
ジャン「なるほど」
サシャ「と、私が言えるのはこれくらいですねー」
ジャン「『熱く』『まっすぐ』……。ありがとな、参考になった!」
サシャ「いえいえ、お安いご用です!それより約束のブツは……」
ジャン「ああ、明日の朝な」
サシャ「きゃっふぅ!!じゃ、お休みなさーい!!」ダッ
ジャン「おー、また明日なー」
15:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 21:18:32 ID:ZUlMw3mg
ジャン(さて、情報を得たはいいが、これだけじゃまだ足りねぇ)
ジャン(他に誰かいないのか?つっても、こんな時間だしなぁ……)
ジャン(また日を改めるか……、ん?)
アニ「…………ッ!!」ボスッ! ボスッ!
ジャン(アニだ。あいつ、こんな時間まで特訓してたのか)
ジャン「おーい、アニ!」
16:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 21:22:39 ID:ZUlMw3mg
アニ「……ジャン。何?」
ジャン「カクカクシカジカ」
アニ「成程。駆逐系男子、か……」
ジャン「知ってる事なら何でもいいんだ。何か無いか?」
アニ「…………」
アニ「私が言えるのは『鈍い』。これだけ」
ジャン「……、それだけ、か?」
アニ「そう。……それしか、知らないから」
18:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 21:32:54 ID:ZUlMw3mg
ジャン「……そうか。いや、参考になった。ありがとな」
アニ「……別に、礼を言われる程の事じゃない」
ジャン「……お前。もしかして、駆逐系男子の事、好きなのか?」
アニ「……!!」
ジャン「ほほう、成程。それであんな悲しそうな顔したんだな」
アニ「…………!!!」ブン!ブン!
ジャン「安心しろって!もうすぐ、その駆逐系男子が増えるからな!」
アニ「……!?」
ジャン「そしたら、余った方の駆逐系男子をもらえば良いじゃねえか!」
アニ「!?」
22:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 21:43:46 ID:ZUlMw3mg
アニ「……ねえ、ジャン。あんたが何を企んでるかは知らないけど、……応援してる」
ジャン「アニ……。……ありがとう。俺、お前の分まで頑張るからな!!」
アニ「うん。……頑張って。それが私にとっても都合がいいと第六感が囁いているから」
ジャン「おう。それじゃあ、また明日。訓練でな!」ダッ
アニ「……また明日」
アニ「…………」
アニ(あいつ、巨人化の次は分裂を……?)
23:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 21:50:53 ID:ZUlMw3mg
ジャン(さて。もう夜も遅いし、話を聞けるのはこの辺か……)
ジャン(……?何か水音が聞こえる)
ジャン(風呂の時間はとっくに過ぎてるし、誰かが勝手に水を汲んでいるのか?)
ジャン(井戸の近くに……、誰か居るな。暗くてよく分らんが……)
クリスタ「そこにいるのは、ジャン?」
ジャン「!?」
ジャン(驚いた……。が、好都合!)
ジャン「クリスタ! カクカクシカジカ」
クリスタ「うーん、駆逐系男子かぁ……」
24:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 22:07:34 ID:ZUlMw3mg
ジャン「何か知らないか?」
クリスタ「うーん、大雑把なところは大体言われちゃってるみたいだし……」
ジャン「……、そうか……」
クリスタ「役に立てなくてごめんね。……あ。じゃあ、多分私しか思ってないマニアックなところでよかったら……」
ジャン「全然構わない!教えてくれ!!」
クリスタ「えっとね、私がクラっときちゃうのが、『犬とも猫とも取れないあの雰囲気』!」
ジャン「? す、すまんクリスタ。よく分らん」
クリスタ「うーん、なんて言えば良いんだろう」
クリスタ「犬みたいに従順ってわけじゃないんだけど、猫みたいに飄々としてる訳でもないっていうか……」
クリスタ「けど、犬みたいに一途で、猫みたいに自由で、っていうか……」
ジャン「な、何となく理解した……。気がする……」
クリスタ「けど、どうしたの?急に」
ジャン「い、いや、何でもないんだ!はははは!あ、こんな時間だ!じゃあまた明日な!」ダッ
クリスタ「あ、ちょっと……!!」
26:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 22:12:29 ID:ZUlMw3mg
クリスタ「……行っちゃった。何だったんだろう?はっ、ま、まさか……!!」
クリスタ「……ううん、ダメよクリスタ!私にはエレンが――!!」
一方その頃
ジャン(『熱い』、『まっすぐ』、『鈍い』、そして『犬とも猫とも取れないあの雰囲気』……)
ジャン(最後のだけまだよく分らんが……)
ジャン(考えろ、ジャン・キルシュタイン!!)
ジャン(……………………)
ジャン(!!)
ジャン(ま、まさか……!!)
ジャン(……成程、そういう事か…………!!)
ジャン(ミカサ……!お前は…………!!)
27:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 22:27:22 ID:ZUlMw3mg
次の日 朝
エレン「おはよう。…………あれ。ジャンの奴、どこ行ったんだ?」
コニー「ああ、ジャンか。あいつ、昨日の夜から営倉行きらしいぜ」
エレン「は?昨日あんなに意気込んでたのに?何やったんだよあいつ」
コニー「いや俺、たまたま取り押さえられる所見たんだけどさあ、あいつ両手に松明を持って犬とも猫ともつかない呻き声を上げながら鈍い動きで女子寮に直進してるところを見つかって取り押さえられてたんだよ」
エレン「何だよそれwwwwww馬鹿じゃねえのwwwwwww」
コニー「だよなwwwwwww、もうwwwwwもう馬鹿としかwwwwwwwwwww」
アルミン(ジャン……。君の雄姿は忘れないよ……)
アルミン(というか忘れたくても脳裏にこびりついて取れないよ……)
31:以下、名無しが深夜にお送りします:2013/05/22(水) 22:31:23 ID:ZUlMw3mg
営倉
ジャン「どこだ……。どこで間違えた……」
ジャン「駆逐系男子って……、結局何なんだ……」
ジャン「…………」
ジャン「……ニャワワーン」ボソッ
完
関連リンク
進撃の巨人の厳選面白SSまとめ - RENOTE [リノート]
renote.net
『進撃の巨人』に関する名作SSを厳選してまとめています。シリアスな本編に辛くなったら、たまにはクスっと笑える面白いSSをお楽しみください。中にはキャラ崩壊・ネタバレしているものもあるかもしれないのでご注意ください。
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ダリス・ザックレーとは『進撃の巨人』の登場人物で憲兵団・駐屯兵団・調査兵団の3つの兵団を束ねる総統。特別兵法会議においてエレン・イェーガーの処遇を調査兵団に委ねた人物である。王政編では調査兵団団長のエルヴィン・スミスや駐屯兵団司令官のドット・ピクシスらと共にクーデターに加担する。実はエルヴィンが決起する以前から王政に根深い嫌悪感を抱いており、密かに体制転覆の機会をうかがっていた。王都制圧後は身柄を拘束した王政幹部達に喜々として拷問を行っている。
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アルミン・アルレルト(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
アルミン・アルレルトとは『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。金髪ボブカットの中性的な外見を持つ。大人しいが芯の強い勇敢な性格で探求心が強い。祖父の影響で人類はいずれ壁の外に出るべきだという思想を持っており、エレンが外の世界に憧れるようになったのもアルミンの影響である。小柄で身体能力は低いものの、知能や判断力はずば抜けており、エレンや調査兵団の窮地をその知略で度々救っている。
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進撃!巨人中学校(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『進撃!巨人中学校』とは中川沙樹が描く、諫山創の『進撃の巨人』の公式学園パロディ漫画。2015年にProduction I.G製作でアニメ化。前半をアニメパート、後半を出演声優たちによるバラエティ番組の実写パートとして30分枠で放送。中学生になったエレン・イェーガーは進撃中学校へ入学する。学校には巨人も在籍しており、エレンは巨人に恨みを持っており巨人を駆逐しようと非公式部活「調査団」へ入部した。
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ミカサ・アッカーマン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ミカサ・アッカーマンとは諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。本作のヒロイン的ポジションで、幼い時にエレンに助けられた経験から、彼を守ることを自分の使命だと考えている。驚異的な身体能力を持ち、トップの成績で訓練兵団を卒業。実戦でも1人で複数の巨人を討伐する実績を残す。性格は寡黙で口下手だが、エレンのこととなると取り乱す一面もある。物語後半において、母方の祖先が東洋にあるヒィズル国将軍家だったことが明らかになった。
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クリスタ・レンズ/ヒストリア・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
クリスタ・レンズ(ヒストリア・レイス)とは、諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物。第104期訓練兵団卒業生であり、主人公エレン・イェーガーは同期の1人。小柄で温厚、思いやりのある可愛らしいアイドル的な存在として登場する。同期のユミルと仲が良い。成績10位以内に入っているが、実際はユミルからその座を譲られただけで身体能力は人並みである。本名はヒストリア・レイスといい、壁内世界の真の王家の末裔であることが後に発覚する。
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フリーダ・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
フリーダ・レイスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、レイス家の長女。黒髪で青い瞳を持つ。レイス家当主のロッド・レイスとその正妻の第1子として生まれた。表向きは地方の貴族として振る舞っているが、実際は壁内の真の王家の末裔。レイス家に代々引き継がれている特別な巨人能力を叔父のウーリ・レイスから引き継ぎ、宿している。本人の飾らない性格は多くの者から慕われており、妾の子である異母妹ヒストリアにも姉として優しく接していた。
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イェレナ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
イェレナとは『進撃の巨人』の登場人物で反マーレ派義勇兵の中心人物。マーレに滅ぼされた国の出身で、「獣の巨人」継承者で王家の血を引くジーク・イェーガーの信奉者として活動し、パラディ島の近代化に大きく貢献した。ジークの提唱する「エルディア人安楽死計画」達成のためなら寝食を共にした仲間すら殺害する冷酷な性格の女性。しかし実際にはマーレの被害者というのは虚偽であり、「世界を救う英雄」に憧れているだけのごく一般的なマーレ人である。
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